【六大賢主】に会いに行こう
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【六大賢主】に会いに行こう
とある昼下がり。ルフレはエレナに相談事を持ち込まれていた。
「……魔法を使いたい?」
「はいっ!」
ルフレのオウム返しに、エレナは食い気味に即答する。
「今すぐに体を鍛えるのは難しいと思うので、まずは私でも使いこなせそうなものをと」
「うん、そうだね。でもどうして急に?」
これまでエレナから羨望の眼差しを向けられることはあれど、一度たりとも「魔法を使いたい」という申し出はなかった。
魔導を志したいという気持ちを否定するわけではないが、ルフレ自身は必要ないと考えていたのだ。何かあれば彼女直属の上司――ヴィルヘルムや自分達が護ることが出来る。それに。
(『監視』している身としては、彼女が力をつけることは推奨出来ないけど……)
宰相・マスターから直々に極秘任務を命じられているルフレはそう思案しながら、エレナの回答を待つ。
「その……」と視線を落としたエレナは、胸の内を開ける。
「自分の身は自分で護れるようになりたいのです。『この前の事件』の時、レイさんが仰っていました」
この前の事件――それを語ることはまだ出来ないが、いつか明かされるであろう出来事を想起しながらエレナは続けた。
「逃げるためにも力が必要なのだと。……そのための力を、私も最低限持っておきたいのです」
「……」
自分自身の分析をとても良く出来ている。ルフレはそう素直に感じた。
戦うための力と逃げるための力。後者のほうが習得しやすいと判断した上で打診したのなら――応えてあげたい。
「君の気持ちは分かった。そういうことなら、僕も出来る限り協力するよ」
「! ありがとうございます!」
「だけど……」
ただひとつ言うならば。
「君に魔法は使えないかもしれないね……」
「え」
顎に手を添え眉を八の字に曲げたルフレの視界には――エレナのステータス値が表示されている。
ルフレを『神軍師』と言わしめた所以である不思議な力だ。
(魔力値は初めて視た時と同じくゼロ……。体力と力もかなり低いし、剣はおろか弓も扱えなさそうだな)
ルフレの主力である魔導書は、魔力があることが『前提』。なければ使えない。
「魔法が使えないとなると……筋力を鍛えるとか……? 今からプロテイン飲み始めても間に合いますか?」
「ちょっと待ってね。今策を練るから……」
脳裏をよぎったムキムキマッチョの姿を彼方へ飛ばしつつ、ルフレは眉間に皺を寄せる。
「……! アレならいいかもな……」
「……『アレ』?」
「エレナは――《賢珠 》を知っているかい?」
とある昼下がり。ルフレはエレナに相談事を持ち込まれていた。
「……魔法を使いたい?」
「はいっ!」
ルフレのオウム返しに、エレナは食い気味に即答する。
「今すぐに体を鍛えるのは難しいと思うので、まずは私でも使いこなせそうなものをと」
「うん、そうだね。でもどうして急に?」
これまでエレナから羨望の眼差しを向けられることはあれど、一度たりとも「魔法を使いたい」という申し出はなかった。
魔導を志したいという気持ちを否定するわけではないが、ルフレ自身は必要ないと考えていたのだ。何かあれば彼女直属の上司――ヴィルヘルムや自分達が護ることが出来る。それに。
(『監視』している身としては、彼女が力をつけることは推奨出来ないけど……)
宰相・マスターから直々に極秘任務を命じられているルフレはそう思案しながら、エレナの回答を待つ。
「その……」と視線を落としたエレナは、胸の内を開ける。
「自分の身は自分で護れるようになりたいのです。『この前の事件』の時、レイさんが仰っていました」
この前の事件――それを語ることはまだ出来ないが、いつか明かされるであろう出来事を想起しながらエレナは続けた。
「逃げるためにも力が必要なのだと。……そのための力を、私も最低限持っておきたいのです」
「……」
自分自身の分析をとても良く出来ている。ルフレはそう素直に感じた。
戦うための力と逃げるための力。後者のほうが習得しやすいと判断した上で打診したのなら――応えてあげたい。
「君の気持ちは分かった。そういうことなら、僕も出来る限り協力するよ」
「! ありがとうございます!」
「だけど……」
ただひとつ言うならば。
「君に魔法は使えないかもしれないね……」
「え」
顎に手を添え眉を八の字に曲げたルフレの視界には――エレナのステータス値が表示されている。
ルフレを『神軍師』と言わしめた所以である不思議な力だ。
(魔力値は初めて視た時と同じくゼロ……。体力と力もかなり低いし、剣はおろか弓も扱えなさそうだな)
ルフレの主力である魔導書は、魔力があることが『前提』。なければ使えない。
「魔法が使えないとなると……筋力を鍛えるとか……? 今からプロテイン飲み始めても間に合いますか?」
「ちょっと待ってね。今策を練るから……」
脳裏をよぎったムキムキマッチョの姿を彼方へ飛ばしつつ、ルフレは眉間に皺を寄せる。
「……! アレならいいかもな……」
「……『アレ』?」
「エレナは――《