2:お仕事開始
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「ひげのおっさん」
「マリオだ」
「なんかあった?」
エレナ達と別れ、一足先に『アルス城』へと帰った四人。
『ポータルルーム』を出た先で、マリオはそうリンクに尋ねられる。
「さっきちょっと変だったろ。気になることでもあんの?」
ピーチとカービィも静かに耳を傾ける中、マリオはいつになく真剣な面持ちで口を開く。
「……ヴィルが部下を取ったことだ。さっきまでは嬉しかったんだが……よくよく考えたら変だよな」
「変って?」
マリオは口籠るが、皆の視線を受けて続ける。
「もしもエレナがマネージャーとしての仕事を覚えたら……ヴィルは必要なくなるじゃないか」
一人でも出来た仕事を、わざわざ二人で分担する必要はない――マリオが知るヴィルヘルムなら、きっとそう考える。
「じゃあヴィルは……やめちゃうの……?」
「……」
「マネージャーやめたら、ヴィルはどうするつもりなの?」
「……」
「マリオってば」
不安げにこちらを見上げるカービィに、マリオは何も答えなかった。
同時刻――『アルス城』の一角に位置する宰相専用の執務室。
相応の広さを持つ落ち着いた趣のある室内に、ノック音が響く。
「マスター、入るよ。……って、いない」
両開きの扉を開き入室したのは、白雪を彷彿とさせる髪にブラウンの瞳。そして特徴のあるローブを身に纏う男――イーリスの神軍師、ルフレ。
正面に位置する執務机に資料の束はあれど、主の姿はない。ルフレは扉を閉めると、徐に机へと歩み寄る。
「――失礼する」
「うわぁ⁉︎」
扉が勢いよく開かれたのはその直後。盛大に肩を跳ね上がらせたルフレが振り返ると、甲冑を身につけた一頭身の騎士――メタナイトが翼をマントに戻し、赤
「ふむ、マスター殿はまだか。……軍師殿。とても驚いているようだが、どうした?」
「え、今……扉を蹴破っていませんでした?」
「蹴破ってなどいない。君の見間違いでは?」
「いやいやいや」
そこで再び扉が開かれ、部屋の主であるマスターが入室。
「急に呼び立ててすまないね」
周囲に人影がいないことを確認してから扉を閉め――ルフレとメタナイトの隣をすり抜け、椅子に腰掛ける。
「マスター殿。我らに話とは?」
両者がここへ集まったのは、ひとえに『大事な話がある』とマスターに呼ばれたからである。
メタナイト、そしてルフレも。何一つとして事情を聞かされていない。話の内容はおろか、召集をかけられたメンバーに心当たりすらない。
緊迫した空気が執務室を包む中、マスターは眩い陽光を背に、瞑目。
「これから話す内容は……君達の身内はもちろん、ヴィルにも話してはならない」
表情に落とされた影に、白き瞳が光る。
「ヴィルが新しく迎えた部下――『エレナ』の補佐につき、秘密裏に彼女の動きを監視・報告をしてほしい」
「……どうしてだい?」
聞き返したルフレに、マスターは目を細めて。
「『この世界』が、根本から覆されようとしている。……その原因を突き止めるため」