SSまとめ
──『闇黒騎士隊』拠点、バラバスの自室。
明くる日の朝。普段なら起きている時間帯だが、夜更け過ぎまで依頼をこなしていたのもありバラバスは眠っていた。大の大人だって布団から出たくないときはあるのだ。……まあ、こんな日に限って邪魔が入るのだが。
「バラバースバラバスバラバスバラバスバラバスバラバスバババラバスバーラバース」
ドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッ
「うるさい」
嫌気が差し、軽装で自室の扉を開けると、そこには予想通りエステラが立っていた。エステラはわざとらしくおっと声を上げて。
「やっと起きたかバラバス」
「……邪魔をするなエステラ」
「まあまあ」
怒らない怒らないと宥めると、エステラはバラバスの脇を通り抜けて中へ。
「そんなことより、ほら! 見てみろ!」
と、閉め切ったカーテンを勢いよく開ける。眩しいと目を細めていたが、時期に慣れると外の光景が露わに。
「雪が積もっているぞ!」
「だからなんだ」
拠点がある“はじまりの地”でこんなに積もるのは珍しいが、出身地である“水凍の地”では飽きるほど見慣れた光景。見慣れない銀世界にエステラは瞳を輝かせるも、バラバスは興味ないと布団に戻り。
「今日は依頼もないだろう。寝かせろ」
「アンタならそう言うと思ったよ」
意外にもエステラはそう言い、大人しく部屋の外へ向かう。
「これから雪合戦を始めようとしていたんだが、バラバスは最下位ってことでいいんだな。あーあ、雪の扱いならお任せのアンタが最下位かー、ざーんねーんだなー」
「……」
エステラの口車に乗せられてしまったバラバスを含む五人は、拠点の訓練場に集合した。
「ここを少し削って……よし。上手くできたな」
「これって『ミラージュ・タワー』? 模型みたいに細かいところまで再現しているわね。凄いわ」
スコップを片手に、テラは憐れむような眼差しをミリアムに注ぎ。
「ミリアムは作ってる最中に自分で壊しそうだしな……」
「なにか言ったかしら?」
「いやなにも」
楽しそうだな、と離れた場所から眺めていたバラバスだったが、視界の外から雪玉を投げつけられる。
「フン、この程度も避けられないのか?」
と、雪玉を投げつけたアイザックは鼻で笑い、来いよと片手を招いて挑発。
バラバスは仕方ないなと溜め息を洩らすと、雪玉を手に。
「随分と余裕だなぁ? そんなに遅いとやられ──」
直後。顔面を含めた全身を、雪玉が襲ったのは言うまでもない。
「見事に返り討ちに遭ったな、アイザック」
仰向けに受け身も取らず倒れたアイザックに、エステラは愉快そうにケラケラと。
「コイツは雪だるまにでもしといて……アランに送ってやろう」
パシャッとエレフォンで雪だるまアイザックを撮影。どんな反応が来るか楽しみだなと呟きながら、アランに送信。
「さて、前座も終わったことだし、やるぞバラバス」
「少しは手応えがあるといいな」
「随分と余裕だな?」
「そう言った奴は返り討ちに遭ったぞ」
「アタシを誰だと思ってるんだい?」
「……二人の熱意で溶けそうね」
「だな。今のうちに
年長者同士の戦いは、冷たい雪とは反対に白熱し、両者共に引き分けで幕を閉じた。
「……アイツ、なんで雪だるまになってんだ……」
ここから更に弟子同士の喧嘩が勃発するのを、エステラはまだ知らない。
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エレストのマップ画面ネタです。あの画面はいつまで雪が降っているのでしょう…?
元々はいつもの五人でやるネタでしたが、急にダークナイトで書きたくなりました(笑)