SSまとめ
─Impellitteri─
「オマエじゃなくてアランな」
呆れたように溜め息を洩らされたので、俺は抗議の意味を込めて“お前”と呼んだ。
何も知らない御坊ちゃま──。それが、俺がアランに抱いた印象だった。見た目から決めつけてはいけないと言うが、こいつは見た目通りの性格。真面目で、口うるさくて、変に不躾で、平気で人の領域に踏み込んでくる奴。……初めの印象は、最悪のものだったと思う。
「それ、良くもないってことだろ。オレに話してみる気はないか? こう見えても、悩み相談は良くしていたんだぞ」
ヴァニラが同じ部隊だと知った朝、昔の夢にうなされていた俺に、アランはそう声を掛けた。
言われた直後こそ、“何も知らないくせに”とムキになったが、その後に。俺にそう言ってくれる奴はアランが初めてだったと、話さなかったのを少しだけ後悔した。……結局。弱いところを晒したくないだけだったかもしれないが。
アランに対する印象が大きく変わったのは、レベッカの無罪を証明する為に奔走していたとき。
見つかったか? と別行動していたアランと合流。首を横に振るアランは、疲れ切った様子だった。
休むか、と提案した俺に、アランは案の定休んでいる場合ではないと返して来た。その顔で言われても説得力ねぇけど。
「あ、アレ……おかしいな……」
震えが止まらないその姿に、俺は誤解していたことに気付いた。
アランという人物は、俺が思っている以上に、“不器用”だと。
「……悪い。その、動揺してるんだ。あのときもっと上手く立ち回れてたら……こんな事には……」
違う。お前だけの責任じゃない。俺にだって責任はある。
それを言ったところで変わりやしない。だから手を伸ばした。
言われっぱなしは、俺の気が済まないからな。
─Sky─
「どうにもできねぇだろ。逆に煽るだけだ」
同じ部隊に配属された男、ブレイドの印象は最悪なものだったと、今では思う。
必要最低限のことはやらず、優しさのカケラもない──。同じ部隊じゃなかったら、話すことすら避けていただろう。ベルタの言葉にも、興味を示した様子はなく、冷たくあしらう。
そんな最悪の印象が崩れはじめたのは、ブレイドのうなされている姿を見てからだった。ブレイドにも、何か悩みがあるのではないのか。
「今は話す気になれない。昨日会ったばかりの奴に話せるほど、この懸念 は軽くない。」
話なら聞くぞ、と言ったオレに対し、ブレイドは睨みつけながらそう返した。
キツい言い方がショックだったと言うより、呆然としたと言った方が正しい。これまでなら、遠慮なく相談されていた。それこそ、うんざりしてしまうぐらいには。だから……このときの返事には驚いた。
同時に、オレ達は対等ではないとも感じた。
ブレイドに対する印象が大きく崩れたのは、レベッカを助けるために情報を集めていたとき。
聞けども聞けども手に入らない情報。慣れない作業に、オレは疲れ切っていた。
「ちょっと休まないか?」
そうベンチをさしながら言うブレイドに、そんな事をしてる場合じゃないと言ったが、ブレイドは飲み物を買いに行ってしまった。
注文通りにコーヒーの無糖を買ってきたブレイド。缶を受け取るも、どうしてか体が震えはじめる。
落ち着けと自分を律するも、体は言うことを聞かない。ブレイドのおかげでなんとか治まったが、また震えそうだ。
そんなオレに、ブレイドはデコピン。
「この前お前が俺に言った言葉忘れたのか? 俺より先にお前が悩み相談してどうすんだよ。後悔するのは後にしろ。やるべき事は見えてんだ、怖くても……動かなくちゃだろ。いつもは積極的に動くくせに」
……どうやらオレは誤解していたらしい。
ブレイドは……とても温かい心の持ち主で、“不器用”なヤツだったみたいだ。
今回は助けられたが、次はこうはいかないぞ。
言われっぱなしは、オレの気が済まないからな。
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
・ブレイド
お前→アラン。
そっけない態度から揶揄ったりと絡むように。
抱え込みやすいアランを支えようと行動するようになる。
・アラン
名前呼び→オマエも混ざる。
優等生な態度から肘で小突いたり、言い合いしたりと絡むように。
ブレイドに意見を求めたり、頼るようになる。
ちょっと分かりづらいと思いますが、2話〜7話にかけて変化していき、8話では隣同士で刀と剣構えるほど、互いに信頼しているイメージで(実は)書いてました。このお話は、12話の内容に繋がっていたりします。
「オマエじゃなくてアランな」
呆れたように溜め息を洩らされたので、俺は抗議の意味を込めて“お前”と呼んだ。
何も知らない御坊ちゃま──。それが、俺がアランに抱いた印象だった。見た目から決めつけてはいけないと言うが、こいつは見た目通りの性格。真面目で、口うるさくて、変に不躾で、平気で人の領域に踏み込んでくる奴。……初めの印象は、最悪のものだったと思う。
「それ、良くもないってことだろ。オレに話してみる気はないか? こう見えても、悩み相談は良くしていたんだぞ」
ヴァニラが同じ部隊だと知った朝、昔の夢にうなされていた俺に、アランはそう声を掛けた。
言われた直後こそ、“何も知らないくせに”とムキになったが、その後に。俺にそう言ってくれる奴はアランが初めてだったと、話さなかったのを少しだけ後悔した。……結局。弱いところを晒したくないだけだったかもしれないが。
アランに対する印象が大きく変わったのは、レベッカの無罪を証明する為に奔走していたとき。
見つかったか? と別行動していたアランと合流。首を横に振るアランは、疲れ切った様子だった。
休むか、と提案した俺に、アランは案の定休んでいる場合ではないと返して来た。その顔で言われても説得力ねぇけど。
「あ、アレ……おかしいな……」
震えが止まらないその姿に、俺は誤解していたことに気付いた。
アランという人物は、俺が思っている以上に、“不器用”だと。
「……悪い。その、動揺してるんだ。あのときもっと上手く立ち回れてたら……こんな事には……」
違う。お前だけの責任じゃない。俺にだって責任はある。
それを言ったところで変わりやしない。だから手を伸ばした。
言われっぱなしは、俺の気が済まないからな。
─Sky─
「どうにもできねぇだろ。逆に煽るだけだ」
同じ部隊に配属された男、ブレイドの印象は最悪なものだったと、今では思う。
必要最低限のことはやらず、優しさのカケラもない──。同じ部隊じゃなかったら、話すことすら避けていただろう。ベルタの言葉にも、興味を示した様子はなく、冷たくあしらう。
そんな最悪の印象が崩れはじめたのは、ブレイドのうなされている姿を見てからだった。ブレイドにも、何か悩みがあるのではないのか。
「今は話す気になれない。昨日会ったばかりの奴に話せるほど、この
話なら聞くぞ、と言ったオレに対し、ブレイドは睨みつけながらそう返した。
キツい言い方がショックだったと言うより、呆然としたと言った方が正しい。これまでなら、遠慮なく相談されていた。それこそ、うんざりしてしまうぐらいには。だから……このときの返事には驚いた。
同時に、オレ達は対等ではないとも感じた。
ブレイドに対する印象が大きく崩れたのは、レベッカを助けるために情報を集めていたとき。
聞けども聞けども手に入らない情報。慣れない作業に、オレは疲れ切っていた。
「ちょっと休まないか?」
そうベンチをさしながら言うブレイドに、そんな事をしてる場合じゃないと言ったが、ブレイドは飲み物を買いに行ってしまった。
注文通りにコーヒーの無糖を買ってきたブレイド。缶を受け取るも、どうしてか体が震えはじめる。
落ち着けと自分を律するも、体は言うことを聞かない。ブレイドのおかげでなんとか治まったが、また震えそうだ。
そんなオレに、ブレイドはデコピン。
「この前お前が俺に言った言葉忘れたのか? 俺より先にお前が悩み相談してどうすんだよ。後悔するのは後にしろ。やるべき事は見えてんだ、怖くても……動かなくちゃだろ。いつもは積極的に動くくせに」
……どうやらオレは誤解していたらしい。
ブレイドは……とても温かい心の持ち主で、“不器用”なヤツだったみたいだ。
今回は助けられたが、次はこうはいかないぞ。
言われっぱなしは、オレの気が済まないからな。
〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜
・ブレイド
お前→アラン。
そっけない態度から揶揄ったりと絡むように。
抱え込みやすいアランを支えようと行動するようになる。
・アラン
名前呼び→オマエも混ざる。
優等生な態度から肘で小突いたり、言い合いしたりと絡むように。
ブレイドに意見を求めたり、頼るようになる。
ちょっと分かりづらいと思いますが、2話〜7話にかけて変化していき、8話では隣同士で刀と剣構えるほど、互いに信頼しているイメージで(実は)書いてました。このお話は、12話の内容に繋がっていたりします。