SSまとめ


 ──それは、冷たく降り注ぐ雨の日。

「……」

 赤い傘を差し、立ち尽くすのはガウェイン。彼の視線は、自身の足元に向けられていた。

 そこに居たのは白い毛並みの仔猫。にゃー、とか細く鳴いてはガウェインを見上げていた。

「……この中に入ってな」

 と、自身の傘を仔猫が入れるように置く。濡れたままでは可哀想だとタオルを探すも置いてきてしまい、さらには服も既に濡れてしまっている。しまった……、と頭を抱えるガウェイン。

「ちょっと待っててな。今買ってくるから」
「もしかしてガウェインか?」

 ギクッと跳ねる肩。恐る恐る振り返れば、きょとんと小首を傾げているパーシヴァルが。

「風邪引くぞ? 何して……って、仔猫?」

 見えない何かがガウェインの体を貫く。

 パーシヴァルはガウェインに傘を差してあげながら、くすっと。

「温めてあげようとしていたんだな」
「パーシヴァル、俺はいいから自分で使えよ」
「いいって。ちょっと持っててくれ」

 強引に傘を押し付けると、鞄を漁る。少しして、パーシヴァルもタオルを忘れてきてしまったことに気付いた。

「俺、ちょっと買ってくるから」
「……二人ともなにをしているんだ?」
「トリスタン!」

 パーシヴァルの後ろから合流したトリスタンは、瞬時に状況を理解した。

「二人ともタオルはどうした?」
「置いてきてしまって……」
「俺も……」
「そうか。パーシヴァル、傘持ってくれ。後二人用だから入っていいぞ」

 助かる、と鞄を漁るトリスタンと一つの傘を共有する。ガウェインは一人、イゾルテ用だなと気付き、苦笑いを浮かべた。

「無いな……僕も忘れて来てしまった」
「逆に凄いな」
「やっぱり買ってくるか」
「じゃあ、パーシヴァルの傘貸して。僕が買ってくる」

 分かったとガウェインが傘を渡したと同時。

 あれは……──!

 視界の端に捉えた青い髪。ガウェインは傘を渡し、雨の中を走った。

「ランスロットー!」
「ぐはあっ!!」

 腰目掛けてタックル。偶々歩いていたランスロットはバランスを崩しかけるも何とか持ち堪えて。

「ガウェイン! 貴様何の恨みが……」
「あった! タオル借りるぜ!」
「強盗にでもなったか!?」

 ランスロットの鞄からタオルを抜き出し立ち去るガウェイン。さながら盗賊のような動きの速さに驚くも、無視するわけにもいかず追いかける。

「あ、ランスロット」
「トリスタンにパーシヴァルまで……」
「疲れているようだが大丈夫か?」
「ガウェインの仕業だ。……揃いも揃って何をしている」

 追いかけた先にはガウェイン以外にもトリスタンとパーシヴァルの姿が。ランスロットがそう訊ねると、パーシヴァルはガウェインに視線を送る。

 それまで屈んでいたガウェインは傘を拾いながら立ち上がり、振り返る。その手にはタオルに包まれた仔猫が可愛らしい瞳をくりくりさせて、こちらを見つめていた。

「……また猫を求めて散策か」
「ち、違う! 偶然通りかかっただけだ!」

 未だ、ランスロット以外には猫好きなのをバレていないと思っているガウェインに、三人は生暖かい目。そういうことにしといてあげるか、と視線で合わせる。

「な、なんだよ……」

 ムスッと頬を膨らませるガウェインの肩を軽く叩いて歩き出す。

「ほら、さっさと戻って温めるぞ」
「牛乳って余ってたか?」
「確か。お腹いっぱいになるといいな」

 そう話す仲間達を見つめ、優しく仔猫の頭を撫でる。

「良かったな」

 答えるように仔猫は、にゃーと鳴き声を上げた。




 ──そして帰宅。

 真っ先に出迎えたアーサーは、四人と仔猫の姿にぽかーん。やがて、目の色を変えると。

「……脱いで」
「へ?」
「ガウェインとパーシヴァル服貸して! 風邪引くよ!」
「ちょっ、待ってくださいアーサー様ー!」

 追い剥ぎされた挙句、仔猫と一緒に風呂場へと投げ出された。

 残された二名はじっとその様子を見つめて。


「……そもそもガウェインが仔猫を抱えて帰れば良かったと思うのだが」
「……それは僕も思った」


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 書いてしまった(だが後悔はない)。

 やばいパーシヴァルの口調が掴めないガウェインとほぼ同じだ……本編では上手く書けるように頑張ろう……。
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