SSまとめ


 ──夜も更けた頃。自室で寛いでいたブレイドはあくびを洩らした。チラッと時計を確認すると、もうこんな時間かとベッドから降りる。

「おいアラン。そろそろ電気消すぞ」

 そう声をかけるも反応なし。見れば、机に向かって勉強していたアランは寝落ちしていた。

 ブレイドは少しの間悩むと、アランの背中に布団を掛けた。


 コンコン。


 電気を消すタイミングで叩かれる扉。アランを起こさないよう内側から扉を開ける。

「ヴァニラ。どうかしたのか?」

 そこに居たヴァニラは、出て来たブレイドの顔を見つめて。

「いま平気?」
「おう。中入るか? アラン寝てるけど」

 親指で部屋を指すと、ヴァニラはコクリと頷く。

 部屋にヴァニラを招き入れ、静かに扉を閉める。

「……で?」

 振り向きざまに問いかけると、ヴァニラは持って来た櫛を手にずいっと詰め寄る。

「……かみ」
「……髪?」
「とかして」
「梳かすも何もさらさらじゃねぇか」
「いいから。後ろはやりづらい」

 レベッカとベルタ(あの二人)はどうしたんだ? と思いつつ、ヴァニラから櫛を受け取り、椅子に座らせた。

 ふ、普通に梳かせばいいんだよな……?

 少し迷い、後頭部から髪の先端に櫛を滑らせる。ヴァニラからの反応は特になく、良いのやら悪いのやら、苦笑い。

「……驚いた?」

 唐突な質問に疑問符を浮かべる。どう答えたらいいか分からず、妙な空気が流れ始めた。

「やってほしかった」

 その言葉にやっと意図を理解して。

「……これからは何度だってやってやるよ」
「うん。……ありがとう」

 間違ってはいなかったようだ。

 花のような笑みを浮かべるヴァニラに、ブレイドも釣られて微笑む。

「明日もおねがい」
「う、うーん……まぁ、疲れてなかったらな」
「じゃあ、疲れてないとき。いつ?」
「いや分からねぇよ!?」
「冗談よ」





 その頃のアラン。


 ──起きるタイミング見失った……


 起きていた(つまり狸寝入り)。


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 兄妹で髪を弄り合うシーンって良くないですか? 私だけですか?

 不器用な兄×不器用な妹=ブレイドとヴァニラって感じで書いております。もっといろいろ書いてみたい……。
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