SSまとめ


 ──その日、彼の者は“夕闇の地”に聳える『蜃気楼の塔』に居た。“はじまりの地”では出来ない仕事を終わらせるために。

 書類をまとめ、いざ戻ろうとしたとき。部屋の扉をノックする音が聞こえた。

「入れ」

 男の低い声に応え、従者らしき男が入室。

「黒魔王様。お耳に入れたいことがございます」
「なんだ」

 黒魔王、と呼ばれた男は、フードを外さないまま振り向いて。

「“夕闇の地”、西部にて、幼子が一人放浪しているとのこと」
「幼子が……?」
「はい。恐らくは……」

 従者の男は、その先の言葉を紡ぐことなく口を閉ざした。黒魔王はそれだけで分かったらしく、追求はしなかった。

「いかがなさいますか?」
「我が行こう。決して口外するな」
「ハッ」

 下がれ、と言われた男は部屋から退室。再び一人となった黒魔王は、静かに瞼を閉じ、思索にふける。

「何故(なにゆえ)に……人は、そぐわない者を切り捨てるだろうか……」

 黒魔王は支度を済ませると、西部へと向かう。


 しかし、そこに居たはずの幼子は忽然と姿を消していたのだった。


〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜


 『4話 Past story of Blade』の黒魔王目線のお話。((本編のスペル間違えてた…( ゚д゚)

 幼子はヴァニラの事です。まだ戦士にもなっていない小さな子が一体何処に行ってしまったのでしょうね。ね。
3/27ページ