ひとひらの青い蝶が籠から解き放たれる。

“厄災の少年（フィラカス）”が齎すのは新世界への扉。旧世界の滅亡。

告げられし真実に、彼は苦しみ絶望する。

破滅の予兆は彼らの絆をも凍てつかせ、白き聖譚曲（オラトリオ）の光でさえ、彼の心までは届かない。

生きろと言う仲間達。
死ねと言うあの人達。
己の生き死にでさえ分からないまま、タイムリミットはすぐそこに。

象徴の大樹に眠る闇は人知れず育み、唯一の友を待つ。旧世界の黄昏を、新世界の夜明けを、今度こそ共に迎えるために。

そして暗澹の先に、彼は見つけるだろう。

名前の大切さを。
心の奥底に隠れたワクワクを。
鍵の色を。

名前も知らないその人の手を取り、彼女のもとへ。

これは、世界の命運を掛けた戦い。
全てをもって運命に諍う戦士達の終曲（フィナーレ）。

彼らの絆が今、試される。