第1部短編集
「えっ? ヴァニラに贈り物?」
アランに訊き返され、ブレイドはそうだと頷いた。
未だ入院している自分の見舞いに訪れたアランに、ブレイドは助言を求める。
「退院したら買いに行きたいと思ってるんだが……何がいいのかよく分からなくてな」
そうだな……、と顎に手を添え、長考。やがて、自信なさげにアランは答えた。
「オレもよく分からないが……ネックレスとかはどうだ?」
「ネックレス?」
「ああ。あまり気にならなそうだし、身につけるものならすぐに使えるんじゃないか?」
一理あるな、とブレイドは納得したように頷いて。
「柄は……シンプルなのでいいよな?」
「いいと思うぞ。せっかくだし、宝石を使ったものにしたらどうだ? 値段もそこまでしないはずだ」
「宝石……」
ブレイドはヴァニラの容姿を思い浮かべると。
「アメジスト……」
「アメジストか……たしかにピッタリだな。月の光でこそ美しく輝くと聞くし、合ってると思う」
「そうだったのか」
尚更、ヴァニラに似合うだろうとブレイドは思い、退院後に買いに行こうと決めたのだった。