SSまとめ・2


「……」
「手が止まっているぞ、ブレイド」

 拠点の一階。椅子の上で足を組み、愛刀の手入れをしていたブレイドだったが、長らくその手は止まったまま。
 見兼ねたベルタが声を掛けると、ん。とだけ返して。

「なにかあったの?」

 ヴァニラが小首を傾ける。

「うーん……大した話じゃねぇけど……」
「大した話だったらどうするのよ。言ってみて」

 レベッカに促され、ブレイドは刀を鞘に納めた。

「いやなんか、スキル使う時にポーズ決めたいなーって」

 大した話では無かった。

「ブレイド君もそういう年頃なんだね。男の子は皆通る道だよ」
「いやレイと一緒にするなよ」

 そうかそうかと肩を優しく叩くレイに、アランは呆れと共に突っ込む。

「ポーズ決めてどうするの?」
「空気締まるだろ?」
「その間にやられるのが貴様の末路だな」
「お前は俺を何だと思ってんだ」
「……あ、僕思いついちゃった!」

 と、レイはブレイドの手を掴み椅子から立たせる。

「いい? ブレイド君。僕の言う通りにしてね」
「……おう」
「両手を頭の上に上げて、指先をてっぺんに当てて」
「こうか?」
「うん! で、そのまま屈伸! 『なーんちゃって』」

 ゴンッ‼︎

「痛いよブレイド君〜……」

 ブレイドは刀の鞘の部分でレイの頭を叩いた。
 叩かれた部分を抑え蹲るレイの側では、必死に笑いを堪える彼らの姿。

「笑うな‼︎」
「だって……っ……」
「レイ! 何で『なーんちゃって』なんだよ‼︎」
「『なーんちゃって』【夢幻残影剣】! ……とか?」
「弱そう」

 遂に失笑してしまう一同であった。


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