SSまとめ・2
ブレイドが合流してから少し後のお話。
「相変わらずオマエの荷物は少ないな」
新しく生まれ変わった『戦神の勇者隊』の拠点。男子と女子で振り分けられていたあの頃とは違い、今は各々に与えられている部屋。
これまでブレイドの部屋は手をつけられていなかったが、本人が帰ってきたことで整えることに。建て替え前にまとめたダンボールから荷解きをするも、アランの言う通り荷物が少ない為あまり時間をかけずに終わりを迎えた。
「でも前よりは増えただろ。本とか」
「『マジネガ』は本じゃなくて雑誌だ。加えるな。まあ……少しはまともな本もあるみたいだがな」
だろ? となぜか得意げなブレイドに肩をすくめるアラン。今、部屋にいるのは主のブレイドとアランの二人。他のメンバーも居るには居るが、人が多くても解きにくいとブレイドが言ったため、先に夕食の準備をしている。
ふとアランは、壁に掛けてある朱色のストールを見遣る。
「……あのストール、旅先で買ったのか?」
再会した時から身に付けていたストール。少なくとも別れる前には身に付けていなかった。
ブレイドはベッドの淵に腰掛けて、まあなと頷く。
「実は少しの間、アッシュと一緒に旅をしていた」
「姿が見えないなと思っていたが、一緒にいたのか……」
「ああ。それで……お前なら知ってると思うが、“光明の地”にある砂漠に行ってな。渡る時に使えと貰ったのをそのまま付けていた」
あそこまで行ったのかと驚きつつも、アランは疑問を感じて。
「……間違っていたなら言ってくれ。いや間違いであってほしい」
「何だよ」
「まさかとは思うが、なにも対策せずに砂漠を渡ろうとしたわけじゃ……ないよな」
沈黙は肯定のうんたらかんたら。
「……」
「何か言え。せめて『馬鹿』とか『阿保』とか」
「呆れて物が言えないんだよ。それに、それはベルタの専売特許だろ」
「俺を罵る事を専売特許にするな」
近い未来、同じ話を聞いたベルタが言い放つのが目に見えて分かる。
今この時ほど、アランはアッシュの存在に感謝したことはないだろう。
「(よくコイツ旅に出ようと思ったな)」
「とてつもなく失礼な事思ってんだろ」
「気のせいだろう」
絶対そうだと疑いの眼差しを向けていたブレイドだったが、まあでもと柔らかく目を細めた。
「暫くは掛けておくかな」
「なんでだ?」
「カッコつけるのは旅の間だけでいい」
「……、そうか」
コンコンと扉がノックされる。誰かが夕食が出来たと呼びに来たのだろうか。
懐かしい想いを胸に、今行くと応えた。
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今回はブレイドの話でした。番外編でも本編でもさりげなくストールを巻いています。
第1部の終わりで旅に出た後、旅人として何か変化があればとストールを巻くことにしました。合流後はお部屋に飾ったままになってます。
因みに番外編の時期は、アッシュと別れた後です。