スマブラDiary for Refrain(夢小説)
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「おい。」
「ぎゃっ、クレイジー……いやあのこれは、日向ぼっこしてたわけじゃなくて……」
お天道様の光が気持ちいい“平日”の午後。
屋敷の中庭で寝転んでいた僕、マスターは突然ですが命の危機に瀕しています。
その理由は僕を冷めた目つきで見下している我が弟、クレイジーに見つかったから。まずい、冷や汗が止まらないぞ〜。
「……チッ」
「うえ? く、クレイジー……?」
と思ったら。何故かクレイジーは(不服げに)僕の隣に腰を下ろした。普段の彼なら無理矢理にでも仕事場に拉致するというのに可笑しい。
「どうしたの?」
「……あの、さ」
こちらを一切見ようとしない弟の横顔はどこか落ち着かない様子で。一思いに深呼吸をすれば、覚悟を決めたように話し始める。
「俺、好きな人できた」
うん、知ってる。
な〜〜〜んて言えるわけがないよぉ‼︎ 急にどうしたんだ我が弟は⁉︎
ってか君が好きな人は僕も好きなんだよ! そりゃあ愛の重さとかは違うかもしれないけどさ!
「そ、そうなんだ……」
へえ〜……と生返事で様子を伺う。
クレイジーはちらりと僕を一瞥すると、ため息を吐きながらまた正面を向いた。
「……いわゆる初恋ってやつだから、どうしたらいいかわからなくて」
「うんうん」
「……察しろ」
「え、何を」
「俺の悩み事。ここまで言ったらわかんだろ」
真っ先にお悩み相談をしてくれたことに感動してしまう!
あのクレイジーの悩みだ解決してあげたいけど……けど!
僕だって未経験で悩んでるんだよ〜〜〜⁉︎⁉︎ 寧ろ解決してほしいのはこっちだよ‼︎
「え〜っと……無理にアプローチはしなくていいとは思うなー」
「というと?」
「君のいいところは無理にアピールしなくても相手に伝わるってことだよ」
我ながらいいアドバイスを送れたのでは⁉︎
さりげな〜く邪魔をしつつ、クレイジーの機嫌も損ねない……完璧な僕に拍手を送りたいね!
クレイジーは顎に手を当てながら暫く悩んだあと、「そうか」と顔を上げる。
「参考にする」
「うんっ」
というかクレイジーは僕にバレていないとでも思ってたのか〜……。それに同じ人を僕が好きだってことも気づいていないみたいだし……流石にちょっと気まずいかも。
ま、バレたらバレたでいっか☆
『お前たち、そこで何をしている』
「あっリヨン〜」
「っ!」
僕達の騎士様、リヨンの登場に隣の弟はびくっと肩を跳ね上がらせていた。僕は普段通りにヒラヒラと手を振ったけどね。
『初恋がなんたらだと聞こえてきたが……』
「そ、そのあとの会話は聞いてないだろうな?」
『その単語ぐらいしか聞こえてこなかったぞ』
寧ろなんで「初恋」ってワードだけ拾えたのかが不思議だよ。
それはともかくとして、リヨンには初恋の人っていうのは居たのかな……? まあ彼女は記憶を無くしているから聞いても意味ないだろうけど。
『もしも恋人が出来たら教えてくれ。私も出来る限り協力しよう』
「あ、ああ……」
「リヨンは気になる人とかいないの?」
「あ、おいっ」
焦るクレイジーを他所に僕は密かに笑う。
そんな僕らにも気付かず、リヨンは真剣に考えた末に。
『……昔、気になる人はいた気がするな』
「それは……いつのことだい?」 「誰だよそいつ。名前、年齢、住所は?」
『な、なんだお前たち』
思わず詰め寄るのもしょうがないよ! クレイジーも僕に負けず劣らずの圧力をかけている。
『昔の話……それも記憶にない相手だ。知ったことではない』
「それもそうだな……」
もしも“彼”が初恋の相手だとしたら──……?
『マスター? そんなに考えて何かあったか?』
「えっ。あ、ううん! なんでもないよ!」
そんなの考えたって仕方がないじゃないか。
僕はクレイジーを立ち上がらせると、三人で一緒に仕事場へと帰ることにした。
リヨンの情報を、改めて確認するために。