スマブラDiary for Refrain(夢小説)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……急に呼び出されたと思えばそんな深刻な話かい?」
「由々しき事態よ!」
ダンッ! と机に拳を叩きつけたピーチにルフレは肩を震わせる。
朝食後、一度は離れた食堂にピーチの呼び出しによって舞い戻ることになったのはルフレだけではない。他のファイターをも巻き込んだ討論会が開幕した。
議題は『私/俺/僕たちのリヨンがイケメン過ぎる件について』。
「ヒロインと言えば守ってもらうようなか弱い存在が定番……それを覆してきたのよ、一大事じゃない!」
(特大ブーメランだなぁ)
熱く語るピーチにあくまで冷めた目つきを送る。
ピーチは席を立つと、集まってもらったファイターに向けて両手を広げた。
「じゃあ一人ずつ発表してもらえるかしら?」
「なら俺からいってもいい?」
挙手した息吹の勇者に、ピーチは椅子に座り直りながらどうぞと手のひらを差し向けた。
◇◆◇◆◇
『リンク、何かあったのか?』
「お、リヨンか。ここの段差、結構大きいと思ったから小さなスロープでもつけようと思って」
『それは助かる。私にも手伝わせてくれ』
「おう、ありがとな」
「──ってことが数日前にあったな」
語り終えたリンクにピーチはうんうんと頷く。
「さらりと手伝うって言葉が出てくるのは点数が高いわね」
「これって点数制なのかい?」
「さあどんどん行くわよ! 次!」
「はいはーい! ぼくもある〜!」
次なる語り部はネス。小さな体で大きな声を上げた少年は、リヨンとの話を語り始める。
「うわっ⁉︎」
『! おっと危ない』
「あ、ありがとうリヨンお姉ちゃん!」
「──って感じで転びそうになったのを助けてくれたんだ!」
「いいわね〜さりげなく支えてくれるのはイケメン度数上昇よ!」
「……なあ、さっきからピーチは何を言っているんだ?」
「スルーした方がいいよ」
リンクとルフレの会話を聞こえなかったふりをして、ピーチは最後に残ったルキナを指名。
「ルキナは何かないのかしら」
「私ですか? えっと……」
「やあっ! せい! はっ!」
『おはよう、ルキナ』
「リヨンさんっ。おはようございます」
『こんな朝早くから鍛錬か。精が出るな』
「もっともっと強くなるには必要なことです」
『そうか。お互い頑張ろうな』
「──と、頭を撫でてくださいました……」
「なんですって⁉︎ イケメンがやることじゃない!」
僅かに頬を赤らめるルキナに興奮するピーチ。
終始白けていたルフレの耳に、扉が開いた音が響く。
「なになに何の話〜?」
「マスター」
「廊下にまで楽しそうな声が聞こえてきたよ? 僕も混ぜてよ〜」
と、話に混じったマスターを気にも止めず、ピーチは議題内容を説明。するとマスターはキラキラと目を輝かせた。
「何それ面白そう! 僕にもあるよ、リヨンのイケメン話!」
「ぜひ聞かせてちょうだい」
(凄い速さで順応していったな……)
「この前見回りを渋っていた時に……」
「やだやだやだやだ行きたくな〜い!」
『クレイジーだって仕事をしているんだ。お前もちゃんとやるべきことをしろ』
「外回りは好きだけど虫は別だよ!」
『浮遊すればいいじゃないか』
「視界にも入れたくないの!」
『全く……仕方がないな』
「え、ちょっ、うわわっ⁉︎」
「──って流れでお姫様抱っこされちゃった〜」
「お姫様抱っこですって⁉︎ なんて贅沢な響き……!」
「それに虫にも屈しないところもイケメンポイント加算ですよ、ピーチさん!」
「ルキナまで……」
まるで恋バナで盛り上がるような雰囲気の一行にルフレは半目を浮かべ、リンクとネスは脳内を疑問符で埋め尽くす。
『ここにいたのかマスター』
「うっ、リヨン」
そこへ、マスターを探していたらしき本人が現れた。
『お喋りも結構だが、そろそろ仕事に戻ってもらわないと困る。バグの修理はお前にしかできないのだからな』
「そうは言ってもつまんないんだもーん」
『もーん、なんて子供みたいなこというんじゃない。私も同行するから』
「えっ本当⁉︎」
『当たり前だろ。お前達の騎士なんだから』
「やったー! じゃあ行く行く〜!」
『それじゃあ皆、失礼する』
マスターはリヨンに連れられて食堂を後にする。
残された彼らは二人の背を見つめながら同じ事を考えた。
──歯のついた台詞を恥ずかしげもなく言えるのもイケメンなところではないか……? と。