スマブラDiary for Refrain(夢小説)
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※今作のみ夢主とクレイジー(擬人化)が結ばれております。
※『私/俺の守りたいもの(クレイジー夢)』の続きです。
※オリキャラが登場します。
「こんな遅くに連れ出して何の用なのさ、アンティ」
「たまにはいいじゃん。こういう息抜きもさ」
街灯の光がぽつぽつと暗闇を照らす大通り。軽いノリの人々が場の雰囲気を明るくし、道ゆく人々の雑踏と、美味そうに酒と食事を愉しむ喧騒に満ちていた。
それに意を唱えるように眉を顰めているのはウィリアム。お偉いどころ出身の彼は屋敷を抜け出し──否、“抜け出されて”、友人の『アンティ』とともに遊びへと来ている。
ひとまず知り合いにだけ会わないようにと、心許ない小さな布で頭を覆い隠していたが──。
「あー! ウィリアム君だー!」
「⁉︎」
名指しされたウィリアムは周囲の店々に目を向ける。
するととある居酒屋にて、面識こそはないものの名と姿は知っている人物と遭遇。
「お知り合い?」
隣でアンティが首を傾げる中、ウィリアムは「まあね……」と苦笑。
「お初にお目にかかります、『マスターハンド』様」
顔を上気させて情けなくヤケ酒を煽る創造神の姿だった。
「ああ、マスターでいいよ。何してんのー?」
分かりやすくへべろけている彼に、威厳ある姿を想像していたウィリアムの人物像が呆気なく崩れ落ちる。
膠着する彼に代わり、傍らに控えるアンティが答えた。
「たまには気分転換にと街に連れ出してきたところです!」
「へえ〜そうなんだぁ……お友達?」
「はいっ! アンティって言います!」
「いいねぇ、元気があって〜」
ぐいっと杯を煽るマスターにようやく膠着状態が解けたウィリアムは、あの、と恐る恐る口にする。
「その辺にしといたほうが身のためかと……」
「ええ? 優しいね〜ウィリアム君は〜」
「優しいというか見ていられないと言いますか……」
「何かあったんです?」
興味を惹かれたアンティの質問にこらと肘で小突くも、マスターは「そうなんだよ!」と店内に響き渡る勢いで杯をテーブルに叩きつけた。……周囲の目が痛い。
「良かったら話聞きますよ」
「本当⁉︎」
「ちょっとアンティ」
「あ、生二つお願いしまーす」
「アンティ……!」
マスターが座る円卓に腰をかけたアンティに倣い、渋々卓につく。
少しして店員が生ビールを二つ運んでくると、「乾杯!」と杯 片手に音頭が響く。
恐る恐る口にするウィリアムとは裏腹に、豪快にぷはあっと息を吐くマスターは自身の悩み事をぶちあけた。
「実はぁ、僕の弟とリヨンが付き合い始めてね〜」
「え、リヨンが?」
ウィリアムは一度、リヨンとお見合いをした仲。そんな彼女が本当に愛する人と結ばれたのは友人として喜ばしいことだ。
「う〜ん、そうなんだよ〜。嬉しいんだけどさ〜」
「──実はその人のこと好きだったりして」
「そうなんだよ! 良く分かったね‼︎」
胸中を看破したアンティはいやぁと首筋を手でなぞる。
「弟のことも大好きだよ。カッコいいし、仕事は出来るし、真面目で誠実で……」
「うんうん」
ひとり置いてかれるウィリアムは、もはや話半分に聞いていた。
「でも……でもさあ! 僕にだってチャンスはあったと思うんだ!」
「そうですよねー」
「分かってくれるかいこの気持ち!」
「分かります分かりますー」
適当に相槌を打ちながら注ぎ足されていく酒を飲むアンティによく酔わないなと思いつつ、ウィリアムは少しだけ憐れんだ。
「何やってんだお前……」
「あ! クレイジー!」
そこに現れたのは、マスターハンドの弟であるクレイジーハンド。渦中の人の人物に、ウィリアムは微苦笑を浮かべた。
「ん、お前は……」
「お初にお目にかかります。ウィリアムです」
「ああ、あの……うちの兄貴が迷惑かけたな」
ほら帰るぞ、と肩に腕を回したクレイジーはウィリアムに「払っといてくれ」と代金を渡すと酔っ払いマスターを連れて店内を後に。
「また飲もうね〜」
「はーいっ」
その背中を見送ったアンティは一言。
「いやぁ愛されてるねぇ」
「え、何が」
※『私/俺の守りたいもの(クレイジー夢)』の続きです。
※オリキャラが登場します。
「こんな遅くに連れ出して何の用なのさ、アンティ」
「たまにはいいじゃん。こういう息抜きもさ」
街灯の光がぽつぽつと暗闇を照らす大通り。軽いノリの人々が場の雰囲気を明るくし、道ゆく人々の雑踏と、美味そうに酒と食事を愉しむ喧騒に満ちていた。
それに意を唱えるように眉を顰めているのはウィリアム。お偉いどころ出身の彼は屋敷を抜け出し──否、“抜け出されて”、友人の『アンティ』とともに遊びへと来ている。
ひとまず知り合いにだけ会わないようにと、心許ない小さな布で頭を覆い隠していたが──。
「あー! ウィリアム君だー!」
「⁉︎」
名指しされたウィリアムは周囲の店々に目を向ける。
するととある居酒屋にて、面識こそはないものの名と姿は知っている人物と遭遇。
「お知り合い?」
隣でアンティが首を傾げる中、ウィリアムは「まあね……」と苦笑。
「お初にお目にかかります、『マスターハンド』様」
顔を上気させて情けなくヤケ酒を煽る創造神の姿だった。
「ああ、マスターでいいよ。何してんのー?」
分かりやすくへべろけている彼に、威厳ある姿を想像していたウィリアムの人物像が呆気なく崩れ落ちる。
膠着する彼に代わり、傍らに控えるアンティが答えた。
「たまには気分転換にと街に連れ出してきたところです!」
「へえ〜そうなんだぁ……お友達?」
「はいっ! アンティって言います!」
「いいねぇ、元気があって〜」
ぐいっと杯を煽るマスターにようやく膠着状態が解けたウィリアムは、あの、と恐る恐る口にする。
「その辺にしといたほうが身のためかと……」
「ええ? 優しいね〜ウィリアム君は〜」
「優しいというか見ていられないと言いますか……」
「何かあったんです?」
興味を惹かれたアンティの質問にこらと肘で小突くも、マスターは「そうなんだよ!」と店内に響き渡る勢いで杯をテーブルに叩きつけた。……周囲の目が痛い。
「良かったら話聞きますよ」
「本当⁉︎」
「ちょっとアンティ」
「あ、生二つお願いしまーす」
「アンティ……!」
マスターが座る円卓に腰をかけたアンティに倣い、渋々卓につく。
少しして店員が生ビールを二つ運んでくると、「乾杯!」と
恐る恐る口にするウィリアムとは裏腹に、豪快にぷはあっと息を吐くマスターは自身の悩み事をぶちあけた。
「実はぁ、僕の弟とリヨンが付き合い始めてね〜」
「え、リヨンが?」
ウィリアムは一度、リヨンとお見合いをした仲。そんな彼女が本当に愛する人と結ばれたのは友人として喜ばしいことだ。
「う〜ん、そうなんだよ〜。嬉しいんだけどさ〜」
「──実はその人のこと好きだったりして」
「そうなんだよ! 良く分かったね‼︎」
胸中を看破したアンティはいやぁと首筋を手でなぞる。
「弟のことも大好きだよ。カッコいいし、仕事は出来るし、真面目で誠実で……」
「うんうん」
ひとり置いてかれるウィリアムは、もはや話半分に聞いていた。
「でも……でもさあ! 僕にだってチャンスはあったと思うんだ!」
「そうですよねー」
「分かってくれるかいこの気持ち!」
「分かります分かりますー」
適当に相槌を打ちながら注ぎ足されていく酒を飲むアンティによく酔わないなと思いつつ、ウィリアムは少しだけ憐れんだ。
「何やってんだお前……」
「あ! クレイジー!」
そこに現れたのは、マスターハンドの弟であるクレイジーハンド。渦中の人の人物に、ウィリアムは微苦笑を浮かべた。
「ん、お前は……」
「お初にお目にかかります。ウィリアムです」
「ああ、あの……うちの兄貴が迷惑かけたな」
ほら帰るぞ、と肩に腕を回したクレイジーはウィリアムに「払っといてくれ」と代金を渡すと酔っ払いマスターを連れて店内を後に。
「また飲もうね〜」
「はーいっ」
その背中を見送ったアンティは一言。
「いやぁ愛されてるねぇ」
「え、何が」