スマブラDiary for Refrain(夢小説)
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「よし、兄貴ズラクソ右手野郎。以下の選択肢から己の末路を選べ」
▷焼死
▷溺死
▷圧死
「選択権がないじゃないかああああああああ‼︎‼︎‼︎」
「テメェはそれぐらいのことしたじゃねぇかよ‼︎」
やんややんやと騒ぎを起こす両手に、うわーと外野が半眼で呆れている。
冒頭からてんやわんやな今回の話のきっかけは数分前。マスターの自室にて発生した。
『うーん、最近気持ちよくお昼寝出来てないなぁ。あ、そうだ! 自分に睡眠魔法を掛ければいいんだ。じゃあ早速──』
『マスター、ちょっといい……』
『! リヨン! 今来たらダメだ‼︎』
『⁉︎』
かくして、マスターにかかるはずだった睡眠魔法は手元が狂ってリヨンに被弾。それも“永久に眠る”という副作用付きで、リヨンはベッドに寝かされたままうんともすんとも言わない。
「まるで白雪姫のようね」
「でも白雪姫は喉にリンゴのかけらがつっかえていただけだから違うよ」
「夢がないわねぇ」
「そんなことよりも皆さん! 早くリヨンさんを目覚めさせる方法を試しませんと!」
ルフレとピーチはルキナの訴えに分かってると頷く。
「というか、クレイジーの破壊の力で何とかならないのか?」
「出来るならとうにしている。……体ごと壊しそうで怖いんだ」
なるほど、とリンクは顎に手を当て、思案。
やがてハッと閃いたかと思えば、「ちょっと待ってろ!」と部屋を退室。戻ってきた彼の手には、ニワトリのコッコがいた。
「こいつの鳴き声なら起きるんじゃないか?」
「どうやって鳴かせるの?」
「えいっ」
「あ、そんなことしたら──」
マスターの心配もよそに、リンクが抱えていたコッコは仲間を呼んで結束してリンクを攻撃し始めた。
「痛っ、痛い! ちょっ、やめ……」
逃げるように離脱したリンクを流し目で見送りつつ、次に挙手したのはネス。
「じゃあ次はぼくね!」
とてとてとリヨンが眠るベッドに近づいたネスは、ううむと念力を集中させ──。
「【PK──」
「! 全員後ろ向いて目を閉じろ‼︎」
「フラッシュ】!」
クレイジーの指示が飛ぶや否や、その場にいた全員がネスに背を向けて目を伏せる。
緑色の光が瞼の裏にも透けて見える中、ネスの「う〜ん」とした声に安堵した一同は振り返る。
「これでもダメかー……」
「あ、危なかったよ」
危うく失明するところだった。そっと胸を撫で下ろしたルフレの隣で、カムイが「次は僕だね」と自信ありげに名乗りをあげる。
「ちょっと準備してくるから待ってて」
と、部屋を退室してから数分。「お待たせ〜」とバケツを手に戻ってきたカムイに、一同は目を見開く。
「何で氷水⁉︎」
「一気に冷えたら起きると思って」
「その前に風邪をひきますよ!」
そうかなぁ、とどこか納得のいかないカムイに、無理やり戻してきなさいと氷水を片付けさせる。
さて、いよいよ後がなくなってきた。どうするんだと頭を悩ませる中──奇跡は起きた。
『……ん』
「「「「「「「リヨン⁉︎」」」」」」」
なんと自力でリヨンが目を覚ましたのだ。
上体を起こしたリヨンの周りを皆で囲む。
「リヨン、大丈夫⁉︎」
「大丈夫か」
『ああ、問題ない。自力でどうにかなったからな』
「……ん?」
疑問符が浮かび上がる。
リヨンは自分の意識が小さな箱の中に閉じ込められていると気づくと、打撃や蹴撃で攻撃を与え、実力で脱出したのだと説明してくれた。
(……勝てないなぁ)
この時ばかりは、全員の胸中が揃ったという。