困惑の戦士達
「もうっなんなのよ一体!」
空気感も気にせず苛立ちを露わにするピーチに、カービィは相変わらずのほほんと「そうだね〜」と返す。
『空中スタジアム』でワリオにゼルダを攫われ、追いかけるも全てを飲み込む爆弾が起動。致し方なくワープスターで離脱するも、背後から『戦艦ハルバード』が迫り、振り切ろうとするも追いつかれ甲板に不時着。
しかしさらなる不幸なことに、フォックスが操縦しているらしきアーウィンの攻撃に巻き込まれ、甲板から落下。なんとか地上に降り立ったというのが事の経緯である。
地上には既に見慣れない敵達が跋扈しており、ピーチとカービィは『戦艦ハルバード』の行先を目指しながら進行している最中であった。
「ワリオが持っていた不思議な機械……あれはなんだったのかしら。ゼルダが心配だわ」
「『メタナイト』に聞けば何か分かるかもしれないよ!」
「? メタナイト?」
今し方おもちゃのような兵隊マイトを撃ち倒したカービィは「うんっ!」と笑顔で頷く。
「ぼくと同じ世界に住んでいる友達だよ」
「あの船はその方の所有物ですの?」
「うん。何度も墜落してる」
でも、とカービィは少し不思議そうな顔をして。
「あんな風に悪いことに使うことはもうないと思うんだ。何かあったのかも……」
「そうですの……。とにかく、そのメタナイトとやらに会って話を聞きましょう」
今後の方針を定めた二人は、早速先へ進もうとするも──。
「!」
「あっ」
『何か』に気づいたカービィが突如として走り出す。引き留め、追いかけようとするピーチだったが……。
「! 貴方は……⁉︎」