困惑の戦士達

12:困惑の戦士達【1】


「もうっなんなのよ一体!」

 空気感も気にせず苛立ちを露わにするピーチに、カービィは相変わらずのほほんと「そうだね〜」と返す。
 『空中スタジアム』でワリオにゼルダを攫われ、追いかけるも全てを飲み込む爆弾が起動。致し方なくワープスターで離脱するも、背後から『戦艦ハルバード』が迫り、振り切ろうとするも追いつかれ甲板に不時着。
 しかしさらなる不幸なことに、フォックスが操縦しているらしきアーウィンの攻撃に巻き込まれ、甲板から落下。なんとか地上に降り立ったというのが事の経緯である。
 地上には既に見慣れない敵達が跋扈しており、ピーチとカービィは『戦艦ハルバード』の行先を目指しながら進行している最中であった。

「ワリオが持っていた不思議な機械……あれはなんだったのかしら。ゼルダが心配だわ」
「『メタナイト』に聞けば何か分かるかもしれないよ!」
「? メタナイト?」

 今し方おもちゃのような兵隊マイトを撃ち倒したカービィは「うんっ!」と笑顔で頷く。

「ぼくと同じ世界に住んでいる友達だよ」
「あの船はその方の所有物ですの?」
「うん。何度も墜落してる」

 でも、とカービィは少し不思議そうな顔をして。

「あんな風に悪いことに使うことはもうないと思うんだ。何かあったのかも……」
「そうですの……。とにかく、そのメタナイトとやらに会って話を聞きましょう」

 今後の方針を定めた二人は、早速先へ進もうとするも──。

「!」
「あっ」

 『何か』に気づいたカービィが突如として走り出す。引き留め、追いかけようとするピーチだったが……。

「! 貴方は……⁉︎」

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