新たな仲間に捧ぐ大乱闘

10:新たな仲間に捧ぐ大乱闘【1】


 ──ズドンッ‼︎
「うおっ⁉︎」


 デジャブとはまさにこのこと。
 体にのし掛かる重圧。体の奥底に鈍く響いた感覚に胸を抑える。
 飛び起きたマリオを含む国全体を著しい揺れが襲う。初めは混乱していたマリオもすぐに2年前に経験したものと同じ──『地殻変動』であると察する。であれば、このあとの流れはあのときと同じ。

『城内ニイル皆様ニオ知ラセイタシマス』
(……あれ? 自動アナウンス?)

 スピーカーから流れる声はヴィルヘルムのものではなく機械的なもの。続けて流れる自分達【乱闘部隊】に向けられたものも、前回とは異なっていた。

『只今、「地殻変動」ガ発生シテオリマス。揺レガ収マルマデ、身ノ安全ヲ確保シテクダサイ。マタ、【乱闘部隊】ニ所属ノ皆様モ、揺レガ収マリ次第、朝食ノ時間マデゴユルリトオ過ゴシ下サイ。繰リ返シマス――』
(なんか前と違うような気がするが……まあいいか)

 マリオは気にすることなく二度寝することにした。
 他のファイター達も『地殻変動』だと知ると、さして気にすることなく過ごしていた。
 思えば、何かが“おかしかった”。

 ──事件はもうすでに、始まっていたのだ。

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