エピローグDX
僕が目覚めたのはそれから一年後。
クレイジーハンドによる『アルスハイル王国』滅亡の脅威は去り、世界には
いつかまた封印が破られた時には……そのときはそのときだ。
また彼らが力を貸してくれると思うから。
眩いほどの“希望”を掲げた彼ら──【乱闘部隊】と、
マネージャーである僕、ヴィルヘルムのクロステイルはまだまだ終幕を迎える様子は無さそうだ。
「なんだかあっという間だったな」
二年間の語りを終えた『マリオ』は、月を見上げたまま呟く。
ヴィルヘルムの胸に飛び込んできた『カービィ』は夜も遅いのもあってか、こくりこくりと船を漕いでいた。
マリオとヴィルヘルムは互いに小さく笑い合う。
「ま。これからもよろしくな、ヴィル」
「こちらこそよろしく。マリオ」
コツンと拳を打ちつけあった二人の元に、歩み寄るひとつの影。
「お邪魔だった?」
と、揶揄いながら現れたのはリンク。いいやと二人は笑顔で出迎えた。
「こんなところにいたのかよ」
「まあな」
「ちょっと昔話をしていたのです」
「昔話?」
「お前が生意気だった頃の話」
「はぁ?」
「それは今も変わってねぇか」
カッカッと笑い飛ばすマリオに、リンクはいつものように突っ掛からなかった。
表情に影を落とす少年を、マリオもヴィルヘルムも暖かい眼差しで見つめる。
本日催されたパーティーは、【乱闘部隊】ファイターがやって来てから二周年記念でありながら、一部ファイター離脱のお別れ会でもあった。
リンクもまた、部隊から離れるひとりなのである。
「ナビィさん。見つかるといいですね」
「……うん」
神妙な面持ちとなるリンクの背中を、マリオはバシーンッと喝を入れた。
「いっ」
「自信持てって! お前には帰る場所があるんだから、見つからなくとも何度でもチャレンジしてみろ!」
マリオの言葉にリンクは奥歯を噛み締め俯き、勢いよく顔を上げては笑い返した。
「当たり前だろ!」
目尻に溜まる涙を見て見ぬふりをして──マリオとヴィルヘルムは会場を見遣る。
「さて、そろそろ戻ってやるか」
「だいぶ話し込んだしね」
「僕も行く」
「う〜ん……」
リンク、ヴィルヘルムとカービィ、マリオは未だどんちゃん騒ぎが鳴り止まぬパーティー会場へと戻る。
明日もまた平穏な一日であることを願って。
──だが、彼らはまだ知らなかった。
世界の存続を脅かす脅威はまだ、完全に消え去っていなかったことを。
「ふわぁ……、もうこんな時間か。
……やっと始められる。
──僕の物語ヲ」
to be continued……?