想イノ終着点

6:想イノ終着点【18】


「! 戻ってきたぞ!」

 ステージからリンク達が待つ『システム管理室』に帰還した一行。
 リンクの言葉にマルスは笑みを浮かべ、ネスは真っ先にマリオのもとへ。

「ありがとう、マリオ」
「どういたしまして」

 ニッと破顔したマリオは、「さてと」とマスターに振り返りふんぞり返る。

「約束は果たしたし、オマエにも勝った。これで文句はないだろ」

 それまでヴィルヘルムの肩を借りていたマスターはやんわりと引き剥がし、マリオと一歩距離を詰めては「そうだな」と頷く。

「認めざるおえない。君達ならきっと、『ヤツ』に打ち勝てるだろう」
「『ヤツ』?」

 眉間に皺を寄せるリンクとは裏腹に、ハッとしたヴィルヘルムはマスターを見遣る。

「マスター様、あの話をなさるのであれば僕からご説明いたします」
「ヴィル」
「元を辿れば僕の失態が原因です。その責任は取らなければ」
「ヴィル。」

 諭すように名を呼べば、ヴィルヘルムは口ごもる。
 マスターは少年の肩にそっと手を添えた。

「いいから。君は席を外しなさい」
「……承知いたしました」

 彼らのやり取りを不思議に思う中、ヴィルヘルムを見送ったマスターはマリオ達と目を合わせる。

「この話は君達『全員』に聞いてもらいたい。残りのメンバーにも後日話をする」
「いいのか?」
「ああ、もちろん。君達全員の協力があってこそだ」

 静かに耳を傾ける一行のうち──カービィだけはそっと、どこかへと立ち去る。
 流し目で見送ったマスターは、見て見ぬふりをしてマリオ達に語り始めた。
 己が正体とこの世界の歴史について──……


☆★☆


「ヴィル! ここにいたんだねっ」
「カービィ……」

 アルス城地下教会。ステンドグラスを透ける月光ひかりが幻想的な空間にヴィルヘルムはいた。
 木の椅子に腰を落ち着かせる彼の隣に、追いかけてきたカービィもちょこんと座る。

「……話、聞かなくて良かったの?」

 それがマスターが話そうとしたことについてだと察したカービィは、足をブラブラと上下に動かしつつ頷く。

「うん。ぼくはみんなを助けたかっただけだから」

 そう答えては沈黙する彼の優しさに、ヴィルヘルムは目を逸らす。

「……あのね、カービィ」
「ん?」
「ごめんね」

 突然の謝罪にカービィは目を丸くした。
 ヴィルヘルムは教会のロザリオに目を向けると、懺悔をするかの如く言葉を紡ぐ。

「本当はおととい、何があったのか覚えているんだ」
「!」
「僕は殺されたんでしょう?」

 カービィは返答のしようがなかった。それが肯定になることすら考えつかず。

「カービィ、僕はね──」

 見開かれる青い瞳から逃げ出すことなく、少年は笑みを湛えて告白する。

「──もうとっくに、


死んでるんだよ」

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