想イノ終着点
「……なんでだよ」
「……」
「なんでお前がいるんだよ! ――『マリオ』!」
準決勝、A&Bチーム――マリオvsリンク。
ステージに登場するや否や理不尽なお怒りを受けたマリオは、「しょうがねぇだろ!」と反撃。
「チーム分けは『
「そうじゃない! どうしてガノンドロフじゃないのかって聞いてんだよ‼︎」
「そっちかよ⁉︎」
もはやリンクはマスターとの話を忘れているのかというレベルの、ガノンドロフに対する恐るべき執着心。いやいや、とマリオは手を横に振る。
「ガノンドロフとなら後でいくらでもやってくれ。頼むから今は戦いに集中しろよ」
「む……」
それもそうかと思ったのか――はたまた、ここで負けるのも恥だと思ったのか――リンクは戦闘体勢を縫い直し、開始の合図を待つ。
Ready Go!
「行くぞリンク!」
「負けるかッ‼︎」
準決勝、C&Dチーム――フォックスvsマルス。
(向こうはマリオとリンク……どちらが勝っても、マスターとの約束を果たす可能性は残ってる。でも、確実なものにするには、この試合でぼくが勝たなければいけない)
美麗な睫毛を揺らし思考に耽るマルスを、対戦相手であるフォックスは訝しむ。
「……おーい、マルス」
「ん? 何かな」
「それはこっちのセリフだ。何をそんなに考え込んでいるんだ?」
いや、とマルスは頭を振りかぶる。
「少し緊張しているだけさ。気にしないでくれ」
「なぁ、もしかして……お前『達』、何かあったか?」
『達』。と、自分以外のことも含んだ言葉に、マルスは内心焦燥に駆られる。
「さっき戦ったネスもそうだったが……朝からなーんかよそよそしいんだよな」
そう顎を触るフォックスの慧眼には恐れ入った。
マルスは微笑を浮かべる。
「すまない、フォックス。詳しくは話せないけど……ぼくらには、勝たなければいけない理由があるんだ」
「お前……正直に話さなくても良かったのに」
「仲間に嘘はつきたくないから」
やれやれと肩をすくめたフォックスは、肩や首を大きく回しては構えた。
「どんな理由かは聞かないが、だからといって手は抜かないぜ?」
ファルシオンを軽く振るっては深呼吸をするマルスも、小さく頷き返す。
「もちろん、そのつもりさ。全力で戦おう」
「ああ! 俺が勝っても恨むなよ?」
「そのときは彼らを信じるだけさ」
Ready Go!
二つのステージで響き合う戦闘音。
さすが数ある猛者を倒しただけとあり、戦いは熾烈を極めた。
そうして決勝へと進んだのは――。
Game Set!
『準決勝を制したのは、マリオ選手とフォックス選手だ〜!』