名探偵コナン
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※【こんな、世間では「セフレ」と呼ばれるような関係】の福城 聖視点
※捏造有り、100万ドルの五稜郭後の話
名無しが起きる少し前から、福城 聖は目が覚めていた。
夜どれだけ遅く寝ようが朝早く起きてしまう習慣は変わらなく、隣で眠る名無しの姿を見ては愛おしそうに頬を緩める。
気持ち良さそうにすやすやと眠り、あどけない表情を無謀に晒す名無し。
そんな彼女が心の底から愛おしく、聖はこの幸せな時間を噛み締めながら名無しの寝顔にかかる前髪を払う。
だが目の前で眠っている名無しと聖は恋人同士でもなければ、付き合ってすらいない。
所謂セフレと言う関係だ。
都合のいい時にお互い誘い、身体を重ねてはお互いの性欲を満たす。
寂しさを埋める為の傷の舐め合いと名無しは思っているだろうが、聖だけはその認識ではなかった。
―――お互い好きな人が出来たらこの関係を辞める
そう名無しに約束を持ちかけたのは聖の方からだった。
我ながら質が悪くズルイ約束だなと、持ちかけた聖ですら思ってしまうほど…それほどまでに質が悪い事位理解している。
それでも…
(名無しが他の奴とそう言う関係になるのだけは…俺が許せないから…)
何故ならこの約束を交わす前から、聖は名無しに好意を抱いている。
“お互い好きな人が出来たら”なんて、約束する前に聖は名無しが好きなのだからある意味元から好きな人が居るのだから当てはまる事はない。
全面的に聖が優位な約束なのだ、きっと名無しが知ってしまえば名無しは怒るだろう。
世間一般的には“セフレ”と言う関係だが、蓋を開ければそれは違うのだ。
身体を重ねる事も幾度となく重ねている事はセフレ同士がする事だが、それに付随して恋人の様に接する。
そう接していれば名無しは今まで以上に聖に縋る事を聖は知っている。
「ねぇ名無し…早く僕に堕ちてよ…」
そう言いながら聖は名無しの首筋に唇を寄せては吸い付く。
ちゅっと、普段なら首筋になんてつける事はないし付けたとしても服で隠れる部分のみだ。
だが今日は自制が効かないのかつい首筋に付けてしまう。
名無しの首筋は赤く染まり、白い肌に良くキスマークが映えた。
今日の名無しの講義は1、2限とも名無しを振った男も講義を取っているのだ。
必修科目となれば仕方ないにしろ、それでも聖はその男が名無しに近づくのは嫌でしかない。
振ったのは男のはずなのに、名無しとの必修科目が被る場合は必ずと言っていいほど名無しに構うのだ。
振っておきながら未練があるのだろうと思うが、振った人間が名無しに関わるなと…嫉妬心で思ってしまう。
「僕は名無しが好きだよ」
母が死に、医者になる夢を忘れた聖はただただ時が流れるままに時間を過ごした。
父親である良衛の意思を継ぎ、圭三郎の遺産を破壊しろと言う使命も…果たされる事は無かった。
良衛は捕まり、自分だけがのうのうと生きている。
自首をしたにも関わらず、すぐさま釈放されてしまえば聖は今まで通り生活する事しか出来ない。
長年身体に染み付いた生活習慣を、ただただこなす。
大学に行き、次期師範としての稽古も忘れず、特別演武の披露をしてくれないかと頼まれれば断る事なく披露する。
何の使命も、夢も、希望も忘れたまま、灰色の大学生活を送り続けていた。
そんなある日、学部は違えど飲みに誘われた場で…聖は名無しと出会った。
名無しは所謂数合わせらしい…合コンでもないただの飲みの席に数合わせなど必要だろうかとも思ったが、『払ったお金が勿体ないからただ飯食べると思って…!』と言われてしまえば参加せざる負えなかったと苦笑いで聖に言っていた。
話しているうちに『そう言えば福城君学校休んでたみたいだけど…体調でも悪かったの?』と問われれば、聖はつい暈して言ってしまったのだ。
大学に来て居なかったのも自首していた期間もあるがそこはあえて言わず「医者になる夢を忘れてしまった」と聖は言った。
そうじゃなければ名無しにとってもそんな話をされたら困るだろうと思ったからだ。
嫌、暈して言ってもこんな話をしなくても良かったのかもしれないと聖は後々後悔した。
普段であれば当たり障りない会話に適当に相槌をし、相手の話を聞くに徹しているはずなのに今日に限って聖は出来なかった。
だが、聖の話を聞いた名無しはウーロン茶を飲みながら聖に言ったのだ。
―――『忘れたなら、また思い出せばいいんだよ。忘れたいほど…それは福城君にとって大事な物だったんだから…』
―――『思い出すのに時間はかかるかもしれないけど、…聖君なら大丈夫だよ!』
凛とした声で、真っすぐな瞳で聖の目を見ながら名無しは笑った。
その時からだ。
空っぽだった聖にの心に、名無しの言葉がストンと当てはまっては聖の心を温かくなっていく。
色のない世界に再び色が戻り、ようやく聖は思い出したのだ。
医者になりたい夢を、どうしてなりたかったのかを。
そしてその言葉だけで…聖は名無しに堕ちてしまった。
後から聞けばその時は同じ学部の人と付き合って居ると聞かされたが、しばらくして別れた事を聞けば絶好のチャンスだと聖は思う。
失恋したばかりなのだ、自分も似たような事を経験したからこそ漬け込む隙を見落としたりなんて聖はしない。
約束を持ち掛け名無しとの関係が少しでも持てれば…後は囲い込んでドロドロに甘やかして、名無しが自分を好きになるように仕向けるだけなのだから。
聖はセフレだろうが恋人の様に扱ったりなどしない、身体だけの関係なのだ、それ以上を求めるのはご法度だと思っている。
だが名無し相手なら話は別だ、ご法度?そんなもの知らないと言わんばかりに名無しを恋人の様に接しては甘やかす。
質が悪い、狡い男だと思えど、この手しか聖には見つからなかったのだ。
「狡くても質が悪くても、それでも僕は…名無しの事手放して上げられないから…だから早く僕に堕ちて名無し」
聖が望むのはたったそれだけなのだ。
眠っている名無しは福城 聖がそんな人間なんて思わないだろう。
何も知らないまま眠っている名無しに、そっと聖は唇に口付けを落とした―――…
狡くても質が悪くても、君が欲しい
(ちょっと聖アンタ何してんのよ!?)
(おかえり、名無し。何って何が?)
(これよこれ!こんな濃いの付けたら誤解されちゃうでしょ!?)
(名無しの首筋が美味しそうだったから…ついね)
(美味しそうだからついねじゃないわよっ!!!)
2024/12/08
※捏造有り、100万ドルの五稜郭後の話
名無しが起きる少し前から、福城 聖は目が覚めていた。
夜どれだけ遅く寝ようが朝早く起きてしまう習慣は変わらなく、隣で眠る名無しの姿を見ては愛おしそうに頬を緩める。
気持ち良さそうにすやすやと眠り、あどけない表情を無謀に晒す名無し。
そんな彼女が心の底から愛おしく、聖はこの幸せな時間を噛み締めながら名無しの寝顔にかかる前髪を払う。
だが目の前で眠っている名無しと聖は恋人同士でもなければ、付き合ってすらいない。
所謂セフレと言う関係だ。
都合のいい時にお互い誘い、身体を重ねてはお互いの性欲を満たす。
寂しさを埋める為の傷の舐め合いと名無しは思っているだろうが、聖だけはその認識ではなかった。
―――お互い好きな人が出来たらこの関係を辞める
そう名無しに約束を持ちかけたのは聖の方からだった。
我ながら質が悪くズルイ約束だなと、持ちかけた聖ですら思ってしまうほど…それほどまでに質が悪い事位理解している。
それでも…
(名無しが他の奴とそう言う関係になるのだけは…俺が許せないから…)
何故ならこの約束を交わす前から、聖は名無しに好意を抱いている。
“お互い好きな人が出来たら”なんて、約束する前に聖は名無しが好きなのだからある意味元から好きな人が居るのだから当てはまる事はない。
全面的に聖が優位な約束なのだ、きっと名無しが知ってしまえば名無しは怒るだろう。
世間一般的には“セフレ”と言う関係だが、蓋を開ければそれは違うのだ。
身体を重ねる事も幾度となく重ねている事はセフレ同士がする事だが、それに付随して恋人の様に接する。
そう接していれば名無しは今まで以上に聖に縋る事を聖は知っている。
「ねぇ名無し…早く僕に堕ちてよ…」
そう言いながら聖は名無しの首筋に唇を寄せては吸い付く。
ちゅっと、普段なら首筋になんてつける事はないし付けたとしても服で隠れる部分のみだ。
だが今日は自制が効かないのかつい首筋に付けてしまう。
名無しの首筋は赤く染まり、白い肌に良くキスマークが映えた。
今日の名無しの講義は1、2限とも名無しを振った男も講義を取っているのだ。
必修科目となれば仕方ないにしろ、それでも聖はその男が名無しに近づくのは嫌でしかない。
振ったのは男のはずなのに、名無しとの必修科目が被る場合は必ずと言っていいほど名無しに構うのだ。
振っておきながら未練があるのだろうと思うが、振った人間が名無しに関わるなと…嫉妬心で思ってしまう。
「僕は名無しが好きだよ」
母が死に、医者になる夢を忘れた聖はただただ時が流れるままに時間を過ごした。
父親である良衛の意思を継ぎ、圭三郎の遺産を破壊しろと言う使命も…果たされる事は無かった。
良衛は捕まり、自分だけがのうのうと生きている。
自首をしたにも関わらず、すぐさま釈放されてしまえば聖は今まで通り生活する事しか出来ない。
長年身体に染み付いた生活習慣を、ただただこなす。
大学に行き、次期師範としての稽古も忘れず、特別演武の披露をしてくれないかと頼まれれば断る事なく披露する。
何の使命も、夢も、希望も忘れたまま、灰色の大学生活を送り続けていた。
そんなある日、学部は違えど飲みに誘われた場で…聖は名無しと出会った。
名無しは所謂数合わせらしい…合コンでもないただの飲みの席に数合わせなど必要だろうかとも思ったが、『払ったお金が勿体ないからただ飯食べると思って…!』と言われてしまえば参加せざる負えなかったと苦笑いで聖に言っていた。
話しているうちに『そう言えば福城君学校休んでたみたいだけど…体調でも悪かったの?』と問われれば、聖はつい暈して言ってしまったのだ。
大学に来て居なかったのも自首していた期間もあるがそこはあえて言わず「医者になる夢を忘れてしまった」と聖は言った。
そうじゃなければ名無しにとってもそんな話をされたら困るだろうと思ったからだ。
嫌、暈して言ってもこんな話をしなくても良かったのかもしれないと聖は後々後悔した。
普段であれば当たり障りない会話に適当に相槌をし、相手の話を聞くに徹しているはずなのに今日に限って聖は出来なかった。
だが、聖の話を聞いた名無しはウーロン茶を飲みながら聖に言ったのだ。
―――『忘れたなら、また思い出せばいいんだよ。忘れたいほど…それは福城君にとって大事な物だったんだから…』
―――『思い出すのに時間はかかるかもしれないけど、…聖君なら大丈夫だよ!』
凛とした声で、真っすぐな瞳で聖の目を見ながら名無しは笑った。
その時からだ。
空っぽだった聖にの心に、名無しの言葉がストンと当てはまっては聖の心を温かくなっていく。
色のない世界に再び色が戻り、ようやく聖は思い出したのだ。
医者になりたい夢を、どうしてなりたかったのかを。
そしてその言葉だけで…聖は名無しに堕ちてしまった。
後から聞けばその時は同じ学部の人と付き合って居ると聞かされたが、しばらくして別れた事を聞けば絶好のチャンスだと聖は思う。
失恋したばかりなのだ、自分も似たような事を経験したからこそ漬け込む隙を見落としたりなんて聖はしない。
約束を持ち掛け名無しとの関係が少しでも持てれば…後は囲い込んでドロドロに甘やかして、名無しが自分を好きになるように仕向けるだけなのだから。
聖はセフレだろうが恋人の様に扱ったりなどしない、身体だけの関係なのだ、それ以上を求めるのはご法度だと思っている。
だが名無し相手なら話は別だ、ご法度?そんなもの知らないと言わんばかりに名無しを恋人の様に接しては甘やかす。
質が悪い、狡い男だと思えど、この手しか聖には見つからなかったのだ。
「狡くても質が悪くても、それでも僕は…名無しの事手放して上げられないから…だから早く僕に堕ちて名無し」
聖が望むのはたったそれだけなのだ。
眠っている名無しは福城 聖がそんな人間なんて思わないだろう。
何も知らないまま眠っている名無しに、そっと聖は唇に口付けを落とした―――…
狡くても質が悪くても、君が欲しい
(ちょっと聖アンタ何してんのよ!?)
(おかえり、名無し。何って何が?)
(これよこれ!こんな濃いの付けたら誤解されちゃうでしょ!?)
(名無しの首筋が美味しそうだったから…ついね)
(美味しそうだからついねじゃないわよっ!!!)
2024/12/08
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