ヴァリアーさん家の仔羊?さん
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「会いたかったぜ、リーノ!!」
『ん、ふぃーほ?(訳:ん、ディーノ?)』
それはのどかな三時のおやつ時。
突然ボンゴレと同盟関係であるキャバッローネ・ファミリーのボス、ディーノがヴァリアーを訪れた事により話は始まった。
ルッスーリア手作りスペシャルチョコレートケーキを食べているリーノに、従兄弟であるディーノが抱き着く。
何時もの様にフードにファーの付いたモッズコートを羽織りラフな格好をしているせいか、見た目からしてマフィアのボス等とは誰も思わないだろう。
10年前と比べ、大人の色気が増し女性であれば誰しもがその美貌に黄色い声色を上げる。
リーノとディーノが従兄弟同士なのを知っているせいか、ディーノがリーノに抱き着いたところでヴァリアーメンバーは特に何を言うわけでもなくただただその光景を見ていた。
ヴァリアーメンバーにとって、その光景はあまりにも見慣れたものになっているからだ。
「あ~、リーノのこの髪の触り心地最高だな…癒される」
『もぐもぐ』
「ははっ、リーノほっぺにチョコクリームついてるぜ?」
『もぐもぐ』
一生懸命目の前にあるチョコレートケーキを食べるリーノに、そっとディーノはほっぺについていたチョコクリームを人差し指で拭う。
黙々とチョコレートケーキを食べながらも、リーノはディーノに対して世話焼きだな~とどこか他人行事に想いながらもケーキを食べる手を止める事は無かった。
別にディーノの事が嫌いだからこんな態度をとっているわけではない、ただ単に目の前にチョコレートケーキがある、それだけの事でリーノはチョコレートケーキを優先しているまでだ。
「おぃ跳ね馬、一体何の用だぁあああ!!」
「よ、スクアーロ。もちろんリーノに会いに来たんだぜ?」
「ししし、それだけでヴァリアーまで来んなよこのシスコンが」
「センパーイ、そう言うのは心の中で言うもんですよー?」
「うるせぇーカエルの分際で!」
そう言いながらベルは持っていたチョコクリームがたっぷりとついたナイフをフラン…ではなく、ディーノに向かって投げた。
ナイフは綺麗にディーノの脳天に目がけて飛んでくる。
…だが、ディーノは脳天に目がけて飛んでくるナイフをひょいっと軽く避けて再びリーノに抱き着いた。
何時もならそのへなちょこでナイフを避ける事すらできなかっただろうが、ディーノの部下であるロマーリオがついて来ていたのでボス体質が発動し避けられたのだろう。
ディーノは何かを思い出したかのように、一旦リーノから離れXANXUSの座っている椅子の方まで近づいた。
ジャケットのポケットから一枚の紙切れを取り出し、それをXANXUSに渡す。
「あぶねぇーな…そうそう、これXANXUSに書類な」
「…珍しいな。キャバッローネからか?」
「否、ボンゴレからだぜ?間違って書類がこっちに入ってたんだよ」
渡された書類に視線を向ければ、それは確かにキャバッローネからではなくボンゴレからヴァリアー宛の書類だった。
同盟であると言えど何故ヴァリアー宛の書類がキャバッローネの方に紛れたのかは謎であるが、数年に1度くらいはこう言ったミスが発生するのでXANXUSは何も言わずに受け取った書類に目を通す。
「期限付きの書類だったから早めに渡しに来たんだよ…リーノに会うついでにな」
「「「「「ついでかよ!?」」」」」
ヴァリアー側の盛大なツッコミが入るがディーノは気にせずに言葉を続ける。
「当たり前だろ?ぶっちゃけ書類なんてどうでも良かったけどリーノに会えるから渡しに来てやったんだぜ」
それもそのはずだ、たかが書類一枚を渡すだけならマフィアのボス直々に来る必要はどこにもない。
重要書類には違いないのだが、それでも優秀な部下に届けさせれば終わりなのだから。
ディーノもキャバッローネ・ファミリーのボスでありそれなりに忙しい立場の人間だ。
だがマフィアのボス直々に来たのは、先ほど述べた通りリーノに会えるから…それだけの理由なのだ。
『ディーノ』
「おっ、何だリーノ?」
『お肉食べたい』
「ははっ、リーノなら絶対そう言うと思ってたぜ」
爽やかな笑顔で軽くディーノは返す。
「リーノがそう言うと思ってちゃんとお土産の準備してるからな」
『えっ?』
ディーノの言葉に、リーノは目を輝かせる。
そんなリーノが可愛くて仕方ないのか、ディーノの口は緩みっぱなしだ。
ロマーリオに何かを伝えると、一旦や式から出て再び大きな箱を幾つも持って戻ってくる。
ロマーリオ一人では流石に無理な量なので、他の部下達も運ぶのを手伝っていく。
数十分としないうちに、部屋の四分の一ほどは箱で埋まった。
流石に他のヴァリアーメンバーhがその光景に少々ドン引いてはいるが…。
「牛豚鶏、ラム肉に…リーノの好きそうなのばっか用意してるぜ」
『い、いいの…?』
「あぁ、リーノのためだけにな!」
片眼を閉じてウィンクするディーノ。
もしここに彼を恋愛的な意味で好きだと言う人間が居たならば…否、恋愛感情が無くてもきっと彼のウィンクにやられていただろう。
それほどまでにイケメンのウィンクの破壊力は凄まじい。
従兄弟であるリーノは何とも思わない。
否、何とも思わないというよりも目の前に山積みされていく箱に目をキラキラと輝かせているせいで眼中にないと言った方が正しいが…。
『ディーノ大好き!!!』
「俺もリーノの事大好きだぜ!」
そう言いながらリーノはディーノの首に抱き着き、またディーノも抱き着いてくるリーノを抱きしめ返す。
傍から見れば、誰がどう見てもこの光景だけはシスコンとブラコンにしか見えなかった―――…
やって来たのは従兄弟のお兄さん
(じゃ、また来るぜリーノ)
(うん、またお土産よろしくね?)
(おう!リーノのためなら俺は何処でも駆けつけるからな!)
(に~く~)
(話がこれっぽっちも嚙み合ってねぇーぞ…)
(それでよく話がまとまりますねー)
2024/08/08
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