ヴァリアーさん家の仔羊?さん
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「またんかリーノ!!!!!!!」
『だ、誰が待つかっつーの!!!』
逃げる、ただひたすらにリーノはヴァリアーの屋敷内を逃げていた。
足を止めれば後ろから追いかけてくる化け物…もといレヴィに何かをされると野生の感がそうリーノに伝える。
足音を消して逃げるリーノに対し、レヴィは足音を消すどころかその重い音を強調しているのではないかと思う程音を立てた。
一応暗殺部隊の一員なのだから足音位消せと言いたくなるが、逆にその音がリーノの恐怖心を掻き立てる。
ベルから拝借したナイフを三本懐から取り出し、後ろから追いかけてくるレヴィへとリーノは投げた。
遠距離武器を扱うのが苦手なため基本的に投げて使う事は滅多にないリーノなのだが、今回ばかりは別だ。
接近戦で戦う事すら拒否したくなるレベルなのだ、ナイフで仕留めれればと淡い希望を元に投げつけた。
得意ではないにしろ、今回リーノが投げたナイフは綺麗に直進しレヴィの脳天にクリティカルヒットする。
レヴィの頭からは凄い勢いで血しぶきが上がっているのに、何故か何事もないかのようにリーノを追いかけてくるのを止めない。
ちらりと振り向けば、相変わらず気持ち悪い顔で今にもリーノに襲い掛かってくる勢いだ。
逃げる、逃げる、逃げ回る。
リーノは全速力で走っているのに、レヴィは出血多量で倒れる事もなく追いかけ続ける。
毎回肉ばかり食べているイメージがついているが、リーノ自身もまがいなりにも暗殺部隊ヴァリアーの一員だ。
軽い身のこなしで軽やかに逃げ周り屋敷内のありとあらゆるものを使ってレヴィを撒こうとするが、レヴィも幹部の座にいる男なのでなかなか撒いて逃げる事が出来ない。
「ぬう??!!俺の言う事が聞けないのか??!」
『嫌だよ、寧ろ何で追いかけてきてんの!?』
「それはリーノが可愛いからだ!!」
『メェェェエエエエエ!!??』
思わず鳥肌が立ち、甲高い声を上げながらリーノは走り回った。
途中部下を何人か見つけたが、あたかも俺たちは何も見ていませんと言わんばかりにリーノから目を逸らす。
自分の部下がもしかしたらレヴィとグルなのでは?と勘違いするほどに、毎回見て見ぬふりを…目を合わしてくれないのだ。
リーノとレヴィが去った廊下では、リーノの部下三人が追いかけられているリーノを見ていた。
定期的に行われるこの追いかけっこにリーノの部下達は遠い目をしながらリーノを見る。
「…またうちの隊長レヴィ体隊に追いかけられてるな…」
「どうにかしてあげたいけど俺たちじゃ歯が立たないし」
「俺たちが不甲斐ないばかりに隊長…ごめんなさい」
下っ端故にリーノを助けようとするにしても瞬殺されるだろうし、何より相手は幹部だ。
部隊は違うと言えど後でお叱りを受けない可能性も無きにしもあらずの為、毎回見て見ぬふりをする。
「俺たちにもっと力があれば…」
「だなぁー…けど…な?」
「な?リーノ隊長の事は大事だけど何よりレヴィ隊長に関わりたくないよな」
「「それな!!」」
同情はするが関わりたくはない、そんな部下の気持ちも知らずリーノは走り回る。
「さっさと俺に捕まって写真を撮らせろ!!!」
『やだよ、…撮った写真どうするつもりなのさ??!!』
「それは勿論俺のMYアルバムにボスの写真と共に納める!!!」
『変態発言やめてよね』
「これの何処が変態なんだ??!!」
『存在自体が変態に決まってんじゃん!!!』
リーノはそう叫ぶと同時に走るのを止め、隠し持っていた愛用の武器…鉈をレヴィに向けて振り上げた。
走り回るのに疲れ流石に我慢の限界…お腹の好きすぎの限界でリーノは獲物を狩る目で思いっきり鉈を振り落とす。
流石のレヴィもリーノが愛用の武器で攻撃してくるとは思わなかったため、不意を突かれその攻撃を避ける事は出来なかった。
廊下に倒れるレヴィだが、その後約30分余り彼に鉈を振り下ろしまくった。
幹部を…同僚を殺るなと後でXANXUSに怒られようが今のリーノには知った事ではない。
自分の身を守らねばと自己防衛だけが働き、無心に鉈を振り下ろすのであった―――…
変態は何時まで経っても死なない
(ぬっ?!此処は一体??!!)
(やっぱり死なない)
(しししっ、流石変態)
(って、何でベルがいんの?!)
(さっきから見てたんだよね、俺)
(助けろよ?!)
(しししっ、だって俺王子だもん)
(意味分かんない)
2024/08/11
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