不器用な恋
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※【ロマーリオside】
ディーノがコショウを取ったその一瞬の隙を見て、隣に座っているマリアは白衣から何かの粉末を取り出してディーノのワインの入っているグラスにこっそりと入れたのを…部下であるロマーリオは見逃さなかった。
粉末はすぐさまワインに溶け、一目見ただけでは粉末が入れられた事なんて分からないほど何も変わらないワインのままだ。
(ありゃあ睡眠薬だな…)
今までの経験上ロマーリオは直感的にそう感じる。
昔から何度もこんな光景を見ていたのでロマーリオは特に気にせず目の前に配膳されているステーキを切り分ける。
本来であれば注意するなり飲まないように促すのが正しいのだが…マリアが毒物等を盛る事が絶対にないと思っているためか合えてロマーリオは見なかったことにする。
普段なら気づくはずのディーノだが今回は気づいていないようだ。
薬を入れられたにも関わらず、ディーノは疑う事もなくワインを一口飲む。
そんなディーノの隣で、マリアは先ほど自分のした事をまるでなかったかのように平然と振舞うのだ。
『あら、今回はこぼさないのね』
「なっ?!マリア俺は昔と違うんだぞ!!」
『ふっ…嘘くさ』
マリアはフンっと鼻で笑いながらナイフとフォークを器用に使い、用意されたステーキを切り分け口へと運ぶ。
その振る舞いはまるで本物のお嬢様のように優雅で無駄のないカトラリーの使い方だ。
マリアの隣に座る、キャバッローネ・ファミリーのボスであるディーノはむくれながらナイフで自分の目の前に置かれているステーキを切り分ける。
部下が居るにも関わらず、些細な所でへなちょこになってしまうのは幼馴染であるマリアが居て気づかないうちに安心しているからだろう。
「だ、だいたいお前は昔から…」
『そんなのディーノも一緒じゃん!』
「俺はマリアとは違うぞ!!」
『一緒!もしくはあたしより下!』
「何だと?!」
『何よ!!!』
食事中だと言う事も忘れマリアとディーノ言い争いを始める。
まるで子供じみた言い争いを見ながら、ロマーリオは珈琲を一口飲む。
(全く…昔から何一つ進歩してねぇーな…こりゃあ)
目の前で繰り広げられるしょうもない争いの光景を見ながら、ロマ―リオは苦笑する。
親代わりとまではいかないものの、小さい頃からマリアとディーノの面倒を見てきたうちの1人だ。
無論ロマーリオだけではない。
キャバッローネ・ファミリーの人間なら小さい頃から2人の事を知っている。
それほど長い時間マリアとディーノの面倒を見てきたのだ、数えきれないほど2人のしょうもない言い争いなんて彼らにとっては日常茶飯事なのだ。
(何時になったら素直になるんだか…先が思いやられますぜ、ボスにお嬢…)
ロマーリオは二人のこの先の事を考えると内心ため息をついた。
傍から見ればお互いがお互い大切で、大事にしているのだって手を取るように分かる。
それがただ単に“幼馴染”だからと言う理由でない事もだ。
マリアの恋心も、ディーノの恋心も…一目瞭然なはずなのに当の本人たちは全く気付いていない。
否、それどころか気持ちがバレないように気づかれないように…関係を壊さない方向にもって行っているのも痛いほどわかった。
だからこそ昔と何一つ変わらない、幼馴染と言う関係のまま前に進めていないのだ。
(変わったのはお互いの年齢と…その容姿といった所だな)
ロマーリオは小さい頃の二人と現在の二人を重ねる。
良い意味でも、悪い意味でも…変わらない二人を見てロマーリオはまた一口珈琲を飲む。
2024/08/28
ディーノがコショウを取ったその一瞬の隙を見て、隣に座っているマリアは白衣から何かの粉末を取り出してディーノのワインの入っているグラスにこっそりと入れたのを…部下であるロマーリオは見逃さなかった。
粉末はすぐさまワインに溶け、一目見ただけでは粉末が入れられた事なんて分からないほど何も変わらないワインのままだ。
(ありゃあ睡眠薬だな…)
今までの経験上ロマーリオは直感的にそう感じる。
昔から何度もこんな光景を見ていたのでロマーリオは特に気にせず目の前に配膳されているステーキを切り分ける。
本来であれば注意するなり飲まないように促すのが正しいのだが…マリアが毒物等を盛る事が絶対にないと思っているためか合えてロマーリオは見なかったことにする。
普段なら気づくはずのディーノだが今回は気づいていないようだ。
薬を入れられたにも関わらず、ディーノは疑う事もなくワインを一口飲む。
そんなディーノの隣で、マリアは先ほど自分のした事をまるでなかったかのように平然と振舞うのだ。
『あら、今回はこぼさないのね』
「なっ?!マリア俺は昔と違うんだぞ!!」
『ふっ…嘘くさ』
マリアはフンっと鼻で笑いながらナイフとフォークを器用に使い、用意されたステーキを切り分け口へと運ぶ。
その振る舞いはまるで本物のお嬢様のように優雅で無駄のないカトラリーの使い方だ。
マリアの隣に座る、キャバッローネ・ファミリーのボスであるディーノはむくれながらナイフで自分の目の前に置かれているステーキを切り分ける。
部下が居るにも関わらず、些細な所でへなちょこになってしまうのは幼馴染であるマリアが居て気づかないうちに安心しているからだろう。
「だ、だいたいお前は昔から…」
『そんなのディーノも一緒じゃん!』
「俺はマリアとは違うぞ!!」
『一緒!もしくはあたしより下!』
「何だと?!」
『何よ!!!』
食事中だと言う事も忘れマリアとディーノ言い争いを始める。
まるで子供じみた言い争いを見ながら、ロマーリオは珈琲を一口飲む。
(全く…昔から何一つ進歩してねぇーな…こりゃあ)
目の前で繰り広げられるしょうもない争いの光景を見ながら、ロマ―リオは苦笑する。
親代わりとまではいかないものの、小さい頃からマリアとディーノの面倒を見てきたうちの1人だ。
無論ロマーリオだけではない。
キャバッローネ・ファミリーの人間なら小さい頃から2人の事を知っている。
それほど長い時間マリアとディーノの面倒を見てきたのだ、数えきれないほど2人のしょうもない言い争いなんて彼らにとっては日常茶飯事なのだ。
(何時になったら素直になるんだか…先が思いやられますぜ、ボスにお嬢…)
ロマーリオは二人のこの先の事を考えると内心ため息をついた。
傍から見ればお互いがお互い大切で、大事にしているのだって手を取るように分かる。
それがただ単に“幼馴染”だからと言う理由でない事もだ。
マリアの恋心も、ディーノの恋心も…一目瞭然なはずなのに当の本人たちは全く気付いていない。
否、それどころか気持ちがバレないように気づかれないように…関係を壊さない方向にもって行っているのも痛いほどわかった。
だからこそ昔と何一つ変わらない、幼馴染と言う関係のまま前に進めていないのだ。
(変わったのはお互いの年齢と…その容姿といった所だな)
ロマーリオは小さい頃の二人と現在の二人を重ねる。
良い意味でも、悪い意味でも…変わらない二人を見てロマーリオはまた一口珈琲を飲む。
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