不器用な恋
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※【スクアーロside】
ディーノがロマーリオとアベーレを連れツナの部屋から出て行った部屋で、スクアーロはただディーノが出て行った扉を見つめていた。
沢田家を訪れ一時間もしないうちに、一気にいろいろな事が起こり過ぎたのだ。
マリアが連れて行かれた事、マリアの過去、そしてまさかこんな所で本来の任務であるはずのルーナ・ブルらしき人物に関しての情報。
普段なら一度にそんな事が起きようが正確に処理できていたはずなのに、今回に至ってはスクアーロなかなか情報の整理がつかなかった。
(マリアに…んな過去があったなんて思いもしなかったぜ…)
出会った頃も、学校を卒業した後も、マリアはスクアーロの前でそんな素振りを見せる事はなかった。
何かと言えば実験台になれだのモルモットとして薬を飲め等、思い返せばそんなやり取りばかりしていたのだ。
科学者として己の興味のある物に対しての追及、勉強が出来る、料理が上手いが身体を動かすような事全般が苦手でそう言う事に関しては一切してこなかったマリア。
だがあの学園で必死に銃の扱いをひっそり練習していたのを、スクアーロはよく見かけていた。
何処かのマフィアのファミリーに所属したいわけでも、マリア自身がマフィアなわけでもない。
それでも銃の扱いに関してだけはリボーンに教わったりマリア一人で練習をしたりと、表立っての練習はせずただひたすらに努力していた事は知っている。
どんなに上達しなくても、弱音を吐く事も泣き言も言わずただ懸命に練習していた。
そんな時ですらマリアは辛い表情も泣く事なかった。
唯一マリアの昔話を聞いた時位だろう、泣くのを我慢したような表情を見せたのは。
(跳ね馬の奴は…最初から知ってたんだな…)
幼馴染である以上マリアの過去を一番に知っているのはディーノだ。
マリアと幼馴染と言う関係性に勝てるわけでもなく、幼馴染なら知っていて当然だとスクアーロは思った。
スクアーロは学生時代からマリアと知り合ったのだ。
出会ってからのマリアの事は知っていても、出会う以前のマリアの事は当然知らないのだ。
こればかりは仕方のない事だと一瞬自分に言い聞かせようとしたが…違うのだ。
惚れた女の事を知る機会なんていくらでも合った、でもそれをしなかったのはスクアーロ自身でしかない。
一番腹がたったのはスクアーロ自身だ。
何も知らずに、知ろうとしてもマリアの過去に踏み込むことが出来なかったスクアーロ自身に、スクアーロは腹がたつ。
「くそっ…」
思わず壁を右手で殴る。
ドンと音と共に右手は義手ではないのだ、壁を殴った痛みがじんわりと手に広がるが今のスクアーロにはその痛みすら弱く感じる。
マリアの過去に比べたら、この痛みは大した痛みですらないのだ。
「で、お前らはどうするんだ?」
ツナの部屋に残っているリボーンはスクアーロを見上げて問う。
ツナの家庭教師として日本に居るリボーンは表立って九代目の依頼をこなす事は出来ず、日本での情報収集がメインなのだ。
リボーンにとっても元教え子であるマリアが連れて行かれた事に対して思う所はやはりあるようだ。
だがリボーンは動けない事を己自信が理解している。
動く事が出来るのは同じく依頼を受けているヴァリアーのみだ。
リボーンの言葉にスクアーロは無言になる。
だが、そんな中口を開いたのはルッスーリアだった。
「ふふ、マリアちゃんが撒いた餌に釣られてあげようじゃないの~」
「ゔお゙ぉい!!!ルッスーリア、お前任務はどうする気だ?!!」
「任務?そんなの後回しよ~、何?スクアーロはマリアちゃん助けたくないの?」
「…そりゃあ…助けたくないわけねぇーだろ」
ルッスーリアの言葉に、スクアーロだって本音を言えば今すぐにでも助けに行きたい。
惚れた女がブラックリスト入りしているマフィアのファミリーに連れて行かれてるのだ。
そして先程聞いたマリアの過去も相まっているせいか居ても立っても居られない。
自分の立場を捨ててでも、ディーノと同じようにマリアの事を助けたい気持ちは勿論ある。
だが日本に居るかもしれないルーナ・ブルを保護する任務を放棄する事等、暗殺部隊ヴァリアーのNo.二兼作戦隊長と言う立場がそれを邪魔する。
行きたいのに行けない歯がゆさに唇を噛み締めるスクアーロに対し、ルッスーリアは「頭が硬いわね~、スクアーロ」と笑いながらスクアーロを見る。
「騙されたと思って、素直にマリアちゃんが撒いた餌に釣られちゃいましょうよ?どうせ闇雲に探した所で何の成果も得られなかっただもの。マリアちゃんも助けれて、ルーナ・ブルの情報がちょっとでも手に入る方が得策じゃない?」
サングラス越しではあるが、ルッスーリアは恐らくスクアーロに向けてウィンクを飛ばした。
普段のスクアーロであればそんなルッスーリアの行動は気持ち悪いと心の底から思う。
だが今回だけは、そんなルッスーリアの行動がどこかあとがたく感じたのだ。
ルッスーリアの言葉はごもっともなのだ。
闇雲に探したところで何の情報も成果も得られない、仮にマリアの養親が本当にルーナ・ブルだったとしたらそれこそ情報所か保護すら物理的に難しい。
「私達はルーナ・ブルについて知っているマリアちゃんに会いに行くのよ?これは列記とした任務じゃない?空振りだったらその時はまた一から情報収集でもしたらいいと思うわよ」
ルッスーリアの言葉に、スクアーロは「そうだな」と呟き一つ深呼吸をする。
「…俺らもイタリアに戻るぞ、ルッスーリア!」
「そうこなくっちゃ!」
待ってましたと言わんばかりに、ルッスーリアは嬉しそうにスクアーロの言葉を受け止めた。
先程出て行ったディーノ達に送れながらも、スクアーロとルッスーリアも同じくイタリアへと向かった―――…
2024/10/17
ディーノがロマーリオとアベーレを連れツナの部屋から出て行った部屋で、スクアーロはただディーノが出て行った扉を見つめていた。
沢田家を訪れ一時間もしないうちに、一気にいろいろな事が起こり過ぎたのだ。
マリアが連れて行かれた事、マリアの過去、そしてまさかこんな所で本来の任務であるはずのルーナ・ブルらしき人物に関しての情報。
普段なら一度にそんな事が起きようが正確に処理できていたはずなのに、今回に至ってはスクアーロなかなか情報の整理がつかなかった。
(マリアに…んな過去があったなんて思いもしなかったぜ…)
出会った頃も、学校を卒業した後も、マリアはスクアーロの前でそんな素振りを見せる事はなかった。
何かと言えば実験台になれだのモルモットとして薬を飲め等、思い返せばそんなやり取りばかりしていたのだ。
科学者として己の興味のある物に対しての追及、勉強が出来る、料理が上手いが身体を動かすような事全般が苦手でそう言う事に関しては一切してこなかったマリア。
だがあの学園で必死に銃の扱いをひっそり練習していたのを、スクアーロはよく見かけていた。
何処かのマフィアのファミリーに所属したいわけでも、マリア自身がマフィアなわけでもない。
それでも銃の扱いに関してだけはリボーンに教わったりマリア一人で練習をしたりと、表立っての練習はせずただひたすらに努力していた事は知っている。
どんなに上達しなくても、弱音を吐く事も泣き言も言わずただ懸命に練習していた。
そんな時ですらマリアは辛い表情も泣く事なかった。
唯一マリアの昔話を聞いた時位だろう、泣くのを我慢したような表情を見せたのは。
(跳ね馬の奴は…最初から知ってたんだな…)
幼馴染である以上マリアの過去を一番に知っているのはディーノだ。
マリアと幼馴染と言う関係性に勝てるわけでもなく、幼馴染なら知っていて当然だとスクアーロは思った。
スクアーロは学生時代からマリアと知り合ったのだ。
出会ってからのマリアの事は知っていても、出会う以前のマリアの事は当然知らないのだ。
こればかりは仕方のない事だと一瞬自分に言い聞かせようとしたが…違うのだ。
惚れた女の事を知る機会なんていくらでも合った、でもそれをしなかったのはスクアーロ自身でしかない。
一番腹がたったのはスクアーロ自身だ。
何も知らずに、知ろうとしてもマリアの過去に踏み込むことが出来なかったスクアーロ自身に、スクアーロは腹がたつ。
「くそっ…」
思わず壁を右手で殴る。
ドンと音と共に右手は義手ではないのだ、壁を殴った痛みがじんわりと手に広がるが今のスクアーロにはその痛みすら弱く感じる。
マリアの過去に比べたら、この痛みは大した痛みですらないのだ。
「で、お前らはどうするんだ?」
ツナの部屋に残っているリボーンはスクアーロを見上げて問う。
ツナの家庭教師として日本に居るリボーンは表立って九代目の依頼をこなす事は出来ず、日本での情報収集がメインなのだ。
リボーンにとっても元教え子であるマリアが連れて行かれた事に対して思う所はやはりあるようだ。
だがリボーンは動けない事を己自信が理解している。
動く事が出来るのは同じく依頼を受けているヴァリアーのみだ。
リボーンの言葉にスクアーロは無言になる。
だが、そんな中口を開いたのはルッスーリアだった。
「ふふ、マリアちゃんが撒いた餌に釣られてあげようじゃないの~」
「ゔお゙ぉい!!!ルッスーリア、お前任務はどうする気だ?!!」
「任務?そんなの後回しよ~、何?スクアーロはマリアちゃん助けたくないの?」
「…そりゃあ…助けたくないわけねぇーだろ」
ルッスーリアの言葉に、スクアーロだって本音を言えば今すぐにでも助けに行きたい。
惚れた女がブラックリスト入りしているマフィアのファミリーに連れて行かれてるのだ。
そして先程聞いたマリアの過去も相まっているせいか居ても立っても居られない。
自分の立場を捨ててでも、ディーノと同じようにマリアの事を助けたい気持ちは勿論ある。
だが日本に居るかもしれないルーナ・ブルを保護する任務を放棄する事等、暗殺部隊ヴァリアーのNo.二兼作戦隊長と言う立場がそれを邪魔する。
行きたいのに行けない歯がゆさに唇を噛み締めるスクアーロに対し、ルッスーリアは「頭が硬いわね~、スクアーロ」と笑いながらスクアーロを見る。
「騙されたと思って、素直にマリアちゃんが撒いた餌に釣られちゃいましょうよ?どうせ闇雲に探した所で何の成果も得られなかっただもの。マリアちゃんも助けれて、ルーナ・ブルの情報がちょっとでも手に入る方が得策じゃない?」
サングラス越しではあるが、ルッスーリアは恐らくスクアーロに向けてウィンクを飛ばした。
普段のスクアーロであればそんなルッスーリアの行動は気持ち悪いと心の底から思う。
だが今回だけは、そんなルッスーリアの行動がどこかあとがたく感じたのだ。
ルッスーリアの言葉はごもっともなのだ。
闇雲に探したところで何の情報も成果も得られない、仮にマリアの養親が本当にルーナ・ブルだったとしたらそれこそ情報所か保護すら物理的に難しい。
「私達はルーナ・ブルについて知っているマリアちゃんに会いに行くのよ?これは列記とした任務じゃない?空振りだったらその時はまた一から情報収集でもしたらいいと思うわよ」
ルッスーリアの言葉に、スクアーロは「そうだな」と呟き一つ深呼吸をする。
「…俺らもイタリアに戻るぞ、ルッスーリア!」
「そうこなくっちゃ!」
待ってましたと言わんばかりに、ルッスーリアは嬉しそうにスクアーロの言葉を受け止めた。
先程出て行ったディーノ達に送れながらも、スクアーロとルッスーリアも同じくイタリアへと向かった―――…
2024/10/17
57/78ページ