不器用な恋
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※【ロマーリオside】
「ロマーリオさん」
「どうした、アベーレ?」
晩御飯を食べ終えマリアとディーノが食べ終えるのを喫煙場所で待っていると、不意にアベーレがロマーリオに声をかける。
声をかけたのはアベーレだけであり、マリアもディーノもまだ食べているのか二人の姿は何処にもなかった。
アベーレも喫煙者の為かマリアとディーノが食べ終わるまで一本だけ吸おうと喫煙所に来たのだろうとロマーリオは察する。
「一つ疑問に思う事が有るんですが」
「何だ?」
アベーレはスーツの胸ポケットから煙草を1本取り出し、ライターを探そうとするがそれよりも早くロマーリオが「ほれ」と言わんばかりにライターに火をつけ、アベーレは「ありがとうございます」と言いながらロマーリオが付けた火を借りる。
流れるように口元に持って行き煙草を吸い、白い煙を吐き出した。
ゆらゆらと白い煙は上へ上へと上がっていく。
「明々後日の事なんですが…ボスとお嬢、二人でただ出掛けるだけって思ってませんか?」
「おいおい、流石に大丈夫だろアベーレ」
「でも、デートって認識してないんじゃないかと思って…」
「否そんなわけ…」
“ない”と言おうとしたがロマーリオは口を噤む。
幾らお互いが自覚し前に進もうとしているがあの二人の事だ。
普段の延長線でただ出掛けるだけと思っている可能性もなきにしもあらずなのだ。
故にそんなわけないとも言い切れず、アベーレの言葉にロマーリオはまさかなと思い不安になる。
長くなっていく灰を灰皿に一度落とし、もう一度煙草を咥えるもののその不安は消えない。
思い返せば先程の二人のやり取りを見てもマリアは家庭教師を務めた報酬として、ディーノはリボーンに言われたからマリアを連れて行くなんて認識をしている可能性が頭を過る。
一応科学博物館まではロマーリオがその場所まで連れて行くが、館内を周るのは二人だけの予定だ。
仮にトマゾが日本に居たらこっそりと後を着いて行くだろうがロマーリオ達はそんな野暮な事をする気は更々ない。
「アベーレ…一つ頼みたい事があるんだが」
「なんでしょう?」
きっとマリアもディーノも食事を取り終えればお互い泊っているホテルの自室で休むだろう。
マリアに関しては明日ツナの二日目のテストに向けての問題を作るのに時間を費やす事に違いないのだ。
家庭教師として最終日なのだからディーノもそれを分かっているためマリアの部屋には訪れないだろう。
だからこそ都合が良いと考えたロマーリオは白い煙を吐き出した。
「…お嬢の方の認識、改めてきてもらっていいか?」
「お安い御用です」
野暮な事をする気はないが、流石に心配になるのだ。
前に進もうと意識しているはずなのにこんな所でまた“幼馴染”と言う振出しに戻るのだけは勘弁願いたい。
(手のかかるボスとお嬢だな…全く)
少し位二人の認識を正しても罰は当たらない、ロマーリオはそう思いながら煙草をふかせた。
「なぁボス」
「どうした、ロマーリオ?」
マリアとディーノが食事を終えると、ロマーリオ達は二人と合流した。
何時もの様にロマーリオはディーノを、アベーレはマリアをそれぞれ部屋に送る。
ルームキーを取り出し、部屋に入ろうとするディーノにロマーリオは声をかけた。
「ボスはお嬢と明々後日の事に対してどう思ってるんだ?」
「マリアと科学博物館に出掛ける事か?」
「…そうだ…」
「何だ?ただ出掛けるだけじゃねぇーのか?」
ロマーリオが何を言いたいのか分からず、ディーノは首を傾げる。
アベーレの言ったようにただ出掛けるだけと言う認識なディーノに、ロマーリオは盛大に溜息を付いた。
(おいおい、まじかよボス)
頭を掻きもう一度ため息を付けばロマーリオは真っすぐディーノを見る。
ディーノと言えばやはり訳が分からず「どうした、ロマーリオ?」とでも言いたげな目でロマーリオを見ている。
キャバッローネ・ファミリーはアットホームなファミリー故に過保護に育てられた部分は確かにある。
だがそれはリボーンのおかげでディーノは成長し、今はキャバッローネ・ファミリー十代目ボスへと飛躍した。
部下が居なければその実力は激減し、極度の運動音痴になると言う究極のボス体質ではあるがそれでもボスの器にふさわしい人物である事に変わりはない。
経営センスも抜群であり、若くしてキャバッローネ・ファミリーの財務状況を立て直すほどの手腕を確かに持っている。
そして恋愛方面も少なからずマリアよりも意識しているはずなのだ。
幼子のような嫉妬に独占欲はあるものの、それでもきちんとディーノ自身マリアを好きと言う気持ちは自覚している。
自覚しているはずなのに現在の状況にロマーリオは言葉を紡いだ。
「…あのなボス、世間一般的には男女が出掛けるのはデートって言うんだぜ?」
「は…?え、で、デート?!」
ロマーリオの言葉に、ディーノは徐々に顔を赤くしていく。
赤面し間の抜けた表情をするディーノだが、はっと我に返りもごもごと「否でも…俺とマリアは付き合ってるわけじゃあ…」と弁解する。
勿論デートと言う認識も付き合って居るなしによって変わるだろう。
だが…
「捉え方は人それぞれかもしれねぇーが…交際していなくても深く考えずに二人で出掛けるなら、デートと言って問題ないだろ?」
勿論ディーノ自身片思いをしている相手と出掛けるのだ、ロマーリオからすればそれをデートと呼んでも何もおかしくないのだ。
「デート…なのか?」
確かめるようにディーノが恐る恐るロマーリオに問えば、ロマーリオは頷く。
「…デートだぜ、ボス」
「…そっか…デートか…」
その言葉を一人ディーノは反芻する。
服の袖で口元を隠すが、きっとその下は口元が緩んでいるのだろうと安易に想像ができる。
未だ赤く赤面しているディーノを見ながら、ロマーリオはまた盛大に溜息を付いた。
2024/09/29
「ロマーリオさん」
「どうした、アベーレ?」
晩御飯を食べ終えマリアとディーノが食べ終えるのを喫煙場所で待っていると、不意にアベーレがロマーリオに声をかける。
声をかけたのはアベーレだけであり、マリアもディーノもまだ食べているのか二人の姿は何処にもなかった。
アベーレも喫煙者の為かマリアとディーノが食べ終わるまで一本だけ吸おうと喫煙所に来たのだろうとロマーリオは察する。
「一つ疑問に思う事が有るんですが」
「何だ?」
アベーレはスーツの胸ポケットから煙草を1本取り出し、ライターを探そうとするがそれよりも早くロマーリオが「ほれ」と言わんばかりにライターに火をつけ、アベーレは「ありがとうございます」と言いながらロマーリオが付けた火を借りる。
流れるように口元に持って行き煙草を吸い、白い煙を吐き出した。
ゆらゆらと白い煙は上へ上へと上がっていく。
「明々後日の事なんですが…ボスとお嬢、二人でただ出掛けるだけって思ってませんか?」
「おいおい、流石に大丈夫だろアベーレ」
「でも、デートって認識してないんじゃないかと思って…」
「否そんなわけ…」
“ない”と言おうとしたがロマーリオは口を噤む。
幾らお互いが自覚し前に進もうとしているがあの二人の事だ。
普段の延長線でただ出掛けるだけと思っている可能性もなきにしもあらずなのだ。
故にそんなわけないとも言い切れず、アベーレの言葉にロマーリオはまさかなと思い不安になる。
長くなっていく灰を灰皿に一度落とし、もう一度煙草を咥えるもののその不安は消えない。
思い返せば先程の二人のやり取りを見てもマリアは家庭教師を務めた報酬として、ディーノはリボーンに言われたからマリアを連れて行くなんて認識をしている可能性が頭を過る。
一応科学博物館まではロマーリオがその場所まで連れて行くが、館内を周るのは二人だけの予定だ。
仮にトマゾが日本に居たらこっそりと後を着いて行くだろうがロマーリオ達はそんな野暮な事をする気は更々ない。
「アベーレ…一つ頼みたい事があるんだが」
「なんでしょう?」
きっとマリアもディーノも食事を取り終えればお互い泊っているホテルの自室で休むだろう。
マリアに関しては明日ツナの二日目のテストに向けての問題を作るのに時間を費やす事に違いないのだ。
家庭教師として最終日なのだからディーノもそれを分かっているためマリアの部屋には訪れないだろう。
だからこそ都合が良いと考えたロマーリオは白い煙を吐き出した。
「…お嬢の方の認識、改めてきてもらっていいか?」
「お安い御用です」
野暮な事をする気はないが、流石に心配になるのだ。
前に進もうと意識しているはずなのにこんな所でまた“幼馴染”と言う振出しに戻るのだけは勘弁願いたい。
(手のかかるボスとお嬢だな…全く)
少し位二人の認識を正しても罰は当たらない、ロマーリオはそう思いながら煙草をふかせた。
「なぁボス」
「どうした、ロマーリオ?」
マリアとディーノが食事を終えると、ロマーリオ達は二人と合流した。
何時もの様にロマーリオはディーノを、アベーレはマリアをそれぞれ部屋に送る。
ルームキーを取り出し、部屋に入ろうとするディーノにロマーリオは声をかけた。
「ボスはお嬢と明々後日の事に対してどう思ってるんだ?」
「マリアと科学博物館に出掛ける事か?」
「…そうだ…」
「何だ?ただ出掛けるだけじゃねぇーのか?」
ロマーリオが何を言いたいのか分からず、ディーノは首を傾げる。
アベーレの言ったようにただ出掛けるだけと言う認識なディーノに、ロマーリオは盛大に溜息を付いた。
(おいおい、まじかよボス)
頭を掻きもう一度ため息を付けばロマーリオは真っすぐディーノを見る。
ディーノと言えばやはり訳が分からず「どうした、ロマーリオ?」とでも言いたげな目でロマーリオを見ている。
キャバッローネ・ファミリーはアットホームなファミリー故に過保護に育てられた部分は確かにある。
だがそれはリボーンのおかげでディーノは成長し、今はキャバッローネ・ファミリー十代目ボスへと飛躍した。
部下が居なければその実力は激減し、極度の運動音痴になると言う究極のボス体質ではあるがそれでもボスの器にふさわしい人物である事に変わりはない。
経営センスも抜群であり、若くしてキャバッローネ・ファミリーの財務状況を立て直すほどの手腕を確かに持っている。
そして恋愛方面も少なからずマリアよりも意識しているはずなのだ。
幼子のような嫉妬に独占欲はあるものの、それでもきちんとディーノ自身マリアを好きと言う気持ちは自覚している。
自覚しているはずなのに現在の状況にロマーリオは言葉を紡いだ。
「…あのなボス、世間一般的には男女が出掛けるのはデートって言うんだぜ?」
「は…?え、で、デート?!」
ロマーリオの言葉に、ディーノは徐々に顔を赤くしていく。
赤面し間の抜けた表情をするディーノだが、はっと我に返りもごもごと「否でも…俺とマリアは付き合ってるわけじゃあ…」と弁解する。
勿論デートと言う認識も付き合って居るなしによって変わるだろう。
だが…
「捉え方は人それぞれかもしれねぇーが…交際していなくても深く考えずに二人で出掛けるなら、デートと言って問題ないだろ?」
勿論ディーノ自身片思いをしている相手と出掛けるのだ、ロマーリオからすればそれをデートと呼んでも何もおかしくないのだ。
「デート…なのか?」
確かめるようにディーノが恐る恐るロマーリオに問えば、ロマーリオは頷く。
「…デートだぜ、ボス」
「…そっか…デートか…」
その言葉を一人ディーノは反芻する。
服の袖で口元を隠すが、きっとその下は口元が緩んでいるのだろうと安易に想像ができる。
未だ赤く赤面しているディーノを見ながら、ロマーリオはまた盛大に溜息を付いた。
2024/09/29
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