不器用な恋
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十時前になると獄寺や山本、そして今回初めて会うツナの同級生の京子と学校は違うが同じくテスト期間の為に勉強に来たハルがそれぞれツナの家に集まった。
学生五人にマリア達大人を合わせて四人にリボーン、最大九人が集まればツナの部屋での勉強は難しく今回は居間でテーブルをもう一つだし合わせての勉強になる。
普段はランボやイーピン、フゥ太達が居間で遊んでいるのだが、今回はビアンキが子供達を連れて遊びに行っていると奈々が言っていた。
最初考えていたようにマリアはツナに付きっきりで教えるが、ディーノとスクアーロは山本や獄寺、京子にに問われれば教える形で勉強を進めている。
リボーンは全体の監督、そしてありがたい事にルッスーリアも同じく勉強を教える側に回ってくれている。
「はひっ?!ルッスーリアさんって教えるの上手いんですね?!」
「ふふ、これ位私達は出来て当然なのよ~」
偏差値の高い学校の為、ハルに関してはルッスーリアが教えている。
苦手なものはエロい人と言っていたがどうやらルッスーリアに関してはギリセーフのようだ。
嫌がる事も怖がることもなく、ただただ尊敬のまなざしでルッスーリアから分からない所を教えてもらって居る。
(ルッスーリア…やっぱり頭も良いのね)
流石入隊条件が文武両道のヴァリアーなだけはあるなとマリアは改めて思う。
それはスクアーロの方を見ても一緒だ。
「ゔお゙ぉぉぉおおおおおい!!やればできるじゃねぇーか!!!」
「スクアーロの教え方が上手いからな」
学生時代の時からスクアーロも勉強はディーノよりも出来る方だった。
相変わらずけたたましい声を上げながらスクアーロは山本に問われた事を教えていた。
もともと山本もコツさえ掴めば勉強は出来るのだ、教え方もそれなりに上手く面倒見のいいスクアーロが教えればすぐさま山本は知識を吸収していく。
「おい跳ね馬、此処の漢字なんて読むんだ?」
「うっ…そこはだな…」
ディーノはどうやら獄寺に国語で質問されれば「えっと……」と言葉に躓く。
文章問題はまだしも漢字の読みは昔からディーノは苦手なのだ。
訓読み音読みがある事は分かるのだがどっちで読むのか分からなかったりごちゃごちゃになって変に読んでしまうのだ。
唸るディーノに「昔教えただろうが、へなちょこが」っと、リボーンがドロップキックを容赦なく喰らわす。
「ぶへっ!!!」
リボーンのドロップキックは綺麗に決まり、ディーノはそのまま頬を押さえた。
大人になった今でも、国語はやはり苦手なようだ。
これじゃあ誰の勉強を見ているのか分からなくなってしまいそうになるが面白いのでマリアはそのまま放置する。
学生時代もリボーンに答えられなければドロップキックや座っていた椅子を爆発させられていたことを思い出せば、マリアは思わず笑ってしまう。
「マリアさん、此処はこれで合ってますか?」
『あ、惜しい…そこはwhenの時の使い方と一緒で…』
ツナに教えているとふいマリアの懐に入れてある携帯が短く振動する。
一瞬の振動ではあるがマリアはそれに気づくが気にせずにツナの勉強を教える。
急いでみる必要はないのだ、時間がある時に見ればいいと自分に言い聞かせまずは目の前のツナの家庭教師としての務めを果たす。
「whenがifになっただけですか…?」
『そうそう、使い方は全く一緒。それさえ覚えておけばwhenが来たときでもifが来た時でも基本大丈夫よ』
マリアに教えられたことをまた紙に書き、自分なりにツナはまとめていく。
どうしたら覚えられるか、どんな風にポイントとしてまとめるか…この勉強期間中に試行錯誤して頑張っているツナを見ればきっとテストも大丈夫だろうとマリアは一人思う。
ふと、居間にある時計を見れば時刻は十二時、勉強を始め既に二時間程経っている。
間で十五分休憩を取ってはいるものの、流石にお腹のすく時間だ。
『じゃあキリがいいから、今している所が終われば皆お昼休憩ね?』
マリアの言葉にツナ達は「はーい」と返事をするのを聞いて食事の準備をしていた奈々は「皆飲み物お茶でいいかしら?」と声をかけて確認を取る。
お昼を挟んでの勉強会だ。
事前にマリアとツナが奈々にその旨を伝えると快く奈々は「お昼の準備は任せておいてね!」と受け入れてくれた。
一人増えてしまった事は申し訳ないのだが、奈々は笑いながら「一人も二人も変わらないわよ~」と言ってくれる辺りツナの母は本当に素敵な人だなとマリアは思う。
料理の腕も言うまでもなくリボーンのお墨付きだ。
「はひ!私達もお手伝いしましょう京子ちゃん!」
「うん!」
京子とハルは奈々に「手伝います!」と言いながら立ち上がり台所の方へと向かう。
マリアも手伝おうと思ったが流石に台所にもう一人となるとスペース的にしんどいだろうと思い、台所ではなく逆の方向に動く。
「マリア何処に行くんだよ?」
『ん、ちょっとお手洗い』
ディーノにそう言えばマリアはトイレのある方へと歩んでいった。
パタンと音を立てトイレの扉を閉めれば、マリアはそのまま壁にもたれ白衣の懐からマリアは携帯を取り出す。
取り出された携帯は普段マリアが使っている赤色の携帯ではなく、青色の携帯だった。
赤色の携帯はマリアのプライベート用の携帯であり、青色の携帯はマリアが仕事の時に使う携帯だ。
普段他の人が居る前では絶対に使う事のない青い携帯。
それは仕事の内容のやり取りをしているからと言うのもあるが、マリアが一人だけの時にしか開かない理由が別にある。
二つ折りの携帯を開き、ロックを解除すれば新着メールが一通だけ届いている。
マリアは操作しメールを開けば“大丈夫か?”と、たった一言だけそう書かれたメール文章がマリアの目に映る。
たった一言だけの文章ではあるが、それでもマリアからしたら嬉しく思ってしまう。
あの人がマリアの事を心配してくれているとは思わなかったのだ。
だからこそ嬉しい反面、あの人にまで情報が行っている事に驚いてしまう。
普段そこまで連絡を取らないあの人からの連絡だ、内容も内容なためにマリアは溜息を一つこぼした。
―――「なぁマリア、お前ルーナ・ブルって知ってるか?」
スクアーロが言っていた任務…人探しの内容が脳裏を過るが、理由までは分からないのだ。
どうして探しているか、何のために探しルーナに何を求めるのか…。
そんな事を思いながら、マリアはカチカチと携帯のキーを操作する。
“大丈夫”
とマリアも一言だけ打ち、メールを送れば携帯をしまった。
2024/09/24
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