不器用な恋
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※【ディーノside】
『伸びる可能性があるなら、それは捨てたもんじゃないからね』
「そうか」
ディーノはマリアの言葉を聞き、ただただ頷いた。
マリア自身気づいているかどうかは謎だが、先ほど紡いだ言葉は本当に消えてしまいそうなほどか細い。
きっとマリアは自分の昔とツナを重ねているのだろうとディーノは思った。
それはディーノ自身がダメダメだった頃の昔の自分とツナを重ねたように…同じようにマリアも昔の自分とツナを重ねたのだろうと。
迷子の子供が必死に泣くのを我慢しているような表情を浮かべているのをちらりと見ると、ディーノはそっとマリアの手を握る。
『…ディーノ?』
「大丈夫だ、ツナは確かに点数悪いかもしれねえけど…ちゃんと伸びるぜ」
『何で言い切れるのよ?』
不思議そうにマリアが首を傾げる。
マリアよりも勿論ディーノの方がまだツナの事を知っている。
それなりに交流もあるが何故そこまで言い切れるのだろうとマリアは不思議でならないらしい。
そんなマリアの翡翠色の瞳を見ながら、ディーノは言葉を紡ぐ。
「俺の弟弟子だからな」
『ぷっ…何その理由』
そうディーノがにかっと笑えば、マリアも釣られて笑う。
先程の表情なんてまるで無かったかのように。
「それに俺の苦手科目もマリア先生の手にかかれば赤点回避も出来たし点数も上がったしな」
『おだてても何も出ないわよ』
(やっぱマリアには笑顔で居てもらわねえとな)
マリアの笑顔を見てディーノは安堵し、「なぁ…」と言葉を切り出す。
リボーンに持たされたマリアの着替えを渡す目的は果たされた、そしてもう一つの目的を果たすために、ディーノは本題を言葉にする。
無論その本題はきっとマリアは首を縦に振らないだろうと予想済みではあるが…。
「メシ食いに行こうぜ、マリア」
『あたしはいいからディーノ達で食べてきて』
(あぁ、やっぱりな)
ディーノの予想通り、マリアは食事を取るのを拒否した。
一旦やる事が出来れば食事よりもやる事を優先する、昔からマリアの悪い癖の一つだ。
そう言う時は優先事項をこなしつつ片手間で食べれるような栄養調整食品を好んで食べている。
だがそれすら手間と思いだす時は何も食べないし水分も取らない。
下手をすれば寝る事すら忘れ平気で二、三徹する。
食べる事が嫌いと言うわけではない、ただただ熱中し過ぎて食べる時間も寝る時間も惜しくなるのだ。
養親が亡くなり、一人暮らしをするようになってからはそれは目に見えて酷くなった。
そんなマリアを知っているからこそ、ディーノは心配になる。
何かと会う理由や用事を作ってはマリアの様子を見に行くし食事にだって誘う。
否、理由や用事が無くてもマリアには何時でも会いたい。
素直に口に出して言えないのは照れくさいのもあれば恥ずかしいからと言うのもあるのだろう。
マリアにバレなければいくら周りにバレたっていいとすら開き直っているあたり、ダメな大人だなとディーノは思う。
「マリアが居なきゃ意味ねぇーだろ」
『きゃっ…!』
そう言いながらディーノは立ち上がり、マリアを無理やり立たせる。
無理やり立たせたせいか上手くバランスが取れずよろけるマリアの手を先ほどよりも強く握り、ディーノは歩き出す。
『ちょっとディーノ?!』
「ん~、何だ?」
『あたし今からリボーンに頼まれたことしなきゃいけないんだけど!』
「はいはい、リボーンの頼まれごとは逃げねぇーから先にメシ食おうな」
マリアの戸惑う声など知らぬ存ぜぬを突き通しながらディーノはマリアの手を引き歩く。
まるで子供に言い聞かせるような口調で言えば『あたしは子供か?!』なんてマリアが叫んでいるがディーノは聞こえないふりをする。
なんだかんだ言いながらマリアはディーノに着いてくるのをディーノ自身知っているからだ。
(世話のかかる幼馴染だな、ほんと…)
嬉しそうに頬を緩め部屋の扉を開ければ、ようやく来たかと言わんばかりにロマーリオや他の部下たちが待っていた。
2024/09/02
『伸びる可能性があるなら、それは捨てたもんじゃないからね』
「そうか」
ディーノはマリアの言葉を聞き、ただただ頷いた。
マリア自身気づいているかどうかは謎だが、先ほど紡いだ言葉は本当に消えてしまいそうなほどか細い。
きっとマリアは自分の昔とツナを重ねているのだろうとディーノは思った。
それはディーノ自身がダメダメだった頃の昔の自分とツナを重ねたように…同じようにマリアも昔の自分とツナを重ねたのだろうと。
迷子の子供が必死に泣くのを我慢しているような表情を浮かべているのをちらりと見ると、ディーノはそっとマリアの手を握る。
『…ディーノ?』
「大丈夫だ、ツナは確かに点数悪いかもしれねえけど…ちゃんと伸びるぜ」
『何で言い切れるのよ?』
不思議そうにマリアが首を傾げる。
マリアよりも勿論ディーノの方がまだツナの事を知っている。
それなりに交流もあるが何故そこまで言い切れるのだろうとマリアは不思議でならないらしい。
そんなマリアの翡翠色の瞳を見ながら、ディーノは言葉を紡ぐ。
「俺の弟弟子だからな」
『ぷっ…何その理由』
そうディーノがにかっと笑えば、マリアも釣られて笑う。
先程の表情なんてまるで無かったかのように。
「それに俺の苦手科目もマリア先生の手にかかれば赤点回避も出来たし点数も上がったしな」
『おだてても何も出ないわよ』
(やっぱマリアには笑顔で居てもらわねえとな)
マリアの笑顔を見てディーノは安堵し、「なぁ…」と言葉を切り出す。
リボーンに持たされたマリアの着替えを渡す目的は果たされた、そしてもう一つの目的を果たすために、ディーノは本題を言葉にする。
無論その本題はきっとマリアは首を縦に振らないだろうと予想済みではあるが…。
「メシ食いに行こうぜ、マリア」
『あたしはいいからディーノ達で食べてきて』
(あぁ、やっぱりな)
ディーノの予想通り、マリアは食事を取るのを拒否した。
一旦やる事が出来れば食事よりもやる事を優先する、昔からマリアの悪い癖の一つだ。
そう言う時は優先事項をこなしつつ片手間で食べれるような栄養調整食品を好んで食べている。
だがそれすら手間と思いだす時は何も食べないし水分も取らない。
下手をすれば寝る事すら忘れ平気で二、三徹する。
食べる事が嫌いと言うわけではない、ただただ熱中し過ぎて食べる時間も寝る時間も惜しくなるのだ。
養親が亡くなり、一人暮らしをするようになってからはそれは目に見えて酷くなった。
そんなマリアを知っているからこそ、ディーノは心配になる。
何かと会う理由や用事を作ってはマリアの様子を見に行くし食事にだって誘う。
否、理由や用事が無くてもマリアには何時でも会いたい。
素直に口に出して言えないのは照れくさいのもあれば恥ずかしいからと言うのもあるのだろう。
マリアにバレなければいくら周りにバレたっていいとすら開き直っているあたり、ダメな大人だなとディーノは思う。
「マリアが居なきゃ意味ねぇーだろ」
『きゃっ…!』
そう言いながらディーノは立ち上がり、マリアを無理やり立たせる。
無理やり立たせたせいか上手くバランスが取れずよろけるマリアの手を先ほどよりも強く握り、ディーノは歩き出す。
『ちょっとディーノ?!』
「ん~、何だ?」
『あたし今からリボーンに頼まれたことしなきゃいけないんだけど!』
「はいはい、リボーンの頼まれごとは逃げねぇーから先にメシ食おうな」
マリアの戸惑う声など知らぬ存ぜぬを突き通しながらディーノはマリアの手を引き歩く。
まるで子供に言い聞かせるような口調で言えば『あたしは子供か?!』なんてマリアが叫んでいるがディーノは聞こえないふりをする。
なんだかんだ言いながらマリアはディーノに着いてくるのをディーノ自身知っているからだ。
(世話のかかる幼馴染だな、ほんと…)
嬉しそうに頬を緩め部屋の扉を開ければ、ようやく来たかと言わんばかりにロマーリオや他の部下たちが待っていた。
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