不器用な恋
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※【リボーンside】
ツナにマリアとディーノを玄関まで見送らせている間、リボーンは一人ツナの部屋から窓の外を見ていた。
まだ外は明るいものの、烏が数羽空を飛ぶ。
丁度玄関から二人が出て、先に出ていたロマーリオが用意した車に乗ろうとしている。
マリアの腕には帰り際リボーンが持たせた学校の教科書とノートに問題集。
そしてツナも知らないこれまで隠していたツナのテストを閉じたファイルも一緒に紛れている。
マリアの事だ、明日には教科書を熟知し即戦力としてツナの勉強を見てくれるだろうとリボーンは考えている。
「さて…俺も自分の仕事しねーとな」
そう言いながらリボーンはスーツの懐から一枚の紙を取り出した。
ボンゴレの現在のボスである九代目直々の依頼に目を通す。
勿論ツナをボンゴレの次期当主として育てる任務が最優先ではあるが、調べられる範囲で調べようとリボーンは思っている。
ツナを次期当主として育てる事も大事だが、たまには違う人間に教えられるのもいい機会だろうと考えた。
それこそがマリアを呼び出した理由だ。
先程貰った惚れ薬にツナの期間限定の家庭教師、そして久々に会いたかったと言う理由も勿論ある。
いくらメールでやり取りはしているものの、実際会って見ないと分からない事も多々ある。
マリアの場合ちゃんと生活できているのかとリボーンは気にしていた。
学校卒業後どこのマフィアに属す事はなく、フリーの道を選んだマリア。
科学者として優秀なはずなのに、彼女の知名度はあまりにも低い。
風の噂では熱狂的な依頼者(信者)がいるのでその者達がマリアのパトロンになっている可能性もある。
才能と知名度が伴っていない辺り不審にも思ったが、それは彼女自身が仕事よりも趣味での分野を優先しているからだともリボーンは予想していた。
予想はあくまでも予想にしか過ぎず、だからこそ今回丁度いいと思いリボーンはマリアを呼び出したのだ。
十代目キャバッローネ・ファミリーのボス候補であるディーノの家庭教師をしていた頃。
ディーノの幼馴染、その繋がりでリボーンもマリアと知り合った。
ディーノの修行の合間にリボーンはマリアに銃の扱いを教えた事も何度かある。
勉学は出来ても戦闘方面はどうやら苦手らしく、聞いた話では養親に「自分の身位自分で守れるようにしろ」と言われディーノ同様マフィア候補生が通う学校に放り込まれたようだった。
(そういやマリアの養親の話あんま聞いたことがねぇな)
昔を思い出しながら、リボーンはふとマリアの養親について疑問を生じた。
マリアの家に行った事もなければ、メールでのやり取りが大半でもあるためマリア自身の事は多少分かっているつもりだがマリアの周りの事はあまり知らない。
そう言う話を今までしてこなかったのもあり、軽い気持ちで(今度聞いてみるか)と頭の隅に置く。
「にしても、アイツら何も変わってねぇーじゃねぇーか」
マリアを呼び出す時に「ディーノの事好きだって事本人にばらしてやるからな」と脅した言葉通り、マリアは未だディーノに自分の気持ちを伝えていなかった様だ。
それは同様に自分が家庭教師をしていた教え子であるディーノにも言える。
リボーンが二人の気持ちを知っているのは当然の事ではあるが、ディーノの部下達ですら全員知っている。
傍から見れば一目瞭然、分かりやすすぎるレベルだ。
なのに当人達は気づかない、いや気づかないように見ないように目を逸らしている。
お互い自分自身の気持ちは気づいている、だが相手に伝えられない。
今の関係が壊れないように、今まで通り平行線で居ようとしている。
「こじらせてる大人ほど、めんどくせーもんなねえな」
マリアとディーノ、二人を見てリボーンは心底思う
大人になればなるほど、本音を隠すのが上手くなってしまうのだ。
リボーンから言わせてもらえばきっと大人であるマリアやディーノよりも、まだ純粋にツナの方が自分の気持ちをはっきり口にしている。
自分の感情を、隠すことなく素直に真っすぐに―――…
(ツナもツナで恋愛方面はまだまだだけどな)
2024/09/01
ツナにマリアとディーノを玄関まで見送らせている間、リボーンは一人ツナの部屋から窓の外を見ていた。
まだ外は明るいものの、烏が数羽空を飛ぶ。
丁度玄関から二人が出て、先に出ていたロマーリオが用意した車に乗ろうとしている。
マリアの腕には帰り際リボーンが持たせた学校の教科書とノートに問題集。
そしてツナも知らないこれまで隠していたツナのテストを閉じたファイルも一緒に紛れている。
マリアの事だ、明日には教科書を熟知し即戦力としてツナの勉強を見てくれるだろうとリボーンは考えている。
「さて…俺も自分の仕事しねーとな」
そう言いながらリボーンはスーツの懐から一枚の紙を取り出した。
ボンゴレの現在のボスである九代目直々の依頼に目を通す。
勿論ツナをボンゴレの次期当主として育てる任務が最優先ではあるが、調べられる範囲で調べようとリボーンは思っている。
ツナを次期当主として育てる事も大事だが、たまには違う人間に教えられるのもいい機会だろうと考えた。
それこそがマリアを呼び出した理由だ。
先程貰った惚れ薬にツナの期間限定の家庭教師、そして久々に会いたかったと言う理由も勿論ある。
いくらメールでやり取りはしているものの、実際会って見ないと分からない事も多々ある。
マリアの場合ちゃんと生活できているのかとリボーンは気にしていた。
学校卒業後どこのマフィアに属す事はなく、フリーの道を選んだマリア。
科学者として優秀なはずなのに、彼女の知名度はあまりにも低い。
風の噂では熱狂的な依頼者(信者)がいるのでその者達がマリアのパトロンになっている可能性もある。
才能と知名度が伴っていない辺り不審にも思ったが、それは彼女自身が仕事よりも趣味での分野を優先しているからだともリボーンは予想していた。
予想はあくまでも予想にしか過ぎず、だからこそ今回丁度いいと思いリボーンはマリアを呼び出したのだ。
十代目キャバッローネ・ファミリーのボス候補であるディーノの家庭教師をしていた頃。
ディーノの幼馴染、その繋がりでリボーンもマリアと知り合った。
ディーノの修行の合間にリボーンはマリアに銃の扱いを教えた事も何度かある。
勉学は出来ても戦闘方面はどうやら苦手らしく、聞いた話では養親に「自分の身位自分で守れるようにしろ」と言われディーノ同様マフィア候補生が通う学校に放り込まれたようだった。
(そういやマリアの養親の話あんま聞いたことがねぇな)
昔を思い出しながら、リボーンはふとマリアの養親について疑問を生じた。
マリアの家に行った事もなければ、メールでのやり取りが大半でもあるためマリア自身の事は多少分かっているつもりだがマリアの周りの事はあまり知らない。
そう言う話を今までしてこなかったのもあり、軽い気持ちで(今度聞いてみるか)と頭の隅に置く。
「にしても、アイツら何も変わってねぇーじゃねぇーか」
マリアを呼び出す時に「ディーノの事好きだって事本人にばらしてやるからな」と脅した言葉通り、マリアは未だディーノに自分の気持ちを伝えていなかった様だ。
それは同様に自分が家庭教師をしていた教え子であるディーノにも言える。
リボーンが二人の気持ちを知っているのは当然の事ではあるが、ディーノの部下達ですら全員知っている。
傍から見れば一目瞭然、分かりやすすぎるレベルだ。
なのに当人達は気づかない、いや気づかないように見ないように目を逸らしている。
お互い自分自身の気持ちは気づいている、だが相手に伝えられない。
今の関係が壊れないように、今まで通り平行線で居ようとしている。
「こじらせてる大人ほど、めんどくせーもんなねえな」
マリアとディーノ、二人を見てリボーンは心底思う
大人になればなるほど、本音を隠すのが上手くなってしまうのだ。
リボーンから言わせてもらえばきっと大人であるマリアやディーノよりも、まだ純粋にツナの方が自分の気持ちをはっきり口にしている。
自分の感情を、隠すことなく素直に真っすぐに―――…
(ツナもツナで恋愛方面はまだまだだけどな)
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