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※青春!フローズンミントの続きかもしれない話…?
『ぐぬぬぬ…世界が憎い』
「朝っぱらから何言ってんだ名無し」
何時もと変わらない朝の3年A組の教室。
朝の早い時間帯のせいか教室内には机の上に置いてあるSEA BREEZEを凝視する名無しと、先ほど登校したばかりの跡部が教室のドアを開けて中へと入ってくる。
『あ、おはよう〜跡部』
「おう…」
何時ものように挨拶を交わし跡部はスクールバッグを机にひっかけ、椅子を引きながら「で、何でそんな朝っぱらから意味わからん事言ってんだ名無しは?」と名無しに問いかけた。
『いやさー…ほら、SEA BREEZEのキャップ交換今流行ってるじゃん?』
「アーン?なんだそれ?」
『あれ?跡部知らない?企業の陰謀か分かんないんだけどさ、CMで流れてるんだよね』
名無しの言葉に、言われてみればと跡部はここ最近教室内のクラスメイトのSEA BREEZEのキャップの色が違う事を思い出す。
新作でも出たのかと思い一応調べて見たものの特に新作が出たわけではない事を不思議に思っていたが、名無しの言葉を聞き“なるほど”っと納得がいく。
『しかもさ、SEA BREEZEのキャップを交換して使い切ると願いが叶うなんてジンクスまで作って来たから余計にキャップ交換流行ってるんだよ今』
「なるほどな」
『しかもこれが男女だったら恋が叶うって言う…』
そこまで話すと名無しは大きなため息を一つつき机の上に項垂れた。
この光景前にも見た事が有ると思いながらも、跡部はそんな名無しに言葉を投げる。
「名無しとキャップ交換してくれる奴がいないって話か」
『ピンポーン、大正解!』
自分で言って虚しくなりながら、名無しは机の上に置いてある自分のSEA BREEZEを見る。
『友達皆にキャップ交換しよう!って言ったんだけど彼氏持ちは彼氏と交換してるし、そうじゃない友達は好きな人と交換したいからって私とはキャップ交換してくれないの…』
「…そうか」
『くっ、女の友情よりも恋か!恋が…憎い…』
ダンッ、と再び机を叩く。
叩いた手が痛いと後悔するものの、ジンジンと痛む痛みを無視して名無しは『女友達よりも男か…くそう…』と喚いた。
「なぁ」
『なぁーに、跡部?』
不貞腐れた表情で、名無しは自分のSEA BREEZEを見つめながら跡部の言葉に返す。
先程からじっと名無しの方を向きながら頬杖をついている跡部は「そんなにキャップ交換したいなら俺様とするか?」と言葉を放った。
一瞬何を言われたか分からない名無しはきょとんと跡部の方を見ながら先ほど放たれた言葉を思い出しガタッと椅子から立ち上がる。
『え、何?!もしかして跡部私の事が好きなの…?!』
「おい馬鹿、勘違いすんな」
『冗談だよ、跡部が私をそう言う意味で好きだなんて思ってないからさ』
笑いながら言う名無しの言葉に、跡部は内心複雑な心境になる。
名無しの口ぶりからして驚いていたのは確かだ。
だがしかし、その後の言葉に跡部は引っ掛かりながらも言葉を紡ぐ。
「あのな…」
『いやー分かってるよ?そう言う意味じゃないって事くらいさ…けどさ、跡部からキャップ交換の提案をされたら誰だって吃驚するしそんな勘違いすると思うよ…?』
名無しの放った言葉の意味を、跡部自身も理解している。
これがもし名無しではなく、跡部に想いを寄せている女子生徒なら先ほど跡部が言った言葉に“もしかして脈ありなのでは?”と勘違いしていただろう。
跡部自身も理解はしているし、何より良く知らない女子とキャップ交換なんてする意味もする価値すらない。
名無しだって理解している、理解しているが先ほどの跡部の言葉はドキッとせずにはいられなかった。
「俺様がそんな誰彼構わず交換するか?なんて言うわけねぇーからな。それとも何だ?俺様とじゃキャップの交換は不服か?」
『ううん…不服なんて思わないし是非お願いします!』
そう言いながら名無しは自分のSEA BREEZEのキャップをを開ける。
同じように跡部も自分のSEA BREEZEのキャップを開け、名無しへと差し出す。
『でもさー、私も跡部も同じフローズンミント使ってるじゃん?』
「だからなんだ?」
『キャップの色一緒だから交換しただなんて言わないと分かんないやつだよね』
渡されたキャップを受け取りながら、名無しはふと思ったことを口にする。
跡部から渡されたキャップも、今しがた名無しが渡したキャップと同じ色合いだ。
もし違う色合いなら誰が見てもキャップを交換したことくらい一目瞭然で分かるのだが…今回は同じ色合いのキャップの交換。
交換したなんて傍から見れば誰も気づかないはずだ。
そんな名無しの言葉など特に気にせず、跡部は名無しから受け取ったキャップの蓋をゆっくりと閉めていく。
「別にいいじゃねぇーか」
『だってキャップ交換したなんて言われても誰も信じないやつだよ~?』
「フッ、周りから見ればただの何の変哲もないSEA BREEZEかもしれねぇが、…俺様と名無しが分かってりゃそれで十分だろ」
跡部の言葉に、名無しは一瞬鳩が豆鉄砲を食ったような表情になるものの、跡部の言葉が嬉しくてすぐさま頬を緩める。
『それも…そうだね!』
カチッと音を立てて、互いのSEA BREEZEのキャップが閉まる。
それは何処からどう見ても先程自分達が持っていたSEA BREEZEと何ら変わらない代物だった。
誰がどう見てもキャップ交換をしただなんて到底思わないだろう。
キャップ交換をしたなんて言われても、信じる人間は少ないかもしれない。
だが名無しと跡部にとっては先程自分達が持っていたSEA BREEZEよりも、今の方がキラキラと輝いて見えた。
他の誰も知らない、名無しと跡部だけの2人だけの秘密のキャップ交換。
『わーい、青春 だ〜!』
「この俺様のキャップと交換したんだ、大事にしろよ名無し」
『当たり前じゃーん跡部!家宝にするね』
「否、それは流石にやり過ぎだろ」
『あはは、それ位嬉しいし大事にしたいんだよ!跡部から貰ったキャップだからね』
先程から笑顔のまま話す名無しに、つられて跡部も笑った。
This is just between us
(なんや跡部、えらいご機嫌やな)
(アーン?忍足お前何言ってんだ)
(そのままの意味やで跡部、自分の顔鏡でいっぺん見てみぃ。俺が言うた意味分かると思うで)
(………)
2024/07/09
『ぐぬぬぬ…世界が憎い』
「朝っぱらから何言ってんだ名無し」
何時もと変わらない朝の3年A組の教室。
朝の早い時間帯のせいか教室内には机の上に置いてあるSEA BREEZEを凝視する名無しと、先ほど登校したばかりの跡部が教室のドアを開けて中へと入ってくる。
『あ、おはよう〜跡部』
「おう…」
何時ものように挨拶を交わし跡部はスクールバッグを机にひっかけ、椅子を引きながら「で、何でそんな朝っぱらから意味わからん事言ってんだ名無しは?」と名無しに問いかけた。
『いやさー…ほら、SEA BREEZEのキャップ交換今流行ってるじゃん?』
「アーン?なんだそれ?」
『あれ?跡部知らない?企業の陰謀か分かんないんだけどさ、CMで流れてるんだよね』
名無しの言葉に、言われてみればと跡部はここ最近教室内のクラスメイトのSEA BREEZEのキャップの色が違う事を思い出す。
新作でも出たのかと思い一応調べて見たものの特に新作が出たわけではない事を不思議に思っていたが、名無しの言葉を聞き“なるほど”っと納得がいく。
『しかもさ、SEA BREEZEのキャップを交換して使い切ると願いが叶うなんてジンクスまで作って来たから余計にキャップ交換流行ってるんだよ今』
「なるほどな」
『しかもこれが男女だったら恋が叶うって言う…』
そこまで話すと名無しは大きなため息を一つつき机の上に項垂れた。
この光景前にも見た事が有ると思いながらも、跡部はそんな名無しに言葉を投げる。
「名無しとキャップ交換してくれる奴がいないって話か」
『ピンポーン、大正解!』
自分で言って虚しくなりながら、名無しは机の上に置いてある自分のSEA BREEZEを見る。
『友達皆にキャップ交換しよう!って言ったんだけど彼氏持ちは彼氏と交換してるし、そうじゃない友達は好きな人と交換したいからって私とはキャップ交換してくれないの…』
「…そうか」
『くっ、女の友情よりも恋か!恋が…憎い…』
ダンッ、と再び机を叩く。
叩いた手が痛いと後悔するものの、ジンジンと痛む痛みを無視して名無しは『女友達よりも男か…くそう…』と喚いた。
「なぁ」
『なぁーに、跡部?』
不貞腐れた表情で、名無しは自分のSEA BREEZEを見つめながら跡部の言葉に返す。
先程からじっと名無しの方を向きながら頬杖をついている跡部は「そんなにキャップ交換したいなら俺様とするか?」と言葉を放った。
一瞬何を言われたか分からない名無しはきょとんと跡部の方を見ながら先ほど放たれた言葉を思い出しガタッと椅子から立ち上がる。
『え、何?!もしかして跡部私の事が好きなの…?!』
「おい馬鹿、勘違いすんな」
『冗談だよ、跡部が私をそう言う意味で好きだなんて思ってないからさ』
笑いながら言う名無しの言葉に、跡部は内心複雑な心境になる。
名無しの口ぶりからして驚いていたのは確かだ。
だがしかし、その後の言葉に跡部は引っ掛かりながらも言葉を紡ぐ。
「あのな…」
『いやー分かってるよ?そう言う意味じゃないって事くらいさ…けどさ、跡部からキャップ交換の提案をされたら誰だって吃驚するしそんな勘違いすると思うよ…?』
名無しの放った言葉の意味を、跡部自身も理解している。
これがもし名無しではなく、跡部に想いを寄せている女子生徒なら先ほど跡部が言った言葉に“もしかして脈ありなのでは?”と勘違いしていただろう。
跡部自身も理解はしているし、何より良く知らない女子とキャップ交換なんてする意味もする価値すらない。
名無しだって理解している、理解しているが先ほどの跡部の言葉はドキッとせずにはいられなかった。
「俺様がそんな誰彼構わず交換するか?なんて言うわけねぇーからな。それとも何だ?俺様とじゃキャップの交換は不服か?」
『ううん…不服なんて思わないし是非お願いします!』
そう言いながら名無しは自分のSEA BREEZEのキャップをを開ける。
同じように跡部も自分のSEA BREEZEのキャップを開け、名無しへと差し出す。
『でもさー、私も跡部も同じフローズンミント使ってるじゃん?』
「だからなんだ?」
『キャップの色一緒だから交換しただなんて言わないと分かんないやつだよね』
渡されたキャップを受け取りながら、名無しはふと思ったことを口にする。
跡部から渡されたキャップも、今しがた名無しが渡したキャップと同じ色合いだ。
もし違う色合いなら誰が見てもキャップを交換したことくらい一目瞭然で分かるのだが…今回は同じ色合いのキャップの交換。
交換したなんて傍から見れば誰も気づかないはずだ。
そんな名無しの言葉など特に気にせず、跡部は名無しから受け取ったキャップの蓋をゆっくりと閉めていく。
「別にいいじゃねぇーか」
『だってキャップ交換したなんて言われても誰も信じないやつだよ~?』
「フッ、周りから見ればただの何の変哲もないSEA BREEZEかもしれねぇが、…俺様と名無しが分かってりゃそれで十分だろ」
跡部の言葉に、名無しは一瞬鳩が豆鉄砲を食ったような表情になるものの、跡部の言葉が嬉しくてすぐさま頬を緩める。
『それも…そうだね!』
カチッと音を立てて、互いのSEA BREEZEのキャップが閉まる。
それは何処からどう見ても先程自分達が持っていたSEA BREEZEと何ら変わらない代物だった。
誰がどう見てもキャップ交換をしただなんて到底思わないだろう。
キャップ交換をしたなんて言われても、信じる人間は少ないかもしれない。
だが名無しと跡部にとっては先程自分達が持っていたSEA BREEZEよりも、今の方がキラキラと輝いて見えた。
他の誰も知らない、名無しと跡部だけの2人だけの秘密のキャップ交換。
『わーい、
「この俺様のキャップと交換したんだ、大事にしろよ名無し」
『当たり前じゃーん跡部!家宝にするね』
「否、それは流石にやり過ぎだろ」
『あはは、それ位嬉しいし大事にしたいんだよ!跡部から貰ったキャップだからね』
先程から笑顔のまま話す名無しに、つられて跡部も笑った。
This is just between us
(なんや跡部、えらいご機嫌やな)
(アーン?忍足お前何言ってんだ)
(そのままの意味やで跡部、自分の顔鏡でいっぺん見てみぃ。俺が言うた意味分かると思うで)
(………)
2024/07/09
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