過去LOG
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そんなところで何をしている…」
「あ…春日局様…」
書庫へと向かう最中、春日局はおろおろと辺りを見渡している名無しの姿を見つけ思わず声をかけた。
春日局の姿を見て、ぱぁっと、笑みを浮かべ安心しきったような表情を名無しは浮かべる。
一体どうしたのかと春日局は一瞬思ったが、おおかたまだ影武者として入って慣れぬ名無しは迷子にでもなっているのだろうと答えがすぐに出た。
それを示すように、名無しの手にはこの間渡した江戸城の見取り図が握られていた。
「あ、あの春日局様」
「何だ迷子にでもなったのか?」
「え、…何で分かったんですか…?」
春日局の言葉に、名無しは思わず目を丸くした。
「それくらい見れば分かる…何処に行くつもりだったんだ?」
「えっと…書庫の方に…公務に支障が出ないようにちゃんと勉強しようと思って…」
見取り図をぎゅっと握り締め、名無しは俯きながら答えた。
いくら無理やり連れてこられた影武者と言えど、迷惑をかけられないと考えたのだろう。
書庫に行けば調べ物も出来るし、何かと役に立つものが多い。
(自分から進んで勉強としようと思っている辺り悪くはないな…)
「来い」
「え?」
春日局の言葉に、きょとんと首を傾げた。
そんな名無しを横目に見ながら、春日局は自分が本来向かうべき場所であった場所へと歩み始めた。
「私についてくればいい…書庫なら私も今向かう所だからな」
「…はい!」
その言葉に嬉しそうに返事をし、名無しは春日局の後ろを着いて歩き始めた。
タイトル提供:確かに恋だった様
40/44ページ