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※現パロ、紫京が小学生で主人公は高校生
「うわぁぁあああん、名無しちゃん!!」
「ど、どうしたの紫京?!」
学校から帰宅すると同時に、家の中に居たまだ六歳の幼い紫京が名無しの足に抱きついてきた。
隣の家の子供である紫京だが、普段から親が共働きで家にいないため、名無しの家に居ることが多い。
だが今日は何故かランドセルを背負ったまま玄関で体育座りで座っており、涙目で名無しの足に抱きついてきた。
「どうしたの紫京、どこか痛いの…?」
涙を浮かべる紫京に、名無しはおろおろと問うものの、紫京は何も言わずただ首を横に振るだけだった。
名無しは紫京が泣いている理由がわからず、とりあえず「中に入ろう、紫京?」と紫京に言い聞かせて家の中へと入る。
紫京の手を引き、リビングまで連れてくると、名無しは持っていた鞄をソファーの近くに置き紫京の黒いランドセルをとり、近くに置く。
涙を浮かべ俯く紫京を抱き上げて、名無しはソファーの上に腰を降ろし、自分の膝の上に向き合わせる形で紫京を乗せ…そっと紫京の頭を撫でた。
どうしていいかわからずに紫京の頭を撫でていると、ふいに「名無しちゃんは…僕のこと、嫌いになった…の?」っと、問う。
「嫌いじゃないよ?どうしたの紫京?」
「うぅ…っつ」
「…紫京?」
涙を浮かべたままの紫京に、名無しはただ首を傾げる。
だが次の瞬間紫京の顔が近づき、柔らかい唇が、―――ちゅっと、音を立てた。
触れてすぐに離れてしまう優しいキス。
突然の紫京の行動に吃驚してしまうものの、紫京の顔を見てみれば、キスをした張本人は耳まで顔を赤らめていた。
名無しに顔が赤いのを見られるのが恥ずかしいのか、俯きながら「だって…たかつかさに…名無しちゅーしてた…」と、また泣きそうな声で呟いた。
「…私が…鷹司と?」
紫京の言葉に、名無しはさらに首を傾げる。
鷹司とは高校が同じだし中学時代からの友達で仲はいいが…そのような事をする関係になった覚えはない。
友達ではあるが良くて親友あたりのポジションに居ると名無しは思っている。
勿論鷹司が名無しを親友と思っているかは別として。
記憶を遡るものの見つからない名無しに、紫京は涙目で呟く。
「でも…さっきこうえんで…」
「…あ!あれか…」
紫京の言葉に名無しは何かを思い出したかのように声を上げた。
だが次の瞬間、
「ふふ…あのね、紫京…さっきのは…ふふっ」
名無しは声をあげて笑った。
どうして名無しが笑ったのか紫京には分からなかった。
ただ心の中では、やっぱり鷹司とキスをしたのだろうか…?それとも十歳も年下の小学生じゃ…不釣り合いなのだろうか…と、暗い方向へと思考がめぐる。
そんな事を思っていると不意にぎゅっと名無しが小さな紫京の身体を抱きしめて「違うよ、紫京」と声をかける。
温かな名無しの体温に包まれてはいるものの、不安な表情は一向に消えることはなかった。
不安のまま恐る恐る紫京は顔をあげ、名無しの顔を見つめた。
「あのね紫京…さっき公園にはいたけど鷹司とちゅーなんてしてないよ?」
「え、でも…」
「多分紫京からはそう見えたかもしれないけど…目にゴミが入ったのをとってもらってただけだよ」
クスクスと笑いながら名無しは紫京を抱きしめたまま先ほどのことを思い出した。
最近不審者が多いからという事で、鷹司が「送ってやる」と言ってくれた。
送ってもらってる最中、目にゴミが入り近くの公園で目に入ったゴミを取ってもらっていたのだ。
見ようによっては公園でキスをしているように見える。
紫京の身長からしても、きっとキスをしているように見えたに違いない。
そんな可愛い勘違いをした紫京が愛おしく、名無しはぎゅっと力を入れて紫京を抱きしめる。
「紫京のばか…私が好きなのは今もこれからも…紫京だけだよ」
笑顔のままそう紫京へと伝えると、先ほどまで不安で仕方なかった顔が一気に真っ赤になる。
名無しの言葉が嬉しく、また恥ずかしかった紫京は、ただ俯いたまま首を縦に振ることしかできなかった。
「よし、それじゃあおやつにホットケーキでも作ろうかな?」
数十分もの間、ぎゅっと抱きついていた紫京の方へ目を向けると紫京の顔はまだ赤いがこくりと頷いた。
「はーい?」
「僕がでてくる…!名無しちゃんは…ホットケーキ作ってて!」
「うん、もし危ない人だったら叫んでね紫京?」
「うん!」
心配そうな表情を浮かべる名無しに、紫京は大丈夫だと言わんばかりに大きな声で答えた。
お客様を待たせては悪いと幼いながら思い、パタパタと小走りでできるだけ早くドアを開けようとする。
「お、やっと出てきたか…って、何だお前かよ」
ガチャリと音を立ててドアを開けると、そこには耳からイヤを外し、名無しと同じ高校の学ランの制服を着ている鷹司が居た。
「何でたかつかさがいるんだよ…」
「一応俺お前より年上なんだけど…まぁ、いいか」
身長差があるためか、見下ろす形になっていた鷹司は屈み、小さな紫京と目線を合わせる。
肩にかけていた鞄を降ろし、ガサガサと中を漁りながら一冊のノートを取り出した。
そのノートは鷹司が持つには少し合わない水玉のピンク色のノート。
表紙のしたの方には“名無し”と書かれている。
「これ名無しに返しといてくれないか?借りたの返すの忘れてたからよ」
そう言って鷹司は紫京に名無しのノートを差し出す。
差し出されたノートを乱暴に受け取り、キッと睨みつける。
「……何だよ?」
「僕の名無しちゃんにへんなことするなよ!!!」
「変なことってお前な…俺はただ名無しの事好きなんだよ、お前の好きなんかとは違うだろうけどよ」
ため息混じりで鷹司が答えると、その言葉にむかっと来る。
「あいつ鈍いんだよなぁー…」なんて零す鷹司に、「た、たかつかさの好きなんかより、僕の名無しちゃんに対する好きの方が大きいんだ!!!!」と、精一杯の声でそう叫び紫京は屈んでいた鷹司を気にせずに勢い良くドアを閉めた。
(僕の方が、僕のほうが名無しちゃんの事大好きなんだ…それに名無しちゃんも僕のこと好きだし…あんなやつに、あんなやつにちかげちゃんとられたくない…!)
鷹司に対する宣戦布告を決意し、紫京はずかずかと歩き出す。
ドアの向こうから「おいこのチビ!!!」と、鷹司が何か叫ぶ声が聞こえるが、紫京は聞こえないふりをしてそのまま名無しが待つリビングへと戻っていった。
「うわぁぁあああん、名無しちゃん!!」
「ど、どうしたの紫京?!」
学校から帰宅すると同時に、家の中に居たまだ六歳の幼い紫京が名無しの足に抱きついてきた。
隣の家の子供である紫京だが、普段から親が共働きで家にいないため、名無しの家に居ることが多い。
だが今日は何故かランドセルを背負ったまま玄関で体育座りで座っており、涙目で名無しの足に抱きついてきた。
「どうしたの紫京、どこか痛いの…?」
涙を浮かべる紫京に、名無しはおろおろと問うものの、紫京は何も言わずただ首を横に振るだけだった。
名無しは紫京が泣いている理由がわからず、とりあえず「中に入ろう、紫京?」と紫京に言い聞かせて家の中へと入る。
紫京の手を引き、リビングまで連れてくると、名無しは持っていた鞄をソファーの近くに置き紫京の黒いランドセルをとり、近くに置く。
涙を浮かべ俯く紫京を抱き上げて、名無しはソファーの上に腰を降ろし、自分の膝の上に向き合わせる形で紫京を乗せ…そっと紫京の頭を撫でた。
どうしていいかわからずに紫京の頭を撫でていると、ふいに「名無しちゃんは…僕のこと、嫌いになった…の?」っと、問う。
「嫌いじゃないよ?どうしたの紫京?」
「うぅ…っつ」
「…紫京?」
涙を浮かべたままの紫京に、名無しはただ首を傾げる。
だが次の瞬間紫京の顔が近づき、柔らかい唇が、―――ちゅっと、音を立てた。
触れてすぐに離れてしまう優しいキス。
突然の紫京の行動に吃驚してしまうものの、紫京の顔を見てみれば、キスをした張本人は耳まで顔を赤らめていた。
名無しに顔が赤いのを見られるのが恥ずかしいのか、俯きながら「だって…たかつかさに…名無しちゅーしてた…」と、また泣きそうな声で呟いた。
「…私が…鷹司と?」
紫京の言葉に、名無しはさらに首を傾げる。
鷹司とは高校が同じだし中学時代からの友達で仲はいいが…そのような事をする関係になった覚えはない。
友達ではあるが良くて親友あたりのポジションに居ると名無しは思っている。
勿論鷹司が名無しを親友と思っているかは別として。
記憶を遡るものの見つからない名無しに、紫京は涙目で呟く。
「でも…さっきこうえんで…」
「…あ!あれか…」
紫京の言葉に名無しは何かを思い出したかのように声を上げた。
だが次の瞬間、
「ふふ…あのね、紫京…さっきのは…ふふっ」
名無しは声をあげて笑った。
どうして名無しが笑ったのか紫京には分からなかった。
ただ心の中では、やっぱり鷹司とキスをしたのだろうか…?それとも十歳も年下の小学生じゃ…不釣り合いなのだろうか…と、暗い方向へと思考がめぐる。
そんな事を思っていると不意にぎゅっと名無しが小さな紫京の身体を抱きしめて「違うよ、紫京」と声をかける。
温かな名無しの体温に包まれてはいるものの、不安な表情は一向に消えることはなかった。
不安のまま恐る恐る紫京は顔をあげ、名無しの顔を見つめた。
「あのね紫京…さっき公園にはいたけど鷹司とちゅーなんてしてないよ?」
「え、でも…」
「多分紫京からはそう見えたかもしれないけど…目にゴミが入ったのをとってもらってただけだよ」
クスクスと笑いながら名無しは紫京を抱きしめたまま先ほどのことを思い出した。
最近不審者が多いからという事で、鷹司が「送ってやる」と言ってくれた。
送ってもらってる最中、目にゴミが入り近くの公園で目に入ったゴミを取ってもらっていたのだ。
見ようによっては公園でキスをしているように見える。
紫京の身長からしても、きっとキスをしているように見えたに違いない。
そんな可愛い勘違いをした紫京が愛おしく、名無しはぎゅっと力を入れて紫京を抱きしめる。
「紫京のばか…私が好きなのは今もこれからも…紫京だけだよ」
笑顔のままそう紫京へと伝えると、先ほどまで不安で仕方なかった顔が一気に真っ赤になる。
名無しの言葉が嬉しく、また恥ずかしかった紫京は、ただ俯いたまま首を縦に振ることしかできなかった。
「よし、それじゃあおやつにホットケーキでも作ろうかな?」
数十分もの間、ぎゅっと抱きついていた紫京の方へ目を向けると紫京の顔はまだ赤いがこくりと頷いた。
「はーい?」
「僕がでてくる…!名無しちゃんは…ホットケーキ作ってて!」
「うん、もし危ない人だったら叫んでね紫京?」
「うん!」
心配そうな表情を浮かべる名無しに、紫京は大丈夫だと言わんばかりに大きな声で答えた。
お客様を待たせては悪いと幼いながら思い、パタパタと小走りでできるだけ早くドアを開けようとする。
「お、やっと出てきたか…って、何だお前かよ」
ガチャリと音を立ててドアを開けると、そこには耳からイヤを外し、名無しと同じ高校の学ランの制服を着ている鷹司が居た。
「何でたかつかさがいるんだよ…」
「一応俺お前より年上なんだけど…まぁ、いいか」
身長差があるためか、見下ろす形になっていた鷹司は屈み、小さな紫京と目線を合わせる。
肩にかけていた鞄を降ろし、ガサガサと中を漁りながら一冊のノートを取り出した。
そのノートは鷹司が持つには少し合わない水玉のピンク色のノート。
表紙のしたの方には“名無し”と書かれている。
「これ名無しに返しといてくれないか?借りたの返すの忘れてたからよ」
そう言って鷹司は紫京に名無しのノートを差し出す。
差し出されたノートを乱暴に受け取り、キッと睨みつける。
「……何だよ?」
「僕の名無しちゃんにへんなことするなよ!!!」
「変なことってお前な…俺はただ名無しの事好きなんだよ、お前の好きなんかとは違うだろうけどよ」
ため息混じりで鷹司が答えると、その言葉にむかっと来る。
「あいつ鈍いんだよなぁー…」なんて零す鷹司に、「た、たかつかさの好きなんかより、僕の名無しちゃんに対する好きの方が大きいんだ!!!!」と、精一杯の声でそう叫び紫京は屈んでいた鷹司を気にせずに勢い良くドアを閉めた。
(僕の方が、僕のほうが名無しちゃんの事大好きなんだ…それに名無しちゃんも僕のこと好きだし…あんなやつに、あんなやつにちかげちゃんとられたくない…!)
鷹司に対する宣戦布告を決意し、紫京はずかずかと歩き出す。
ドアの向こうから「おいこのチビ!!!」と、鷹司が何か叫ぶ声が聞こえるが、紫京は聞こえないふりをしてそのまま名無しが待つリビングへと戻っていった。
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