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※本編配信前による完全なる妄想話
とある午後の昼下がり。
カランと音が鳴り、ドアベルが来客が来たことを告げるかのようにティーサロン『ブルーベル』の店内に響き渡った。
「こんにちは、名無しちゃん」
「あ、いらっしゃいませノエルさん」
そう言いながら他の客の給仕をしていた名無しが振り返ると、ティーサロン『ブルーベル』の常連客でありロシェの恋人であるノエルが立っていた。
恋人と言っても、本当の恋人関係にあるわけではない。
公には“恋人”になってはいるが、とある事件をきっかけに名無しはノエルと偽りの恋人契約を結んでいる。
ただそれだけの関係だ―――…
ついこの間ラッドへの挨拶を済ませた事を思い出しながら、サービストレーを抱え名無しはノエルに近寄った。
「お席にご案内しますね」
何時ものようにお決まりの席へとノエルを連れて行こうとするものの、ノエルはそこに立ったまま動こうとはしない。
「うん、お願い…って言いたいところだけど、今日はお客として来たわけじゃないんだ」
「そうなんですか?」
「そ、今日は名無しちゃんの恋人として…ね」
「…っつ」
未だにノエルの甘い笑みに慣れないせいか、名無しの頬は赤く染まりドクンと心臓が跳ね上がる。
いくら偽りの恋人契約を結んでいるとは言え、この甘い笑みには慣れない。
そんな名無しを見ながら、ノエルはそっと名無しの耳元で「なーんてね」と囁く。
「本当は別件でこの辺に来たついでに名無しちゃんの方の様子見に来たわけ。俺が来れなかった間…何か変わった事とかある?」
「特にはありませんね…ノエルさんの方はどうですか?」
「俺の方?俺の方も何もないかな。何時も通り見回りだったり捜査の至って何も変わらない平凡な一日を過ごしてるよ」
(それって平凡なのかな…)
にこにこと何事もなく話すノエルに、名無しは疑問に思いながらも頷いて聞く。
愉しそうにここ最近の出来事を話すノエルは楽しそうで、名無しもつられて笑みを浮かべる。
数分ほど、ノエルの話を聞いていると、「おい、名無し!突っ立ってないでオーダー取ってこい」っと、他の来客の給仕をしていたアレクが声を上げた。
アレクの方を見れば両手のサービストレーにはたくさんの料理や飲み物が乗っており、ハルも忙しそうにオーダーを受けている。
「あ、うん」
そんな二人の姿を見て慌ててサービストレーを抱え直し、ノエルの方を見れば変わらず笑顔で名無しに告げる。
「行っておいで名無しちゃん。俺もそろそろ別件の方に行かないといけないからね」
「はい、また来てくださいねノエルさん」
ノエルにそう言えば、名無しはオーダーを待っている来客の元へと足を運ぼうとする。
「あ、待って名無しちゃん」
何かを思い出したかのようにノエルは名無しを呼び止める。
「どうかしましたかノエルさん?」
「忘れ物だよ」
「忘れ物…?」
ノエルの言葉に思わず名無しは首を傾げ、ノエルを見上げる。
「そ、忘れ物」
妖笑を浮かべたままそっと首を傾げたノエルは名無しに、ノエルは近づく。
ぐいっと名無しの手を引きノエルは自分の方へと引き寄せ、人目を気にせずにノエルは名無しの額に触れてすぐ離れるだけの口付けを落とした。
ちゅっと、小さくリップ音が、名無しの耳には大きく聞こえる。
一瞬の出来事に名無しの瞳は大きく見開かれ、その瞳には悪戯が成功したとでも言いたげなノエルの満足そうな笑みが映る。
「それじゃあ行ってくるね、俺の可愛い名無しちゃん」
片目を閉じウインクを飛ばし、「それじゃあまた後でね」と言いながらノエルはティーサロン『ブルーベル』を後にした。
ドアベルのカランと言う音が再び店内に響き渡り、顔を真っ赤にした名無しはただその場から動けずに居た。
とある午後の昼下がり。
カランと音が鳴り、ドアベルが来客が来たことを告げるかのようにティーサロン『ブルーベル』の店内に響き渡った。
「こんにちは、名無しちゃん」
「あ、いらっしゃいませノエルさん」
そう言いながら他の客の給仕をしていた名無しが振り返ると、ティーサロン『ブルーベル』の常連客でありロシェの恋人であるノエルが立っていた。
恋人と言っても、本当の恋人関係にあるわけではない。
公には“恋人”になってはいるが、とある事件をきっかけに名無しはノエルと偽りの恋人契約を結んでいる。
ただそれだけの関係だ―――…
ついこの間ラッドへの挨拶を済ませた事を思い出しながら、サービストレーを抱え名無しはノエルに近寄った。
「お席にご案内しますね」
何時ものようにお決まりの席へとノエルを連れて行こうとするものの、ノエルはそこに立ったまま動こうとはしない。
「うん、お願い…って言いたいところだけど、今日はお客として来たわけじゃないんだ」
「そうなんですか?」
「そ、今日は名無しちゃんの恋人として…ね」
「…っつ」
未だにノエルの甘い笑みに慣れないせいか、名無しの頬は赤く染まりドクンと心臓が跳ね上がる。
いくら偽りの恋人契約を結んでいるとは言え、この甘い笑みには慣れない。
そんな名無しを見ながら、ノエルはそっと名無しの耳元で「なーんてね」と囁く。
「本当は別件でこの辺に来たついでに名無しちゃんの方の様子見に来たわけ。俺が来れなかった間…何か変わった事とかある?」
「特にはありませんね…ノエルさんの方はどうですか?」
「俺の方?俺の方も何もないかな。何時も通り見回りだったり捜査の至って何も変わらない平凡な一日を過ごしてるよ」
(それって平凡なのかな…)
にこにこと何事もなく話すノエルに、名無しは疑問に思いながらも頷いて聞く。
愉しそうにここ最近の出来事を話すノエルは楽しそうで、名無しもつられて笑みを浮かべる。
数分ほど、ノエルの話を聞いていると、「おい、名無し!突っ立ってないでオーダー取ってこい」っと、他の来客の給仕をしていたアレクが声を上げた。
アレクの方を見れば両手のサービストレーにはたくさんの料理や飲み物が乗っており、ハルも忙しそうにオーダーを受けている。
「あ、うん」
そんな二人の姿を見て慌ててサービストレーを抱え直し、ノエルの方を見れば変わらず笑顔で名無しに告げる。
「行っておいで名無しちゃん。俺もそろそろ別件の方に行かないといけないからね」
「はい、また来てくださいねノエルさん」
ノエルにそう言えば、名無しはオーダーを待っている来客の元へと足を運ぼうとする。
「あ、待って名無しちゃん」
何かを思い出したかのようにノエルは名無しを呼び止める。
「どうかしましたかノエルさん?」
「忘れ物だよ」
「忘れ物…?」
ノエルの言葉に思わず名無しは首を傾げ、ノエルを見上げる。
「そ、忘れ物」
妖笑を浮かべたままそっと首を傾げたノエルは名無しに、ノエルは近づく。
ぐいっと名無しの手を引きノエルは自分の方へと引き寄せ、人目を気にせずにノエルは名無しの額に触れてすぐ離れるだけの口付けを落とした。
ちゅっと、小さくリップ音が、名無しの耳には大きく聞こえる。
一瞬の出来事に名無しの瞳は大きく見開かれ、その瞳には悪戯が成功したとでも言いたげなノエルの満足そうな笑みが映る。
「それじゃあ行ってくるね、俺の可愛い名無しちゃん」
片目を閉じウインクを飛ばし、「それじゃあまた後でね」と言いながらノエルはティーサロン『ブルーベル』を後にした。
ドアベルのカランと言う音が再び店内に響き渡り、顔を真っ赤にした名無しはただその場から動けずに居た。
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