家庭教師ヒットマンREBORN!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※仔ディーノ
※学パロ
『あっつ…』
ピンク色のハンディファンを片手に、名無しは1人バス停でバスが来るのを待っていた。
憎たらしいほどに雲一つない青空、言わば快晴だった。
バス停には上屋が設置されているため暑さは多少軽減されているものの、太陽は容赦なくアスファルトを照り付ける。
幾ら白いワンピースにサンダルと言った軽装をしていても、外の暑さには敵わずに名無しの額には汗が浮かぶ。
心地よい風が吹くわけでもなく、ハンディファンの風だけが唯一の涼しさだった。
夏になり学生にとっては待ちに待っていた夏休みを迎えた7月下旬。
今年は始まりが丁度土曜日と重なったせいか少し早く夏休みが始まった。
待ちに待っていた夏休みではあるものの、夏休みと言えば休みだけでなく出された大量の宿題の山に現実逃避をしたくなるのも事実。
名無しだって例に漏れないほど大量の宿題の山を出され現実逃避をした1人に過ぎない。
かと言って特に部活をしているわけでもない名無しは夏休みに入った途端その生活リズムはあっという間に崩れた。
いくら1ヶ月以上の休みがあると言えど、休みなんてあっという間に過ぎて行くのだ。
少しでも夏休みの宿題に手を付けようと思い、名無しは自宅ではなくバスに乗って図書館に行こうとしていた。
幸い名無しが向かう図書館には有難い事に自習室が設置されている。
自分の問題集や宿題を持ち込んで勉強出来るスペースがあるので自習室で勉強しても問題はない。
帰りに本を数冊借り、読書感想文用の本を探して帰る予定でもある。
家では漫画やゲーム、テレビなどの誘惑が多すぎて宿題に手を付けるのが難しいのを名無し自身重々自覚しているからだ。
そして尚且つ昼間からクーラーを付けるのも気がひけてしまい、それなら涼しい図書館で勉強しようと名無しは腹をくくって外に出た。
肩にかけたトートバックの中には今日やる予定の宿題のワークや筆記用具、携帯にお財布等持って行っているがそれなりの重さになっている。
(早くバス来ないかなぁ…)
そう名無しは思うものの、バスが来るまで後10分ほど時間が合った。
持って行く荷物を纏める際に時間がかかったためかバスを1本乗り過ごしてしまった為、待つ事になるのは仕方ない事だ。
ハンディファンのぬるい風を浴びながら名無しがぼんやりとしていると「あれ、名無しじゃねえか」と、何処か聞き覚えのある声に名無しは声のする方へと視線を向けた。
ドクンと跳ねる心臓の音が、否に大きく名無しの耳に聞こえる。
キッと、ブレーキ音と共に名無しの前に一台のマウンテンバイクが止まった。
見慣れた学校指定の制服ぶ金髪の髪と鳶色の綺麗な瞳。
まだ幼さが残っているものの、それでも整った容貌に女性であれば誰もが振り向き見惚れてしまう程だ。
学校指定のリュックを背に背負い、オレンジ色のマウンテンバイクに跨ったままの少年…否、ディーノの姿が名無しの瞳に映り込む。
親の仕事の都合でイタリアの国からわざわざ日本へと移住してきた名無しのクラスメイトで隣の席の生徒だ。
ディーノはイタリア人ではあるものの、聞き取りやすく流暢な日本語を話すおかげか仲良くなるのにそう時間はかからなかった。
隣の席と言う事もあり、よく挨拶もするし学校では男子の中では話すほうだ。
そして名無しはひっそりとそんなディーノに恋をしている。
片思いだ…けれどそこから先の関係に踏み出そうと言う気は名無しにはまだなかった。
今はまだ…ディーノを想うだけで精一杯で、告白しようとか付き合いたいとかそんな域にはまだ達していない。
そして何よりこの関係が壊れてしまわないか不安で…だからこそ想うだけにとどまっている。
ふと、ディーノの顔を見れば左頬には夏休み前には無かった絆創膏が貼られている。
恐らくこけてしまい怪我をしたのだろうと名無しは安易に想像できてしまった。
ディーノは極度の運動音痴であるものの、ディーノ自身運動音痴である自覚がないようだが…。
『ディーノじゃん、どうしたの?制服なんか着ちゃってさ?』
バス停の上屋の傍でマウンテンバイクに乗ったままのディーノを見ながら名無しは首を傾げる。
もう夏休みに入っているのだ。
通常であれば制服なんて着なくてもいいが、部活動で学校に行く場合は文化部なら制服を着用していくし運動部であればそれぞれの練習用の服で学校に行っている事もある。
だが名無しが知る限りディーノは帰宅部だったはずだ。
補習もなんとか回避していたはずなのに、何故ディーノは制服姿なのだろうと不思議に想ってしまう。
「俺はその…夏休み始まった事すっかり忘れちまって…慌てて登校しちまった、と言うか…だな…」
気まずそうにディーノはそれでも言葉を紡ぐ。
要は寝ぼけて起きて普通の平日だと勘違いして登校してしまい、学校に着いてから夏休みに入った事を思い出したと言う事だろう。
途切れ途切れに紡がれた言葉、ばつが悪そうな表情を浮かべながらもディーノは素直に話していた。
幾らでも取り繕おうと思えば取り繕えるはずなのに、素直に話してしまったディーノが可愛くて、名無しの頬は自然と緩んでしまう。
『ぷっ…ディーノ…ぷぷ…お、おっちょこちょいにもほどがある、よ…ふふ』
「わ、笑うなよ名無し!」
名無しに笑われたのが恥ずかしいのかディーノは頬を赤く染めながらも「…で、名無しの方こそどうしたんだよこんな所で?」と話を逸らそうとする。
ディーノに片思いしていても、2人でいるといつもこうなのだ。
きっとディーノは名無しがディーノに片思いしているなんて思ってもいないだろう。
気付かれないようにそう振舞っているのもあり、今はこの関係を続けたいのだ。
『ふふ…ふっ、わ、私は図書館に勉強しに行こうかなって…ぶふっ』
「図書館に?何でだよ?」
『な、夏休みの…ぶふっ…しゅ、宿題しに行こうかなって…ひぅ、お、お腹痛い…っつ』
「おい、名無し笑いすぎだろ!!!!」
何時まで経っても笑っている名無しに、ディーノは「っ…言うんじゃなかった…」と言葉を漏らす。
顔を真っ赤にしながら「あーくそ、名無しにかっこ悪い所知られちまった…」と自分で言っておきながらも髪をガシガシとかいては悔しそうに鳶色の瞳を揺らした。
『はぁー…面白かった』
「ったく…どんだけ笑うんだよ名無し」
『…ごめんて』
ようやく落ち着いた私はゆっくりと深呼吸をしては息を整える。
中学に入学して夏休みに入る前から変わらないディーノとのやり取り。
そのやり取りに安心しては無意識のうちに名無しの頬が緩む。
まだ数日しか経っていない夏休みだが、今思えばこんなやり取りは名無しにとっての当たり前な日常だった。
だがこんなやり取りは夏休み期間中は出来ない。
お互い帰宅部で学校に行く予定なんて今のところは登校日である8月8日位だろう。
そう改めて考えると名無しの心は何処か寂しくなってしまう。
当たり前が“当たり前”じゃなくなってしまうのが…寂しくて仕方がない。
そんな名無しを見てディーノはふと何かを思いついたように言葉を紡ぐ。
「…なぁ名無し。それ俺も着いていっていいか?」
『え…別にいいけど?どうしたの急に?』
ディーノの言葉に名無しはきょとんと首を傾げる。
別に遊びに行くわけではなく勉強をしに行くのだ。
名無し同様、ディーノも家で勉強をするのが苦手なタイプだったか?と思わず問いかけそうになってしまう。
『ディーノちゃんと宿題とか家でも出来るタイプじゃん?』
「そうだけど…俺も夏休みの宿題早めに終わらせてえ…ってのもあるし…」
『あるし?』
名無しの問いかけに一瞬言葉を飲み込もうとするディーノが、ディーノはじっと名無しの瞳を見ては言葉を再度紡いだ。
「…夏休みって休み長いだろ?…少しでも名無しと一緒にいれる時間があればなって思ってさ」
そう言ってディーノはうっすらと頬を赤くしたまま名無しに微笑みかける。
先程の笑われて恥ずかしがった色がまだ残っているのか、はたまた別の理由なのかは名無し自身見分けはつかない。
けれどその言葉は紛れもなくディーノの本心だと言う事は名無しだって理解している。
それが友達としてなのか、それともそれ以上の意味をう含んでいるかはディーノ自身にしか分からない。
だがどうしてもその言葉に勘違いしてしまいそうになる程名無しの心臓がドクンと跳ねた。
「だからさ、夏休み中でも俺は名無しに会いたいし、一緒にいたいんだよ」
『…っつ』
何時ものようにニカッと、太陽の様に眩しい位の笑顔を向けられれば名無しの頬は自分でも分かる程に熱く火照る。
もしかして期待してもいいのだろうかと言う錯覚が名無しを襲う。
(そんな風に言われると…勘違いしちゃうし…期待しちゃうんだけど…)
勿論そんな言葉を口に出すほど名無しは自意識過剰ではないけれど、やはり期待は拭えなかった。
「っと、バス来ちまったな」
『あ…ほんとだ』
顔が赤いまま、名無しはディーノの言葉に反応してはバスの方へと視線を向ける。
丁度赤信号で止まっているが、もう数分もしないうちにバス停に到着しようとしていた。
「よし。じゃあ俺は一旦家に帰って宿題持って行くから、図書館で待ってろよ名無し」
変わらぬ太陽の様に眩しい笑みを浮かべたまま、ディーノは名無しにそう伝えた―――…
夏のはじまりを、君の隣で。
2025/07/15
※学パロ
『あっつ…』
ピンク色のハンディファンを片手に、名無しは1人バス停でバスが来るのを待っていた。
憎たらしいほどに雲一つない青空、言わば快晴だった。
バス停には上屋が設置されているため暑さは多少軽減されているものの、太陽は容赦なくアスファルトを照り付ける。
幾ら白いワンピースにサンダルと言った軽装をしていても、外の暑さには敵わずに名無しの額には汗が浮かぶ。
心地よい風が吹くわけでもなく、ハンディファンの風だけが唯一の涼しさだった。
夏になり学生にとっては待ちに待っていた夏休みを迎えた7月下旬。
今年は始まりが丁度土曜日と重なったせいか少し早く夏休みが始まった。
待ちに待っていた夏休みではあるものの、夏休みと言えば休みだけでなく出された大量の宿題の山に現実逃避をしたくなるのも事実。
名無しだって例に漏れないほど大量の宿題の山を出され現実逃避をした1人に過ぎない。
かと言って特に部活をしているわけでもない名無しは夏休みに入った途端その生活リズムはあっという間に崩れた。
いくら1ヶ月以上の休みがあると言えど、休みなんてあっという間に過ぎて行くのだ。
少しでも夏休みの宿題に手を付けようと思い、名無しは自宅ではなくバスに乗って図書館に行こうとしていた。
幸い名無しが向かう図書館には有難い事に自習室が設置されている。
自分の問題集や宿題を持ち込んで勉強出来るスペースがあるので自習室で勉強しても問題はない。
帰りに本を数冊借り、読書感想文用の本を探して帰る予定でもある。
家では漫画やゲーム、テレビなどの誘惑が多すぎて宿題に手を付けるのが難しいのを名無し自身重々自覚しているからだ。
そして尚且つ昼間からクーラーを付けるのも気がひけてしまい、それなら涼しい図書館で勉強しようと名無しは腹をくくって外に出た。
肩にかけたトートバックの中には今日やる予定の宿題のワークや筆記用具、携帯にお財布等持って行っているがそれなりの重さになっている。
(早くバス来ないかなぁ…)
そう名無しは思うものの、バスが来るまで後10分ほど時間が合った。
持って行く荷物を纏める際に時間がかかったためかバスを1本乗り過ごしてしまった為、待つ事になるのは仕方ない事だ。
ハンディファンのぬるい風を浴びながら名無しがぼんやりとしていると「あれ、名無しじゃねえか」と、何処か聞き覚えのある声に名無しは声のする方へと視線を向けた。
ドクンと跳ねる心臓の音が、否に大きく名無しの耳に聞こえる。
キッと、ブレーキ音と共に名無しの前に一台のマウンテンバイクが止まった。
見慣れた学校指定の制服ぶ金髪の髪と鳶色の綺麗な瞳。
まだ幼さが残っているものの、それでも整った容貌に女性であれば誰もが振り向き見惚れてしまう程だ。
学校指定のリュックを背に背負い、オレンジ色のマウンテンバイクに跨ったままの少年…否、ディーノの姿が名無しの瞳に映り込む。
親の仕事の都合でイタリアの国からわざわざ日本へと移住してきた名無しのクラスメイトで隣の席の生徒だ。
ディーノはイタリア人ではあるものの、聞き取りやすく流暢な日本語を話すおかげか仲良くなるのにそう時間はかからなかった。
隣の席と言う事もあり、よく挨拶もするし学校では男子の中では話すほうだ。
そして名無しはひっそりとそんなディーノに恋をしている。
片思いだ…けれどそこから先の関係に踏み出そうと言う気は名無しにはまだなかった。
今はまだ…ディーノを想うだけで精一杯で、告白しようとか付き合いたいとかそんな域にはまだ達していない。
そして何よりこの関係が壊れてしまわないか不安で…だからこそ想うだけにとどまっている。
ふと、ディーノの顔を見れば左頬には夏休み前には無かった絆創膏が貼られている。
恐らくこけてしまい怪我をしたのだろうと名無しは安易に想像できてしまった。
ディーノは極度の運動音痴であるものの、ディーノ自身運動音痴である自覚がないようだが…。
『ディーノじゃん、どうしたの?制服なんか着ちゃってさ?』
バス停の上屋の傍でマウンテンバイクに乗ったままのディーノを見ながら名無しは首を傾げる。
もう夏休みに入っているのだ。
通常であれば制服なんて着なくてもいいが、部活動で学校に行く場合は文化部なら制服を着用していくし運動部であればそれぞれの練習用の服で学校に行っている事もある。
だが名無しが知る限りディーノは帰宅部だったはずだ。
補習もなんとか回避していたはずなのに、何故ディーノは制服姿なのだろうと不思議に想ってしまう。
「俺はその…夏休み始まった事すっかり忘れちまって…慌てて登校しちまった、と言うか…だな…」
気まずそうにディーノはそれでも言葉を紡ぐ。
要は寝ぼけて起きて普通の平日だと勘違いして登校してしまい、学校に着いてから夏休みに入った事を思い出したと言う事だろう。
途切れ途切れに紡がれた言葉、ばつが悪そうな表情を浮かべながらもディーノは素直に話していた。
幾らでも取り繕おうと思えば取り繕えるはずなのに、素直に話してしまったディーノが可愛くて、名無しの頬は自然と緩んでしまう。
『ぷっ…ディーノ…ぷぷ…お、おっちょこちょいにもほどがある、よ…ふふ』
「わ、笑うなよ名無し!」
名無しに笑われたのが恥ずかしいのかディーノは頬を赤く染めながらも「…で、名無しの方こそどうしたんだよこんな所で?」と話を逸らそうとする。
ディーノに片思いしていても、2人でいるといつもこうなのだ。
きっとディーノは名無しがディーノに片思いしているなんて思ってもいないだろう。
気付かれないようにそう振舞っているのもあり、今はこの関係を続けたいのだ。
『ふふ…ふっ、わ、私は図書館に勉強しに行こうかなって…ぶふっ』
「図書館に?何でだよ?」
『な、夏休みの…ぶふっ…しゅ、宿題しに行こうかなって…ひぅ、お、お腹痛い…っつ』
「おい、名無し笑いすぎだろ!!!!」
何時まで経っても笑っている名無しに、ディーノは「っ…言うんじゃなかった…」と言葉を漏らす。
顔を真っ赤にしながら「あーくそ、名無しにかっこ悪い所知られちまった…」と自分で言っておきながらも髪をガシガシとかいては悔しそうに鳶色の瞳を揺らした。
『はぁー…面白かった』
「ったく…どんだけ笑うんだよ名無し」
『…ごめんて』
ようやく落ち着いた私はゆっくりと深呼吸をしては息を整える。
中学に入学して夏休みに入る前から変わらないディーノとのやり取り。
そのやり取りに安心しては無意識のうちに名無しの頬が緩む。
まだ数日しか経っていない夏休みだが、今思えばこんなやり取りは名無しにとっての当たり前な日常だった。
だがこんなやり取りは夏休み期間中は出来ない。
お互い帰宅部で学校に行く予定なんて今のところは登校日である8月8日位だろう。
そう改めて考えると名無しの心は何処か寂しくなってしまう。
当たり前が“当たり前”じゃなくなってしまうのが…寂しくて仕方がない。
そんな名無しを見てディーノはふと何かを思いついたように言葉を紡ぐ。
「…なぁ名無し。それ俺も着いていっていいか?」
『え…別にいいけど?どうしたの急に?』
ディーノの言葉に名無しはきょとんと首を傾げる。
別に遊びに行くわけではなく勉強をしに行くのだ。
名無し同様、ディーノも家で勉強をするのが苦手なタイプだったか?と思わず問いかけそうになってしまう。
『ディーノちゃんと宿題とか家でも出来るタイプじゃん?』
「そうだけど…俺も夏休みの宿題早めに終わらせてえ…ってのもあるし…」
『あるし?』
名無しの問いかけに一瞬言葉を飲み込もうとするディーノが、ディーノはじっと名無しの瞳を見ては言葉を再度紡いだ。
「…夏休みって休み長いだろ?…少しでも名無しと一緒にいれる時間があればなって思ってさ」
そう言ってディーノはうっすらと頬を赤くしたまま名無しに微笑みかける。
先程の笑われて恥ずかしがった色がまだ残っているのか、はたまた別の理由なのかは名無し自身見分けはつかない。
けれどその言葉は紛れもなくディーノの本心だと言う事は名無しだって理解している。
それが友達としてなのか、それともそれ以上の意味をう含んでいるかはディーノ自身にしか分からない。
だがどうしてもその言葉に勘違いしてしまいそうになる程名無しの心臓がドクンと跳ねた。
「だからさ、夏休み中でも俺は名無しに会いたいし、一緒にいたいんだよ」
『…っつ』
何時ものようにニカッと、太陽の様に眩しい位の笑顔を向けられれば名無しの頬は自分でも分かる程に熱く火照る。
もしかして期待してもいいのだろうかと言う錯覚が名無しを襲う。
(そんな風に言われると…勘違いしちゃうし…期待しちゃうんだけど…)
勿論そんな言葉を口に出すほど名無しは自意識過剰ではないけれど、やはり期待は拭えなかった。
「っと、バス来ちまったな」
『あ…ほんとだ』
顔が赤いまま、名無しはディーノの言葉に反応してはバスの方へと視線を向ける。
丁度赤信号で止まっているが、もう数分もしないうちにバス停に到着しようとしていた。
「よし。じゃあ俺は一旦家に帰って宿題持って行くから、図書館で待ってろよ名無し」
変わらぬ太陽の様に眩しい笑みを浮かべたまま、ディーノは名無しにそう伝えた―――…
夏のはじまりを、君の隣で。
2025/07/15
62/76ページ