家庭教師ヒットマンREBORN!
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※【さよなら 初恋ディーノside】のその後
※ディーノ→←夢主
※夢主は出て来ません
※一人称
「にしても良かったのか、ボス?」
「ん、何がだ?」
イタリア。
外は既に暗く、気が付けばもう日付を超えようとしている時間だった。
同盟ファミリーのパーティーに出席したその帰りの車の中で、俺は片っ苦しく絞めていたネクタイを緩める。
普段ラフな格好をしているせいか、こういったスーツを着る機会は非常に少ない。
自分には似合わない、けれど正装なのだからと言い聞かせて俺はスーツを着て同盟ファミリーが主催するパーティーに参加した。
車を運転するロマーリオをルームミラー越しに見ればものすごくニヤついた表情を浮かべている。
「おいおい、しらばっくれるなよボス。帰り際何処かの令嬢に告白されてただろ?」
「あー…」
ロマーリオの言葉に俺はそう言えばさっきそんな事もあったなと…何処か他人事のようについ三十分前のことを思い出す。
同盟ファミリー主催のパーティーと言えど、全員が全員同盟ファミリーと言うわけではない。
知らないファミリーのボスだって勿論いるし、そう言った場所で新たな繋がりを探すのもボスとしての仕事だと言う事位俺だってここ数年嫌と言う程思い知らされた。
だからなるべくパーティーには参加しているし、その中で新しい繋がりや出会いをするのも珍しくはない。
勿論ファミリー以外での繋がりや、恋人…愛人を作る場所でも…あるっちゃある。
年頃の娘を嫁がせたい、ファミリーの為にと言う親も中には居る。
それ自体はなんの悪い事でもないが、それは節度を超えない範囲での話だ。
中には節度を守らず度を越えた範囲で接してくる奴らも居る。
ロマーリオが言った俺に告白してきた令嬢は…勿論度を超えない範囲で俺に「付き合って欲しい」と言っていた。
会うのは3度目で、俺からしても悪い印象は全くない。
地位も名誉も、権力を欲する奴らが集まる中で珍しい令嬢だなと思っていた。
だから声をかけられれば普通に話すし挨拶位は俺だってする。
けれど、付き合って欲しいと言われたら話は別だ。
やんわりとお断りをして、俺は今こうして自分の屋敷に帰っているのだから。
「美人だったじゃねえかあの令嬢。ボス付き合っても良かったんじゃないのか?」
珍しくロマーリオが薦めるような事を言うのは、きっとロマーリオから見ても裏がなく純粋に俺を慕って言って来たのを察したからだ。
ロマーリオの事だ。
口では知らないふりをしているが、きっと令嬢について多少は調べたのだろう。
ロマーリオの言葉に俺は乾いた声で「あんだけ美人なら俺の方が釣り合わねえだろ?」なんておちゃらける。
そんな俺の言葉に、さっきから口を閉ざし黙っていたリボーンが、唇を開いた。
「おいディーノ…お前まだ忘れられねえのか?」
「何がだよ?」
「自分でも分かってるだろ、このへなちょこ。…名無しの事だ」
「……」
さっきまでおちゃらけていた俺に、リボーンの言葉が刺さる。
もう随分長い間耳にしなかったその名前に、俺の身体はピクリとも動かない。
「ボス、名無しって言うのは…?」
「ディーノの学生時代の彼女だ」
「ちょっ、リボーンお前何勝手に…!」
俺の言葉すら無視してリボーンはさらりとロマーリオに言う。
学生時代の事は…否、学校での事は部下であるロマーリオですらほとんど知らない。
家から通っていたわけでもなく、宿舎での生活。
長期休暇に帰る位で、帰ったとしてもキャバッローネ・ファミリー十代目ボスとしての仕事をロマーリオにもリボーンにも叩き込まれて学校での話なんてほとんどしてこなかったのだ。
ロマーリオが知るわけもなく、リボーンの言葉に「やるじゃねえか坊ちゃん」と、昔の呼び方で俺を冷やかす。
リボーンにも、挙句の果てに部下であるロマーリオにすら俺は揶揄われる。
キャバッローネ・ファミリー十代目ボスだと言うのに、リボーンとロマーリオの前じゃ俺は何時まで経っても子供に過ぎなかった。
ボスの威厳も…まだまだ未熟な俺にはないに等しいのかも知れねえけど…。
「学生時代っつー事は…ボス別れちまったのか?」
「……あぁ」
その言葉に俺は目を伏せては頷いた。
わざわざリボーンが“学生時代の彼女”だなんて呼び方をしたのだ。
既に終わった関係ではあるけれど、俺の中ではずっとその関係が棘の様に刺さっている。
名無しと別れて、もう数年が経つというのに、俺はずっと名無しの事が忘れられなかった。
学校卒業と同時に正式にキャバッローネ・ファミリー十代目ボスとして日々忙しい毎日を送る日々。
正式にボスに就いた時はそれこそ死に物狂いで必死だったが…今や五千人の部下を抱えるほどに巨大な一家へとなっていた。
―――ファミリーを守りたい、街の皆を守りたい。
その一念でキャバッローネ・ファミリーは大きく飛躍しただろう。
「振られたのか?」
「俺から…振った…」
「自分から振ったくせに未だに名無しの事忘れられねえんだよディーノは」
「…うるせー…好きなもんは何時までたっても好きなんだよ…」
ロマーリオはともかく、リボーンは名無しが一般人だと言う事を知っている。
名無しは一般人だ、俺の都合で裏の世界に…巻き込みたくなんてなかった。
ぐっと苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべれば、リボーンは容赦なく「だからへなちょこなんだよ」と本日何度目か分からない「へなちょこ」呼びに、俺は溜息を付いた。
(もし、あのまま別れずに付き合って居たら…名無しは俺の隣で笑ってくれてたのか…?)
自分の出した結論が間違っている…とは思っていない。
けれどもし、もしあのまま別れずに居たら…なんて夢のような事を考えてしまう。
ポケットに入れていた携帯を取り出しては、俺は何の通知も来ていない携帯をじっと見つめた。
名無しからの連絡は一切ない。
否、正確に言えば来ないが正しい。
そもそも連絡先をお互い知らないのだ。
知らなければ連絡を取る事さえ出来ない事は俺だって十分理解している。
本当は卒業した後に連絡先を聞くはずだったのに…気が付けば名無しは既に学校から居なくなっていた。
最後位付き合えよ…なんて思ったが卒業式の前日に振った相手に割く時間なんて何処にもないだろう。
それでいい…当時の俺はそう信じて無理やり自分に言い聞かせていた。
名無しは一般人だ。
俺達のようにマフィアじゃない、ましてや裏の人間でもない。
これで良かったと…何度も俺自身自分に言い聞かせてきたはずなのに…
(何やってんだろうな…俺は…)
ふとした瞬間に俺は思ってしまう。
どうしていたら正解だったのだろうと…。
車の窓から流れる景色を見ては、俺はひっそりと目を閉じた。
自分から手放したくせにって思うけど、それでも俺は名無しの事が忘れられない。
別れても、俺にとっての一番は名無しだけだからだ。
恋人を作ろうと思った事も…名無しには悪いが思う事は合った。
けど、つい数時間前に告白してきた令嬢然り、俺はその告白にYesと答える事も首を縦に振る事も出来なかった。
心の中で思っちまうんだ…“違う”って。
この数年嫌と言う程名無しへの気持ちを思い知らされた。
学生の頃の恋愛だ、それこそ学生のうちの恋愛なんて将来を見据えたもんでもねぇ。
初恋は実らない、それなのに俺はいつまでもそんな初恋に縋りついて忘れられてすらいない。
目を閉じれば名無しの事は何時だって鮮明に思い出せる。
名無しの笑顔も、声も、鮮明に俺の記憶に刻まれたままだった。
(ほんと俺は…馬鹿な男だよな)
名無しの事を想って、考えて悩んで出した結果に…今でも俺は後悔している。
もし時間が戻せるなら…俺は迷わずあの日に戻ってやり直したい。
なぁ、名無し。
俺はまだお前の事、忘れられない上に名無しの事が好きなんだよ―――…
初恋は実らない、それでも捨てきれなかった想い ディーノside
2025/07/01
※ディーノ→←夢主
※夢主は出て来ません
※一人称
「にしても良かったのか、ボス?」
「ん、何がだ?」
イタリア。
外は既に暗く、気が付けばもう日付を超えようとしている時間だった。
同盟ファミリーのパーティーに出席したその帰りの車の中で、俺は片っ苦しく絞めていたネクタイを緩める。
普段ラフな格好をしているせいか、こういったスーツを着る機会は非常に少ない。
自分には似合わない、けれど正装なのだからと言い聞かせて俺はスーツを着て同盟ファミリーが主催するパーティーに参加した。
車を運転するロマーリオをルームミラー越しに見ればものすごくニヤついた表情を浮かべている。
「おいおい、しらばっくれるなよボス。帰り際何処かの令嬢に告白されてただろ?」
「あー…」
ロマーリオの言葉に俺はそう言えばさっきそんな事もあったなと…何処か他人事のようについ三十分前のことを思い出す。
同盟ファミリー主催のパーティーと言えど、全員が全員同盟ファミリーと言うわけではない。
知らないファミリーのボスだって勿論いるし、そう言った場所で新たな繋がりを探すのもボスとしての仕事だと言う事位俺だってここ数年嫌と言う程思い知らされた。
だからなるべくパーティーには参加しているし、その中で新しい繋がりや出会いをするのも珍しくはない。
勿論ファミリー以外での繋がりや、恋人…愛人を作る場所でも…あるっちゃある。
年頃の娘を嫁がせたい、ファミリーの為にと言う親も中には居る。
それ自体はなんの悪い事でもないが、それは節度を超えない範囲での話だ。
中には節度を守らず度を越えた範囲で接してくる奴らも居る。
ロマーリオが言った俺に告白してきた令嬢は…勿論度を超えない範囲で俺に「付き合って欲しい」と言っていた。
会うのは3度目で、俺からしても悪い印象は全くない。
地位も名誉も、権力を欲する奴らが集まる中で珍しい令嬢だなと思っていた。
だから声をかけられれば普通に話すし挨拶位は俺だってする。
けれど、付き合って欲しいと言われたら話は別だ。
やんわりとお断りをして、俺は今こうして自分の屋敷に帰っているのだから。
「美人だったじゃねえかあの令嬢。ボス付き合っても良かったんじゃないのか?」
珍しくロマーリオが薦めるような事を言うのは、きっとロマーリオから見ても裏がなく純粋に俺を慕って言って来たのを察したからだ。
ロマーリオの事だ。
口では知らないふりをしているが、きっと令嬢について多少は調べたのだろう。
ロマーリオの言葉に俺は乾いた声で「あんだけ美人なら俺の方が釣り合わねえだろ?」なんておちゃらける。
そんな俺の言葉に、さっきから口を閉ざし黙っていたリボーンが、唇を開いた。
「おいディーノ…お前まだ忘れられねえのか?」
「何がだよ?」
「自分でも分かってるだろ、このへなちょこ。…名無しの事だ」
「……」
さっきまでおちゃらけていた俺に、リボーンの言葉が刺さる。
もう随分長い間耳にしなかったその名前に、俺の身体はピクリとも動かない。
「ボス、名無しって言うのは…?」
「ディーノの学生時代の彼女だ」
「ちょっ、リボーンお前何勝手に…!」
俺の言葉すら無視してリボーンはさらりとロマーリオに言う。
学生時代の事は…否、学校での事は部下であるロマーリオですらほとんど知らない。
家から通っていたわけでもなく、宿舎での生活。
長期休暇に帰る位で、帰ったとしてもキャバッローネ・ファミリー十代目ボスとしての仕事をロマーリオにもリボーンにも叩き込まれて学校での話なんてほとんどしてこなかったのだ。
ロマーリオが知るわけもなく、リボーンの言葉に「やるじゃねえか坊ちゃん」と、昔の呼び方で俺を冷やかす。
リボーンにも、挙句の果てに部下であるロマーリオにすら俺は揶揄われる。
キャバッローネ・ファミリー十代目ボスだと言うのに、リボーンとロマーリオの前じゃ俺は何時まで経っても子供に過ぎなかった。
ボスの威厳も…まだまだ未熟な俺にはないに等しいのかも知れねえけど…。
「学生時代っつー事は…ボス別れちまったのか?」
「……あぁ」
その言葉に俺は目を伏せては頷いた。
わざわざリボーンが“学生時代の彼女”だなんて呼び方をしたのだ。
既に終わった関係ではあるけれど、俺の中ではずっとその関係が棘の様に刺さっている。
名無しと別れて、もう数年が経つというのに、俺はずっと名無しの事が忘れられなかった。
学校卒業と同時に正式にキャバッローネ・ファミリー十代目ボスとして日々忙しい毎日を送る日々。
正式にボスに就いた時はそれこそ死に物狂いで必死だったが…今や五千人の部下を抱えるほどに巨大な一家へとなっていた。
―――ファミリーを守りたい、街の皆を守りたい。
その一念でキャバッローネ・ファミリーは大きく飛躍しただろう。
「振られたのか?」
「俺から…振った…」
「自分から振ったくせに未だに名無しの事忘れられねえんだよディーノは」
「…うるせー…好きなもんは何時までたっても好きなんだよ…」
ロマーリオはともかく、リボーンは名無しが一般人だと言う事を知っている。
名無しは一般人だ、俺の都合で裏の世界に…巻き込みたくなんてなかった。
ぐっと苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべれば、リボーンは容赦なく「だからへなちょこなんだよ」と本日何度目か分からない「へなちょこ」呼びに、俺は溜息を付いた。
(もし、あのまま別れずに付き合って居たら…名無しは俺の隣で笑ってくれてたのか…?)
自分の出した結論が間違っている…とは思っていない。
けれどもし、もしあのまま別れずに居たら…なんて夢のような事を考えてしまう。
ポケットに入れていた携帯を取り出しては、俺は何の通知も来ていない携帯をじっと見つめた。
名無しからの連絡は一切ない。
否、正確に言えば来ないが正しい。
そもそも連絡先をお互い知らないのだ。
知らなければ連絡を取る事さえ出来ない事は俺だって十分理解している。
本当は卒業した後に連絡先を聞くはずだったのに…気が付けば名無しは既に学校から居なくなっていた。
最後位付き合えよ…なんて思ったが卒業式の前日に振った相手に割く時間なんて何処にもないだろう。
それでいい…当時の俺はそう信じて無理やり自分に言い聞かせていた。
名無しは一般人だ。
俺達のようにマフィアじゃない、ましてや裏の人間でもない。
これで良かったと…何度も俺自身自分に言い聞かせてきたはずなのに…
(何やってんだろうな…俺は…)
ふとした瞬間に俺は思ってしまう。
どうしていたら正解だったのだろうと…。
車の窓から流れる景色を見ては、俺はひっそりと目を閉じた。
自分から手放したくせにって思うけど、それでも俺は名無しの事が忘れられない。
別れても、俺にとっての一番は名無しだけだからだ。
恋人を作ろうと思った事も…名無しには悪いが思う事は合った。
けど、つい数時間前に告白してきた令嬢然り、俺はその告白にYesと答える事も首を縦に振る事も出来なかった。
心の中で思っちまうんだ…“違う”って。
この数年嫌と言う程名無しへの気持ちを思い知らされた。
学生の頃の恋愛だ、それこそ学生のうちの恋愛なんて将来を見据えたもんでもねぇ。
初恋は実らない、それなのに俺はいつまでもそんな初恋に縋りついて忘れられてすらいない。
目を閉じれば名無しの事は何時だって鮮明に思い出せる。
名無しの笑顔も、声も、鮮明に俺の記憶に刻まれたままだった。
(ほんと俺は…馬鹿な男だよな)
名無しの事を想って、考えて悩んで出した結果に…今でも俺は後悔している。
もし時間が戻せるなら…俺は迷わずあの日に戻ってやり直したい。
なぁ、名無し。
俺はまだお前の事、忘れられない上に名無しの事が好きなんだよ―――…
初恋は実らない、それでも捨てきれなかった想い ディーノside
2025/07/01
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