家庭教師ヒットマンREBORN!
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※【ディーノside】
※仔ディーノ
※悲恋
※一人称
「なぁ、名無し。…俺達もう終わりにしないか…?」
夕陽が差し込む放課後の教室。
俺と名無し以外は誰も居なくて、普段なら授業が終わった後ですら結構生徒の声がうるさいのに…今日はそんな五月蠅さすら皆無だった。
静寂の中、俺の心臓の音だけがいやに大きく聞こえる。
名無しに言った俺の言葉は、きっと震えていただろう。
目の前に居る彼女である名無し。
『何で?どうして?』と、問い詰められても仕方のない、突拍子のない別れの言葉を切り出したのだ。
俺の言葉に澄んだ瞳が揺れるのを見ては、俺は苦しくてたまらなかった。
名無しが嫌いだからこの関係を終わりにしようなんて…微塵も思ってもいない。
何なら名無しの事は好きだ、大好きだ。
離したくない、出来るならずっと名無しと一緒に居たいとすら俺は思う。
本当に嫌いなら…俺はこんなにも苦しい想いなんてしなくてすんだはずだ。
この学校を卒業すれば、俺は本格的にキャバッローネ・ファミリー十代目ボスとして動き出す。
今はまだ学校を卒業していない事を理由にロマーリオにボス代理として動いてもらって居るが…やる事は山積みだ。
部下や街の皆を守るため、俺はもっと強くならなきゃいけない。
ファミリーの財務状況だって著しくない上に、年若いボスとして舐められて攻め込んでくるファミリーだって多いだろう。
けど、それ以上に…名無しを巻き込んじゃ駄目だと、俺は思った。
マフィアと繋がりがある子供が集められた学校ではあるが、名無しはマフィアと何の繋がりもないただの一般人だ。
親の手違いでこの学校に入学し、何度も怖い思いをしたのを俺は知っている。
普通ならあり得ない事が起こる学校。
そんな中で知り合って、ダチになって…付き合って…。
けど、このまま付き合ったままでいれば必ず名無しを辛い目に合わせちまう。
好きだから、大事だから手放さなきゃいけない時だってあると俺は自分自身に言い聞かせながら…それでもその結末を選んでしまっていいのかと…此処最近ずっと俺は考えていた。
沈黙が続く中、ようやく名無しがゆっくりと深く息を吸っては吐き出す。
俺の言葉をうまく読み込めずに固まったままだった名無しの唇がゆっくりと言葉を紡ぎ始める。
『うん、分かった。今までありがとうね、ディーノ』
くしゃりと笑いながら言う名無しの言葉に、今度は俺の方が動けずに居た。
自分でも分かる程目が大きく見開く。
当然だ。
そんなにもすんなりと受け入れられると俺は思わなかった。
理由を聞くわけでもなくすんなりと俺の終わりにしようと言う言葉を受け入れた名無し。
文句の1つや2つ…否、ビンタすら覚悟していたのに…だ。
『先、帰るねディーノ。…明日からは“友達”としてよろしくね…?』
そんな俺の心情を知らずに名無しはそれだけを言い残して、名無しは俺を問い詰めることなく教室を出て行こうとする。
最後の最後まで名無しは俺に笑顔を向けてはまるで“いい子”を絵に描いたようなやり取りだった。
(…何で俺の事責めねえんだよ…名無し…)
遠ざかる名無しの背中を見ながら、俺はただただ静かに唇を噛み締める。
こんな結果を名無しに受け入れさせた自分に…どうしようもなく腹が立つ。
けれど、今の俺には名無しの幸せを願う事しか出来なかった。
例え名無しに嫌われようと…名無しの隣が俺じゃなくても…名無しが幸せなら、俺は―――…
あまりにも一方的な結論。
俺だってそれは分かってる、普通なら話し合ってどうするか決めるべきだったのかもしれない。
けど名無しは一般人だ。
“こっち”側の人間じゃない。
普通に生活して、普通に誰かと付き合って幸せな人生を…歩んで欲しい。
けれど名無しの隣が俺じゃない“誰か”だったらと想像するだけで、俺は「くそっ…」と唇を噛み締めた。
想像しただけでムカつく。
でもそう選んだのは俺だ…紛れもない俺自身が出した結論。
俺自身が出した結論に、そうなる事を受け入れなければならないのに…無性に腹が立って教室の壁を俺は殴りつける。
ジンジンと手が痛い。
けれど、それ以上に俺の心が痛かった。
“別れたくない”、“離したくない”のに…俺は名無しと別れると言う選択を選んでしまった。
(情けねえな…)
もし俺が今以上に強かったら…名無しの事を手放さなかっただろうか?
否、どう考えても俺は名無しの事を手放していただろう。
名無しにはこんな争い事が起きる世界なんて、似合わないのだから。
(…最後まで一緒に居てやれなくて…こんな結末にしちまって…ごめんな、名無し)
ぐっと強く唇を噛み締めては、俺は静かに涙を零した。
誰も居ないのだ、誰も見ていないんだ。
今だけは…今だけはへなちょこディーノに戻っちまってもいいよな…?
「…名無し」
俺はポツリと呟いた、大好きな名無しの名を。
名無しが居るわけじゃねえのに、分かっているのに…それでも名無しが出て行った教室の扉に手を伸ばす。
もう、終わってしまったのだ。
そこには誰も居ない…誰も。
伸ばしていた手を力なく下ろしては…俺は静かに目を伏せた。
さよなら、俺の初恋―――…
さよなら 初恋 ディーノside
2025/06/17
※仔ディーノ
※悲恋
※一人称
「なぁ、名無し。…俺達もう終わりにしないか…?」
夕陽が差し込む放課後の教室。
俺と名無し以外は誰も居なくて、普段なら授業が終わった後ですら結構生徒の声がうるさいのに…今日はそんな五月蠅さすら皆無だった。
静寂の中、俺の心臓の音だけがいやに大きく聞こえる。
名無しに言った俺の言葉は、きっと震えていただろう。
目の前に居る彼女である名無し。
『何で?どうして?』と、問い詰められても仕方のない、突拍子のない別れの言葉を切り出したのだ。
俺の言葉に澄んだ瞳が揺れるのを見ては、俺は苦しくてたまらなかった。
名無しが嫌いだからこの関係を終わりにしようなんて…微塵も思ってもいない。
何なら名無しの事は好きだ、大好きだ。
離したくない、出来るならずっと名無しと一緒に居たいとすら俺は思う。
本当に嫌いなら…俺はこんなにも苦しい想いなんてしなくてすんだはずだ。
この学校を卒業すれば、俺は本格的にキャバッローネ・ファミリー十代目ボスとして動き出す。
今はまだ学校を卒業していない事を理由にロマーリオにボス代理として動いてもらって居るが…やる事は山積みだ。
部下や街の皆を守るため、俺はもっと強くならなきゃいけない。
ファミリーの財務状況だって著しくない上に、年若いボスとして舐められて攻め込んでくるファミリーだって多いだろう。
けど、それ以上に…名無しを巻き込んじゃ駄目だと、俺は思った。
マフィアと繋がりがある子供が集められた学校ではあるが、名無しはマフィアと何の繋がりもないただの一般人だ。
親の手違いでこの学校に入学し、何度も怖い思いをしたのを俺は知っている。
普通ならあり得ない事が起こる学校。
そんな中で知り合って、ダチになって…付き合って…。
けど、このまま付き合ったままでいれば必ず名無しを辛い目に合わせちまう。
好きだから、大事だから手放さなきゃいけない時だってあると俺は自分自身に言い聞かせながら…それでもその結末を選んでしまっていいのかと…此処最近ずっと俺は考えていた。
沈黙が続く中、ようやく名無しがゆっくりと深く息を吸っては吐き出す。
俺の言葉をうまく読み込めずに固まったままだった名無しの唇がゆっくりと言葉を紡ぎ始める。
『うん、分かった。今までありがとうね、ディーノ』
くしゃりと笑いながら言う名無しの言葉に、今度は俺の方が動けずに居た。
自分でも分かる程目が大きく見開く。
当然だ。
そんなにもすんなりと受け入れられると俺は思わなかった。
理由を聞くわけでもなくすんなりと俺の終わりにしようと言う言葉を受け入れた名無し。
文句の1つや2つ…否、ビンタすら覚悟していたのに…だ。
『先、帰るねディーノ。…明日からは“友達”としてよろしくね…?』
そんな俺の心情を知らずに名無しはそれだけを言い残して、名無しは俺を問い詰めることなく教室を出て行こうとする。
最後の最後まで名無しは俺に笑顔を向けてはまるで“いい子”を絵に描いたようなやり取りだった。
(…何で俺の事責めねえんだよ…名無し…)
遠ざかる名無しの背中を見ながら、俺はただただ静かに唇を噛み締める。
こんな結果を名無しに受け入れさせた自分に…どうしようもなく腹が立つ。
けれど、今の俺には名無しの幸せを願う事しか出来なかった。
例え名無しに嫌われようと…名無しの隣が俺じゃなくても…名無しが幸せなら、俺は―――…
あまりにも一方的な結論。
俺だってそれは分かってる、普通なら話し合ってどうするか決めるべきだったのかもしれない。
けど名無しは一般人だ。
“こっち”側の人間じゃない。
普通に生活して、普通に誰かと付き合って幸せな人生を…歩んで欲しい。
けれど名無しの隣が俺じゃない“誰か”だったらと想像するだけで、俺は「くそっ…」と唇を噛み締めた。
想像しただけでムカつく。
でもそう選んだのは俺だ…紛れもない俺自身が出した結論。
俺自身が出した結論に、そうなる事を受け入れなければならないのに…無性に腹が立って教室の壁を俺は殴りつける。
ジンジンと手が痛い。
けれど、それ以上に俺の心が痛かった。
“別れたくない”、“離したくない”のに…俺は名無しと別れると言う選択を選んでしまった。
(情けねえな…)
もし俺が今以上に強かったら…名無しの事を手放さなかっただろうか?
否、どう考えても俺は名無しの事を手放していただろう。
名無しにはこんな争い事が起きる世界なんて、似合わないのだから。
(…最後まで一緒に居てやれなくて…こんな結末にしちまって…ごめんな、名無し)
ぐっと強く唇を噛み締めては、俺は静かに涙を零した。
誰も居ないのだ、誰も見ていないんだ。
今だけは…今だけはへなちょこディーノに戻っちまってもいいよな…?
「…名無し」
俺はポツリと呟いた、大好きな名無しの名を。
名無しが居るわけじゃねえのに、分かっているのに…それでも名無しが出て行った教室の扉に手を伸ばす。
もう、終わってしまったのだ。
そこには誰も居ない…誰も。
伸ばしていた手を力なく下ろしては…俺は静かに目を伏せた。
さよなら、俺の初恋―――…
さよなら 初恋 ディーノside
2025/06/17
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