短編
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※微裏
『ディーノさん、キスしましょう!』
「へ?」
休日のとある午後。
何の脈絡のない突拍子な発言に、ソファーでまったりくつろいでいたディーノは気の抜けた返事を名無しにした。
「どうしたんだよ急に?」
『急にじゃないです、前から思ってたんです』
むっとした表情で名無しはディーノを見るが、ディーノからすればそんな名無しが可愛くて仕方なく「どういう事だ?」と再び名無しに問う。
問われれば『コレなんです!』と言いながら、名無しは自身が持っている雑誌を見開き、ディーノへと見せた。
雑誌の見開かれているページには“恋のABC特集”と言う見出しで、大々的に体験談やアンケート結果が書かれている。
(思春期の子供が読む雑誌にしては少々過激な気もするが…)
自分の時はどうだったか…と思い返そうとするディーノに、名無しはバンバンと雑誌のページを叩く。
『ココ見てください!』
「…大人のキス?」
名無しが指さした箇所を見れば“大人のキスを経験した事が有りますか?”と言うアンケートの円グラフが書かれていた。
半分近い人数がその答えに“はい”と書かれているが、その数字は本当だろうか?とディーノは疑わしかった。
『友達にも言われたんですよ、大人のキスした事ないの?って』
「流石にまだ早いんじゃないか?」
『私だってもう中学2年生、十分大人だと思うんですよ』
自信満々に胸を張りながら答える名無しの言葉に、ディーノは苦笑する。
多感な時期であり、中学生と言う子供とも大人とも扱う微妙な年頃だ。
背伸びしたいと思う気持ちも分からなくはない。
「無理に背伸びしなくていいんじゃないか?」
『むー…無理してません!それともディーノさんは私とそう言う事したくないんですか…?』
「否…そう言うわけじゃねぇ―けど…」
名無しの言葉に、ディーノは躊躇いながらも否定する。
ディーノもマフィアのボスである前に一人の男だ、無論名無しとそういう事をしたいと思う欲求も勿論ある。
触れるだけのキスも、その先も、名無しが思っている以上の事をしたいと思うのも自然の道理。
だがそれをしないのは名無しのペースにディーノが合わせたいからだ。
自分が大人だと言う理由もある、年下である彼女のペースに合わせる…それが一番名無しの為であると思っているからだ。
『…やっぱり年下の彼女とはそう言う事出来ませんよね…』
「うっ…」
しゅんと悲しそうに俯く名無しに、ディーノはため息をつく。
不安にさせないようにしていたつもりだったが、それが裏目に思われるとはディーノ自身思っていなかった。
だが名無しがそこまで言うのなら…話は別である。
「…本当にいいのか?」
『ディーノさんにされるなら後悔なんてしませんよ!』
さぁ、どうぞと言わんばかりに名無しは両手を広げて自信満々に答える。
雰囲気もムードの欠片も全くないが、それが名無しなりの精いっぱいの行動だった。
したいと言った手前後には引けない…が、やはり初めてされる事に緊張してしまう。
そんなあからさまに緊張している名無しに、ディーノは頬に触れるだけの唇を落とす。
右頬に、左頬に、愛おしそうに口づける。
まるで壊れ物を扱うように、優しく丁寧に触れて離れてを繰り返す。
愛おしそうに優しい眼差しのまま今度はちゅっ、と軽く音を立て唇を塞いだ。
それは普段ディーノからされているキスと変わりなく、先ほどまで強張っていた身体からゆっくりと力が抜ける。
(大人のキスって…何時もしてもらってるキスと変わりないような…?)
そう名無しが思った刹那。
触れていた唇をディーノ自身の舌が割り、名無しの口内を犯す。
舌と舌が絡まり合い、くちゅりと淫らな水音が名無しの耳に聞こえる。
『ん…ふぁ…ぁ…んっ…』
初めてされるその行為に、名無しはディーノにされるがまま舌を絡められ唇の端から涎がつっと垂れる。
普段するキスとは違い、長く、激しく、情熱的なキス。
ディーノの舌から逃れようとするものの、それを制するようにディーノの舌が名無しの舌に絡みつく。
『んぁ…んっ、っ、つ』
どう呼吸したらいいのかも分からず、名無しは次第に頭の中が真っ白になり名無しは無意識にビクッと体が跳ねる。
その振動で「…わりぃ名無し…大丈夫か?」と、はっと我に返ったディーノは申し訳なさそうに名無しの顔色を伺う。
上手く呼吸できず酸欠状態になった名無しは慌てて呼吸し、酸素を取り入れようとする。
頬を赤く染め、涙目になっている名無しにディーノは失いかけた理性を取り戻し名無しの背中を擦った。
「ほら、ゆっくり息吸って…吐いて…」
『~~~~っつ』
「そう、いい子だ名無し」
ディーノの言葉に、名無しもその通りに呼吸をしようと息を整えるようとする。
息を整えるリズムが分からずただ闇雲に呼吸をする名無しの背中を、ディーノは何度も優しく擦った。
ディーノの大きな手の温もりを感じながら、名無しの呼吸は正常に戻っていく。
呼吸が正常に戻れば、ディーノもほっと息をつき再度名無しの顔を覗き込む。
バチッとお互いの視線が合えば、名無しはまた顔を真っ赤に染めた。
「名無し?」
『っつ…』
平然と名無しの名前を呼ぶディーノ。
先程された行為が脳内を駆け巡り、名無しはディーノに返事をする余裕がなかった。
そして改めて名無しは認識させられた…自分がまだまだ子供だと言う事を―――…
大人のkiss
(悪い名無し…あんま気持ちよくなかったか?)
(…気持ちよかったです…ですけどっ…)
(けど?)
(私にはまだ早すぎました…)
2024/07/18
『ディーノさん、キスしましょう!』
「へ?」
休日のとある午後。
何の脈絡のない突拍子な発言に、ソファーでまったりくつろいでいたディーノは気の抜けた返事を名無しにした。
「どうしたんだよ急に?」
『急にじゃないです、前から思ってたんです』
むっとした表情で名無しはディーノを見るが、ディーノからすればそんな名無しが可愛くて仕方なく「どういう事だ?」と再び名無しに問う。
問われれば『コレなんです!』と言いながら、名無しは自身が持っている雑誌を見開き、ディーノへと見せた。
雑誌の見開かれているページには“恋のABC特集”と言う見出しで、大々的に体験談やアンケート結果が書かれている。
(思春期の子供が読む雑誌にしては少々過激な気もするが…)
自分の時はどうだったか…と思い返そうとするディーノに、名無しはバンバンと雑誌のページを叩く。
『ココ見てください!』
「…大人のキス?」
名無しが指さした箇所を見れば“大人のキスを経験した事が有りますか?”と言うアンケートの円グラフが書かれていた。
半分近い人数がその答えに“はい”と書かれているが、その数字は本当だろうか?とディーノは疑わしかった。
『友達にも言われたんですよ、大人のキスした事ないの?って』
「流石にまだ早いんじゃないか?」
『私だってもう中学2年生、十分大人だと思うんですよ』
自信満々に胸を張りながら答える名無しの言葉に、ディーノは苦笑する。
多感な時期であり、中学生と言う子供とも大人とも扱う微妙な年頃だ。
背伸びしたいと思う気持ちも分からなくはない。
「無理に背伸びしなくていいんじゃないか?」
『むー…無理してません!それともディーノさんは私とそう言う事したくないんですか…?』
「否…そう言うわけじゃねぇ―けど…」
名無しの言葉に、ディーノは躊躇いながらも否定する。
ディーノもマフィアのボスである前に一人の男だ、無論名無しとそういう事をしたいと思う欲求も勿論ある。
触れるだけのキスも、その先も、名無しが思っている以上の事をしたいと思うのも自然の道理。
だがそれをしないのは名無しのペースにディーノが合わせたいからだ。
自分が大人だと言う理由もある、年下である彼女のペースに合わせる…それが一番名無しの為であると思っているからだ。
『…やっぱり年下の彼女とはそう言う事出来ませんよね…』
「うっ…」
しゅんと悲しそうに俯く名無しに、ディーノはため息をつく。
不安にさせないようにしていたつもりだったが、それが裏目に思われるとはディーノ自身思っていなかった。
だが名無しがそこまで言うのなら…話は別である。
「…本当にいいのか?」
『ディーノさんにされるなら後悔なんてしませんよ!』
さぁ、どうぞと言わんばかりに名無しは両手を広げて自信満々に答える。
雰囲気もムードの欠片も全くないが、それが名無しなりの精いっぱいの行動だった。
したいと言った手前後には引けない…が、やはり初めてされる事に緊張してしまう。
そんなあからさまに緊張している名無しに、ディーノは頬に触れるだけの唇を落とす。
右頬に、左頬に、愛おしそうに口づける。
まるで壊れ物を扱うように、優しく丁寧に触れて離れてを繰り返す。
愛おしそうに優しい眼差しのまま今度はちゅっ、と軽く音を立て唇を塞いだ。
それは普段ディーノからされているキスと変わりなく、先ほどまで強張っていた身体からゆっくりと力が抜ける。
(大人のキスって…何時もしてもらってるキスと変わりないような…?)
そう名無しが思った刹那。
触れていた唇をディーノ自身の舌が割り、名無しの口内を犯す。
舌と舌が絡まり合い、くちゅりと淫らな水音が名無しの耳に聞こえる。
『ん…ふぁ…ぁ…んっ…』
初めてされるその行為に、名無しはディーノにされるがまま舌を絡められ唇の端から涎がつっと垂れる。
普段するキスとは違い、長く、激しく、情熱的なキス。
ディーノの舌から逃れようとするものの、それを制するようにディーノの舌が名無しの舌に絡みつく。
『んぁ…んっ、っ、つ』
どう呼吸したらいいのかも分からず、名無しは次第に頭の中が真っ白になり名無しは無意識にビクッと体が跳ねる。
その振動で「…わりぃ名無し…大丈夫か?」と、はっと我に返ったディーノは申し訳なさそうに名無しの顔色を伺う。
上手く呼吸できず酸欠状態になった名無しは慌てて呼吸し、酸素を取り入れようとする。
頬を赤く染め、涙目になっている名無しにディーノは失いかけた理性を取り戻し名無しの背中を擦った。
「ほら、ゆっくり息吸って…吐いて…」
『~~~~っつ』
「そう、いい子だ名無し」
ディーノの言葉に、名無しもその通りに呼吸をしようと息を整えるようとする。
息を整えるリズムが分からずただ闇雲に呼吸をする名無しの背中を、ディーノは何度も優しく擦った。
ディーノの大きな手の温もりを感じながら、名無しの呼吸は正常に戻っていく。
呼吸が正常に戻れば、ディーノもほっと息をつき再度名無しの顔を覗き込む。
バチッとお互いの視線が合えば、名無しはまた顔を真っ赤に染めた。
「名無し?」
『っつ…』
平然と名無しの名前を呼ぶディーノ。
先程された行為が脳内を駆け巡り、名無しはディーノに返事をする余裕がなかった。
そして改めて名無しは認識させられた…自分がまだまだ子供だと言う事を―――…
大人のkiss
(悪い名無し…あんま気持ちよくなかったか?)
(…気持ちよかったです…ですけどっ…)
(けど?)
(私にはまだ早すぎました…)
2024/07/18
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