家庭教師ヒットマンREBORN!
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※微裏
「ゔお゙ぉい名無し…これは一体どういう状況だ…」
『え、見たまんまだけど…?』
スクアーロの言葉に、名無しは可愛らしく首を傾げた。
まるでスクアーロの言っている言葉の意味が分からないと言わんばかりスクアーロの青い瞳をじっと見つめながら。
「…見たまんまって…お前な…」
名無しの言葉に大きく溜息をついては、スクアーロは今の状況を冷静に分析する。
時刻は深夜2時。
現在名無しとスクアーロ自身が居るのはスクアーロの自室だった。
スクアーロからしてみれば見慣れた天井、見慣れたテーブルにソファーにベッド。
部屋の壁にはいくつかの剣が飾られており、普段使うものとは違い丁寧に磨き上げられている。
先程まで任務に出ていたせいか、服装はスーツ姿のままだった。
普段の任務であればヴァリアーの隊服のはずなのに、今回の任務はパーティー会場での護衛の為隊服では目立ってしまうからとスーツを着て任務に当たっていた。
それは名無しも同様であるが…スクアーロと違い、名無しの場合はフェミニンマーメイドラインのロングドレスを着ている。
深い青色の生地に裾に広がるシルエット美は女性ならではの曲線を美しく仕上げるデザイン仕様になっていた。
それだけでなく、スリットが入っているせいか名無しの左脚についつい視線が行ってしまう。
スリットから覗く名無しの白い脚に触れたいとスクアーロは思うものの、今はそれどころではない。
状況整理が先だとスクアーロは自分の欲望をぐっと堪えては名無しを見た。
何時もと変わらない、怒っているわけでも泣いているわけでもなく…ただ愛おしそうにスクアーロに視線を向ける名無し。
ただ一つ言える事があるとすれば…何故、ベッドの上でスクアーロは部下であり恋人でもある名無しが馬乗りになりスクアーロを押し倒されているのかと言う事位だろう。
悪びれもなく澄んだ空色の瞳で、名無しはスクアーロを見下ろしている。
先程と変わらずただ愛おしそうに、じっとスクアーロを見てはにこりと微笑む。
名無しの澄んだ空色の瞳に見られてしまえば、心の奥底まで見透かされてしまうような…そんな錯覚に陥りそうになる。
だが状況を整理した所で何故スクアーロは名無しに押し倒されているのか…その理由までは分からなかった。
任務後故に気持ちが昂り、スクアーロとそう言った行為がしたいのかとも考えたが…恐らく違う事位スクアーロだって理解している。
スクアーロがどれだけ考えた所で、名無しの考えなんて分からないのだ。
名無しに気づかれないように内心で溜息を付いては、スクアーロは観念したかのように言葉を紡いだ。
「で、…何で俺は名無しに押し倒されてんだ…?」
『えー…うーん…そう言う気分だから?』
先程と同じように首を傾げる名無しに、スクアーロは(いや、どういう気分だよ…)と内心ツッコミを入れた。
基本的に押し倒すのはスクアーロの方だ。
今目の前に広がっている様に名無しが押し倒してくると言う事は付き合い出して1年は過ぎたがこれまで一度も無かったし、記憶にすらない。
再びじっと名無しへと視線を向ければ、先ほどと変わらない澄んだ空色の瞳にスクアーロを映している。
これでは埒が明かない…そう思いスクアーロが再度言葉を紡いだ時だった。
「そう言う気分ってお前『ごめん、スクアーロ…ちょっと黙って…』」
スクアーロの言葉を遮るように、名無しはスクアーロの唇に自分の唇を重ねた。
触れるだけの口付けかと思えば、スクアーロの唇を割り名無しは自分の舌を滑り込ませる。
にゅるりと音を立ててはスクアーロの口内へと侵入し、そっと歯茎や舌の裏側をなぞるように動かす。
名無しからされる事はない行為に、スクアーロの身体にはほんのわずかに熱が灯る。
愛おしそうに触れる舌先に、スクアーロは自ら名無しの舌に自身の舌を絡めだす。
『んっ…?!ん…ぁ…っ…』
くちゅり、くちゅりと激しく水音を立てては貪るように名無しの舌を絡め取り吸い付く。
逃げようとする名無しの舌を、逃がさないと言わんばかりに絡めてはスクアーロは目を細めた。
『ふぁ…ん、ぁ…ぁ…っ…はぁっ…』
ようやく唇が離されれば、透明な糸を引いてはプツリと途切れた。
だらしなく名無しの唇の端からはスクアーロと混じり合った唾液が音もなく垂れる。
解放された名無しは、力なくスクアーロの胸板に顔を埋めた。
肩で息をし、『…っつ、スクアーロ何で…』っと、耳の先まで赤く染めては潤んだ瞳でスクアーロを見上げる。
「あ゙ぁ゙!不慣れなくせにじれってえカクテルキスしてるからだろ」
そう言いながら、乱暴に名無しの頭に手を添えては「で、何で名無しは自分からんな事したんだ?」と…スクアーロは呆れながら名無しに問いかける。
ゆっくりと息を整えながら…『…だって………でしょ?』と、名無しは言葉にする。
「あ゙ぁ゙?何て言った…?」
ポツリと何かを言った名無しの言葉が聞き取れず、スクアーロは思わず聞き返してしまう。
か細く大事な部分が聞き取れなかったのだ。
「もう1回言え、名無し」と、少し強めの口調で名無しに命令する。
『……だって…さっき、依頼主の人にキスされてた…でしょ…』
恥ずかしそうに、スクアーロの胸板に顔を埋めながら、名無しは呟いた。
その言葉の意味を理解するまでに…スクアーロはほんのわずかだが時間がかかった。
名無しが言っているのは任務の事だろう。
今日…否、正確には日付の代わる前だから実質昨日の事だ。
受けた任務はとあるマフィアの一人娘である令嬢の護衛だった。
その令嬢の父親であるマフィアのお偉いさんの護衛がメインの任務だったが、娘も参加するからと娘の護衛も兼ねるものだった。
そして表立ってその令嬢を守るよう指名されたのが…スクアーロだったのだ。
『だから…消毒代わりになるかなって…』
「…何だ名無し…嫉妬でもしてたのか?」
『…したよ…むちゃくちゃした…』
胸板に顔を埋めたまま名無しは素直にスクアーロの言葉に応える。
ボンゴレ最強とも謳われる独立暗殺部隊ヴァリアーだ。
暗殺だけではない、勿論さまざまな任務を割り振られる事があるが…今回の任務に関してはあまりにも依頼主の職権乱用だと名無しは思った。
スクアーロ同様、名無しも令嬢の護衛に当たった。
…その令嬢の命令で…だ。
勿論他の同僚とペアを組み、パーティーに参加する者として紛れていた。
いくら名無しがスクアーロの恋人ではあれど、幹部ですらないヴァリアーの一員でしかない名無しはその任務に逆らう事は出来ない。
まるで恋人の様に接する令嬢を、名無しは咎める事も出来なければただただ見る事しか出来なかった。
何よりその令嬢はそんな姿を私がスクアーロの恋人と知っていて見せつけるように身体を寄せていたのだ。
平常心を装うものの、令嬢は名無しを見てはクスリと勝ち誇った笑みを浮かべていた。
自分の方がまるでスクアーロの恋人に相応しいと言わんばかりの表情だ。
その表情を見て平常心で居られるほど…名無しは割り切れていなかった。
仕事のはずなのに、スクアーロの事となると気持ちが切り替えられない自分自身に腹も立つし、嫌がる素振りすらなかったスクアーロに対しても内心イライラしていた。
(憎らしい、腹立たしい…今すぐにでも殺してやりたい…)
護衛の任務の間、名無しの心の中はそんな気持ちで渦巻いていた。
勿論任務中だ、いくら心の中でそんな事を思っても実際に行動なんて起こせない上に起こした所で任務自体が失敗になってしまうのだから。
あくまでも平静に…自分の任務をこなす事に意識をそらしては任務を終えた…はずだった。
最後の最後で令嬢がスクアーロの唇にキスしたのを見ては…名無しの感情の糸は切れそうになった。
“スクアーロは私のだよ”、そう言葉にしたいのに任務だからとわずかに残った理性でぐっと名無しは唇を噛み締めた。
表面上は表に出さなかった…否、誰も気付いて居ないだろう。
そう言う風に訓練されてきたせいもあり、スクアーロを押し倒し馬乗りになった時ですらスクアーロは名無しの内心なんて分からなかったのだから。
名無し自身言葉にしてみれば…スクアーロを押し倒した理由がほんの少しだけくだらないな…と思った。
暗殺者ならそれくらい犬に嚙まれたとでも思えばいいのに…名無しにはそれが出来なかった。
だがそれと同時に、それほどまでに名無しはスクアーロの事が好きなのだと、改めて自覚させられたのだ。
スクアーロに怒られるなら後でいくらでも怒られる覚悟はできている。
暗殺者として失格だなんて言うお説教は…甘んじて受け入れるつもりだ。
ぎゅっと目を瞑り、(あぁ…だめだな…私…)なんて思っていると、スクアーロの胸板に顔を埋めていた私の身体が微かに上下する。
見上げてみればくくくっと、喉を鳴らしはスクアーロは笑い出していたのだ。
スクアーロからしてみれば、笑うような事なのかもしれない。
けれど名無しからしてみれば笑い事ではないのだ。
『何よ…』
「あ゙ぁ゙、悪い…。名無しもそう言う事想うんだなって思っちまってな…」
『…どういう意味よ、それ?』
拗ねた子供の様に頬を膨らませては名無しはゆっくりと身体を起こしてスクアーロを見下ろす。
むうぅと唸り眉間に皺を寄せる名無しを見て、スクアーロは嬉しそうに口角をあげる。
まるで嫉妬されたのが嬉しいと言わんばかりに、スクアーロの喉が鳴る。
「どういう意味ってそりゃあ…な、…んなもんで消毒だなんだの言ってたら…俺なんてどうすればいいんだって思っちまっただけだ」
『…え?』
そうスクアーロの呟いた言葉と同時に、名無しの視界が逆転する。
今までスクアーロを見下ろしていたはずなのに…気が付けば名無しはベッドに上に身体を沈められ、代わりにスクアーロが名無しを見下ろしていた。
まるで獲物を狩る肉食動物の様に、青い瞳を細めてはゆっくりとネクタイの結び目に指先をかける。
「名無し…お前の得意分野は暗殺以上にハニトラだろ?」
シュルリと音を立てては、結び目がほどかれスクアーロの襟元から落ちていく。
スクアーロの言葉にしたハニトラ…正式にはハニートラップ、所謂色仕掛けの事を指している。
暗殺部隊と言えど、機密情報などを得る目的で同じマフィアや外交官や政治家、軍関係者などを誘惑したりすることは無きにしもあらずなのだ。
スクアーロの言うように暗殺よりも名無しが最も得意とする分野であり、ボスであるXANXUSですら一目置くほどの諜報活動力が名無しにはある。
時にはボンゴレファミリー総本部からも声がかかる程、名無しのハニートラップのお手並みは素晴らしい物なのだ。
名無しはそれがどうしたのだろう?と首を傾げるが、そんな名無しに対し「名無しがハニトラしかけに行く任務の度に…俺が嫉妬してたなんて名無しは知らないだろ?」と、優しく名無しの頬に触れては鋭い目つきで名無しを見下ろす。
「名無しにハニトラの任務が来る度に…俺がどんな気持ちで名無しにその任務を命じたか…分かってんのか?」
まるで自分だけと思うな…と言わんばかりに、スクアーロの瞳には嫉妬の炎が揺らいでいた。
「その度に俺がどんな気持ちで…名無しの事抱いてたか分かるか?」
幾つもの問いかけに、名無しはただ黙ったままスクアーロの口から紡がれる言葉を聞く。
―――“どんな気持ちで…”
そう紡ぐ度に、スクアーロは自分自身を嘲笑うように口角を上げた。
スクアーロだって暗殺部隊ヴァリアーNo.2兼作戦隊長である以前に…1人の男に過ぎない。
名無しのハニートラップにまんまとハマり、情報を吐き出す男なんて山の様にスクアーロは見て来たのだ。
任務とは言えど、命じては必ず報告がスクアーロの元に来る。
その度にスクアーロは嫉妬した。
言葉にはしなかったが、それでも心が、態度が抑えきれたかと言われれば答えはノーだ。
「勿論名無しの事は疑っちゃいねぇ。だが、それとこれとは別なんだよ」
名無しの耳元でそう囁きながら、スクアーロは名無しの耳たぶを甘噛みする。
柔らかく、生温かい舌を這わせてはまるで自分のものだといわんばかりにねっとりと耳たぶを舐めた。
『え…じゃあ時々やけに激しく抱かれるのって…』
「…察しが良いな…そう言う事だ」
名無しの言葉に舌打ちをし、バツが悪そうな表情を浮かべては今度はゆっくりと名無しの唇に口付ける。
触れて、離れるだけの優しい口付け。
ちゅっと音を立てては唇を離しては名無しの唇を甘噛みする。
まるで逃がさないと言わんばかりにスクアーロの青い瞳が、名無しの姿を映し込む。
「お前だけが嫉妬してるなんて思うなよ、名無し。俺だってお前に対しては…嫉妬しちまうんだよ…どんなに信じていても、どんなに任務だからっつってもな…」
囁くように名無しの耳元でそう言葉にしては、ゆっくりと唇を滑らせ名無しの首筋へと這わせる。
ちゅっと音を立てながら、吸い付き、ほんのり赤い痕を1か所、2か所と残して行く。
吸い付かれ痕を付けられる度に、その場所が熱を持ちスクアーロの熱が移ったかのように熱くなる。
舌を這わせては幾つも幾つも付け熱を広げていく。
その度に名無しの唇からは『ぁ…んっ…っつ』と、甘い声が零れると同時に、名無しの身体がビクリと震えた。
「はっ、いい顔してんじゃねえか名無し」
そっと名無しの首筋から唇を離せば、スクアーロは妖笑を浮かべた。
流れる様に名無しの顎を持ち上げては親指の腹で名無しの唇をなぞる。
「今までの嫉妬も、全部名無しにぶつけてやるよ…嫌って言う程、名無し…お前の身体に叩き込んでやるぜ」
くくくっと、喉を鳴らしては名無しの唇に喰らいつくように唇を貪る。
名無しはただただ、そんなスクアーロの青い瞳から…目を離せなかった―――…
嫉妬のしるし
(つーわけで…抱かせろ、名無し)
(え、えっ…なん…え?)
(最初に仕掛けてきたのは名無しの方だ。名無しが俺を煽ったんだぞ?そりゃあ責任取って俺の下で啼くしかねえよなぁ?)
(あ、汗かいてるし…明日も仕事だし…)
(あ゙ぁ゙?まさか逃げようとなんてするわけねえよな…名無し)
(ひっ?!)
(安心しろ…たっぷり可愛がってやるからよ)
2025/03/28
お題提供:確かに恋だった様
「ゔお゙ぉい名無し…これは一体どういう状況だ…」
『え、見たまんまだけど…?』
スクアーロの言葉に、名無しは可愛らしく首を傾げた。
まるでスクアーロの言っている言葉の意味が分からないと言わんばかりスクアーロの青い瞳をじっと見つめながら。
「…見たまんまって…お前な…」
名無しの言葉に大きく溜息をついては、スクアーロは今の状況を冷静に分析する。
時刻は深夜2時。
現在名無しとスクアーロ自身が居るのはスクアーロの自室だった。
スクアーロからしてみれば見慣れた天井、見慣れたテーブルにソファーにベッド。
部屋の壁にはいくつかの剣が飾られており、普段使うものとは違い丁寧に磨き上げられている。
先程まで任務に出ていたせいか、服装はスーツ姿のままだった。
普段の任務であればヴァリアーの隊服のはずなのに、今回の任務はパーティー会場での護衛の為隊服では目立ってしまうからとスーツを着て任務に当たっていた。
それは名無しも同様であるが…スクアーロと違い、名無しの場合はフェミニンマーメイドラインのロングドレスを着ている。
深い青色の生地に裾に広がるシルエット美は女性ならではの曲線を美しく仕上げるデザイン仕様になっていた。
それだけでなく、スリットが入っているせいか名無しの左脚についつい視線が行ってしまう。
スリットから覗く名無しの白い脚に触れたいとスクアーロは思うものの、今はそれどころではない。
状況整理が先だとスクアーロは自分の欲望をぐっと堪えては名無しを見た。
何時もと変わらない、怒っているわけでも泣いているわけでもなく…ただ愛おしそうにスクアーロに視線を向ける名無し。
ただ一つ言える事があるとすれば…何故、ベッドの上でスクアーロは部下であり恋人でもある名無しが馬乗りになりスクアーロを押し倒されているのかと言う事位だろう。
悪びれもなく澄んだ空色の瞳で、名無しはスクアーロを見下ろしている。
先程と変わらずただ愛おしそうに、じっとスクアーロを見てはにこりと微笑む。
名無しの澄んだ空色の瞳に見られてしまえば、心の奥底まで見透かされてしまうような…そんな錯覚に陥りそうになる。
だが状況を整理した所で何故スクアーロは名無しに押し倒されているのか…その理由までは分からなかった。
任務後故に気持ちが昂り、スクアーロとそう言った行為がしたいのかとも考えたが…恐らく違う事位スクアーロだって理解している。
スクアーロがどれだけ考えた所で、名無しの考えなんて分からないのだ。
名無しに気づかれないように内心で溜息を付いては、スクアーロは観念したかのように言葉を紡いだ。
「で、…何で俺は名無しに押し倒されてんだ…?」
『えー…うーん…そう言う気分だから?』
先程と同じように首を傾げる名無しに、スクアーロは(いや、どういう気分だよ…)と内心ツッコミを入れた。
基本的に押し倒すのはスクアーロの方だ。
今目の前に広がっている様に名無しが押し倒してくると言う事は付き合い出して1年は過ぎたがこれまで一度も無かったし、記憶にすらない。
再びじっと名無しへと視線を向ければ、先ほどと変わらない澄んだ空色の瞳にスクアーロを映している。
これでは埒が明かない…そう思いスクアーロが再度言葉を紡いだ時だった。
「そう言う気分ってお前『ごめん、スクアーロ…ちょっと黙って…』」
スクアーロの言葉を遮るように、名無しはスクアーロの唇に自分の唇を重ねた。
触れるだけの口付けかと思えば、スクアーロの唇を割り名無しは自分の舌を滑り込ませる。
にゅるりと音を立ててはスクアーロの口内へと侵入し、そっと歯茎や舌の裏側をなぞるように動かす。
名無しからされる事はない行為に、スクアーロの身体にはほんのわずかに熱が灯る。
愛おしそうに触れる舌先に、スクアーロは自ら名無しの舌に自身の舌を絡めだす。
『んっ…?!ん…ぁ…っ…』
くちゅり、くちゅりと激しく水音を立てては貪るように名無しの舌を絡め取り吸い付く。
逃げようとする名無しの舌を、逃がさないと言わんばかりに絡めてはスクアーロは目を細めた。
『ふぁ…ん、ぁ…ぁ…っ…はぁっ…』
ようやく唇が離されれば、透明な糸を引いてはプツリと途切れた。
だらしなく名無しの唇の端からはスクアーロと混じり合った唾液が音もなく垂れる。
解放された名無しは、力なくスクアーロの胸板に顔を埋めた。
肩で息をし、『…っつ、スクアーロ何で…』っと、耳の先まで赤く染めては潤んだ瞳でスクアーロを見上げる。
「あ゙ぁ゙!不慣れなくせにじれってえカクテルキスしてるからだろ」
そう言いながら、乱暴に名無しの頭に手を添えては「で、何で名無しは自分からんな事したんだ?」と…スクアーロは呆れながら名無しに問いかける。
ゆっくりと息を整えながら…『…だって………でしょ?』と、名無しは言葉にする。
「あ゙ぁ゙?何て言った…?」
ポツリと何かを言った名無しの言葉が聞き取れず、スクアーロは思わず聞き返してしまう。
か細く大事な部分が聞き取れなかったのだ。
「もう1回言え、名無し」と、少し強めの口調で名無しに命令する。
『……だって…さっき、依頼主の人にキスされてた…でしょ…』
恥ずかしそうに、スクアーロの胸板に顔を埋めながら、名無しは呟いた。
その言葉の意味を理解するまでに…スクアーロはほんのわずかだが時間がかかった。
名無しが言っているのは任務の事だろう。
今日…否、正確には日付の代わる前だから実質昨日の事だ。
受けた任務はとあるマフィアの一人娘である令嬢の護衛だった。
その令嬢の父親であるマフィアのお偉いさんの護衛がメインの任務だったが、娘も参加するからと娘の護衛も兼ねるものだった。
そして表立ってその令嬢を守るよう指名されたのが…スクアーロだったのだ。
『だから…消毒代わりになるかなって…』
「…何だ名無し…嫉妬でもしてたのか?」
『…したよ…むちゃくちゃした…』
胸板に顔を埋めたまま名無しは素直にスクアーロの言葉に応える。
ボンゴレ最強とも謳われる独立暗殺部隊ヴァリアーだ。
暗殺だけではない、勿論さまざまな任務を割り振られる事があるが…今回の任務に関してはあまりにも依頼主の職権乱用だと名無しは思った。
スクアーロ同様、名無しも令嬢の護衛に当たった。
…その令嬢の命令で…だ。
勿論他の同僚とペアを組み、パーティーに参加する者として紛れていた。
いくら名無しがスクアーロの恋人ではあれど、幹部ですらないヴァリアーの一員でしかない名無しはその任務に逆らう事は出来ない。
まるで恋人の様に接する令嬢を、名無しは咎める事も出来なければただただ見る事しか出来なかった。
何よりその令嬢はそんな姿を私がスクアーロの恋人と知っていて見せつけるように身体を寄せていたのだ。
平常心を装うものの、令嬢は名無しを見てはクスリと勝ち誇った笑みを浮かべていた。
自分の方がまるでスクアーロの恋人に相応しいと言わんばかりの表情だ。
その表情を見て平常心で居られるほど…名無しは割り切れていなかった。
仕事のはずなのに、スクアーロの事となると気持ちが切り替えられない自分自身に腹も立つし、嫌がる素振りすらなかったスクアーロに対しても内心イライラしていた。
(憎らしい、腹立たしい…今すぐにでも殺してやりたい…)
護衛の任務の間、名無しの心の中はそんな気持ちで渦巻いていた。
勿論任務中だ、いくら心の中でそんな事を思っても実際に行動なんて起こせない上に起こした所で任務自体が失敗になってしまうのだから。
あくまでも平静に…自分の任務をこなす事に意識をそらしては任務を終えた…はずだった。
最後の最後で令嬢がスクアーロの唇にキスしたのを見ては…名無しの感情の糸は切れそうになった。
“スクアーロは私のだよ”、そう言葉にしたいのに任務だからとわずかに残った理性でぐっと名無しは唇を噛み締めた。
表面上は表に出さなかった…否、誰も気付いて居ないだろう。
そう言う風に訓練されてきたせいもあり、スクアーロを押し倒し馬乗りになった時ですらスクアーロは名無しの内心なんて分からなかったのだから。
名無し自身言葉にしてみれば…スクアーロを押し倒した理由がほんの少しだけくだらないな…と思った。
暗殺者ならそれくらい犬に嚙まれたとでも思えばいいのに…名無しにはそれが出来なかった。
だがそれと同時に、それほどまでに名無しはスクアーロの事が好きなのだと、改めて自覚させられたのだ。
スクアーロに怒られるなら後でいくらでも怒られる覚悟はできている。
暗殺者として失格だなんて言うお説教は…甘んじて受け入れるつもりだ。
ぎゅっと目を瞑り、(あぁ…だめだな…私…)なんて思っていると、スクアーロの胸板に顔を埋めていた私の身体が微かに上下する。
見上げてみればくくくっと、喉を鳴らしはスクアーロは笑い出していたのだ。
スクアーロからしてみれば、笑うような事なのかもしれない。
けれど名無しからしてみれば笑い事ではないのだ。
『何よ…』
「あ゙ぁ゙、悪い…。名無しもそう言う事想うんだなって思っちまってな…」
『…どういう意味よ、それ?』
拗ねた子供の様に頬を膨らませては名無しはゆっくりと身体を起こしてスクアーロを見下ろす。
むうぅと唸り眉間に皺を寄せる名無しを見て、スクアーロは嬉しそうに口角をあげる。
まるで嫉妬されたのが嬉しいと言わんばかりに、スクアーロの喉が鳴る。
「どういう意味ってそりゃあ…な、…んなもんで消毒だなんだの言ってたら…俺なんてどうすればいいんだって思っちまっただけだ」
『…え?』
そうスクアーロの呟いた言葉と同時に、名無しの視界が逆転する。
今までスクアーロを見下ろしていたはずなのに…気が付けば名無しはベッドに上に身体を沈められ、代わりにスクアーロが名無しを見下ろしていた。
まるで獲物を狩る肉食動物の様に、青い瞳を細めてはゆっくりとネクタイの結び目に指先をかける。
「名無し…お前の得意分野は暗殺以上にハニトラだろ?」
シュルリと音を立てては、結び目がほどかれスクアーロの襟元から落ちていく。
スクアーロの言葉にしたハニトラ…正式にはハニートラップ、所謂色仕掛けの事を指している。
暗殺部隊と言えど、機密情報などを得る目的で同じマフィアや外交官や政治家、軍関係者などを誘惑したりすることは無きにしもあらずなのだ。
スクアーロの言うように暗殺よりも名無しが最も得意とする分野であり、ボスであるXANXUSですら一目置くほどの諜報活動力が名無しにはある。
時にはボンゴレファミリー総本部からも声がかかる程、名無しのハニートラップのお手並みは素晴らしい物なのだ。
名無しはそれがどうしたのだろう?と首を傾げるが、そんな名無しに対し「名無しがハニトラしかけに行く任務の度に…俺が嫉妬してたなんて名無しは知らないだろ?」と、優しく名無しの頬に触れては鋭い目つきで名無しを見下ろす。
「名無しにハニトラの任務が来る度に…俺がどんな気持ちで名無しにその任務を命じたか…分かってんのか?」
まるで自分だけと思うな…と言わんばかりに、スクアーロの瞳には嫉妬の炎が揺らいでいた。
「その度に俺がどんな気持ちで…名無しの事抱いてたか分かるか?」
幾つもの問いかけに、名無しはただ黙ったままスクアーロの口から紡がれる言葉を聞く。
―――“どんな気持ちで…”
そう紡ぐ度に、スクアーロは自分自身を嘲笑うように口角を上げた。
スクアーロだって暗殺部隊ヴァリアーNo.2兼作戦隊長である以前に…1人の男に過ぎない。
名無しのハニートラップにまんまとハマり、情報を吐き出す男なんて山の様にスクアーロは見て来たのだ。
任務とは言えど、命じては必ず報告がスクアーロの元に来る。
その度にスクアーロは嫉妬した。
言葉にはしなかったが、それでも心が、態度が抑えきれたかと言われれば答えはノーだ。
「勿論名無しの事は疑っちゃいねぇ。だが、それとこれとは別なんだよ」
名無しの耳元でそう囁きながら、スクアーロは名無しの耳たぶを甘噛みする。
柔らかく、生温かい舌を這わせてはまるで自分のものだといわんばかりにねっとりと耳たぶを舐めた。
『え…じゃあ時々やけに激しく抱かれるのって…』
「…察しが良いな…そう言う事だ」
名無しの言葉に舌打ちをし、バツが悪そうな表情を浮かべては今度はゆっくりと名無しの唇に口付ける。
触れて、離れるだけの優しい口付け。
ちゅっと音を立てては唇を離しては名無しの唇を甘噛みする。
まるで逃がさないと言わんばかりにスクアーロの青い瞳が、名無しの姿を映し込む。
「お前だけが嫉妬してるなんて思うなよ、名無し。俺だってお前に対しては…嫉妬しちまうんだよ…どんなに信じていても、どんなに任務だからっつってもな…」
囁くように名無しの耳元でそう言葉にしては、ゆっくりと唇を滑らせ名無しの首筋へと這わせる。
ちゅっと音を立てながら、吸い付き、ほんのり赤い痕を1か所、2か所と残して行く。
吸い付かれ痕を付けられる度に、その場所が熱を持ちスクアーロの熱が移ったかのように熱くなる。
舌を這わせては幾つも幾つも付け熱を広げていく。
その度に名無しの唇からは『ぁ…んっ…っつ』と、甘い声が零れると同時に、名無しの身体がビクリと震えた。
「はっ、いい顔してんじゃねえか名無し」
そっと名無しの首筋から唇を離せば、スクアーロは妖笑を浮かべた。
流れる様に名無しの顎を持ち上げては親指の腹で名無しの唇をなぞる。
「今までの嫉妬も、全部名無しにぶつけてやるよ…嫌って言う程、名無し…お前の身体に叩き込んでやるぜ」
くくくっと、喉を鳴らしては名無しの唇に喰らいつくように唇を貪る。
名無しはただただ、そんなスクアーロの青い瞳から…目を離せなかった―――…
嫉妬のしるし
(つーわけで…抱かせろ、名無し)
(え、えっ…なん…え?)
(最初に仕掛けてきたのは名無しの方だ。名無しが俺を煽ったんだぞ?そりゃあ責任取って俺の下で啼くしかねえよなぁ?)
(あ、汗かいてるし…明日も仕事だし…)
(あ゙ぁ゙?まさか逃げようとなんてするわけねえよな…名無し)
(ひっ?!)
(安心しろ…たっぷり可愛がってやるからよ)
2025/03/28
お題提供:確かに恋だった様
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