家庭教師ヒットマンREBORN!
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※微裏
『ディーノちょっといい?』
「どうした、名無し」
書斎の扉を控えめにノックすれば、キャバッローネ・ファミリーのボスであり名無しの彼氏でもあるディーノの姿が名無しの瞳に映った。
顔には普段かけていない眼鏡をかけており、あまり見る事のない眼鏡をかけているせいか、何時もよりも知的な雰囲気を漂わせている。
手には書類を持っており、眉間にはほんの少し皺を寄せて難しい顔をしていた。
きっと名無しには分からないがキャバッローネ・ファミリーに関する書類仕事をしているのだろう。
書斎の机の上に重ねられている書類の山はキャバッローネ・ファミリーが関わる事業、投資先、経営資産に関する資料であることを名無しは察した。
以前そんな書類だとディーノの部下であるリコが名無しにそう教えた。
『それ私に言って大丈夫なんですか?』と聞いた事があるが、「問題ありません。来月には貴女は…ディーノ様の奥様になるんですから」と表情一つ変えずに言ったのを名無しは今でも覚えている。
リコの言うように来月…名無しとディーノは結婚する。
勿論恋愛結婚だ、その為名無しが今の仕事を辞めるために現在は有休消化の真っただ中だ。
(それにしても…毎回日本から帰って来た後ってディーノ大変そうだなぁ…)
机の上の大量の書類を見るだけで名無しはげんなりとしてしまう。
身体を動かす事は得意だが、書類仕事は名無しに取って苦痛の物でしかない。
机に座って書類の1枚に目を通すのすら億劫なのだ、それをするなら外での任務をくれとよく言っていたなと思い出しては苦笑を浮かべる。
ディーノはつい昨夜まで同盟ファミリーであるボンゴレファミリー、次期10代目に会いに日本まで飛び立っていたのだ。
同盟を組んでいるファミリー同士親睦を深めたり、何かと弟弟子であるボンゴレファミリー次期10代目…沢田綱吉を気にかけているのは名無し自身知っている。
それだけでなくディーノの元家庭教師であるリボーンに頼まれ事を良くされてはその度に日本に飛び立っているのは何も珍しくはない。
『あれ、ロマーリオさんとリコさんは?』
「あいつらはコーヒー淹れに行ってるぜ」
『コーヒー…あ、もうそんな時間だっけ?』
そう言ってちらりと書斎にある時計に目を移せば、時刻は午後4時を少し過ぎた頃だ。
イタリアでは“メレンダ”と呼ばれるおやつの時間。
勿論ただのおやつの時間でも間食の時間でもなく、大切にされる文化的習慣の1つである。
1日を通してエネルギーを均等に摂取する事で、健康的な食生活を支える為とされているものだ。
勿論子供であればおやつを、大人であればコーヒーと共に軽い軽食や固焼きクッキー等を食べたりしている。
ディーノもその時間帯に合わせて休憩を取っているのだろう。
普段書類仕事の際はリコが書斎に居るが居ないのだ。
それはディーノにとっての休憩時間を意味しているのを名無しは知っている。
「あいつらに用事か?」
『ううん、ディーノの方に用事。お仕事してたら邪魔になるかなって思ったけど…休憩中なら良かった』
そう言いながら名無しはゆったりとした足取りでディーノの方へと歩み寄る。
ブーツを履いていてもふわふわの絨毯の上では音を立てる事はない。
赤いショルダーオープンハイネックニットに黒色のタイトなロングスカート。
室内で過ごしているせいか肩を出していてもそれほど寒さはない。
机を挟んでディーノの前まで歩み寄れば、名無しはゆっくりと口を開いた。
『ねぇ、ディーノ。明日ちょっとランチに行ってくるね?』
「ランチ?」
『うん、ランチ』
わざわざ名無しがディーノに言いに来ると言う事は1人で行くわけではなく、誰かと一緒に行くのだろうとディーノは察する。
来月結婚予定であるものの、それに伴い名無しは結婚式の準備。
ディーノも結婚式の準備には参加しているもののマフィアのボスとしての仕事があるため任せれるところは名無しに任せっきりではある。
息抜きに友達とでもランチに行くのだろうかと思い「誰とだ?」とディーノは書類から目を離し名無しの方へと鳶色の瞳を向けた。
『ルッスと』
「ルッスって…ルッスーリアか?」
名無しの言葉にほんの少しだけディーノは目を開く。
ルッスーリアと言うのは有休消化中ではあるものの名無しが所属している暗殺部隊ヴァリアーの幹部だ。
名無しの上司に当たる人物であり、何かと名無しの事を気にかけてくれている。
上司と部下と言えど、プライベートでは飲みに行ったりお茶をする仲らしい事はディーノも事前に知っていた。
何かと休みが合えば一緒に出掛けたりしている2人は傍から見れば親友同士と言っても過言ではない。
そこに恋愛感情はないにしろ、ディーノからすればそれでも面白くないのだ。
自分の好きな女性…彼女が異性と2人っきりで会うとなるとどうも心がざわついてしまう。
恐らくディーノに誤解させないようにと名無しは言ったのだろう。
そしてお互い恋愛感情がなく合ったとしても友愛だと公言している。
勿論ディーノだって名無しの交友関係に口を出したいわけではないのだ。
だが分かっていても面白くない感情を持ってしまうのは別の話でしかない。
『そうそう、結婚お祝いにランチ奢ってくれるんだって~!行っていいでしょ?』
「他に誰か行くのか?」
『んなわけないじゃん、私とルッスの2人で行ってくるよ!』
当たり前のように名無しはルッスーリアと2人で食べてくると楽しそうに話す。
『行くのはこの店のランチでね~!』と話してくれるが、ディーノの頭には一切名無しの言葉は入らなかった。
名無しと付き合う前、それこそ名無しがルッスーリアとよく行動をしていたのを知っている。
一緒に出掛けたりご飯に行ったりと…その姿を見ては何度もディーノは胸を締め付けられたのだ。
これが所謂嫉妬なのか、独占欲なのか当時のディーノには区別がつかなかった。
けれどその事をロマーリオに相談すれば「…ボス、それは絶対ないと思うぞ」と真顔で言われ、同級生であり、同じくヴァリアーに所属しているスクアーロから見ても「あいつらが付き合ってる?ゔお゙ぉい跳ね馬!お前頭湧いてんのか?」と鼻で笑っていたのは今でも覚えている。
ディーノだって頭では分かっているのだ。
分かっているが心ではそう思うことが出来ずつい楽しそうに話している名無しに「…ルッスーリアは男だろ」とポツリと呟いた。
自分以外の異性と出掛けるのにそんな楽しそうに話すなよと…ついディーノは思ってしまう。
勿論名無しがディーノを嫉妬させたいから言っているわけではない事位は分かっている。
友達とのランチ。
名無しの中でルッスーリアはそう言う位置の人間らしい。
現に『でもルッスは女友達みたいなものだよ?』ときょとんとする名無しに対し、ディーノは「生物学上は男だろ」とむすっとした表情でディーノは頬杖を付いた。
(んな楽しそうに話すなよ…俺以外の人間と飯食いに行くっていうのが…そんなに楽しみなのかよ…)
抑えられない感情を心の中で吐いてしまう。
まるで玩具を取られた子供の様に、ドス黒い感情が渦を巻いた。
ディーノからしてみればルッスーリアは男でしかないのだ。
(子供じみた感情だな…)
分かっていても抑えられない感情に、ディーノはひっそりと溜息を零す。
名無しがディーノを好きな事は勿論知っている、知っていなければ結婚の承諾も結婚をする事も無いのだから。
そんなディーノに対し、名無しはバンッと書斎の机を叩く。
叩いた衝動で机の上の書類の山が崩れそうになるが…名無しはそんなヘマをしないように力加減だけは念入りにしていた。
これでもヴァリアーに所属しているのだ、それくらい造作もない。
『ディーノ…確かに生物学上ルッスは男かもしれないけど、オカマだからね?!そこ分かってる?!』
「…分かってても男には違いねえだろ…」
『私が恋愛的な意味で好きなのはディーノなの!ルッスはどう頑張っても恋愛対象にならないからね?!』
むすっとしているディーノに名無しは言葉にする。
何度もこの言葉を言ってきたがディーノは誰が見ても分かる程に不機嫌になってしまうのだ。
どうして?と問いたくなるが、ディーノ自身も分からないらしい。
だがどうしてもルッスーリアに対してだけはそう思ってしまうようなのだ。
その度に名無しはディーノに言い聞かせる、『私の恋愛対象は異性で!!!ディーノなんだからね!!!』と。
今回もきっと休憩時間を潰してしまうかもしれないが許して欲しいと思う名無し。
だが、ディーノから帰って来たのは意外な言葉だった。
「……分かった、明日行って来いよ名無し」
『え…いいの?』
「いいも何も、行くつもりなんだろ?」
呆気なく許可を得てしまえばぽかんと名無しが呆ける。
普段なら小一時間はルッスーリアが関係すると長引くはずなのだが、今日に限っては10分も満たないうちに許可を得てしまった。
(結婚するから寛容になった…のかな?)
そんな事を思いながらも名無しはじっとディーノの鳶色の瞳を見る。
だがどこか鳶色の瞳には独占欲を含んでいるようにも感じられた。
その証拠に「でもその代わりちょっとこっち来い」と意地悪そうな笑みを浮かべているのだ。
『?何で?』
ディーノの言葉に名無しはきょとんと首を傾げる。
明日のランチに行く事は許されたが何かあるのだろうかと名無しはディーノの言葉の意味が分からず目を丸くした。
そんな名無しに構わずにディーノは「いいからこっち来いよ、名無し」と意地悪そうに笑う。
嫌な予感がしなくもないが、名無しは大人しくディーノの言葉に従った。
書斎の机を挟んで会話していたのだ。
手招きはディーノの座って居る方へと来いと言う意味なのは何となく理解出来た。
(どうしたんだろう?)
ディーノに手招きされれば名無しは何の疑いも無しにディーノの方へと歩み寄る。
書斎の立派な椅子に腰掛けているディーノの前までくれば、名無しの左手首を掴んで自分の方へと引っ張った。
突然の事に対応できず、名無しはディーノの膝の上に座る形に抱き寄せられる。
動きずらいタイトなロングスカートのせいか、名無しはいつものように機敏に反応する事は出来ない。
流れるようにディーノの膝の上に座り抱き寄せられれば、ディーノの温かな温もりを感じる。
彼氏であるディーノにこんな事をされる事は滅多にないため『ちょっ…ディーノ?!』と文句の1つでも言おうとすれば、跳ねっ気のある金髪の髪が名無しの首筋に触れる。
名無しの首筋にディーノは顔を埋めゆっくりと名無しの首筋を下から上へと舌を這わせた。
生温かい舌の感触を感じれば、ビクリと身体を震わせる。
『ん…っつ』
突然のディーノの行為に名無しの身体はビクリと震えてはディーノにされるがままだ。
何度も舐めては吸われ、甘噛みされを繰り返される。
甘く擽ったいその行為を何度も繰り返されれば、名無しの唇からは甘い喘ぎ声が零れた。
『ん…っつ、ぁ、ディー…ノ…』
「ん?何だ名無し?」
名無しの甘い声に、ディーノは行為を止める事なく名無しの言葉に反応する。
名無しの右手首をぎゅっと握りしめ膝の上に抱き寄せたまま、ぴちゃぴちゃと水音を立てながら生温かい舌を這わせる。
逃がさないと言わんばかりに名無しを抱き寄せた左手は力強く名無しの腰を抱いていた。
何度も何度も執拗に舐められては甘噛みされ、名無しの肌にディーノの唇が吸い付く。
ちゅっとリップ音を立てながら首筋に与えられる熱に、名無しの身体はビクリとまた震える。
『っつ…もう、いいでしょっ…!』
「…まだだ」
かれこれ数分ほど名無しはディーノにされるがままだ。
そろそろ珈琲と何かしらの軽食を持ったロマーリオやリコが帰ってくるのではないかと…名無しは内心ヒヤヒヤしてしまう。
だがディーノは名無しの内心を知ってか知らずか…一向に名無しを離そうとしなかった。
『……ディー…ノ…?』
ようやく名無しの首筋からゆっくりとディーノの顔が離される。
介抱されたと思うものの、ディーノはなかなか首筋から顔を離しただけで、名無しの顔を見る事はせず滑らせるように今度は耳たぶを甘噛みする。
そしてじっと名無しを鳶色の瞳に映しては意地わるそうに名無しの耳元で囁いた。
「名無しは俺の物だって印、な?」
舌なめずりをしてはディーノは嬉しそうに鳶色の瞳を細める。
名無しの首にはほんのりと染まる赤い痕…ではなく、そこには青紫色の後が付けられていた。
1度だけでなく何度も同じ箇所を執拗に舐めては吸われたのだ。
赤い色を通り越して青紫色になってしまうのは必然である。
ディーノだって痕を付けるのは初めてではないし、何度も同じ箇所を甘噛みし吸えば必然とそんな色になってしまうのは知っているはずだ。
分かってて“あえて”ディーノは何度も同じ箇所を甘噛みし吸いついたのだから。
『っつ~~~~』
甘噛みされ吸われた箇所に触れれば、どう触れても服に隠れる場所ではなくばっちり見える辺りに痕を残されたのが窺える。
それほどまでにディーノは満足そうに「明日のランチ、行ってきていいぞ」と笑って名無しに言葉を紡ぐ。
痕を付けるほどに、それほどまでの独占欲に名無しは顔を真っ赤にしては声にならない声をあげ口を金魚の様にパクパクとさせた―――…
segno-印-
(あら~、名無しちゃんその首筋…ガッツリ付けられちゃってるわね~?)
(っつ~~~~~、言わないで…ルッス…)
(あら、いいんじゃない?目に見えて跳ね馬に愛されてるのが分かるわよ、名無しちゃん。それに名無しちゃんだって隠してないんだから満更でもないんでしょ?)
(まぁ…そうだけど)
(ふふ、惚気ご馳走様~)
(愛されてるのは嬉しいけどルッス相手に独占欲出さなくてもいいじゃんってなるよ?私からしたらルッスは女友達枠だし)
(嬉しい事言ってくれるじゃない。私も名無しちゃんの事は好きだけど…肉体は別に好みじゃないのよね、私好みの肉体になって来てから出直してきなさいってなっちゃうから)
(…あれ…何で告白してもいないのに振られた感じになってるんだろう…)
2025/03/08
『ディーノちょっといい?』
「どうした、名無し」
書斎の扉を控えめにノックすれば、キャバッローネ・ファミリーのボスであり名無しの彼氏でもあるディーノの姿が名無しの瞳に映った。
顔には普段かけていない眼鏡をかけており、あまり見る事のない眼鏡をかけているせいか、何時もよりも知的な雰囲気を漂わせている。
手には書類を持っており、眉間にはほんの少し皺を寄せて難しい顔をしていた。
きっと名無しには分からないがキャバッローネ・ファミリーに関する書類仕事をしているのだろう。
書斎の机の上に重ねられている書類の山はキャバッローネ・ファミリーが関わる事業、投資先、経営資産に関する資料であることを名無しは察した。
以前そんな書類だとディーノの部下であるリコが名無しにそう教えた。
『それ私に言って大丈夫なんですか?』と聞いた事があるが、「問題ありません。来月には貴女は…ディーノ様の奥様になるんですから」と表情一つ変えずに言ったのを名無しは今でも覚えている。
リコの言うように来月…名無しとディーノは結婚する。
勿論恋愛結婚だ、その為名無しが今の仕事を辞めるために現在は有休消化の真っただ中だ。
(それにしても…毎回日本から帰って来た後ってディーノ大変そうだなぁ…)
机の上の大量の書類を見るだけで名無しはげんなりとしてしまう。
身体を動かす事は得意だが、書類仕事は名無しに取って苦痛の物でしかない。
机に座って書類の1枚に目を通すのすら億劫なのだ、それをするなら外での任務をくれとよく言っていたなと思い出しては苦笑を浮かべる。
ディーノはつい昨夜まで同盟ファミリーであるボンゴレファミリー、次期10代目に会いに日本まで飛び立っていたのだ。
同盟を組んでいるファミリー同士親睦を深めたり、何かと弟弟子であるボンゴレファミリー次期10代目…沢田綱吉を気にかけているのは名無し自身知っている。
それだけでなくディーノの元家庭教師であるリボーンに頼まれ事を良くされてはその度に日本に飛び立っているのは何も珍しくはない。
『あれ、ロマーリオさんとリコさんは?』
「あいつらはコーヒー淹れに行ってるぜ」
『コーヒー…あ、もうそんな時間だっけ?』
そう言ってちらりと書斎にある時計に目を移せば、時刻は午後4時を少し過ぎた頃だ。
イタリアでは“メレンダ”と呼ばれるおやつの時間。
勿論ただのおやつの時間でも間食の時間でもなく、大切にされる文化的習慣の1つである。
1日を通してエネルギーを均等に摂取する事で、健康的な食生活を支える為とされているものだ。
勿論子供であればおやつを、大人であればコーヒーと共に軽い軽食や固焼きクッキー等を食べたりしている。
ディーノもその時間帯に合わせて休憩を取っているのだろう。
普段書類仕事の際はリコが書斎に居るが居ないのだ。
それはディーノにとっての休憩時間を意味しているのを名無しは知っている。
「あいつらに用事か?」
『ううん、ディーノの方に用事。お仕事してたら邪魔になるかなって思ったけど…休憩中なら良かった』
そう言いながら名無しはゆったりとした足取りでディーノの方へと歩み寄る。
ブーツを履いていてもふわふわの絨毯の上では音を立てる事はない。
赤いショルダーオープンハイネックニットに黒色のタイトなロングスカート。
室内で過ごしているせいか肩を出していてもそれほど寒さはない。
机を挟んでディーノの前まで歩み寄れば、名無しはゆっくりと口を開いた。
『ねぇ、ディーノ。明日ちょっとランチに行ってくるね?』
「ランチ?」
『うん、ランチ』
わざわざ名無しがディーノに言いに来ると言う事は1人で行くわけではなく、誰かと一緒に行くのだろうとディーノは察する。
来月結婚予定であるものの、それに伴い名無しは結婚式の準備。
ディーノも結婚式の準備には参加しているもののマフィアのボスとしての仕事があるため任せれるところは名無しに任せっきりではある。
息抜きに友達とでもランチに行くのだろうかと思い「誰とだ?」とディーノは書類から目を離し名無しの方へと鳶色の瞳を向けた。
『ルッスと』
「ルッスって…ルッスーリアか?」
名無しの言葉にほんの少しだけディーノは目を開く。
ルッスーリアと言うのは有休消化中ではあるものの名無しが所属している暗殺部隊ヴァリアーの幹部だ。
名無しの上司に当たる人物であり、何かと名無しの事を気にかけてくれている。
上司と部下と言えど、プライベートでは飲みに行ったりお茶をする仲らしい事はディーノも事前に知っていた。
何かと休みが合えば一緒に出掛けたりしている2人は傍から見れば親友同士と言っても過言ではない。
そこに恋愛感情はないにしろ、ディーノからすればそれでも面白くないのだ。
自分の好きな女性…彼女が異性と2人っきりで会うとなるとどうも心がざわついてしまう。
恐らくディーノに誤解させないようにと名無しは言ったのだろう。
そしてお互い恋愛感情がなく合ったとしても友愛だと公言している。
勿論ディーノだって名無しの交友関係に口を出したいわけではないのだ。
だが分かっていても面白くない感情を持ってしまうのは別の話でしかない。
『そうそう、結婚お祝いにランチ奢ってくれるんだって~!行っていいでしょ?』
「他に誰か行くのか?」
『んなわけないじゃん、私とルッスの2人で行ってくるよ!』
当たり前のように名無しはルッスーリアと2人で食べてくると楽しそうに話す。
『行くのはこの店のランチでね~!』と話してくれるが、ディーノの頭には一切名無しの言葉は入らなかった。
名無しと付き合う前、それこそ名無しがルッスーリアとよく行動をしていたのを知っている。
一緒に出掛けたりご飯に行ったりと…その姿を見ては何度もディーノは胸を締め付けられたのだ。
これが所謂嫉妬なのか、独占欲なのか当時のディーノには区別がつかなかった。
けれどその事をロマーリオに相談すれば「…ボス、それは絶対ないと思うぞ」と真顔で言われ、同級生であり、同じくヴァリアーに所属しているスクアーロから見ても「あいつらが付き合ってる?ゔお゙ぉい跳ね馬!お前頭湧いてんのか?」と鼻で笑っていたのは今でも覚えている。
ディーノだって頭では分かっているのだ。
分かっているが心ではそう思うことが出来ずつい楽しそうに話している名無しに「…ルッスーリアは男だろ」とポツリと呟いた。
自分以外の異性と出掛けるのにそんな楽しそうに話すなよと…ついディーノは思ってしまう。
勿論名無しがディーノを嫉妬させたいから言っているわけではない事位は分かっている。
友達とのランチ。
名無しの中でルッスーリアはそう言う位置の人間らしい。
現に『でもルッスは女友達みたいなものだよ?』ときょとんとする名無しに対し、ディーノは「生物学上は男だろ」とむすっとした表情でディーノは頬杖を付いた。
(んな楽しそうに話すなよ…俺以外の人間と飯食いに行くっていうのが…そんなに楽しみなのかよ…)
抑えられない感情を心の中で吐いてしまう。
まるで玩具を取られた子供の様に、ドス黒い感情が渦を巻いた。
ディーノからしてみればルッスーリアは男でしかないのだ。
(子供じみた感情だな…)
分かっていても抑えられない感情に、ディーノはひっそりと溜息を零す。
名無しがディーノを好きな事は勿論知っている、知っていなければ結婚の承諾も結婚をする事も無いのだから。
そんなディーノに対し、名無しはバンッと書斎の机を叩く。
叩いた衝動で机の上の書類の山が崩れそうになるが…名無しはそんなヘマをしないように力加減だけは念入りにしていた。
これでもヴァリアーに所属しているのだ、それくらい造作もない。
『ディーノ…確かに生物学上ルッスは男かもしれないけど、オカマだからね?!そこ分かってる?!』
「…分かってても男には違いねえだろ…」
『私が恋愛的な意味で好きなのはディーノなの!ルッスはどう頑張っても恋愛対象にならないからね?!』
むすっとしているディーノに名無しは言葉にする。
何度もこの言葉を言ってきたがディーノは誰が見ても分かる程に不機嫌になってしまうのだ。
どうして?と問いたくなるが、ディーノ自身も分からないらしい。
だがどうしてもルッスーリアに対してだけはそう思ってしまうようなのだ。
その度に名無しはディーノに言い聞かせる、『私の恋愛対象は異性で!!!ディーノなんだからね!!!』と。
今回もきっと休憩時間を潰してしまうかもしれないが許して欲しいと思う名無し。
だが、ディーノから帰って来たのは意外な言葉だった。
「……分かった、明日行って来いよ名無し」
『え…いいの?』
「いいも何も、行くつもりなんだろ?」
呆気なく許可を得てしまえばぽかんと名無しが呆ける。
普段なら小一時間はルッスーリアが関係すると長引くはずなのだが、今日に限っては10分も満たないうちに許可を得てしまった。
(結婚するから寛容になった…のかな?)
そんな事を思いながらも名無しはじっとディーノの鳶色の瞳を見る。
だがどこか鳶色の瞳には独占欲を含んでいるようにも感じられた。
その証拠に「でもその代わりちょっとこっち来い」と意地悪そうな笑みを浮かべているのだ。
『?何で?』
ディーノの言葉に名無しはきょとんと首を傾げる。
明日のランチに行く事は許されたが何かあるのだろうかと名無しはディーノの言葉の意味が分からず目を丸くした。
そんな名無しに構わずにディーノは「いいからこっち来いよ、名無し」と意地悪そうに笑う。
嫌な予感がしなくもないが、名無しは大人しくディーノの言葉に従った。
書斎の机を挟んで会話していたのだ。
手招きはディーノの座って居る方へと来いと言う意味なのは何となく理解出来た。
(どうしたんだろう?)
ディーノに手招きされれば名無しは何の疑いも無しにディーノの方へと歩み寄る。
書斎の立派な椅子に腰掛けているディーノの前までくれば、名無しの左手首を掴んで自分の方へと引っ張った。
突然の事に対応できず、名無しはディーノの膝の上に座る形に抱き寄せられる。
動きずらいタイトなロングスカートのせいか、名無しはいつものように機敏に反応する事は出来ない。
流れるようにディーノの膝の上に座り抱き寄せられれば、ディーノの温かな温もりを感じる。
彼氏であるディーノにこんな事をされる事は滅多にないため『ちょっ…ディーノ?!』と文句の1つでも言おうとすれば、跳ねっ気のある金髪の髪が名無しの首筋に触れる。
名無しの首筋にディーノは顔を埋めゆっくりと名無しの首筋を下から上へと舌を這わせた。
生温かい舌の感触を感じれば、ビクリと身体を震わせる。
『ん…っつ』
突然のディーノの行為に名無しの身体はビクリと震えてはディーノにされるがままだ。
何度も舐めては吸われ、甘噛みされを繰り返される。
甘く擽ったいその行為を何度も繰り返されれば、名無しの唇からは甘い喘ぎ声が零れた。
『ん…っつ、ぁ、ディー…ノ…』
「ん?何だ名無し?」
名無しの甘い声に、ディーノは行為を止める事なく名無しの言葉に反応する。
名無しの右手首をぎゅっと握りしめ膝の上に抱き寄せたまま、ぴちゃぴちゃと水音を立てながら生温かい舌を這わせる。
逃がさないと言わんばかりに名無しを抱き寄せた左手は力強く名無しの腰を抱いていた。
何度も何度も執拗に舐められては甘噛みされ、名無しの肌にディーノの唇が吸い付く。
ちゅっとリップ音を立てながら首筋に与えられる熱に、名無しの身体はビクリとまた震える。
『っつ…もう、いいでしょっ…!』
「…まだだ」
かれこれ数分ほど名無しはディーノにされるがままだ。
そろそろ珈琲と何かしらの軽食を持ったロマーリオやリコが帰ってくるのではないかと…名無しは内心ヒヤヒヤしてしまう。
だがディーノは名無しの内心を知ってか知らずか…一向に名無しを離そうとしなかった。
『……ディー…ノ…?』
ようやく名無しの首筋からゆっくりとディーノの顔が離される。
介抱されたと思うものの、ディーノはなかなか首筋から顔を離しただけで、名無しの顔を見る事はせず滑らせるように今度は耳たぶを甘噛みする。
そしてじっと名無しを鳶色の瞳に映しては意地わるそうに名無しの耳元で囁いた。
「名無しは俺の物だって印、な?」
舌なめずりをしてはディーノは嬉しそうに鳶色の瞳を細める。
名無しの首にはほんのりと染まる赤い痕…ではなく、そこには青紫色の後が付けられていた。
1度だけでなく何度も同じ箇所を執拗に舐めては吸われたのだ。
赤い色を通り越して青紫色になってしまうのは必然である。
ディーノだって痕を付けるのは初めてではないし、何度も同じ箇所を甘噛みし吸えば必然とそんな色になってしまうのは知っているはずだ。
分かってて“あえて”ディーノは何度も同じ箇所を甘噛みし吸いついたのだから。
『っつ~~~~』
甘噛みされ吸われた箇所に触れれば、どう触れても服に隠れる場所ではなくばっちり見える辺りに痕を残されたのが窺える。
それほどまでにディーノは満足そうに「明日のランチ、行ってきていいぞ」と笑って名無しに言葉を紡ぐ。
痕を付けるほどに、それほどまでの独占欲に名無しは顔を真っ赤にしては声にならない声をあげ口を金魚の様にパクパクとさせた―――…
segno-印-
(あら~、名無しちゃんその首筋…ガッツリ付けられちゃってるわね~?)
(っつ~~~~~、言わないで…ルッス…)
(あら、いいんじゃない?目に見えて跳ね馬に愛されてるのが分かるわよ、名無しちゃん。それに名無しちゃんだって隠してないんだから満更でもないんでしょ?)
(まぁ…そうだけど)
(ふふ、惚気ご馳走様~)
(愛されてるのは嬉しいけどルッス相手に独占欲出さなくてもいいじゃんってなるよ?私からしたらルッスは女友達枠だし)
(嬉しい事言ってくれるじゃない。私も名無しちゃんの事は好きだけど…肉体は別に好みじゃないのよね、私好みの肉体になって来てから出直してきなさいってなっちゃうから)
(…あれ…何で告白してもいないのに振られた感じになってるんだろう…)
2025/03/08
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