家庭教師ヒットマンREBORN!
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※微裏
「名無しちゃん」
『………』
「名無しちゃんってば」
『…………』
イタリア。
ミルフィオーレファミリーが拠点とするビル内の一室で、名無しは上司である白蘭の呼びかけを無視しては、一心不乱に目の前のノートパソコンのキーボードをカタカタとリズミカルに叩き打っていた。
規則正しいタイピング音にブラインドタッチで作業しているが、ノートパソコンの画面には誤字脱字のない文章が次々と打たれていく。
そんな名無しの事など気にせず、白蘭はただただ椅子に座っている名無しの背後からぎゅっと名無しを抱きしめている。
温かい白蘭のぬくもりを抱きしめられた腕から感じるが、今はそんなぬくもりを感じている暇など名無しにはないのだ。
目の前の仕事を終わらして定時に上がる。
それが名無しにとってやらなけれないけない事であり、最優先事項である。
ミルフィオーレファミリーに入るまで、名無しは所謂ブラック企業に勤めていたのだ。
やってもやっても終わらない仕事。
残業しても終わらない仕事にうんざりとしていたが、ミルフィオーレファミリーに就職してからはちゃんと定時に上がれるし、何より残業をしてもありがたい事に残業代が出る。
残業代が出るのは嬉しい事ではあるが…やはり名無しは定時で上がって帰りたいのだ。
今日はお気に入りのカフェの新メニューの発売日。
新メニューを食べるために名無しはこうして朝から仕事をこなしているのだから。
そんな名無しの事等知らず、先ほどから上司である白蘭は「名無しちゃん」と間を置いては名無しの名を呼ぶ。
白蘭との距離が近いせいか、甘ったるい匂いが名無しの鼻孔を擽った。
「ねぇ、名無しちゃん無視しないでよ?」
本日何度目か分からない問いかけに、名無しはようやくブラインドタッチで入力する手を止めて『……仕事してください、白蘭“様”』と上司である白蘭に言葉を紡いだ。
一応仕事をしていなくても名無しにとっては上司であるので“様”を付けては『仕事してるんですけど見てわからないんですか?』と言う意味を込めて強調して言葉にしたが…等の本人は全く気にしていないのか「やっと反応してくれた」と嬉しそうに目を細めている。
跳ねっ毛のある白髪に菖蒲色の三白眼。
左目の下には三つ爪のマークがあるのが特徴的であり、名無しと同じように皺のないミルフィオーレの白い隊服を着ていた。
胡散臭そうな笑みを浮かべてはにっこりと名無しに笑いかける。
「えー、ヤダ。そんな事より僕に構ってよ名無しちゃん」
『無理です、仕事中です』
「ちぇ…名無しちゃんの意地悪…」
渋々名無しを後ろから抱きしめる腕を退ければ、白蘭はどこからとも無くマシュマロの入った袋を取り出し袋を開けた。
1つ真っ白いマシュマロを取り出しては、白蘭はふにふにとマシュマロを触っては1つ口の中へと放り込む。
先程白蘭に抱き着かれた時に漂ってきた甘ったるい匂いと同じ匂いが、名無しの鼻孔をより強く擽る。
『意地悪でもなんでもないですよ。仕事してください、仕事を』
甘いものがそこまで得意ではない名無しにとって、マシュマロの匂いは甘ったるいせいか眉を顰めてしまう程だ。
眉間に眉を寄せたまま、名無しは再度自分の仕事をするべくキーボードを叩き出す。
そんな名無しに対し、「そんなかっかしてると可愛い顔が台無しだよ、名無しちゃん?」と彼はまたマシュマロを1つ頬張っては名無しに問いかける。
『…誰のせいですか、誰の…』
カタカタとキーボードを打つ手を止める事も、上司である白蘭の方を見る事なく名無しは呟いた。
今名無しがしている仕事は本来であればミルフィオーレファミリーのボスである白蘭がすべき仕事なのだが…如何せん彼は仕事をせずただただ美味しそうにマシュマロを頬張る事しかしない。
マシュマロの食べ過ぎで脳みそまでマシュマロみたいになってしまったのかマシュマロ野郎…と、喉元まで出かかった言葉を飲み込んではこうして名無しは白蘭の代わりに仕事をする。
名無しがやるべき仕事はもう既に終わっているのだ。
まだ就業時間と言う事もあり、名無しは仕方なく白蘭がするはずの仕事を処理する…そう、仕方なく、だ。
「名無しちゃん構ってよ?」
『仕事中です、後にしてください』
「そんなこと言わずにさ…なんならお昼休憩今から行く?」
『お昼休憩は1時間前に終わりましたよ、終業後にしてください』
「釣れないこと言わないでよ、名無しちゃん。だって僕と名無しちゃんは恋人同士でしょ?」
きょとんと首を傾げながら問う白蘭に、名無しがキーボードを打つ手がピタリと止まる。
一瞬止まってはまたキーボードを打ち始め、名無しは心の中で再び溜息を付いた。
白蘭の言う通り、確かに名無しと白蘭は恋人同士である。
だが、今現在の時間はプライベートな時間でも休憩中でもなく…仕事中なのだ。
恋人同士ではなく、白蘭と名無しはただの上司と部下でしかない。
仕事とプライベートは別けたい派である名無し。
片や仕事だろうがプライベートだろうがそんな物は一切関係なく何時でも恋人として接する白蘭。
何故正反対の思考の持ち主である白蘭と恋人同士なのだろうと名無しは思ったが、惹かれてしまったのだから仕方ない。
正反対だからこそ惹かれ合う事もあるのだ。
世の中何が起こるか、どう転ぶか本当に分からないなと思いながら、名無しはタイピングする手を向けて白蘭の方へと顔を向ける。
『仕事してください』
そう言おうと思っていたのだが、白蘭の方へと顔を向ければ、柔らかい何かが名無しの唇に押し当てられた。
口元へと視線を下げれば、名無しの口元には白蘭が食べているマシュマロが名無しの唇に押し当てられている。
ふにふにと柔らかい食感にじっと白蘭へと視線を戻せば、食べろと言わんばかりの笑みを名無しに向けていた。
名無しが甘いものが得意ではない事を知っているはずなのに、白蘭は食べろと、視線で語る。
こうなった白蘭は、名無しが唇に押し当てられているマシュマロを食べないと引かない事を…名無し自身身をもって知っていた。
以前にもこんな風に仕事中白蘭にマシュマロを食べろと言わんばかりに、唇に押し当てられた事があった。
その時は確かマシュマロを食べなかったら解放されなかった事を思い出せば名無しは一つため息をつく。
(甘い物苦手なのに…)
要するに白蘭の前では名無しには拒否権なんてものはないのだ。
意を決して名無しは唇に押し当てられたマシュマロをゆっくりと食べる。
一口口の中に含んだだけで、予想していた以上に甘ったるい味が名無しの口内に広がっていく。
甘い、甘いマシュマロの甘い味。
マシュマロ1つが大きいせいか、名無しはゆっくりと食べていく。
食べても食べても減らないマシュマロ。
その間も名無しの口内には甘ったるいマシュマロの味が口内いっぱいに広がったままだ。
数分してようやく押し付けられていたマシュマロを食べ終えれば、白蘭は満足そうに笑う。
「美味しい?」
微笑んだままの白蘭に、名無しは『甘ったるい』…と、そう文句を言おうと口を開いた瞬間、白蘭の唇が名無しの唇を奪った。
触れるだけと、そう思って触れていた唇に…白蘭の舌が無理やり名無しの唇をこじ開けては滑り込む。
『っ…っつ、ん…ぁ…っつ』
咄嗟の出来事い名無しは抗えず、ただただ白蘭の舌に口内を犯す。
生温かい白蘭の舌が、名無しの舌に触れては愛おしそうに吸い付いてはくちゅりと淫らな音を奏でた。
唾液を絡ませては互いの唾液が混ざり合い、淫らな音がまた一つ奏でられる。
名無しも白蘭も先程までマシュマロを食べていたのだ。
甘い、甘いマシュマロの味をお互い食べていたはずなのに、今はそんな味よりも白蘭の行為のせいか名無しの頭は真っ白になる。
『っん…ぅ…ぁ…ん、んっ…』
味わう様に名無しの舌をなぞっては、そっと白蘭の唇が離れていく。
濡れて艶のある唇を舌なめずりをすれば満足そうに白蘭は目を細めた。
「ごちそうさま、名無しちゃん。」
一瞬何をされたのか上手く理解できず、名無しは呆けてしまうものの我に返れば頬が一瞬のうちに赤く染まる。
ガタッと席を立ち、わなわなと白蘭を指差す名無し。
その指は震えているものの、名無しはお構いなしに叫んだ。
『っつ…な、何すんのよ白蘭!?仕事中でしょ!?』
仕事中である事を忘れ、名無しは“様”を付けるのを忘れて白蘭の名を呼ぶ。
“様”付けがはずれ、ようやく本当の意味で白蘭の方を見た名無しに対し、白蘭は嬉しそうに笑った。
「名無しちゃんが僕に構ってくれないからいけないんだよ?」
『仕事中なんだから仕事終わってからにしてよ!』
「仕事が終わったら名無しちゃんが構ってくれるんだ?」
『~~~っつ、仕事が終わったらね!!!』
白蘭の言葉にそう答えれば名無しは(あ…まずい…)と心の中で後悔する。
定時後は一人でお気に入りのカフェに行き新作メニューを堪能するはずが、白蘭にそう答えてしまっては新メニュー堪能する事は出来なくなるのだ。
だが時既に遅し。
「言質は取ったからね?名無しちゃん」
訂正する間もなく名無しの言葉に満面の笑みを浮かべた。
「約束だよ」と言わんばかりに名無しを抱き寄せてはそっと触れるだけの口付けを名無しに落とす。
触れて直ぐに離れる口付け。
先程の深い口付けよりも、今しがたされた触れるだけの口付けの方が何倍も優しく、名無しを蕩けさすのには十分すぎるほどだった。
ドクン、ドクンと心臓がうるさい位に鼓動し名無しの身体は先程から熱を帯びたように熱い。
「そんなもの欲しそうな顔してる名無しちゃんも可愛いけど、続きは仕事が終わってから…ね?」
『っつ…』
妖艶な笑みを浮かべては、そっと名無しの唇を白蘭は自分の指でなぞる。
なぞられれば熱を帯びた白蘭の指先が、名無しの唇に伝う。
そんな仕草に見惚れている名無しに、再度白蘭は名無しに口付けた―――…
いじわるなましゅまろ
2025/01/18
お題提供:子猫恋様
「名無しちゃん」
『………』
「名無しちゃんってば」
『…………』
イタリア。
ミルフィオーレファミリーが拠点とするビル内の一室で、名無しは上司である白蘭の呼びかけを無視しては、一心不乱に目の前のノートパソコンのキーボードをカタカタとリズミカルに叩き打っていた。
規則正しいタイピング音にブラインドタッチで作業しているが、ノートパソコンの画面には誤字脱字のない文章が次々と打たれていく。
そんな名無しの事など気にせず、白蘭はただただ椅子に座っている名無しの背後からぎゅっと名無しを抱きしめている。
温かい白蘭のぬくもりを抱きしめられた腕から感じるが、今はそんなぬくもりを感じている暇など名無しにはないのだ。
目の前の仕事を終わらして定時に上がる。
それが名無しにとってやらなけれないけない事であり、最優先事項である。
ミルフィオーレファミリーに入るまで、名無しは所謂ブラック企業に勤めていたのだ。
やってもやっても終わらない仕事。
残業しても終わらない仕事にうんざりとしていたが、ミルフィオーレファミリーに就職してからはちゃんと定時に上がれるし、何より残業をしてもありがたい事に残業代が出る。
残業代が出るのは嬉しい事ではあるが…やはり名無しは定時で上がって帰りたいのだ。
今日はお気に入りのカフェの新メニューの発売日。
新メニューを食べるために名無しはこうして朝から仕事をこなしているのだから。
そんな名無しの事等知らず、先ほどから上司である白蘭は「名無しちゃん」と間を置いては名無しの名を呼ぶ。
白蘭との距離が近いせいか、甘ったるい匂いが名無しの鼻孔を擽った。
「ねぇ、名無しちゃん無視しないでよ?」
本日何度目か分からない問いかけに、名無しはようやくブラインドタッチで入力する手を止めて『……仕事してください、白蘭“様”』と上司である白蘭に言葉を紡いだ。
一応仕事をしていなくても名無しにとっては上司であるので“様”を付けては『仕事してるんですけど見てわからないんですか?』と言う意味を込めて強調して言葉にしたが…等の本人は全く気にしていないのか「やっと反応してくれた」と嬉しそうに目を細めている。
跳ねっ毛のある白髪に菖蒲色の三白眼。
左目の下には三つ爪のマークがあるのが特徴的であり、名無しと同じように皺のないミルフィオーレの白い隊服を着ていた。
胡散臭そうな笑みを浮かべてはにっこりと名無しに笑いかける。
「えー、ヤダ。そんな事より僕に構ってよ名無しちゃん」
『無理です、仕事中です』
「ちぇ…名無しちゃんの意地悪…」
渋々名無しを後ろから抱きしめる腕を退ければ、白蘭はどこからとも無くマシュマロの入った袋を取り出し袋を開けた。
1つ真っ白いマシュマロを取り出しては、白蘭はふにふにとマシュマロを触っては1つ口の中へと放り込む。
先程白蘭に抱き着かれた時に漂ってきた甘ったるい匂いと同じ匂いが、名無しの鼻孔をより強く擽る。
『意地悪でもなんでもないですよ。仕事してください、仕事を』
甘いものがそこまで得意ではない名無しにとって、マシュマロの匂いは甘ったるいせいか眉を顰めてしまう程だ。
眉間に眉を寄せたまま、名無しは再度自分の仕事をするべくキーボードを叩き出す。
そんな名無しに対し、「そんなかっかしてると可愛い顔が台無しだよ、名無しちゃん?」と彼はまたマシュマロを1つ頬張っては名無しに問いかける。
『…誰のせいですか、誰の…』
カタカタとキーボードを打つ手を止める事も、上司である白蘭の方を見る事なく名無しは呟いた。
今名無しがしている仕事は本来であればミルフィオーレファミリーのボスである白蘭がすべき仕事なのだが…如何せん彼は仕事をせずただただ美味しそうにマシュマロを頬張る事しかしない。
マシュマロの食べ過ぎで脳みそまでマシュマロみたいになってしまったのかマシュマロ野郎…と、喉元まで出かかった言葉を飲み込んではこうして名無しは白蘭の代わりに仕事をする。
名無しがやるべき仕事はもう既に終わっているのだ。
まだ就業時間と言う事もあり、名無しは仕方なく白蘭がするはずの仕事を処理する…そう、仕方なく、だ。
「名無しちゃん構ってよ?」
『仕事中です、後にしてください』
「そんなこと言わずにさ…なんならお昼休憩今から行く?」
『お昼休憩は1時間前に終わりましたよ、終業後にしてください』
「釣れないこと言わないでよ、名無しちゃん。だって僕と名無しちゃんは恋人同士でしょ?」
きょとんと首を傾げながら問う白蘭に、名無しがキーボードを打つ手がピタリと止まる。
一瞬止まってはまたキーボードを打ち始め、名無しは心の中で再び溜息を付いた。
白蘭の言う通り、確かに名無しと白蘭は恋人同士である。
だが、今現在の時間はプライベートな時間でも休憩中でもなく…仕事中なのだ。
恋人同士ではなく、白蘭と名無しはただの上司と部下でしかない。
仕事とプライベートは別けたい派である名無し。
片や仕事だろうがプライベートだろうがそんな物は一切関係なく何時でも恋人として接する白蘭。
何故正反対の思考の持ち主である白蘭と恋人同士なのだろうと名無しは思ったが、惹かれてしまったのだから仕方ない。
正反対だからこそ惹かれ合う事もあるのだ。
世の中何が起こるか、どう転ぶか本当に分からないなと思いながら、名無しはタイピングする手を向けて白蘭の方へと顔を向ける。
『仕事してください』
そう言おうと思っていたのだが、白蘭の方へと顔を向ければ、柔らかい何かが名無しの唇に押し当てられた。
口元へと視線を下げれば、名無しの口元には白蘭が食べているマシュマロが名無しの唇に押し当てられている。
ふにふにと柔らかい食感にじっと白蘭へと視線を戻せば、食べろと言わんばかりの笑みを名無しに向けていた。
名無しが甘いものが得意ではない事を知っているはずなのに、白蘭は食べろと、視線で語る。
こうなった白蘭は、名無しが唇に押し当てられているマシュマロを食べないと引かない事を…名無し自身身をもって知っていた。
以前にもこんな風に仕事中白蘭にマシュマロを食べろと言わんばかりに、唇に押し当てられた事があった。
その時は確かマシュマロを食べなかったら解放されなかった事を思い出せば名無しは一つため息をつく。
(甘い物苦手なのに…)
要するに白蘭の前では名無しには拒否権なんてものはないのだ。
意を決して名無しは唇に押し当てられたマシュマロをゆっくりと食べる。
一口口の中に含んだだけで、予想していた以上に甘ったるい味が名無しの口内に広がっていく。
甘い、甘いマシュマロの甘い味。
マシュマロ1つが大きいせいか、名無しはゆっくりと食べていく。
食べても食べても減らないマシュマロ。
その間も名無しの口内には甘ったるいマシュマロの味が口内いっぱいに広がったままだ。
数分してようやく押し付けられていたマシュマロを食べ終えれば、白蘭は満足そうに笑う。
「美味しい?」
微笑んだままの白蘭に、名無しは『甘ったるい』…と、そう文句を言おうと口を開いた瞬間、白蘭の唇が名無しの唇を奪った。
触れるだけと、そう思って触れていた唇に…白蘭の舌が無理やり名無しの唇をこじ開けては滑り込む。
『っ…っつ、ん…ぁ…っつ』
咄嗟の出来事い名無しは抗えず、ただただ白蘭の舌に口内を犯す。
生温かい白蘭の舌が、名無しの舌に触れては愛おしそうに吸い付いてはくちゅりと淫らな音を奏でた。
唾液を絡ませては互いの唾液が混ざり合い、淫らな音がまた一つ奏でられる。
名無しも白蘭も先程までマシュマロを食べていたのだ。
甘い、甘いマシュマロの味をお互い食べていたはずなのに、今はそんな味よりも白蘭の行為のせいか名無しの頭は真っ白になる。
『っん…ぅ…ぁ…ん、んっ…』
味わう様に名無しの舌をなぞっては、そっと白蘭の唇が離れていく。
濡れて艶のある唇を舌なめずりをすれば満足そうに白蘭は目を細めた。
「ごちそうさま、名無しちゃん。」
一瞬何をされたのか上手く理解できず、名無しは呆けてしまうものの我に返れば頬が一瞬のうちに赤く染まる。
ガタッと席を立ち、わなわなと白蘭を指差す名無し。
その指は震えているものの、名無しはお構いなしに叫んだ。
『っつ…な、何すんのよ白蘭!?仕事中でしょ!?』
仕事中である事を忘れ、名無しは“様”を付けるのを忘れて白蘭の名を呼ぶ。
“様”付けがはずれ、ようやく本当の意味で白蘭の方を見た名無しに対し、白蘭は嬉しそうに笑った。
「名無しちゃんが僕に構ってくれないからいけないんだよ?」
『仕事中なんだから仕事終わってからにしてよ!』
「仕事が終わったら名無しちゃんが構ってくれるんだ?」
『~~~っつ、仕事が終わったらね!!!』
白蘭の言葉にそう答えれば名無しは(あ…まずい…)と心の中で後悔する。
定時後は一人でお気に入りのカフェに行き新作メニューを堪能するはずが、白蘭にそう答えてしまっては新メニュー堪能する事は出来なくなるのだ。
だが時既に遅し。
「言質は取ったからね?名無しちゃん」
訂正する間もなく名無しの言葉に満面の笑みを浮かべた。
「約束だよ」と言わんばかりに名無しを抱き寄せてはそっと触れるだけの口付けを名無しに落とす。
触れて直ぐに離れる口付け。
先程の深い口付けよりも、今しがたされた触れるだけの口付けの方が何倍も優しく、名無しを蕩けさすのには十分すぎるほどだった。
ドクン、ドクンと心臓がうるさい位に鼓動し名無しの身体は先程から熱を帯びたように熱い。
「そんなもの欲しそうな顔してる名無しちゃんも可愛いけど、続きは仕事が終わってから…ね?」
『っつ…』
妖艶な笑みを浮かべては、そっと名無しの唇を白蘭は自分の指でなぞる。
なぞられれば熱を帯びた白蘭の指先が、名無しの唇に伝う。
そんな仕草に見惚れている名無しに、再度白蘭は名無しに口付けた―――…
いじわるなましゅまろ
2025/01/18
お題提供:子猫恋様
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