家庭教師ヒットマンREBORN!
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※ディーノ+10
※一人称
「うわぁぁぁああああん、ディーノ聞いてよぉぉおおおお」
「今月何回目だよ…」
そう言ってディーノは呆れたように目を通していた書類から私へと視線を向けた。
ハッピー ライラック
今私がうつ伏せ状態で泣いている目の前の机の椅子に座り、書類仕事をしているのはキャバッローネ・ファミリーの十代目ボスであるディーノ。
学生時代からの友人で…所謂同級生だ。
一時は仕事が忙しくお互い音信不通ではあったものの、再会してからはこうして私はディーノの元を訪れている。
同盟ファミリーであれど、そんな事を抜きにしても私とディーノは同級生で友人関係なのだ。
“今月何回目だよ…”と言われても今月はまだ10回目だ。
先月の25回に比べたらまだましな方じゃないかな?と口に出そうとするのを私は飲み込んだ。
だって確実にツッコミが入る上に呆れられる事は一目瞭然なんだもん。
否、呆れられてるのはディーノが居る書斎に押し掛けた時点で分かり切った事ではあるんだけど…今はそんな事はどうでもいい。
ただ話を聞いてほしい、それだけの目的でディーノが仕事中であろうがお構いなく私はディーノの元を訪れたのだから。
「………で、今回はどうしたんだ名無し?」
『…浮気された…』
ディーノと再会してから、かれこれ何度目だろうと自分でも思う程の台詞を私はディーノに答える。
「浮気って…浮気だけなら名無しよくされてなかったか…?」
『今までの彼氏通算して39回はされた…。今の相手は4回は浮気はもうしないって言いながら許した後に4回繰り返されたけど』
自分で言えば言う程あれ?何で私こんな奴と付き合ってたんだろ?と思う程どうしようもないクズ男だ。
これまで私の話を聞いてきたディーノでさえ、顔が引きつっているほどにドン引きもののようだ。
「……。名無し…お前怒っていいやつだと思うぞそれ」
『寂しかったんだって言われたら私にも非があると思って許してた…』
「それで、その浮気が原因だったのか?」
『それもあるけど…』
「けど?」
『…“マフィア相手に恋愛なんか出来るかよ”…だってさ』
つい数時間前に言われた言葉を思い出せば、私の気持ちは沼の底に沈んだかのように落ちていく。
“マフィア相手に恋愛なんか出来るかよ”と言ったのは半分当たりで、半分違う事位分かっている。
だって浮気相手を見る限り皆ボンキュッボンのスタイルのいい人達だったんだもん。
幼児体系ではないにしろ、胸はそこまでない。
かと言って絶壁かと言われたらそれは違うからそれもまた言い訳の1つにしか過ぎないんだろうな~。
仕事が忙しい時は急がしいから連絡を取るのも怠るし、それでも時間を見つけては返すように私だってしている。
けど結局のところ彼氏に寂しい想いをさせていたのには変わりないからある意味で“マフィア相手に恋愛なんか出来るかよ”が妥当な答えなのだろう。
『もう私の人生男と付き合わずに独りで生きてけって事なのかなぁ…』
けど私だけに非があるとも私は思わない。
だって私が好きになる男は自分で言うのも何だけど…クズ男ばかりだからだ。
二股、三股は当たり前。
酷ければ私自身が10番目の女だった時もあった。
浮気なんてしょっちゅうされるし、中には私自身知らなかったけど妻子持ちの不倫相手になりかけていたのは言うまでもない。
顔で選んでるわけでもなければ、地位や名誉で選んでるわけだって当然ない。
私だってボンゴレの…ヴァリアーとして働いているのだからそれなりの地位にだっているしお給金だってそんじゃそこらの一般人よりかは遥かに貰っている。
かと言って好きになった相手だからとクズ男を選んだ覚えなんて微塵もない。
ちゃんと吟味して…まともな人を選んだつもりだった。
それなのに何で付き合う男は尽くクズ男なんだろうと…私自身思ってしまう。
学生時代付き合って居た彼氏含め、本当に好きになる人は皆クズばかりだ。
もうこれは神様が男と付き合わず独りで生きていけと言ってるに違いない。
幸い結婚したいとか仕事辞めたいとか…そう言う思いは私にはない。
仮に結婚しても今の仕事を続けられて家庭と両立出来たら…なんて淡い夢を抱いていたけどそんな夢を見るような歳でももうないのだ。
私だってもう32歳だ。
まだ若いと言われるかもしれないが、そろそろ諦めてもいいんじゃないかと思う程にクズ男しか当たらない。
これからは恋に生きるよりも仕事一筋…仕事が恋人ですって言った方がいっそ自分の身の為ではないだろうかと此処最近思う。
私が32歳と言う事は…とどのつまりディーノだって同じく32歳だ。
私と違いディーノはキャバッローネ・ファミリーの十代目ボスで…ファミリーの事を考えればそろそろ結婚してもおかしくない。
相手が居る話を聞いた事は一度も無かったが、そろそろ結婚適齢期な上に結婚について考える年齢だ。
そんなディーノの元に愚痴を零しに、話を聞いてもらうために通うのは…ディーノにとっても未来の花嫁さんにとっても迷惑になるし勘違いの火種にしかならない。
私はディーノにとって同級生で友達だ。
それ以上でもそれ以下でもない事位、周りに言われなくったって分かってる。
(……今日でディーノの元に来るのは最後にしよう…)
そう思うとズキリと胸が痛んでは寂しさが込み上げてくる。
彼氏に浮気をされた時だって寂しく悲しい気持ちになったにも関わらず、何故かこれを最後にしようと思った時の方が寂しく悲しい気持ちが私の中で大きかった。
知らずうちに目からはポロポロと涙が再び流れる。
(おかしいなぁ…何で…何でこんなに悲しいんだろ…)
何時もならもう泣き止んでいるはずなのにと…自分自身何故と思いながらも涙を止める事が出来ない。
「なぁ、名無し」
『ぐすっ…何よ…?』
「……諦めて俺にしねーか?」
『…ぐすんっ…ぇ…?』
「だから…んな奴らと付き合うなら俺と付き合わねーか?って」
ディーノの言葉に、思わず私は自分の耳を疑った。
聞き間違えか、はたまた空耳なのか私には分からない。
ただただ吃驚してしまい自分でもこれでもかと言う程に目が見開いたのが分かってしまう程…私は吃驚した。
『……誰が?誰と?』と、無意識のうちに言葉を紡げば当然の如くディーノは言葉を投げ返す。
「名無しが俺と」
『……俺?』
「名無しの目の前に居るだろ?」
ディーノの言葉に思わず“目の前”に居るディーノを見る。
当然だ、だってこの部屋には私とディーノの2人しか居ない事位私だって分かってる。
普段はディーノの右腕であるロマーリオさんがディーノとよく書斎に居るのを見かけるけど、私が話を聞いてもらいに来た時はいつの間にか居なくなってるのだから。
『…ディーノ私のこと好きなの?』
ディーノの言葉にそう問いかければ「なんだよ、悪いかよ…」とぶすっとした顰め面でディーノが私を見ている。
けどほんのりと頬が赤く染まっている所を見てしまえば、ディーノの言った言葉が嘘でない事は明確だった。
(ディーノが私の事を…好き…?)
心の中で反芻するようにその言葉を飲み込む。
自分でも分かるくらい今私は間抜け面をしていると思う。
だってそれほどまでにディーノの言葉が衝撃的で、脳がその言葉を上手く処理できないせいか瞬きを繰り返しながらディーノをじっと見る。
これまでディーノが私を好きな素振りなんて見せてこなかったはずだ。
好きと言う好意を向けられた覚えも無ければ、ただただ彼氏の浮気話やら話を聞きに何度もディーノの元に訪れている。
聞いてくれるのは同級生だから…否、友達だからだろうと思っていた。
だって同じ同級生でも我らが暗殺部隊ヴァリアーのNo.2兼作戦隊長であるスクアーロは私の彼氏の浮気話や愚痴を一切聞いてくれないのだ。
どうしてもディーノが捕まらない時はルッス姐に話を聞いてもらって居るのは言うまでもないけど。
そもそも好意を寄せる相手の彼氏の浮気話や愚痴を聞くなんて私からしたら耐えられないし、最初のうちは良いにしろ何処かのタイミングで限界が来るはずだ。
私だったら耐えられないなぁ…なんて、思ってしまう。
『悪いとかじゃないけど…どうして…』
「んなもん俺が名無しを好きだからに決まってるだろ」
凛とした、ハッキリとした言葉でそう言われてしまえば疑う事すら出来ない。
真っすぐにディーノの鳶色の瞳が私を映し、一息ついては言葉を続ける。
「俺なら名無しの事泣かせねぇーし」
よっぽどの事が無い限りディーノが私を泣かすなんて天地がひっくり返ったとしてもないだろう。
寧ろディーノが泣かせるってどんな理由で泣かせるのか逆に気になるレベルではあった。
「あんな奴らより遥かに名無しの事大事にできる自信だってあるぜ」
“あんな奴ら”と言うのは、きっとこれまで私が付き合って来た彼氏を指している。
かれこれ10年ディーノに話を聞いてもらって来たのだ。
ディーノが言った“あんな奴ら”よりも遥かに大事にしてくれる事位私だって分かっている。
だって相手はディーノだ。
学生時代は弱気で臆病者「へなちょこディーノ」と呼ばれていたが、私はそうは思わない。
弱気で臆病者である以上に、ディーノが優しいのを私は知っていたのだから。
学生時代の入学式に遅れてきていたが…ディーノが困っている人を助けて遅れてきた事を私は知っている。
枯れかけの花を心配そうに見に行っては甲斐甲斐しく世話を焼いていたのだって知って居たからこそ、私は学生時代同じクラスだったディーノに声をかけたのだから。
キャバッローネ・ファミリーの十代目ボスとなってからのディーノについては、風の噂で何度も聞いた事がある。
自分の部下も、シマの住民ですら大事にする彼だ。
再会した時にそれは目に見えて分かる程だった。
だからこそディーノの言葉が嘘偽りもなく、自信にだって溢れるものだろう。
「だから、俺と付き合わねぇーか名無し?」
思わず見惚れてしまうほどのディーノの微笑に、私は知らず知らずのうちに頷いた。
これからは仕事に生きようと、恋を諦めようとした私が最後にする恋だった事を…この時の私はまだ知らずにいた―――…
2025/01/02
※一人称
「うわぁぁぁああああん、ディーノ聞いてよぉぉおおおお」
「今月何回目だよ…」
そう言ってディーノは呆れたように目を通していた書類から私へと視線を向けた。
ハッピー ライラック
今私がうつ伏せ状態で泣いている目の前の机の椅子に座り、書類仕事をしているのはキャバッローネ・ファミリーの十代目ボスであるディーノ。
学生時代からの友人で…所謂同級生だ。
一時は仕事が忙しくお互い音信不通ではあったものの、再会してからはこうして私はディーノの元を訪れている。
同盟ファミリーであれど、そんな事を抜きにしても私とディーノは同級生で友人関係なのだ。
“今月何回目だよ…”と言われても今月はまだ10回目だ。
先月の25回に比べたらまだましな方じゃないかな?と口に出そうとするのを私は飲み込んだ。
だって確実にツッコミが入る上に呆れられる事は一目瞭然なんだもん。
否、呆れられてるのはディーノが居る書斎に押し掛けた時点で分かり切った事ではあるんだけど…今はそんな事はどうでもいい。
ただ話を聞いてほしい、それだけの目的でディーノが仕事中であろうがお構いなく私はディーノの元を訪れたのだから。
「………で、今回はどうしたんだ名無し?」
『…浮気された…』
ディーノと再会してから、かれこれ何度目だろうと自分でも思う程の台詞を私はディーノに答える。
「浮気って…浮気だけなら名無しよくされてなかったか…?」
『今までの彼氏通算して39回はされた…。今の相手は4回は浮気はもうしないって言いながら許した後に4回繰り返されたけど』
自分で言えば言う程あれ?何で私こんな奴と付き合ってたんだろ?と思う程どうしようもないクズ男だ。
これまで私の話を聞いてきたディーノでさえ、顔が引きつっているほどにドン引きもののようだ。
「……。名無し…お前怒っていいやつだと思うぞそれ」
『寂しかったんだって言われたら私にも非があると思って許してた…』
「それで、その浮気が原因だったのか?」
『それもあるけど…』
「けど?」
『…“マフィア相手に恋愛なんか出来るかよ”…だってさ』
つい数時間前に言われた言葉を思い出せば、私の気持ちは沼の底に沈んだかのように落ちていく。
“マフィア相手に恋愛なんか出来るかよ”と言ったのは半分当たりで、半分違う事位分かっている。
だって浮気相手を見る限り皆ボンキュッボンのスタイルのいい人達だったんだもん。
幼児体系ではないにしろ、胸はそこまでない。
かと言って絶壁かと言われたらそれは違うからそれもまた言い訳の1つにしか過ぎないんだろうな~。
仕事が忙しい時は急がしいから連絡を取るのも怠るし、それでも時間を見つけては返すように私だってしている。
けど結局のところ彼氏に寂しい想いをさせていたのには変わりないからある意味で“マフィア相手に恋愛なんか出来るかよ”が妥当な答えなのだろう。
『もう私の人生男と付き合わずに独りで生きてけって事なのかなぁ…』
けど私だけに非があるとも私は思わない。
だって私が好きになる男は自分で言うのも何だけど…クズ男ばかりだからだ。
二股、三股は当たり前。
酷ければ私自身が10番目の女だった時もあった。
浮気なんてしょっちゅうされるし、中には私自身知らなかったけど妻子持ちの不倫相手になりかけていたのは言うまでもない。
顔で選んでるわけでもなければ、地位や名誉で選んでるわけだって当然ない。
私だってボンゴレの…ヴァリアーとして働いているのだからそれなりの地位にだっているしお給金だってそんじゃそこらの一般人よりかは遥かに貰っている。
かと言って好きになった相手だからとクズ男を選んだ覚えなんて微塵もない。
ちゃんと吟味して…まともな人を選んだつもりだった。
それなのに何で付き合う男は尽くクズ男なんだろうと…私自身思ってしまう。
学生時代付き合って居た彼氏含め、本当に好きになる人は皆クズばかりだ。
もうこれは神様が男と付き合わず独りで生きていけと言ってるに違いない。
幸い結婚したいとか仕事辞めたいとか…そう言う思いは私にはない。
仮に結婚しても今の仕事を続けられて家庭と両立出来たら…なんて淡い夢を抱いていたけどそんな夢を見るような歳でももうないのだ。
私だってもう32歳だ。
まだ若いと言われるかもしれないが、そろそろ諦めてもいいんじゃないかと思う程にクズ男しか当たらない。
これからは恋に生きるよりも仕事一筋…仕事が恋人ですって言った方がいっそ自分の身の為ではないだろうかと此処最近思う。
私が32歳と言う事は…とどのつまりディーノだって同じく32歳だ。
私と違いディーノはキャバッローネ・ファミリーの十代目ボスで…ファミリーの事を考えればそろそろ結婚してもおかしくない。
相手が居る話を聞いた事は一度も無かったが、そろそろ結婚適齢期な上に結婚について考える年齢だ。
そんなディーノの元に愚痴を零しに、話を聞いてもらうために通うのは…ディーノにとっても未来の花嫁さんにとっても迷惑になるし勘違いの火種にしかならない。
私はディーノにとって同級生で友達だ。
それ以上でもそれ以下でもない事位、周りに言われなくったって分かってる。
(……今日でディーノの元に来るのは最後にしよう…)
そう思うとズキリと胸が痛んでは寂しさが込み上げてくる。
彼氏に浮気をされた時だって寂しく悲しい気持ちになったにも関わらず、何故かこれを最後にしようと思った時の方が寂しく悲しい気持ちが私の中で大きかった。
知らずうちに目からはポロポロと涙が再び流れる。
(おかしいなぁ…何で…何でこんなに悲しいんだろ…)
何時もならもう泣き止んでいるはずなのにと…自分自身何故と思いながらも涙を止める事が出来ない。
「なぁ、名無し」
『ぐすっ…何よ…?』
「……諦めて俺にしねーか?」
『…ぐすんっ…ぇ…?』
「だから…んな奴らと付き合うなら俺と付き合わねーか?って」
ディーノの言葉に、思わず私は自分の耳を疑った。
聞き間違えか、はたまた空耳なのか私には分からない。
ただただ吃驚してしまい自分でもこれでもかと言う程に目が見開いたのが分かってしまう程…私は吃驚した。
『……誰が?誰と?』と、無意識のうちに言葉を紡げば当然の如くディーノは言葉を投げ返す。
「名無しが俺と」
『……俺?』
「名無しの目の前に居るだろ?」
ディーノの言葉に思わず“目の前”に居るディーノを見る。
当然だ、だってこの部屋には私とディーノの2人しか居ない事位私だって分かってる。
普段はディーノの右腕であるロマーリオさんがディーノとよく書斎に居るのを見かけるけど、私が話を聞いてもらいに来た時はいつの間にか居なくなってるのだから。
『…ディーノ私のこと好きなの?』
ディーノの言葉にそう問いかければ「なんだよ、悪いかよ…」とぶすっとした顰め面でディーノが私を見ている。
けどほんのりと頬が赤く染まっている所を見てしまえば、ディーノの言った言葉が嘘でない事は明確だった。
(ディーノが私の事を…好き…?)
心の中で反芻するようにその言葉を飲み込む。
自分でも分かるくらい今私は間抜け面をしていると思う。
だってそれほどまでにディーノの言葉が衝撃的で、脳がその言葉を上手く処理できないせいか瞬きを繰り返しながらディーノをじっと見る。
これまでディーノが私を好きな素振りなんて見せてこなかったはずだ。
好きと言う好意を向けられた覚えも無ければ、ただただ彼氏の浮気話やら話を聞きに何度もディーノの元に訪れている。
聞いてくれるのは同級生だから…否、友達だからだろうと思っていた。
だって同じ同級生でも我らが暗殺部隊ヴァリアーのNo.2兼作戦隊長であるスクアーロは私の彼氏の浮気話や愚痴を一切聞いてくれないのだ。
どうしてもディーノが捕まらない時はルッス姐に話を聞いてもらって居るのは言うまでもないけど。
そもそも好意を寄せる相手の彼氏の浮気話や愚痴を聞くなんて私からしたら耐えられないし、最初のうちは良いにしろ何処かのタイミングで限界が来るはずだ。
私だったら耐えられないなぁ…なんて、思ってしまう。
『悪いとかじゃないけど…どうして…』
「んなもん俺が名無しを好きだからに決まってるだろ」
凛とした、ハッキリとした言葉でそう言われてしまえば疑う事すら出来ない。
真っすぐにディーノの鳶色の瞳が私を映し、一息ついては言葉を続ける。
「俺なら名無しの事泣かせねぇーし」
よっぽどの事が無い限りディーノが私を泣かすなんて天地がひっくり返ったとしてもないだろう。
寧ろディーノが泣かせるってどんな理由で泣かせるのか逆に気になるレベルではあった。
「あんな奴らより遥かに名無しの事大事にできる自信だってあるぜ」
“あんな奴ら”と言うのは、きっとこれまで私が付き合って来た彼氏を指している。
かれこれ10年ディーノに話を聞いてもらって来たのだ。
ディーノが言った“あんな奴ら”よりも遥かに大事にしてくれる事位私だって分かっている。
だって相手はディーノだ。
学生時代は弱気で臆病者「へなちょこディーノ」と呼ばれていたが、私はそうは思わない。
弱気で臆病者である以上に、ディーノが優しいのを私は知っていたのだから。
学生時代の入学式に遅れてきていたが…ディーノが困っている人を助けて遅れてきた事を私は知っている。
枯れかけの花を心配そうに見に行っては甲斐甲斐しく世話を焼いていたのだって知って居たからこそ、私は学生時代同じクラスだったディーノに声をかけたのだから。
キャバッローネ・ファミリーの十代目ボスとなってからのディーノについては、風の噂で何度も聞いた事がある。
自分の部下も、シマの住民ですら大事にする彼だ。
再会した時にそれは目に見えて分かる程だった。
だからこそディーノの言葉が嘘偽りもなく、自信にだって溢れるものだろう。
「だから、俺と付き合わねぇーか名無し?」
思わず見惚れてしまうほどのディーノの微笑に、私は知らず知らずのうちに頷いた。
これからは仕事に生きようと、恋を諦めようとした私が最後にする恋だった事を…この時の私はまだ知らずにいた―――…
2025/01/02
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