短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※【ディーノside】
※ディーノ+10
夜遅く、ディーノは一人屋敷の書斎で書類仕事をしていた。
ミルフィオーレファミリーの第14トゥリパーノ隊との戦闘にようやく終止符が付き、今はその事後処理に追われている。
この事後処理が終われば、数日も経たずにディーノは日本に飛び立つのだ。
10年前から来たツナ達のボンゴレ匣修行の家庭教師を務めるために。
(後一時間くらいで切り上げるか…)
机の上に残っている書類の量を見ながら、ディーノはかけていた眼鏡をはずし目頭を押さえる。
昨日まで膠着状態だった戦いが終わってからディーノはこの書斎に朝から晩まで缶詰状態なのだ。
この時間までくると流石に疲れも溜まってきているせいか、疲労が堪える。
だが、今放り出すわけにはいかないのだ。
(もうひと踏ん張り頑張るか)
手に持っていた書類を見てそんな事を思っていると…コンコンと、控えめに書斎の扉をノックする音がディーノの耳い聞こえる。
ディーノは書類に目を落としていた視線を上げた。
「…どうぞ?」
そうディーノが言葉にすれば、ゆっくりと書斎の扉が開かれる。
時間も時間帯だ、きっと部下であるロマーリオだろうとディーノは思っていたが、書斎に入って来たのは愛しい自分の妻である名無しだった。
トレーにはマグカップが2つ乗っており、中身までは分からないが淹れたてのせいかゆらゆらと白い湯気が立ち上っている。
『お疲れ様、ディーノ』
「名無しまだ起きてたのか?」
ふとディーノが時計を見れば、日付が切り替わろうとしている前だった。
普段であれば名無しはこの時間寝ているはずなのにと思いながらディーノは不思議そうに名無しを見る。
そんなディーノに、名無しは『目が覚めちゃって…』と笑いかけた。
『ディーノもまだ起きてるみたいだったから…息抜きにどうかなって』
そう言って名無しは書斎にあるソファーに座り、目の前の机の上でにトレーを置く。
自分の隣をポンポンと叩きながら、名無しはディーノにこちらに来るように促した。
まるで母親が子供を呼ぶような仕草だとディーノは苦笑しながらも、今座っている居椅子から立ち上がり名無しの隣へと腰を下ろす。
『はい、これディーノの分』
「あぁ、ありがとな名無し」
名無しが差し出したマグカップをディーノが受け取れば、中身はホットミルクだった。
牛乳に砂糖が入っているのかほのかに甘い香りが、ディーノの鼻孔を擽る。
「ん、珈琲じゃないのか?」
『珈琲だと目が冴えちゃうでしょ?だからホットミルクで我慢してね』
そう言いながら名無しは自分の淹れたホットミルクを一口飲む。
時間も時間だ、ディーノがキリのいい所で切り上げようと思っているのを名無しは当然ながら分かっていた様だ。
丁度いい甘さだったのか名無しは飲みながら頬が緩んでいくのを見れば、ディーノもつられてホットミルクを一口飲み始めた。
砂糖が入っているせいか甘く、優しい牛乳の味が口の中に広がっていく。
(ちょうどいい甘さだな)
此処最近は珈琲ばかりを飲んでいたせいか、ホットミルクを飲むとほっと一息ついた。
名無しとの時間も、此処最近はミルフィオーレファミリーとの戦闘でほとんど取れていなかったのだと思うと久々に妻と過ごす時間にディーノは癒される。
「名無し、子供達は?」
『二人とも寝てるよ?本当はディーノのお仕事終わるの待ってようとしてたけど、流石に眠気が勝っちゃったみたい』
くすりと笑いながら、名無しはマグカップを両手で包み、つい3時間程前の事を思い出す。
何時もならすぐ寝てくれるはずなのに、今日に限っては「「パパの仕事終わるまで起きてるー!」」と、双子は声を揃えて名無しに言った。
ここ数日ミルフィオーレとの戦闘のせいか顔を合わす事が出来ずにいたのだ。
ディーノの仕事をまだ幼いながらに理解しているのか、ディーノの仕事の邪魔にならないようにと、双子は仕事が終わってから会おうとしていた。
だがやはり子供が起きている時間ではないためか、双子はうつらうつらとしていたので名無しがベッドに運べば秒で双子は夢の世界の住人になった。
その事をディーノに話せば、嬉しい反面申し訳ない気持ちでディーノの胸はいっぱいになる。
5年前に名無しと結婚して、ディーノは名無しとの間に男女の双子の子供を授かった。
二卵性双生児の為か、外見は全く似ていない。
男の子の方は名無しの血を色濃く受け継いでおり、温厚でとても優しい性格の子だ。
女の子の方は強気で、お転婆な性格故か何時も部下達を困らせているのをよくディーノは聞いている。
ボンゴレ狩りのせいで、ディーノはそんな双子の子育てに手が回らず、此処最近はずっと子育てを名無しに任せっきりにしている状態だ。
子供達に会えない日々も、名無しとの時間が取れない日々も…ここ数日ずっと続いている。
「悪いな名無し…子供達の事任せっぱなしで」
自分も双子の父親なのにと、ディーノは申し訳ない気持ちになってしまう。
出来る事ならきちんと双子の面倒を見たい、双子の成長を間近で見たいとは思うものの今のディーノにはそれをする事が出来ないのだ。
だがディーノの気持ちを知っているせいか、名無しは『大丈夫だよ』と笑いかける。
『今は時期が悪いから…ね。子育ての事は私に任せてディーノはディーノにしか出来ない仕事をしてね』
「名無し…」
『子供達だってディーノに遊んで貰えるの待ってるんだから…だから、ちゃんと…無事で帰ってきてよ?』
不安そうにディーノを見上げる名無しに、ディーノは持っていたマグカップを置きそっと名無しを抱き寄せる。
名無しと出会って10年と言う時が流れようが、名無しはもともと一般人なのだ。
いくらマフィアのボスの妻になったとしても、マフィアのボスの妻として見合う振舞いをしようと…名無しの本質は変わらない。
10年前と何一つ変わらない優しい名無し。
勿論優しいだけではなく、名無しは名無しだけの強さがあるのだ。
それは物理的な物ではない。
目に見えない強さだとディーノは思っているし、その強さは10年経った今でもどうやら健在しているようだ。
(俺の奥さんはいろんな意味で強いな…)
10年経った今改めて名無しに惚れ直すなんてディーノは思いもしなかった。
名無しの言葉に「そりゃあ勿論」と言えばちゅっと音を立てて、名無しの頬にキスを落とす。
10年経とうが不意打ちを喰らった名無しは目を丸くしてディーノを見る。
『…ディーノ急にどうしたの?』
「否、名無しが愛おしいなって改めて思っちまってな」
『っつ~~~~~、もう…!』
ディーノの言葉に名無しは頬を染めながら、恥ずかしそうに残りのホットミルクを飲み始めた。
就寝ホットミルク
(そう言えば日本にはロマーリオ達もディーノに着いて行くんだよね?)
(ん?日本には一緒に行くが…ツナ達の所までは俺一人で行くぜ?日本に着いたらロマーリオは草壁と飲みに行くみたいだしな)
(…ねぇディーノ…ちゃんとツナ君達の所に一人で行ける?)
(おいおい、俺だって子供じゃないんだぜ?ロマーリオが居なくったってちゃんとツナ達が居るアジトに一人で行けるって)
((……迷子にならなきゃいいけど…))
2024/10/18
お題提供:子猫恋様
※ディーノ+10
夜遅く、ディーノは一人屋敷の書斎で書類仕事をしていた。
ミルフィオーレファミリーの第14トゥリパーノ隊との戦闘にようやく終止符が付き、今はその事後処理に追われている。
この事後処理が終われば、数日も経たずにディーノは日本に飛び立つのだ。
10年前から来たツナ達のボンゴレ匣修行の家庭教師を務めるために。
(後一時間くらいで切り上げるか…)
机の上に残っている書類の量を見ながら、ディーノはかけていた眼鏡をはずし目頭を押さえる。
昨日まで膠着状態だった戦いが終わってからディーノはこの書斎に朝から晩まで缶詰状態なのだ。
この時間までくると流石に疲れも溜まってきているせいか、疲労が堪える。
だが、今放り出すわけにはいかないのだ。
(もうひと踏ん張り頑張るか)
手に持っていた書類を見てそんな事を思っていると…コンコンと、控えめに書斎の扉をノックする音がディーノの耳い聞こえる。
ディーノは書類に目を落としていた視線を上げた。
「…どうぞ?」
そうディーノが言葉にすれば、ゆっくりと書斎の扉が開かれる。
時間も時間帯だ、きっと部下であるロマーリオだろうとディーノは思っていたが、書斎に入って来たのは愛しい自分の妻である名無しだった。
トレーにはマグカップが2つ乗っており、中身までは分からないが淹れたてのせいかゆらゆらと白い湯気が立ち上っている。
『お疲れ様、ディーノ』
「名無しまだ起きてたのか?」
ふとディーノが時計を見れば、日付が切り替わろうとしている前だった。
普段であれば名無しはこの時間寝ているはずなのにと思いながらディーノは不思議そうに名無しを見る。
そんなディーノに、名無しは『目が覚めちゃって…』と笑いかけた。
『ディーノもまだ起きてるみたいだったから…息抜きにどうかなって』
そう言って名無しは書斎にあるソファーに座り、目の前の机の上でにトレーを置く。
自分の隣をポンポンと叩きながら、名無しはディーノにこちらに来るように促した。
まるで母親が子供を呼ぶような仕草だとディーノは苦笑しながらも、今座っている居椅子から立ち上がり名無しの隣へと腰を下ろす。
『はい、これディーノの分』
「あぁ、ありがとな名無し」
名無しが差し出したマグカップをディーノが受け取れば、中身はホットミルクだった。
牛乳に砂糖が入っているのかほのかに甘い香りが、ディーノの鼻孔を擽る。
「ん、珈琲じゃないのか?」
『珈琲だと目が冴えちゃうでしょ?だからホットミルクで我慢してね』
そう言いながら名無しは自分の淹れたホットミルクを一口飲む。
時間も時間だ、ディーノがキリのいい所で切り上げようと思っているのを名無しは当然ながら分かっていた様だ。
丁度いい甘さだったのか名無しは飲みながら頬が緩んでいくのを見れば、ディーノもつられてホットミルクを一口飲み始めた。
砂糖が入っているせいか甘く、優しい牛乳の味が口の中に広がっていく。
(ちょうどいい甘さだな)
此処最近は珈琲ばかりを飲んでいたせいか、ホットミルクを飲むとほっと一息ついた。
名無しとの時間も、此処最近はミルフィオーレファミリーとの戦闘でほとんど取れていなかったのだと思うと久々に妻と過ごす時間にディーノは癒される。
「名無し、子供達は?」
『二人とも寝てるよ?本当はディーノのお仕事終わるの待ってようとしてたけど、流石に眠気が勝っちゃったみたい』
くすりと笑いながら、名無しはマグカップを両手で包み、つい3時間程前の事を思い出す。
何時もならすぐ寝てくれるはずなのに、今日に限っては「「パパの仕事終わるまで起きてるー!」」と、双子は声を揃えて名無しに言った。
ここ数日ミルフィオーレとの戦闘のせいか顔を合わす事が出来ずにいたのだ。
ディーノの仕事をまだ幼いながらに理解しているのか、ディーノの仕事の邪魔にならないようにと、双子は仕事が終わってから会おうとしていた。
だがやはり子供が起きている時間ではないためか、双子はうつらうつらとしていたので名無しがベッドに運べば秒で双子は夢の世界の住人になった。
その事をディーノに話せば、嬉しい反面申し訳ない気持ちでディーノの胸はいっぱいになる。
5年前に名無しと結婚して、ディーノは名無しとの間に男女の双子の子供を授かった。
二卵性双生児の為か、外見は全く似ていない。
男の子の方は名無しの血を色濃く受け継いでおり、温厚でとても優しい性格の子だ。
女の子の方は強気で、お転婆な性格故か何時も部下達を困らせているのをよくディーノは聞いている。
ボンゴレ狩りのせいで、ディーノはそんな双子の子育てに手が回らず、此処最近はずっと子育てを名無しに任せっきりにしている状態だ。
子供達に会えない日々も、名無しとの時間が取れない日々も…ここ数日ずっと続いている。
「悪いな名無し…子供達の事任せっぱなしで」
自分も双子の父親なのにと、ディーノは申し訳ない気持ちになってしまう。
出来る事ならきちんと双子の面倒を見たい、双子の成長を間近で見たいとは思うものの今のディーノにはそれをする事が出来ないのだ。
だがディーノの気持ちを知っているせいか、名無しは『大丈夫だよ』と笑いかける。
『今は時期が悪いから…ね。子育ての事は私に任せてディーノはディーノにしか出来ない仕事をしてね』
「名無し…」
『子供達だってディーノに遊んで貰えるの待ってるんだから…だから、ちゃんと…無事で帰ってきてよ?』
不安そうにディーノを見上げる名無しに、ディーノは持っていたマグカップを置きそっと名無しを抱き寄せる。
名無しと出会って10年と言う時が流れようが、名無しはもともと一般人なのだ。
いくらマフィアのボスの妻になったとしても、マフィアのボスの妻として見合う振舞いをしようと…名無しの本質は変わらない。
10年前と何一つ変わらない優しい名無し。
勿論優しいだけではなく、名無しは名無しだけの強さがあるのだ。
それは物理的な物ではない。
目に見えない強さだとディーノは思っているし、その強さは10年経った今でもどうやら健在しているようだ。
(俺の奥さんはいろんな意味で強いな…)
10年経った今改めて名無しに惚れ直すなんてディーノは思いもしなかった。
名無しの言葉に「そりゃあ勿論」と言えばちゅっと音を立てて、名無しの頬にキスを落とす。
10年経とうが不意打ちを喰らった名無しは目を丸くしてディーノを見る。
『…ディーノ急にどうしたの?』
「否、名無しが愛おしいなって改めて思っちまってな」
『っつ~~~~~、もう…!』
ディーノの言葉に名無しは頬を染めながら、恥ずかしそうに残りのホットミルクを飲み始めた。
就寝ホットミルク
(そう言えば日本にはロマーリオ達もディーノに着いて行くんだよね?)
(ん?日本には一緒に行くが…ツナ達の所までは俺一人で行くぜ?日本に着いたらロマーリオは草壁と飲みに行くみたいだしな)
(…ねぇディーノ…ちゃんとツナ君達の所に一人で行ける?)
(おいおい、俺だって子供じゃないんだぜ?ロマーリオが居なくったってちゃんとツナ達が居るアジトに一人で行けるって)
((……迷子にならなきゃいいけど…))
2024/10/18
お題提供:子猫恋様
20/25ページ