短編
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※【ディーノside】
※微裏
『キャー!!有馬君格好いいよ、有馬くぅぅううううん!!』
テレビの画面を前に、彼女である名無しは黄色い声を上げテレビに釘付けだった。
そんな名無しを隣に座っているディーノは横目で見て、思わずムスッとした表情を晒す。
久々に休みが取れ日本に来て名無しとの時間を過ごそうと思っていたディーノは先程までは確かに名無しとの甘い時間を過ごしていた。
だが、18時になると見たい番組があるのだと言って『テレビ見ても良い?』と聞いた名無しの言葉に確かに頷いた。
頷いたのだが…
『あー!有馬君!有馬君っ!今日も有馬君が尊いよぉぉおおお!!』
名無しはテレビ画面に釘付けで一向にディーノの方に視線を向けずに黄色い声を上げる。
テレビに映るのは最近名無しがハマっている5人組のアイドルグループ。
そのアイドルグループのリーダーである有馬とやらに、名無しはお熱のようだった。
(面白くねぇーな…)
ディーノはテレビ画面を見て瞳をキラキラと輝かせている名無しを再度見て、心の中でひっそりとため息を付く。
男女問わず何時の時代だってアイドルや芸能人に憧れを抱き彼彼女らにハマる。
名無しだってそのうちの一人だ、アイドルにハマるのだって極自然な事なのはディーノだって分かっているはずだ。
だがしかし、目の前で他の男に黄色い声を上げているのだ、自分以外の男に。
そんな光景を目の当たりにすればディーノだって流石に面白くはない。
面白くないどころか苛立つ感情に支配され、自分だけを見てほしいとさえ思ってしまう。
(あれ?俺ってこんなに嫉妬深かったっけ?)
ふと、いつから自分はこんなにも嫉妬深かったのだろう?と疑問が生じる。
名無しと付き合う前だって、数名付き合った彼女はいた。
それは学生時代の時もあれば、キャバッローネ・ファミリーのボスを継いだ後もそうだ。
当時の彼女達だって名無しと同じようにアイドルや芸能人にハマっていた事もある。
その時のディーノ自身はどうだっただろう?と思い出すも、そこまで嫉妬した記憶はない。
それが普通、当り前と思っていた。
そもそも同じ三次元に存在する人間でも住む世界が違うから、そう言うものだと考えていたはずだ。
なのに今現在、昔と全く同じ出来事のはずなのにディーノの思考はその時とは違う感情に支配されている。
(面白くなねぇーな、ほんと)
好きな事位好きにさせてあげたい…そう思えど心の底から沸々と湧き上がる感情に、ディーノは苛立つ。
自分だけを見て欲しい、折角名無しとの時間を作り日本に来たのだ。
画面の向こうのアイドルを見るのではなく、自分だけを見て、構って欲しい。
子供じみた嫉妬に思わず苦笑しながら、テレビ画面を見れば丁度番組が終わり、CMに入った所だった。
今なら名無しの邪魔にはならないだろう、そう思いながらディーノは黙っていた口を開く。
「名無し」
そう、愛しい彼女の名を呼びながら名無しの手を引く。
黄色い声を上げ叫んでいたせいか、名無しの手は温かくほんの少し汗ばんでいる。
『どうしましたディーノさんっ…っつ』
名無しがディーノの方へと振り返ると同時に、ディーノは名無しの唇に喰らい付く。
チュッっと、リップ音を立てながらゆっくりと名無しの唇を割り自身の舌を滑り込ませる。
『ん…っつ、ぁ……っ、…』
舌と舌が絡み合い、互いの唾液が入り混じる。
突然の口付けに名無しはされるがまま、ディーノの舌が絡み続ける。
逃げる事は許さない、ディーノの鳶色の瞳が無言の圧をかける。
時間で言えばものの数秒のはずなのに、その行為がやけに長く名無しは感じてしまう。
ゆっくりと唇を離されれば、唇の端から互いの入り混じった唾液が伝う。
酸欠のせいか何処かぼんやりとしてしまい、名無しはディーノにもたれ掛かる。
もたれ掛かられれば当然、ディーノは優しく名無しを抱き寄せくいっと名無しの顎を自分の方へと向けさせた。
いつも通り優しい鳶色の瞳。
だが、名無しと視線が合えば、その瞳にはムスッとした子供じみた表情をしているのが分かる。
「彼氏と居る時位ちゃんと…俺の事見ろよ名無し」
『っつ…ぁ、ひゃぃ…っつ』
「他の男見るなって言いたいけど名無しの趣味の邪魔をしたいわけじゃないんだ…けど、俺と居る時は俺の事だけ見てろよ名無し」
再びチュッと音が鳴り、ディーノが優しく口付ける。
触れて離れるだけの一瞬の口付け。
本当は他の男なんて見るなと言ってしまいたい、それ位自分を、ディーノを見てほしいのだ。
喉まで出かけかかった言葉を飲み込み「名無し」と、優しい声色で彼女の名を呼び抱き締める。
「俺は意外と嫉妬深いんだぜ?名無し」
そう名無しの耳元で囁やけば、名無しの身体がビクリと跳ねる。
耳元で囁かれるくすぐったさと、色気のある声色のダブルパンチだ。
大人の余裕そうな笑みとは裏腹に内心は子供じみた嫉妬に支配されているなんて、名無しは知らないし気付いて居ない。
ただただ頬を紅潮させ、ディーノのそんな余裕そうな笑みを瞳に写すだけだった。
俺は意外と嫉妬深い
(ディーノさんでも嫉妬するんです…ね?)
(バーカ、名無しにだけだよ)
(っつ…ずるいです、その言い方っ)
2024/08/22
お題提供:確かに恋だった様
※微裏
『キャー!!有馬君格好いいよ、有馬くぅぅううううん!!』
テレビの画面を前に、彼女である名無しは黄色い声を上げテレビに釘付けだった。
そんな名無しを隣に座っているディーノは横目で見て、思わずムスッとした表情を晒す。
久々に休みが取れ日本に来て名無しとの時間を過ごそうと思っていたディーノは先程までは確かに名無しとの甘い時間を過ごしていた。
だが、18時になると見たい番組があるのだと言って『テレビ見ても良い?』と聞いた名無しの言葉に確かに頷いた。
頷いたのだが…
『あー!有馬君!有馬君っ!今日も有馬君が尊いよぉぉおおお!!』
名無しはテレビ画面に釘付けで一向にディーノの方に視線を向けずに黄色い声を上げる。
テレビに映るのは最近名無しがハマっている5人組のアイドルグループ。
そのアイドルグループのリーダーである有馬とやらに、名無しはお熱のようだった。
(面白くねぇーな…)
ディーノはテレビ画面を見て瞳をキラキラと輝かせている名無しを再度見て、心の中でひっそりとため息を付く。
男女問わず何時の時代だってアイドルや芸能人に憧れを抱き彼彼女らにハマる。
名無しだってそのうちの一人だ、アイドルにハマるのだって極自然な事なのはディーノだって分かっているはずだ。
だがしかし、目の前で他の男に黄色い声を上げているのだ、自分以外の男に。
そんな光景を目の当たりにすればディーノだって流石に面白くはない。
面白くないどころか苛立つ感情に支配され、自分だけを見てほしいとさえ思ってしまう。
(あれ?俺ってこんなに嫉妬深かったっけ?)
ふと、いつから自分はこんなにも嫉妬深かったのだろう?と疑問が生じる。
名無しと付き合う前だって、数名付き合った彼女はいた。
それは学生時代の時もあれば、キャバッローネ・ファミリーのボスを継いだ後もそうだ。
当時の彼女達だって名無しと同じようにアイドルや芸能人にハマっていた事もある。
その時のディーノ自身はどうだっただろう?と思い出すも、そこまで嫉妬した記憶はない。
それが普通、当り前と思っていた。
そもそも同じ三次元に存在する人間でも住む世界が違うから、そう言うものだと考えていたはずだ。
なのに今現在、昔と全く同じ出来事のはずなのにディーノの思考はその時とは違う感情に支配されている。
(面白くなねぇーな、ほんと)
好きな事位好きにさせてあげたい…そう思えど心の底から沸々と湧き上がる感情に、ディーノは苛立つ。
自分だけを見て欲しい、折角名無しとの時間を作り日本に来たのだ。
画面の向こうのアイドルを見るのではなく、自分だけを見て、構って欲しい。
子供じみた嫉妬に思わず苦笑しながら、テレビ画面を見れば丁度番組が終わり、CMに入った所だった。
今なら名無しの邪魔にはならないだろう、そう思いながらディーノは黙っていた口を開く。
「名無し」
そう、愛しい彼女の名を呼びながら名無しの手を引く。
黄色い声を上げ叫んでいたせいか、名無しの手は温かくほんの少し汗ばんでいる。
『どうしましたディーノさんっ…っつ』
名無しがディーノの方へと振り返ると同時に、ディーノは名無しの唇に喰らい付く。
チュッっと、リップ音を立てながらゆっくりと名無しの唇を割り自身の舌を滑り込ませる。
『ん…っつ、ぁ……っ、…』
舌と舌が絡み合い、互いの唾液が入り混じる。
突然の口付けに名無しはされるがまま、ディーノの舌が絡み続ける。
逃げる事は許さない、ディーノの鳶色の瞳が無言の圧をかける。
時間で言えばものの数秒のはずなのに、その行為がやけに長く名無しは感じてしまう。
ゆっくりと唇を離されれば、唇の端から互いの入り混じった唾液が伝う。
酸欠のせいか何処かぼんやりとしてしまい、名無しはディーノにもたれ掛かる。
もたれ掛かられれば当然、ディーノは優しく名無しを抱き寄せくいっと名無しの顎を自分の方へと向けさせた。
いつも通り優しい鳶色の瞳。
だが、名無しと視線が合えば、その瞳にはムスッとした子供じみた表情をしているのが分かる。
「彼氏と居る時位ちゃんと…俺の事見ろよ名無し」
『っつ…ぁ、ひゃぃ…っつ』
「他の男見るなって言いたいけど名無しの趣味の邪魔をしたいわけじゃないんだ…けど、俺と居る時は俺の事だけ見てろよ名無し」
再びチュッと音が鳴り、ディーノが優しく口付ける。
触れて離れるだけの一瞬の口付け。
本当は他の男なんて見るなと言ってしまいたい、それ位自分を、ディーノを見てほしいのだ。
喉まで出かけかかった言葉を飲み込み「名無し」と、優しい声色で彼女の名を呼び抱き締める。
「俺は意外と嫉妬深いんだぜ?名無し」
そう名無しの耳元で囁やけば、名無しの身体がビクリと跳ねる。
耳元で囁かれるくすぐったさと、色気のある声色のダブルパンチだ。
大人の余裕そうな笑みとは裏腹に内心は子供じみた嫉妬に支配されているなんて、名無しは知らないし気付いて居ない。
ただただ頬を紅潮させ、ディーノのそんな余裕そうな笑みを瞳に写すだけだった。
俺は意外と嫉妬深い
(ディーノさんでも嫉妬するんです…ね?)
(バーカ、名無しにだけだよ)
(っつ…ずるいです、その言い方っ)
2024/08/22
お題提供:確かに恋だった様
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