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1日目 朝。
ニキドラ「船長ーー!!帰ります帰りまーーす!!」
今にも崩れ落ちそうなほったて小屋のトビラを力いっぱいノックして叫ぶ。まさか本当に月が赤くなるなんて!お魚食べにきたら自分が食べられるなんて冗談じゃない、1秒でも早く脱出するっきゃないっすよ!!
リンネ「そんなに焦ったって仕方ねェだろ。確かに月の色にゃビビったが…今んとこ皆無事だし、仮にオッサンの話が本当でも、狼憑きは夜しか行動しないって話だ。暗くなる前に帰りゃ問題ねェだろ?」
リンネくんはいつも冷静だ。あんなブキミな月を見てもクールに流せて羨ましい!ボクにはムリ!
リンネ「しかし妙だな。うっすい扉1枚隔ててこんだけ大騒ぎしてるってのに、起きる気配がねぇや。…まさか」
ニキドラ「リンネくん?扉に耳なんて当てて…イビキでも聞こえるんすか?」
リンネ「…聞こえりゃよかったんだけどな。ちょっとどいてろ。」
ボクが後ろに下がると、リンネくんは思い切りトビラを蹴破った。
ニキドラ「ちょっ、リンネくん!?小屋が倒れたらどうするんすか!ドリフみたいに!」
リンネ「おいオッサン、大丈夫か?…やっぱりな。ニキドラァ、最悪の事態だ。俺たち、当分島から出られねェぞ。」
小屋の中には、血の池に沈む船長の亡骸があった。
◆◆◆
ボクとリンネくんは皆を集めて、今朝見たものを説明した。
ニキドラ「…ってなわけで電波も通じないし定期船もないから、狼憑きに怯えながらサバイバル生活することになりましたとさ!!終了!!」
ラピス「うぅぅ…私たち、もう生きて帰れないんでしょうか…?」
シアン「そんなことないのですよ。つまり狼憑きとやらを見つけて捕まえればいいのです。そうでしょう?」
不安そうなのは海竜のラピスちゃん。お魚獲るのが得意だからムリ言って連れてきたんだけど、こんなことになっちゃって申し訳ないっす…。
デカいスカーフ巻いてるのは双頭竜のシアンちゃん。(自称)知性派なだけあって涼しい顔をしてますねぇ。あ、ちなみにスカーフの中では妹ちゃんが寝てるらしいっす。
シェド「そーすりゃ確かに犠牲者は出ねーでしょうけどね、狼憑きが誰かなんてどうやって調べるんです?わかんねえっしょ、そんなの。」
なぎさ「そうだね、どうやって切り抜けようか…?…ふふ、面白くなってきた。」
黒ヒョウに似た姿の彼はシェドくん。船の中で知り合ったんですけど、どうもおつかいで来たらしい?パシられた上にこんな問題に巻き込まれるなんて踏んだり蹴ったりっすね…
隣にいる白竜のなぎさちゃんはシェドくんのお友達で、勝手についてきちゃったみたいっす。でもラピスちゃんと違って全然余裕そうだから心配いらないっすねぇ。
リンネ「やり方はここに書いてある。」
そう言って机の上に血の付いた本を置くと、皆長い首を伸ばして覗き込む。
なぎさ「…古い本だね。これはなに?」
リンネ「船長のオッサンが握ってた本だ。大方赤い月を見て、慌てて伝承の本を引っ張り出したところで襲われたんじゃねェかな。」
シアン「ほう…。奇しくも状況は伝承と同じなのです。この本に従って、誰が狼憑きなのかを見定めるべきです。」
ラピス「そ…そうですね!船長さんのお話だと狼さんは夜に動くとのことですから、日が暮れるまでに行動しないと、ですね…!」
ニキドラ「なるほど…?じゃあ早速、読んでいきましょ!まずはルールを知らないとっすよね!」
---------
シェド「…へぇ、話し合った後に投票で処刑者を決めるんすねぇ。なんか揉めそうだけど。」
ニキドラ「???訳わかんないっす!!説明求む!!」
シアン「仕方ないですね…要点だけ言いますからしっかり覚えるのですよ。」
・この島には【狼憑き】が潜んでいる。
・狼憑きは外見では判断できないので、住人は日中に
話し合いを行い、怪しい人物を処刑していく。
・狼憑きは夜ごとに1人ずつ住人を殺害していき、
住人と狼憑きが同数になった時点で昼間でも
本性を表し、住人を全滅させる。
・住人の中には特別な力を持つ者が
いる可能性がある。
【占い師】
夜間、1人の人物が狼憑きか
否かを占うことができる。
【狩人】
夜間、1人の人物を狼憑きの襲撃から
守ることができる。
ただし自分を守ることはできない。
・また、人間であるにも関わらず狼憑きに心酔し、
味方する者が紛れ込んでいる可能性もある。
【狂人】
狼憑きを援護するのを目的として
占い師などを騙り、嘘の結果を報告して
島を混乱させる。
なお、狼憑きが誰かは把握していない。
シアン「…と、こんなところでしょうか。占い師の力を借りて昼間に話し合い、疑わしい者を処刑。夜間に犠牲者が出なければOK、もし出てしまったら…また処刑者を決める話し合いが始まるわけです。」
ニキドラ「な、なるほど…?じゃあ早速、怪しいヒトを…。どうやって決めるんです??」
シアン「(ため息)時間が勿体ないのです。そろそろ話し合いを始めましょう。」
1日目 昼 へ
ニキドラ「船長ーー!!帰ります帰りまーーす!!」
今にも崩れ落ちそうなほったて小屋のトビラを力いっぱいノックして叫ぶ。まさか本当に月が赤くなるなんて!お魚食べにきたら自分が食べられるなんて冗談じゃない、1秒でも早く脱出するっきゃないっすよ!!
リンネ「そんなに焦ったって仕方ねェだろ。確かに月の色にゃビビったが…今んとこ皆無事だし、仮にオッサンの話が本当でも、狼憑きは夜しか行動しないって話だ。暗くなる前に帰りゃ問題ねェだろ?」
リンネくんはいつも冷静だ。あんなブキミな月を見てもクールに流せて羨ましい!ボクにはムリ!
リンネ「しかし妙だな。うっすい扉1枚隔ててこんだけ大騒ぎしてるってのに、起きる気配がねぇや。…まさか」
ニキドラ「リンネくん?扉に耳なんて当てて…イビキでも聞こえるんすか?」
リンネ「…聞こえりゃよかったんだけどな。ちょっとどいてろ。」
ボクが後ろに下がると、リンネくんは思い切りトビラを蹴破った。
ニキドラ「ちょっ、リンネくん!?小屋が倒れたらどうするんすか!ドリフみたいに!」
リンネ「おいオッサン、大丈夫か?…やっぱりな。ニキドラァ、最悪の事態だ。俺たち、当分島から出られねェぞ。」
小屋の中には、血の池に沈む船長の亡骸があった。
◆◆◆
ボクとリンネくんは皆を集めて、今朝見たものを説明した。
ニキドラ「…ってなわけで電波も通じないし定期船もないから、狼憑きに怯えながらサバイバル生活することになりましたとさ!!終了!!」
ラピス「うぅぅ…私たち、もう生きて帰れないんでしょうか…?」
シアン「そんなことないのですよ。つまり狼憑きとやらを見つけて捕まえればいいのです。そうでしょう?」
不安そうなのは海竜のラピスちゃん。お魚獲るのが得意だからムリ言って連れてきたんだけど、こんなことになっちゃって申し訳ないっす…。
デカいスカーフ巻いてるのは双頭竜のシアンちゃん。(自称)知性派なだけあって涼しい顔をしてますねぇ。あ、ちなみにスカーフの中では妹ちゃんが寝てるらしいっす。
シェド「そーすりゃ確かに犠牲者は出ねーでしょうけどね、狼憑きが誰かなんてどうやって調べるんです?わかんねえっしょ、そんなの。」
なぎさ「そうだね、どうやって切り抜けようか…?…ふふ、面白くなってきた。」
黒ヒョウに似た姿の彼はシェドくん。船の中で知り合ったんですけど、どうもおつかいで来たらしい?パシられた上にこんな問題に巻き込まれるなんて踏んだり蹴ったりっすね…
隣にいる白竜のなぎさちゃんはシェドくんのお友達で、勝手についてきちゃったみたいっす。でもラピスちゃんと違って全然余裕そうだから心配いらないっすねぇ。
リンネ「やり方はここに書いてある。」
そう言って机の上に血の付いた本を置くと、皆長い首を伸ばして覗き込む。
なぎさ「…古い本だね。これはなに?」
リンネ「船長のオッサンが握ってた本だ。大方赤い月を見て、慌てて伝承の本を引っ張り出したところで襲われたんじゃねェかな。」
シアン「ほう…。奇しくも状況は伝承と同じなのです。この本に従って、誰が狼憑きなのかを見定めるべきです。」
ラピス「そ…そうですね!船長さんのお話だと狼さんは夜に動くとのことですから、日が暮れるまでに行動しないと、ですね…!」
ニキドラ「なるほど…?じゃあ早速、読んでいきましょ!まずはルールを知らないとっすよね!」
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シェド「…へぇ、話し合った後に投票で処刑者を決めるんすねぇ。なんか揉めそうだけど。」
ニキドラ「???訳わかんないっす!!説明求む!!」
シアン「仕方ないですね…要点だけ言いますからしっかり覚えるのですよ。」
・この島には【狼憑き】が潜んでいる。
・狼憑きは外見では判断できないので、住人は日中に
話し合いを行い、怪しい人物を処刑していく。
・狼憑きは夜ごとに1人ずつ住人を殺害していき、
住人と狼憑きが同数になった時点で昼間でも
本性を表し、住人を全滅させる。
・住人の中には特別な力を持つ者が
いる可能性がある。
【占い師】
夜間、1人の人物が狼憑きか
否かを占うことができる。
【狩人】
夜間、1人の人物を狼憑きの襲撃から
守ることができる。
ただし自分を守ることはできない。
・また、人間であるにも関わらず狼憑きに心酔し、
味方する者が紛れ込んでいる可能性もある。
【狂人】
狼憑きを援護するのを目的として
占い師などを騙り、嘘の結果を報告して
島を混乱させる。
なお、狼憑きが誰かは把握していない。
シアン「…と、こんなところでしょうか。占い師の力を借りて昼間に話し合い、疑わしい者を処刑。夜間に犠牲者が出なければOK、もし出てしまったら…また処刑者を決める話し合いが始まるわけです。」
ニキドラ「な、なるほど…?じゃあ早速、怪しいヒトを…。どうやって決めるんです??」
シアン「(ため息)時間が勿体ないのです。そろそろ話し合いを始めましょう。」
1日目 昼 へ