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教室に入ると咲姫ちゃんを始めとしてみっちゃんも心配してくれていて
「おはよう」
「おはよ。朝から大変だったんじゃない?学校に来れるか心配だったけど、無事に来られたようね?」
「うん。零さんとヒロ君に『自分たち以外で誰か来たら連絡していい』って言われたの。そしたら学校じゃなくて家に来られちゃった」
「あちゃー…」
「でも、やっぱり怖いから電話したら本当に来てくれた」
「へぇ。そんな朝早くから誰が来てたのよ」
「ママの知り合いの人。あたしも知ってるんだけど怖いから極力関わりたくない」
「アンタにもそういう人がいるって言うのが分かって安心したわ」
「同感」
咲姫ちゃんもみっちゃんも酷くない?
「で、学校だったって言うのを思い出してそれを話したらヒロ君が連れて来てくれて、ヒロ君が遅れてきた理由を説明してくれた」
「でも単位は落とされるんじゃない?」
「ううん。補修を受けたらちゃんと単位くれるって言ってた」
「そう?」
ヒロ君の事だからしっかりと録音もしてあると思うけど
「もしそれで先生が嘘なんか言ったら大変だね?」
「確かに」
「なんで?」
だってママにも言わないし零さんやヒロ君にも言わないよ?なんて思っていると
「絶対にあの先生の不正とか調べそうじゃない?」
「確かに。『これが初めて』だなんて絶対に嘘だろうしね」
あ、それはあるかもしれない。なんて思いながらも
「あー、でも単位くれるなら零さんに勉強観て貰った方が早いんだよなぁ。零さんも忙しい人だけど」
「なんで早いのよ?」
「だって零さん、物凄く頭いいもん」
「「は?」」
「じゃ無かったらあたしの家庭教師引き受けてくれないでしょ?」
「そうかも知れないけど」
「なにがどうやって頭が良いって発想になるのよ?」
「え?だって中学、高校、大学、警察学校、全部主席キープしたまま卒業してるよ?」
なんならママが「警察よりも会社設立して社長でもやってた方がよっぽど良かったんじゃない」って言ってたし
「なんか凄い人と知り合いなのね?」
「うん」
しかも配属されているのが警察官関係だけど、公安だしね。色んなことを調べるのは簡単な事だって零さんも言ってたけど
「知り合いなのはママを介してだけどね?」
「確かに」
「まさかその『零さん』が好きなの?」
「ううん。全く違う人。だけど、お巡りさんだよ」
「それはまた…」
「4年も片思いしてるだなんてきっと彼は想像もしていないだろうからさ」
「そうね?」
「でも、その思いを伝えないって言ってたけど、伝えて貰えない人はどんな思いでいるかなんて私たちよりもショックを受けるのかもしれないのよ?」
そうだけど。それでも14歳も離れた年下の子供に好かれてもきっとヒロ君には迷惑でしかならないと思ってるし
「そう言えばそのお巡りさんは望月が将来なりたい物を知って居るの?」
「そのための資格は取りたいって言うのは話してあるけど」
「そう」
きっとこの資格を取れば、ここじゃないどこかでも働いて行けるのは確かだ
「まぁ言う、言わないも望月次第だけど。それで言わないで黙っていなくなったら相手がどう思うのかも分からない望月じゃないでしょう?」
「まぁね」
その時にはあのコードネームを使う事になるのも事実だけど
「本当はね、ママからアメリカの学校に戻って欲しいっていう話も出ているの」
「なんだって」
「アメリカの学校は高校生までが義務教育だから一貫している学校が多いの。それに始まりも9月からだし終わるのも6月。飛び級って言うシステムもあるからそういうのを使ってもいいって教えてくれた」
「そんな便利なシステムもあるのね」
「うん」
きっと早く卒業してその資格を取るための時間に充ててもいいと思ってくれているのかもしれないけどそこら辺は謎だよね
「ママがあたしを泣かせなかったらこのままこの学校でもいいってその人には言ってくれてたよ」
「あんたって意外とママ大好きでしょ」
「大好きだもん」
本当のママとの記憶なんてほぼ無いに等しいけど、ずっと美人な優しいクリスがママで良かったって思ってるんだよ
「じゃあ、その人が泣かせたりなんてしたら」
「確実にあたしはママとアメリカ行きが確定しちゃう」
「でもなんでアメリカなのよ?」
あ、そっか。これはまだ皆にも話してないんだっけ
「あたし一応アメリカの国籍も持ってるの。それでアメリカだと高校卒業までが義務教育でね?あたしは一応まだママの庇護下の中にいる状態なの」
「でもこっちでは一緒に生活してないじゃない」
「そりゃだって、アメリカの大女優クリス・ヴィンヤードがあたしと一緒にいたらビッグニュースになっちゃう。あたしがママの娘になった時だって凄かったのに」
あの時は何故か日本ではそんなニュースにならなかったって聞いてるけどね?ジンやウォッカから
「へぇそうなの」
「うんそう。だから日本にいる間は一緒には生活をしないけど同じ生活圏内で過ごしてることは確かだよ」
「それも意外」
デスヨネ?
「そんなママと一緒だし、アメリカに戻ればママと一緒の生活も出来るから。泣かせたらアメリカに連れ戻されちゃう」
「そういう事ね」
「まぁ、登下校で咲姫ちゃんと一緒にいたいって言ってあるから暫くは大丈夫だと思ってるけど」
「その暫くがいつまで持つかよ。問題は」
「そうねぇ。あの帝丹高校の高校生探偵が急にこっちに戻ってきたのだって相当なニュースになっていたようだし」
「へぇ」
「アンタもしかして知らないの?」
「うん全く興味ない」
「結構なニュースにもなってたわよ?あの高校生探偵工藤新一が帰って来たって」
ふーん……?
ん?
「工藤…新一…?」
「そうよ?なぁに?流石にこの名前くらいは知ってた?」
「知ってたと言うか。ママが特段気にかけていた人でもあるけど」
「は?」
「去年かなぁ?夏休みにアメリカに1度ママと帰った時に多分その人に会ってるんだよね」
「へぇ」
そしてきっと昨日会った彼がその工藤君なんだと思っている
「でもまぁ。あんたが泣かされない限り日本にいるのも分かったし、まぁ泣かされても咲姫やあたし達にもちゃんと言いなさいよ?」
「え?」
「じゃ無かったらあんた1人で抱え込むか。黙ってあたし達の前からいなくなるつもりなんでしょ?」
うぅ…バレてる…
「だからそうなる前にあたし達には言いなさいよ?」
「ありがとう。でもきっとみっちゃんにも咲姫ちゃんにもあたしは言わないでママにしか言わないと思う」
「な!?」
「もしあたしが咲姫ちゃんやみっちゃんに話をして零さんたちに隠し通せる自信ある?」
「無理ね」
「ないわね」
「うん。だからママにしか言わない」
「そう」
ママはきっと零さんにもヒロ君にも何を聞かれても答えないでいてくれるであろうと思ってるけど
「まぁそんなことにならないようにしたいけど」
「そう言えば望月の好きな人も警察官なんだっけ」
「うんそう。その人にさえ泣かされなければ何も問題はないかな」
「そう。そうならないように私たちも応援する」
「ありがとう」
学校が終わり補修のために職員室に入ると
「補修?そんなのある訳が無いだろう」
そう言って来た教師は、今日の最初の授業を受け持っていた先生だ
「な!」
「まさかあの男に言った言葉を本気にして受け取ったのか?冗談じゃない。遅れて来たのはお前の落ち度。よって補修もさせるつもりは無いし、今日の分は減らされる」
そう言ってきて
「じゃあいい」
「ほう。聞き分けが良いな?佐久間。遅れてきたことを後悔してるいい」
「あたしは後悔なんてしませんけどね」
「何?」
「どうせ、帰ってからあの人たちにも会うし、ママにも会うので。そこで今の会話の録音聞かせます」
「は?」
「自分で言った事ですよ?後悔するのは先生でしょう?」
「それじゃ、失礼します」そう言って職員室を出て学校を出ると
「随分と早く終わったのね?」
「先生に嘘つかれた」
「「はぁ!?」」
「でもいいんだ。ママにも言うし。こういう時に頼りになる
「へぇ」
公安をなめていると痛い目に合うのは、向こう側だ
「じゃあ今から行くの?」
「勿論。制服のまま行って来る」
「そう。気を付けて」
「ありがと」
2人と別れて入った警視庁の内部で
「どちら様でしょう?」
「あ、すいませんが。諸伏さんはいらっしゃいますか?」
調べて貰っている最中に
「諸伏さんなら来ていますが、今日は面会の予定は…」
なんて言って来た受付の人に
「問題ない。諸伏さんから我々が聞いているからな」
「そうでしたか」
そう言われて、公安部の方に案内をされると、いつもと違ったヒロ君の顔にドキッとしたけれど
「諸伏さん」
「なんだ」
「お客様がお見えになられていますが」
「客?今日は誰とも会わないはずだろう?風見」
いつもと違う声色にショックを受けたのも事実で、慌てて逃げるように警視庁から出て隣にある警察庁に行くと
「佐久間?」
「れ…さん…」
「どうしたんだ?ヒロなら隣で仕事してるはずだろう?」
「さっき行って来たんです」
「ほう」
「そしたら『今日は誰とも会わないだろう』っていつもと聞いてる声が違くて」
「怖くなって逃げ出して来たか」
「はい」
零さんと一緒に歩いて仕事部屋に入れて貰うと
「それで俺の所に来ても大して変わらないだろう?」
「実は、学校の先生に嘘をつかれて」
「は?嘘?」
「はい。今朝ヒロ君が先生と話をしてくれて今日補修を受けるように言われていたんですけど」
「それを真に受けるなと。そういう事か」
「ハイ」
「やってくれるな」
「零…さん?」
零さんの方を見ると何となく起こっているようにも見えている表情で
「あの…?」
「問題ない。すぐに解決してやるさ」
へ?
「妹を泣かせようとする馬鹿に容赦する必要が無いからな」
そう言っていた零さんは
「今から1時間以内で学校内での騒動を片っ端から洗っていくさ」
「できる?」
「当然だろ?」
「そうだ。これも証拠になったりする?」
そうあたしが渡したスマホのボイスレコーダーには先ほどの先生の声が録音されている
「十分な証拠だ」
そう言ってくれた零さんは色々と調べ始めていて
「ヒロ君からの電話、出たくない…」
あんな声を電話越しに出されたらそれこそ…
「頼むから電話には出てくれよ望月」
「!?」
「随分と遅かったじゃないかヒロ」
「こっちに来ているとは思わなかった」
「そうか」
あたしを後ろから抱きしめてくれているヒロ君は
「でも今日は会う約束してrないだろ?」
「今朝、佐久間を送っていった帰りに教師たちに佐久間の補修関係の話をしているだろう」
「あぁ。今日中に補修を受けさせてやって欲しいとは伝えているが」
「その教師に嘘をつかれたらしい」
零さんの言葉に雰囲気が変わったヒロ君
「そのことでお前に会いに行ったらしいがお前が誰にも会う予定がないと言った事で俺の所に来たという事だ。俺は今からその教師の事で調査に入る」
「おいおい」
「すぐに済むことさ」
そう言った零さんは何かを色々と調べて始めていて
「終わったぞ」
その間はヒロ君が勉強を見てくれていたからあたしは大丈夫だったけどヒロ君のお仕事は平気なんだろうか?
「ヒロ、佐久間。支度をしろ」
「支度?」
「学校に行くのか?」
「あぁ。妹を泣かされたんだ。それ相応の事を返されると思うといい」
零さんの車に乗り込んで再び来た学校の中に入る前に
「佐久間」
「はい?」
「話を合わせておけよ?」
「話…ですか」
「あぁ。今この瞬間はお前は俺の妹だ」
「零さんの?」
「そうだ」
「分かりました」
学校の中に入ると
「また来たのか佐久間。補修の件は…」
あたしの後ろから来てくれた零さんは
「初めまして。妹がお世話になっております」
「妹?」
「えぇ。佐久間望月は俺の妹ですよ。そして今朝望月を送って来た奴からの報告では補修を今日中にと言って来たと言われていますが」
「えぇ。だが」
「そうですね。我々も早々時間を取られるわけにはいかないので完結に言いましょう。先ほど望月が泣きながら俺の所に来ましてね」
「は?」
「補修をするように頼んでくれていたのに放課後になって補修はしないと、とある教師から言われたと」
「そうだな。確かに俺は頼まれてそう言っている。事が事だったから欠席扱いにはしないでくれと言っているはずだが」
なんだろ?零さんとヒロ君が揃って静かに怒ってる姿がとても怖い…
「そんな言葉いくらでも」
「お前たちは嘘を付けるな。まぁそれが一般人ならそれで事が済む話だ」
「何?」
「だが望月が俺達にそれを泣きながら話に来る。それは兄である俺達に信頼を置いている証拠だ」
「何が言いたい」
「俺達は嘘が嫌いな職業なんでな」
「お兄ちゃん?」
「もう少し我慢していろ」
「ぁぃ」
我慢していろ。と言うのはきっともうそろそろ片がつくという事だろう
「お前が喧嘩を売った相手が間違いだったな?」
「だから何が言いたいんだ!」
「俺達は警察官だ。そして泣かされた望月は俺の妹。しっかりとお前が放課後に望月に言っているボイスレコーダーも証拠として我々が預かっている。それと同時にお前の不正も全て調べ上げている」
あの短時間でどこまで調べ上げたんだろう?
なんて思っていると
「おいおいゼロこの資料を俺に渡して来るなんざどういう」
「望月の為さ」
「あ?」
「この教師に嘘をつかれたと泣いて公安に来たくらいだ。それも
「へぇ」
あ、これって松田さんも怒らせちゃいけないタイプの人だ
「だからって」
「当然、ヒロの所にも行ってるからな?望月が誰よりも信頼してるのはそういう事だろ」
「だろうな」
なんで何も話してないのにそこは納得しちゃうの?
「だから、その資料と望月の持っていたボイスレコーダーを証拠にこの教師の不正をさらけ出したんだろ」
そう言った零さんの言葉に職員室にいた他の先生たちもガヤガヤとし始めていて
「まぁこんだけの調査報告書がありゃ逮捕するには十分だな」
「んだと!」
「お前が喧嘩を売った相手が悪かったな」
ガチャリと手錠を掛けられた先生はあたしの方をにらんでいて
「こあぃ…」
「悪い悪い」
その奥から出て来た校長先生と教頭も何が何だか分かって居ない様子で
零さんとヒロ君が先生たちに事情を説明すると
「今からでは出来ないので、明日の放課後はどうでしょう?」
そう言ってくれたのは学年主任の先生だ
「望月がそれで善いと言うのなら」
「あたしは明日でも」
「ではそのようにしましょう」
零さんとヒロ君に送ってもらうと
「今日はありがとうございました」
「いや」
「佐久間」
「はい?」
「妹だと思ってるのは本当の事だからな?」
え?
「ママには?」
「言わないでおく。言ったら心配してここ迄乗り込んでくるだろアイツの事だから」
あ、それもそっか
「望月」
「うん?」
「明後日、家まで迎えに行くから待ってろ」
「なんで」
「開けておけって言っただろ」
そう言えばそんな事言ってたけど…
「だから待ってろよ?」
「あ、はい。待ってますね?」
「あぁ」
玄関まで2人を送り届けると
「お仕事頑張ってくださいね?」
あたしがそんな事を言うとは思わなかったのだろう。少しだけ止まっていたけれど
「あぁ」
そう言って帰って行った2人を見届けると、適当に夕飯を済ませてシャワーを浴びて次の日の用意をすると
部屋に飾ってあるママとの写真を見る
「この時なんだよね。工藤君と初めて会ったの」
まぁ工藤君は覚えてないかもしれないけど
「まぁあの時はママもあたしも変装をしていたしきっと気づいてないか。しかも工藤君あの時彼女と一緒にいたしね」
この家にはママと一緒に撮った写真も沢山あるし、組織として言っていた海外での写真もある
「そう言えばヒロ君と一緒に出掛けたのなんて数える程度だったんだっけ。零さんもそうだけど」
いくらヒロ君の外見があたしのタイプ、ドストライクだからってって思って、まぁ中学に入る時期もあって会わないままでいたんだっけ
==
翌日学校に行くと
「ねぇねぇ聞いた!?」
「何が?」
おはようと言った直後の会話に昨日の話が話題になっていて
「へー」
「望月なら何か知ってるんじゃないの?」
「知ってるけど、言っちゃ駄目って言われてるから」
「何よソレ」
「だって相談した相手が相手だもん」
「どういう事よ?」
「そう言えば夕方から刑事部が忙しくなってたってパパが言ってたけど」
「まーそうだね?」
「だから」
「絶対に他の人に話しちゃ駄目だよ?」
「え?」
「あの後に泣きつきに行ったんだよ。警察まで」
「「はぁ?」」
「それも警視庁じゃなくて、隣の警察庁の方にね」
「なんだってまた」
「そっちの方がいろいろと良かったんだよ。まぁその前に警視庁の方にも行ったけどね」
ヒロ君が頼んでたし
「あ、そうなんだ」
「うん、そう。で、泣きついたらすぐに調べてくれて色々としてたみたいだねぇ?って感じで刑事さんに連れて行かれた」
「は?」
「で、学年主任の先生が今日の放課後に絶対に補修するって言ってくれた」
「じゃあ今日こそはしてもらえるのね?」
「うん」
お昼は今日は調理実習があるからと持ってきていないあたし達
「でも今日はあんたルンルンだね?」
「調理実習好きだもん」
「そう言えば確かにあんた好きだったわね」
「でも望月の作るもの美味しくて私も好きよ」
わーい
「何作ろー」
この学校は先生が持ってきてくれる材料で好きな物を作って良いっていう調理実習方法だから意外と何でも作れるんだよね
「あ、でもキノコ類は絶対に入れないからね」
「はいはい」
調理実習で先生が出してくれたのはまぁ色々とだけど
「んー…」
なにしよう…
「早く決めないと取られるわよ?」
手に取ったのはひき肉と玉ねぎ、パン粉に卵。
「んー…ハンバーグ、肉詰め、メンチ、肉団子…」
「ハンバーグ!」
3人揃って同じ回答を得られるとは思わず
「じゃーハンバーグね!タレは…」
暑くなってきたし大根おろしでいっか。と思って大根も持って行くと
周りの子は「あれで何作るんだろう?」
「結構な種類言ってたけど」
なんて言っていて
「ホントあんたと同じ班って得よね?」
「確かに。望月がほとんどしてくれるから私たち食器出して待ってるだけだもの」
アハハ…
作ってくれている間に、ご飯を炊いてくれている咲姫ちゃんに感謝だ
「スープいる?」
「「もち!」」
ハンバーグを焼き始めたあたしは前の方を見ると余っている材料があるか見ると不人気のミックスベジタブルがある
「あれ貰って来る」
「は?」
ルンルンでミックスベジタブルを取るとそれこそ「あんなの使いようがないじゃん」って言うのが聞こえて来ていて
お鍋に水を入れて沸騰させてからミックスベジタブルを投入。そこにコンソメを2かけ入れて煮込んで行って、塩コショウで味付けした後、めっちゃ沸騰させた直後に火を止めて溶き卵を入れていく
「おぉー」
「さっすが望月」
「へっへー」
ハンバーグも出来上がり、ご飯も炊きあがった所で
「何か足りない?」
「んー…」
「あ、サラダがないのか」
「マジだ…」
「残った大根で作れるけど、他のお野菜ないよ?」
「あー…」
「余ったのならあげるけど」
余ったニンジンやレタスやら貰って大根のサラダを簡単に作り上げると
「あんたってホントなんでも器用に作るわよね」
「ママにも同じこと言われる」
まぁ、ママの場合レストランでの食事がメインだからあまり作らせてくれないけど
「じゃ、食べよー」
お昼ご飯を食べた後はあたしが作ってるからって食器を洗わせてくれない咲姫ちゃん達
「意地悪」
「意地悪じゃないの。同じ班なんだから当然でしょ」
片付けも終わって教室に戻ると
「ち…ちょっと、ちょっと!大変!」
そう言ってきているのはクラスの女の子で
「何が大変なの?」
「あのアメリカの大女優が来てるんだけど!」
アメリカの大女優?
「その人ってまさか」
「そのまさかよ!アメリカの大女優クリス・ヴィンヤード!」
席に着く前で良かった。そう思ったのは
「行っておいでよ望月」
「そうする」
「へ?なんで佐久間さん?」
走ってクラスを出ると丁度よく保護者の入り口から入って来るママを発見
「ママ!」
そう言って思いっきり抱き着くと
「あらあら」
「「ママ!?」」
クラスの人たちも集まって来ちゃった廊下は騒然としていて
「全く、私の娘は一体いつからこんな甘えたさんになったのかしら」
「それよりも!なんでママが学校に来てるの!?」
「ふふ」と笑ったママは
「あなたが教師に嘘をつかれて泣かされたとあの2人から連絡が入ったのよ」
あの2人というのはきっと零さんとヒロ君だ
「ちょっとそのことで話をね」
話?まさかとは思うけど
「やぁね。私は諦めてないわよ?貴方がアメリカの学校に戻って来るの」
「やっぱり…」
それを聞いていたクラスの人たちはそれにも驚いていて
「アメリカの学校なんて」と口々に言われている
「ヒロ君に泣かされなかったら行かないもん」
「相変わらずアイツ一筋なのね」
「ママは知ってるじゃん。あたしがヒロ君をずっと好きなことくらい」
「当然でしょう?」
さっすがママ
「まぁ今日の所は話だけだし」
「一緒には帰らないよ?」
「あら知ってるわよ」
と言うかママが単身でここに来るとは到底思えないけど
「バイク?」
「まさか。ちゃんと足を使ったわよ」
やっぱり…
「あの人たちを電話1本で呼び出すなんてなかなかできないよ」
「そうかも知れないわね」
「それじゃ私は話しに行って来るわね」と職員室の方へ向かって言って行くママを見届けると
「ちょっと佐久間さん!」
「はい?」
「『はい?』じゃないわよ!」
「なんであのクリス・ヴィンヤードと対等に話せるのよ?」
「しかも『ママ』って何!」
「ママって何?ってえ言われても、ママはママだし。そりゃママだもん、対等に話せなかったら親子じゃないもん」
「それもそうね」
「って言うか!望月!」
みっちゃんにいきなり話を振られるとは思わず
「『ヒロ君』って誰なのよ!」
「ヒロ君はヒロ君だよ?」
「だぁ!そのヒロ君が誰なのか白状しなさい!」
「やだ」
「『やだ』とは何よ」
嫌なものはイヤなんだから仕方がないじゃない
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