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「だがなんでベルモットはお前を全寮制の学校に入れtた」
「FBIにいる赤井さんならお判りでしょう?アメリカは銃社会。どこでいつ狙われるか分からないのも事実だったからだとあたしは思いますけど」
「どういう事だ」
「アメリカの学校は基本、親の送迎かスクールバス、そして全寮制の学校に入るかのどれかなのよ」
「へぇ」
「あたしの場合、ママがお仕事でいない事もあって毎回学校に送れないしスクールバスで何かあっても困るからって全寮制にしてくれてたけど」
「そうだったのか」
「えぇ」
そして外に出ると
「全く、心配かけさせるんだから」
「ママ!」
「「ベルモット!/ヴィンヤード!」」
言われているママは
「あらやだ。私、降谷には連絡をしたでしょう?私を捕まえれば望月が貴方達の前から姿を消すって」
「そうだったな」
「捕まえるつもり?私はそれでも構わないけれどすぐに望月は貴方達の前から消えるわよ?」
「それでもいいの?」そう言ったままの顔が本気だったのがこあい…
「俺達は困らないんだがな」
「でしょうね。困るのは公安の方。特にヒロミツ貴方はね」
「どういう事」
「そのままの意味よ。さて、帰るわよ?望月」
「はーい」
ママからヘルメットを受け取って被る前に
「はにゃ?」
「あらやだ」
あたしを引っ張ったのは
「ヒロ君?」
「ようやく望月に名前で呼んでもらえるまでになった訳ね?ヒロミツ」
「うるさい」
あたしのことを抱きとめている形でいるヒロ君の顔を見ることは出来ないままだけど
「望月」
「ママ?」
「ヒロミツはあなたと一緒にいたいそうよ?」
「無理!」
「それを聞く俺じゃないって知って居るだろ」
「あらだから週末だけ許可してあげたじゃない」
「週末だけで足りるわけがないだろ」
それを聞かされている周りの人たちが固まっているのが雰囲気で分かってしまった
「降谷君、俺達は一体何を」
「見せられているのかしら」
「諸伏はベルモットの娘が好きなんですよ。たまたま遭遇した時に彼女と諸伏を再会させてからずっとこんな感じですよ」
「へぇ。あの諸伏がねぇ」
なんて言われているヒロ君
「一緒に住むと言っただろう」
「駄目よ。まだこの子は高校生なんだから諦めなさい」
「諦めるなんて無理に決まってるだろ」
「なら週末だけで我慢なさい」
「無理」
「諦めが悪いぞ諸伏」
「諦められるわけがないだろ?4年もあって無かったんだから」
「4年も会っていないってなかなかだぞ?」
「そうねぇ。確かに4年って結構長いわよ?」
「だからだろうな。再開してからというものずっとあんな感じだ。名前で呼んでもらっているのもここ最近のと言うよりもほぼ昨日からようやく読んでもらっている感じだからな」
「それは、諸伏が離れたがらないわけね」
「それだけじゃないんだけどな」
そう言ったヒロ君はあたしを捕まえている腕の力を強めていて
「いたいっ」
「あ、悪い」
きっと悪いだなんて思ってないもん。ブスーっとしていると
「確かに組織では見せていない様な顔も諸伏君には見せているようだな」
「あんな顔をするのは私も初めてよ、見るのは」
「お前でも見たことが無かったのか」
「ないわね」
「へぇ」
「でも」と言ったママはあたしを取り合えず家に戻さなくちゃいけないからとバイクに乗せてくれて
「そうね。少しこの子の今後の事もあるから、降谷でもヒロミツでもどちらでもいいから来るといいわ。でもまぁあんた達の場合2人で来そうでもあるけれどね」
なんて言うママはきっとアメリカに戻るつもりなんだろう
「今後って何だ」
「今後は今後よ?もしかしたらアメリカに戻る可能性だってあるのだから」
アメリカに戻る。それはきっとこの日本にはもう戻ってこないであろう話をすると言う事だ
「相違言ったときの話をしましょうか。私さえ捕まえなければこの子は貴方達から逃げると言う選択をしないでしょうしね」
「それさえなければ堂々と捕まえるんだけどな。ヴィンヤード」
「残念ね」
バイクにまたがったあたしに
「後で行くからな」
「待ってますね?」
ただ、あたしが部屋にこもっていなければの話ですけど。幸いにも明日はテストの関係とかいろいろあってお休みだ
「逃げるなよ」
「ママがいるのに逃げる必要性がないので」
「どうだかな」
どうだかなって言うのはどういう事。なんて思いながらも家に帰ると後ろから追いかけて来た車
「ママ?」
「どうかした?」
「気のせいかな?赤井さんたちもいるように見えるのは」
「気のせいじゃないでしょうね。組織解体するのに珍しく共闘していたもの」
「へー…」
「でもヒロミツは組織解体直後に、あの組織内を探っていたのよ」
「へ?」
バイクから降りて
「だってほらヒロミツってばあなたの事が好きだし、中にいたらどうしようかと思って心配したんじゃない?」
そうなのかな?玄関に入ろうとすると
「随分と早く着いたのね?」
「やっぱりヒロ君もいたんだね?」
「当り前だろ?」
城の車から降りて来た零さんは
「ヒロ、危ないだろ!しっかりと泊まっていない車から降りるだなんて」
「仕方がないだろ?望月がどこかに行ってしまうなんて俺は考えたくないんだから」
「それはお前だからだろ?」
なんて話をしていると
「赤井さんたちは入ってこないんですか?」
「ヴィンヤードとしての話は俺達になんだろ?」
「そうよ?」
「アイツらはおまけみたいなものだ」
おまけで片していいような人たちじゃないと思うんだけど…
零さんやヒロ君達が気にしていないようだから良いのかもしれない
「でもお腹すいた」
「そうね?」
「ご飯食べたい…」
白いホカホカのご飯をおにぎりにしてそれだけでいいから食べたい
「お前、まさかそれだけって言うんじゃないだろうな?」
「え?」
「おにぎりだけって言うんじゃないだろうな?」
「そうですよ?1人での生活なんてそんな物じゃないですか?」
「そんなのある訳ないだろ」
なんて勝手にキッチンに入って冷蔵庫を見ると色々と取り出していて
「俺も手伝おう」
「助かる。望月は大人しく座って待ってろ」
「じゃあ、着替えてくる」
キッチンを出て部屋に入るとすぐに部屋着に着替えて制服をハンガーに干してキッチンに戻るといい匂いがしてきていて
「お腹すいた…」
「望月が其処まで言うなんて珍しい事もあるのね」
うぅ…
「だっていい匂いしてるんだもん」
「そうね。望月の場合胃袋を掴むんじゃなくて掴まれちゃったのかしらね?」
「けど、今日の早朝に警察庁に弁当届けに来たもんな?」
「は?お弁当?」
あ、これもママに言わなくちゃ駄目だった?
「まぁ言わなくても渡す相手が誰かなんて分かって居るからいいけれど、他の人にそんなことしちゃ駄目よ?」
「はーい」
いろいろと作ってくれたヒロ君はあたしの食べたいと言っていたホカホカの白いご飯のおにぎりも作ってくれている
「わー!」
「いただきます」を言おうとしたのに何故かヒロ君があたしの隣に座っていて
「ヒロ君?」
「なんだ」
「食べにくい」
「気にするな。ちゃんと食べるか見ているだけだ」
見られてたら余計に食べにくいんですけどねぇ?
「いただきます」
おにぎりだけ食べて「ご馳走様」をしようとすれば
「むぐ?!」
お箸を持ったヒロ君は一緒に持ってきていたおかずをあたしの口に入れて来たのだ
「いっぱい!」
「じゃないだろ?」
食べたと思えば次を入れられていく
「やぁね降谷。私たちは何を見せられているのかしら」
「さぁ?」
「でも」
「でも?」
「ヒロはあの時、佐久間に出来なかったことをしてやりたいんでしょうから。俺は何も言いませんよ」
「あら奇遇ね?私も何も言うつもりは無いわよ。望月が私の所に逃げて来なければね」
御盆に乗っていた小鉢の中身全てを食べつくさせたヒロ君は満足している顔をしていて
「ヒロ君の意地悪!」
「はいはい」
「絶対分かってない!」
「あら、私は反対しないわよ?望月の恋人になるのはヒロミツでも降谷でも」
「な、なんてこちょ…っ」
か、噛んだ…っ恥ずかしくて下を向いたあたしに
「ふふ」と笑ったママの所に逃げようとするも
「逃がしてやらない。と言うかこんな生活してるの、俺心配。やっぱり一緒に生活…」
「駄目よ」
「無理!」
あたしとママの声がかぶって言うと
「一緒に生活をすると言うのなら、その前に私がアメリカに連れて帰るわ」
「それこそ論外だろ」
あ、あたしがアメリカに帰るのは論外なの!?
「あらなんで?18歳までは望月は私の庇護下にあるのよ?」
確かに、アメリカでは18歳までは義務教育。だからこそ18歳まではママの庇護下にあるけれど
「ヒロはただ佐久間と離れたくないだけだろ。4年も会ってないからって」
「言うなよ」
あ、そうなんだ?
「さてと、本題に入りましょうか」
「佐久間の今後についてと言っていたな」
「えぇそうよ?降谷ならどうせ知っているかもしれないけれどアメリカの学校が秋に始まるのは知って居るわね?」
「たしか9月はじまりのあああ6月終わりだったな。早い所は5月の終わりだったか」
「えぇそう」
「だが」
「その後が重要なのよ」
「その後?」
「あの子が資格を取りたいと言う話は」
「あぁ聞いている。調理師になりたいと」
「そう。でもその資格も日本とアメリカでは違う事も知って居るでしょう?」
「だろうな。だが同じ資格でも今後も生活する場所で取った方が身の為じゃないか?」
「そうよね」
なんて話をしているけど
「俺が望月をそう簡単に手放すとでも?」
「手放しそうね」
「寧ろ逃げられるほうが先じゃないか?」
「お前までそんな事を言うなよ」
「だがヴィンヤードの言うアメリカの学校に通わせてしまえば、日本の高校生が本来学校に通っている間には既に卒業鵜が出来て」
「早く一緒に住んでもいいという事か」
「望月がそれを望むのならね」
「やだ。今の学校に咲姫ちゃんと一緒に通って、一緒に卒業して卒業写真撮るんだもん」
「だ、そうだから。諦めなさい」
「ねぇママ」
「どうかした?」
「なんでヒロ君はあたしと一緒の生活に拘るの?」
「一緒にいられなかった分を取り返したいだけなのよ」
取り返したいだけ?
「意味が分からない」
「そのうち望月にも分かる時が来るわ」
「なのかな…」
「そうよ。でなきゃ一緒に生活がしたいだなんて言うはずがないでしょ?組織にもぐっていた時だって仕事人間だったヒロミツが」
「そうだよね!」
「「納得するな」」
え?しちゃ駄目だった…?
「でも何もしなければ、彼女もヒロから逃げないという事だろ」
「そうみたいね。今だってあんな事を言っていたわりに逃げ出しては来ないようだし」
いやいや逃げ出したいんだよ?だけど逃げ出せないのはヒロ君があたしの腕を掴んで話してくれないからで
「ベルモット」
「なによ?」
「お前を組織の連中が捕まえない代わりに、俺達2人からの提案だ」
「提案?」
「平日に朝から時間を取れる日はあるか」
平日の朝から時間を取れる日…?
「あるにはあるわよ?でもそれがいったいどうしたって言うのよ?」
「あたしに隠れてママを捕まえ…」
「捕まえない。捕まえない代わりに俺達公安に事情聴取だけとりたい。あいつ等と同じく黙秘権無しでの取り引きだ」
「いいわよ」
「ママ!?」
「話を聞くだけならいくらでも時間は作るわ」
「そうか」
零さんとヒロ君で顔を見合わせていて
「気になるか?」
「本当にママを捕まえない?」
「あぁ」
「それは約束する。赤井達が来ない日のジンたちの取り調べの日。その日にお前と話がしたいだけだ」
「あなたたちの取り調べる日は一体いつなの」
そう聞いたママに「明日と明後日だ」と答えていた零さん
「なら明日、時間を作るわ」
「分かった」
「望月」
「零さん?」
「そんな不安そうな顔をしなくていい」
「だ…だって!」
「俺もヒロも嘘は言わない。それはお前も知って居るだろう?」
「はい」
「それでも不安だって言うなら明日聞きに来ればいい」
「ママを捕まえたってなったらスマホに速報で入って来るでしょう?」
「そうだな」
「なら聞き取りが終わったらお前にも連絡を入れよう。それがない限り警察庁にいると思ってくれて構わない」
「いいんですか?」
「あぁ」
「なぁ望月の今後って」
「ヒロミツ、あなたが望月を好きな事は組織にいた頃から知って居ること。もし仮にこの子が18歳になるまでにヒロミツを好きにならなければその時は諦めなさい。この子には自分から好きになった人と結婚して欲しいもの。望月がヒロミツを好きになったのならその時は祝福するわ」
「そうか」
「ママ!?」
「いいじゃない。あなたが18歳になるまでは2年半あるのだから」
それはそうかも知れないけど
「それまでに望月がヒロミツを好きになるか、ならないかだけの事よ」
そう簡単じゃないんだよ!?ママだって知ってるじゃん。あたしがスコッチが初恋だっていうことくらい。それは組織にいたジンやウォッカたちだって知って居ることだもん
「うぅ」
「なら俺の事を好きになってもらうまでだ」
あれ?好きになるってそういう事だったっけ?
「でもまぁ望月が貴方達に本名を教えている時点で少なからず見向きはしているようだしね」
「そうか」
「でも赤井や水無たちには気を付けておきなさい」
「え?」
「赤井も水無も既に望月が組織の人間でコードネーム持ちだったこともしっている数少ない人間の1人。そして私の娘であることも知って居る人間でもあるわ」
「そうだな。あの時はそれに驚きもしたけどな」
「そうでしょうね。特に赤井に関しては執念深い所もあるから学校が特定なんてされたら望月の学校生活が駄目にされそうだわ」
「それはいただけないな。けど」
けど?
「望月、俺の番号は知って居るな?」
「零さんの…?」
「あぁ」
「去年使っていた番号なら」
「それでいい。その番号にかけて来い」
「いいの?」
「赤井や水無が来たらすぐにその番号にかけて来い。迎えに行く」
「分かった」
零さんがそういうという事は、きっとおじ様たちにかけても訳が分からないという事だろう
「なんならヒロでも構わない」
「ヒロ君?」
「そうだ。ヒロも望月の通っている学校は知って居るし、今の話を聞いていればなんとなくは分かるんだろうからな」
「あぁ」
あ、でも
「ヒロ君の番号知らないから零さんを呼ぶしかな…」
「俺のを入れておくからスマホ出せ」
有無を言わさないで出させる辺りそこら辺はスコッチの所とあまり変わらないのだろう
「はい」
そうスマホを出せば、カチカチと何かをしているようで
「俺のを登録してある。何かあったらすぐに連絡して来い」
「あ、はい」
「こりゃ、ヒロの奴本気だな」
「そうなんですか?」
「あぁ」
あぁと言われましても…
「まぁじゃあベルモット。明日」
「何時でもいいわよ?ただし」
ただし?
「この子が学校に行っている間に頼むわね」
「8:30くらいには来てもらえると助かる」
「分かったわ」
零さんとヒロ君を玄関まで送ると
「望月」
「はい?」
「明日朝来る」
朝来る?
「赤井や水無もこの家を知って居るという事は」
この家にいつでも入って来ようと思えば入って来られる。あの2人はそういう組織の人間
「分かりました」
「それと」
それと?
「弁当美味かった」
「!!」
「ありがとうな」
「あ、いえ…」
「そう言えばヴィンヤードはどこに泊まっているんだ」
「私は日本にいる間はホテル住まいよ?それは望月も知って居ることだもの」
「道理で一緒に生活をしていないわけだな」
「そういう訳です」
なんて話をした後
「ヴィンヤードもホテルまで送ってから戻る。ヒロもあまり遅くなるなよ」
「あぁ」
零さんとママを見送ると、赤井さんたちも車の中に乗り込んでいて、きっとそのまま返ってくれるだろうと思っていると
「なぁ」
「はい」
「調理師の資格を取りたいと言っていたな?」
「そうですね。ただそういう場所でバイトもしていないので少し長い道のりにはなりそうですけど」
「そうか」
「高校卒業して大学に入ってからという事だろ?」
「そうなりますね」
「明日ヴィンヤードにも相談は持ちかけるが」
「はい?」
「お前は多分警察庁の方がいいと思うが、警察庁や警視庁での食堂でバイトをしてみたらどうだ?」
「え?」
「1番は俺の目の届く範囲にいて欲しいって言うのが本音だ」
目の届く範囲…
「監視って言う意味じゃない。ただ俺が傍にいたいって言うだけの話だ」
「でも…」
「さっきもお前が話していた通り、咲姫ちゃんと一緒の登下校をしたいと言うのなら平日じゃなくて休みの日にバイトをするのもありだろう?」
「でも…」
「ゆっくりと決めればいい。この話をしたことを明日ゼロやヴィンヤードには伝えておくから」
「分かりました」
ヒロ君を見送った後、明日の支度を済ませて食器を洗った後明日のお弁当のおかずを決めて寝たあたし
==
翌朝、お弁当を作り終わった後制服を着た直後になったチャイムに出ようとインターホンを見ると
「赤井さん…?なんで」
まだ出る前で良かったかもしれない
「取り合えず、零さんとヒロ君に連絡しなくちゃ…」
そう思って連絡をすると「すぐに行く」と来ていて警察庁からこの家までも結構な距離があるのに2人ともすぐに来てくれて
「赤井、昨日言ったよな?彼女に接触しようとするなと」
「そうだったな」
「なのになんでこんな朝から彼女の家に来て居る。彼女の話は俺達公安が聞いたと言っただろう」
「ならベルモットの件はどうなる。仮にも組織にいた人間でベルモットに1番近い人間だぞ」
「ベルモットを捕まえたら彼女が消えると言っただろ。それもお前は聞いていただろうが!」
「だからなんだ」
え?
「彼女の存在がどうあれ、ベルモットはあの組織の幹部だ。捕まえるのが筋だろう」
「それはお前たちFBIの考えだ。公安は逮捕しないと決定している。ましてやアイツがようやく手中に入れている最中の女をお前の一存で逃がされてたまるか」
そう来て早々にヒロ君があたしの所に来てくれて、零さんが赤井さんと話をしてくれている
「だから何だって言うんだ。それこそ組織には関係のない事だろう」
「何?じゃあ仮にベルモットの位置を掴んでお前たちが捕まえたとしていなくなった佐久間をお前は単独でも探し出せるって言うのか?見つかれば別の場所に逃げると決めている彼女を?」
「問題ない。俺には関係のない事なんでね」
「なら、ベルモットの件も手を引け」
「ゼロ。望月が怖がってる」
「チッ」
正直赤井さんはどうでもいいんだけど、こうも急に来られるとなると怖くてしょうがない
「この事はヴィンヤードにも話はするからな」
「勝手にすればいい。だがこちらとて仕事なんでな」
どうどうとあたしの方に来た赤井さんはあたしの腕を掴んできているが、一向に離れられないのはあたしがヒロ君にしがみついているからだろう
「やだやだ!」
「いい加減にしてくれないか」
「それはこっちの言う事です!ライなんて嫌い」
「嫌いで結構」
あ、嫌いでもいいんだ?
「だが言った通り俺も仕事なんでな」
「嫌だ!」
余計にギュウギュウとヒロ君にしがみついていると
「その辺にしておきなさい。赤井」
そう聞こえたのは
「ママ…」
「ベルモット」
きっと呼んでくれたのは零さんだろう
「こんな朝早くから呼び出されて終いにはこの家だなんて言うから何事かと思えば」
「お前を」
「捕まえてごらんなさい?でもその代わり望月がこの国からいなくなって探し出すのは困難になるわ。例えその原因が赤井秀一、貴方でもね。そう『関係ない』とは言わせないわよ。あなたのせいで望月が逃げ出すのだから責任は取れるのよね?」
「どういう意味だ」
ママの後ろからまた別の違った声がしてきて
「そのままの意味よ?貴方の息子が私を捕まえれば、私の娘はこの国から消える。ウチの娘は既にパスポートも持っているしどこの国でも行こうと思えば行けてしまうのも事実だもの」
「ママを捕まえる人は皆嫌いだもん」
「だ、そうよ?それに赤井、あんたの妹ともウチの娘の年齢は大差ないんじゃなくって?」
へ?赤井さんって妹がいたんだ?初耳だー
「興味持つなよ?赤井の妹に」
「関心ない」
「そうかそうか」
「逆の立場でも同じことが赤井、あんたにそれが言えるの?」
「私と真純を離すという事を言っているのか」
「えぇ、そうよ。現にそう言うことをしようとしているのよ、この男は」
「やっぱりライはヤダ!嫌い!無理!」
それでもあたしの腕を掴もうとする赤井さんに
「赤井。それ以上コイツにそういう事をするのなら住居侵入だけじゃない。婦女暴行でもすぐに逮捕するぞ。ヴィンヤードや望月じゃなく、赤井秀一、お前をな」
「其処までにしておけ秀一。ベルモットを捕まえないという話はすでに決まって居ることだ。それを勝手にくずという事は組織全体の問題にも繋がっていくぞ」
「おっとと。それは」
ヒロ君から離れて、ママの所に行くと
「相変わらず、赤井には一切の見向きもしないのね」
「怖い人は嫌いだもん」
「そうだったわね」
「ですがその割にはジンには」
「ジンもなかなかに望月には嫌われているわよ?ただ仕方なく一緒にいなくちゃいけない時はいたみたいだけれど」
「へぇ」
「ジンよりもライのがきらい」
「あらら。相当ね。でも望月、ヒロミツが複雑そうな顔をしているから私から離れて頂戴?」
「だめ?」
「私は駄目じゃないのよ?でも」
急に後ろに引っ張られるとそのまま誰かの体に背中がぶつかっていて
「零…さん?」
「悪いな望月。ヒロはヴィンヤードでも抱き着かれるのはイヤみたいでな。今固まってるから、戻ってやってくれるか」
「仕方ないですね?」
渋々ヒロ君の所に戻ると思いっきり抱き留められていて
「だいぶ君たちには懐いているようだな?」
「まぁそれなりに彼女との面識もあるし、組織にいた頃から面倒を見ているのもあるからでしょう」
「どういうことだ」
「ベルモットから直々に彼女の家庭教師を頼まれているんですよ俺は。なので組織潜入中に彼女の家庭教師をしていましたし、昨年も受験勉強を見ていましたからね」
「ほぉ、そういうことだったのか」
「あの当時から彼女は赤井の事が苦手の様でしたしNOCだと言うことが分かっても彼女は平然としていましたよ。それだけ赤井は彼女から何も得られていないという事ですよ」
「この子からしたら組織の中でも外でもベルモットはただの母親でしかないんですよ」
「そうか」
それだけ言われるとヒロ君の腕の中からちらっと見た赤井さんはまだ納得してなさそうだけど渋々帰る支度をしていて
家の中にある時計は既に学校を行く時間を通り越している
「あ、学校!」
あたしが慌てたように言うもんだからヒロ君も苦笑いをしていて
「送って行ってあげるから支度しておいで」
「ありがとうっヒロ君」
「どういたしまして」
バックとお弁当とか持つ者をもって支度をすると、スマホには咲姫ちゃんからの連絡が入っていて
「今から行くね」とだけ送ると「気を付けておいで」って心配された
「どうした?」
「咲姫ちゃんに心配されてるんですけど」
なんで?って首をかしげると
「それはだな?朝から俺達やヴィンヤード以外の人間がチャイムを鳴らして、しかもこうして俺達まで来るってなれば心配もするだろ?赤井は変質者に間違われ出wもしたんじゃないか?」
「なのかなぁ?」
「流石は警視正の娘なだけはある」
だって!咲姫ちゃん零さんに褒められてるよ?
玄関を出てヒロ君の車に乗り込むと
「間違っても変な人にはついて行っちゃ駄目よ?望月」
「分かってるよ。帰りは咲姫ちゃんと一緒に家まで帰って来るもん」
「それなら安心ね。気を付けて行ってらっしゃい」
「行ってきます」
ヒロ君の運転で学校まで来るとヒロ君が学校側に事情を説明してくれて事が事だったからと、補修をすれば単位を貰えるという事になった。流石は
「帰り、遅くなるようなら連絡しろ」
「へ?」
「あまり遅い時間に出歩くと赤井みたいな奴に捕まりそうだからな」
あ、それは勘弁。なんて思いながら「わかりました」と答えておいた
