降谷妹松田嫁(別小説夢主)は未来への扉の夢主設定となりますので予めご了承ください
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結局、クリスだけ帰らされたあたしにとってこの場所はもの凄く居心地が悪い
「俺が終わるまで待ってろ」
「ヒマ」
「ヒマでも何でもだ。隣で仕事を片付けてくるから。いいな?」
強制的に待たされる羽目になり、緋色さんは隣にある警視庁に仕事を片付けに戻って行ったのを確認すると
「あ、キミ!待ちなさい!」
あたしが慌てたように警察庁から出て外に出ると「誰がこんな所に来るか」と思いながら荷物を持って家の近くのバス停までバスで帰ると
「つっかれたー」
まさか緋色さんが警察関係者だなんて思わなかったし、本当にNOCだったなんて思いもしなかったけど
まぁきっとこれ以上会う事も無いだろうし、あたしの初恋もこれで終わりだと思えばいいだけの話だ
==
Side Hiromitsu
彼女を警察庁に置いて、俺は風見に彼女の見張りを頼んで仕事を片付けに警視庁へ戻って来て直ぐだった
「も、申し訳ありません!」
頭を下げて来た風見は「例の彼女に逃げられてしまいました。今はどこに居るのか所在がつかめません」と言ってきて
「まぁそうなるよな」
まだ彼女の連絡先さえ知らない俺にとっては探し出すのは一苦労かも知れないが
「風見。彼女が乗って行ったものの方向は分かるな?」
「え?あぁはい」
彼女は思っていた場所とは違う方向へと乗り込んでいったらしいのとゼロが彼女に会ったスーパーの方向を考えれば大体の位置も掴めるようなもので
「彼女の位置が分かるんですか?」
「なんとなくな」
何となく。そう答えるしかないのも事実だ。それと警視庁内には俺の協力者が2人、存在している。
俺とゼロの同期の2人を協力者にすることで何か起こってもすぐに対応も出来るし警視庁での捜査に関しても共有できるからだ
「松田、お前に頼みがある」
「珍しいじゃねぇか。お前が刑事部に来るだなんて」
「まぁな」
ある写真を見せると
「コイツがどうかしたのか」
「あぁ。いろいろと関与はしてないんだが、例の組織にいた子だ」
「おいおいまさか」
「そのまさかだ。経緯札帳から逃げられた」
「余罪が増えるだけだろ」
「いや、彼女事態にそう言ったものの関与はないんだ」
「じゃあなんでこの女を探せだなんて言う」
「俺が好きになったからだと言ったらどうする」
カチャリと取り出した手錠に
「まさか同期を捕まえなくちゃいけない日が来るとはなぁ?いくら公安の協力者とは言え見過ごせねぇぞ」
「でも彼女の初恋も俺だからなぁ」
「両片思いッてか。いいぜ探せばいいんだろ?」
「あぁ。ゼロがこのスーパーで見つけたって言ってたから」
「このスーパーが近いかもって言う事だな。分かった」
そう言ってくれた松田には感謝でしかない。
「萩原にも情報を共有しておいてくれ」
「任せろ」
彼女の事を2人に任せて俺は残っている仕事を片付けながら彼女の生きそうな場所をチェックしている
彼女のバックにでもGPSを仕込んでおけばよかったと後悔しても遅い
だから次こそ逃げられないようにしておくには顔を知られていない松田や萩原たちが言ってくれていた方が助かるかもしれない
==
緋色さんから逃げ出して早1週間
近所のスーパーで出会った男の人が2人いる。見た目がヤの付きそうな感じの松田さんにチャラそうな感じの萩原さん
「お、今日も会ったな」
「そうですね」
2人とも見た目に反して公務員で働いているって言うから驚きでしかない
「でもよ?いくら通い慣れてるからって未成年での酒の購入は止めておけ」
「え?」
「お前が酒売り場で酒を持ってるの俺は見てたからな」
あ、見られてたんだ。納得納得
「納得すんなよ」
「でもあたし1人暮らしなので調味料とかどうしてもお酒が必要なものもあるんですよね」
「そういう時は周りの大人に頼め。今日は俺が勝ってやるよ」
「わ、悪いですよ!」
「いいからいいから」
いいからと言われて買ってもらってしまった調理腫瘍のお酒
「ありがとうございます。あの、お金…」
「いらねぇ」
「でも!」
「お前の事、任せてきている奴からしっかり徴収すっから気に住んな」
あたしの事を任せている人間?なんて思っている間に帰って行ってしまった松田さんにお礼も言えないままでいる中家に戻ってきたあたし
「今度は松田さんにしっかりとお礼をしなくちゃ」
なんて思いながら夕食の支度を始めたあたしは面倒なんだよなぁと思いながら冷蔵庫を開けてもイマイチ食べたいものが見付からない。でも甘いものが無性に食べたい。でも作るのは面倒くさいからと近くのコンビニに行くことに。それが間違いだったと知るのはもうちょっと後
コンビニでスイーツを買って出ると
「あ、いた」
「!?」
その声の先にいたのは緋色さんで
「げ…」
「『げ』って酷くないか?」
「酷くないです。寧ろなんでこんな所に居るんですか」
「それは俺の台詞。こんな時間に出歩くなんて危険だろ?家まで送る」
「遠慮します。家を特定されるの物凄く嫌だし、学校にも行きづらくなるじゃないですか」
「そんな事を考えてたのか」
そんな事?
「どうせ囲うなら俺の家に囲うけどな」
囲うなら俺の家に囲う?あのギターが沢山あった家の事だろうけど
「絶対にヤダ」
「どの家を想像したのか知らないけど組織にいた頃に会ったあの家じゃない家に囲うからな?安心していいぞ?」
「安心なんて出来ないので。出来る事ならついて来て欲しくないです。それにあまりしつこいと
そう言ったあたしに噴出したのは緋色さんで
「俺も一応は水柚の言うお巡りさんなんだけどな?」
あ、そうだった。この人もお巡りさんだったんだ
「忘れてたな?」
「ごめんなさい」
「ったく」
コンビニの入り口であったのに、あたしが家を知られたくないと言っただけで付いては来てはなさそうな感じで自分ちに着いたあたしは彼の執着心が凄いと言っていたクリスの言葉を実感することになる
翌朝、学校までは咲姫ちゃんと一緒に行くのが恒例だ。まぁ幼なじみで同じ学校に行っているからどのみち一緒なんだけど、クラスだけが違うのが寂しい
学校まではたわいのない話をしながら行くのがあたしの楽しみの一つなのに、学校の校門前には人だかりが出来ていて金髪の長身の男の人が其処にはいて、その隣にも緋色さんが一緒にいる
「咲姫ちゃん場所変わって?」
「いいけど、珍しいじゃん」
「だって会いたくない人たちなんだもん」
「あ、納得。この間パパが言ってた人達ってきっとあの人たちなんでしょ」
「うん、そう。だからなるべく関わりたくないの」
「望月ならそう言うよね」
位置を変わってもらうとあたしよりもはるかに背の高い咲姫ちゃんのおかげであたしの体は隠れる事ができていると思っていたのに
「五十嵐」
「水柚」
そう同時に呼ばれたのはあたしの偽名の方だ
「五十嵐なんて人この学校にはいないですよ?お兄さんたち」
「へぇ。俺にはそこにそう言った女が見えるんだけどなぁ」
あたしの腕を掴んできたのは安室さんの方だ
「痛いっ」
「当然だろう?お前は油断をするとすぐに逃げ出そうとするからな」
「逃げ出すんじゃなくて逃げているんです!しかもなんで学校を特定しているんですか!」
「家は特定するなとは言われているが、学校までは言われてないからな」
「理不尽です!ならあたしにこれ以上、関わろうとしないでください!」
「それは無理な話だろ」
やっぱりアメリカの学校に戻ろうかな?せっかく日本で咲姫ちゃんと同じ学校に通えてるのになぁ…
「あー、言っとくけどな」
「『言っとくけど』なんです?」
「学校を特定したの俺じゃないからな?」
学校を特定したのがとーるさんじゃない?じゃあ緋色さんがあたしのいる学校まで特定したっていうの?
「え?何々!?望月知り合い?」
「あたしの知り合いなんじゃなくて、
「へぇ」
「どうかしたのかい?」
「望月の腕を掴んでるその手を離して頂けますか?」
「なぜ、赤の他人の君には関係の」
「そうかも知れないですね。でも、それを言うならあなたも望月とは赤の他人でしょう?」
「何?」
「あなたたちが望月のお母さんのクリスの知り合いなのでしょう?この事をクリスが知ったらどうなるんですかね?私や望月の場合、すぐにでも父に言う事は出来ますけど」
「「父?」」
「彼女には父親はいないと」
「へぇ」
「さ、咲姫ちゃん?この人たち一応
「へぇ。こんな人たちでもなれちゃうのね」
「どういう意味だ」
「あたしの父も警察官ですけど」
そう言った咲姫ちゃん答えに一瞬固まったとーるさんと緋色さん
「え?君のお父さんが警察官なのか」
「そうですよ。なので望月からしても父親は警察官なんですよ?ご存じありませんでした?」
「へぇそれは初耳だな」
「ヴィンヤードの奴そんな事一言も言ってこなかったぞ」
あ、言ってなかったんだ?
「言ってこなかったも何も、ママにはそんな話をしていないので」
「はぁ!?」
「あ、でも咲姫ちゃんのパパは知ってますよ?あたしのママがヴィンヤードだって言う事」
「マジか」
「本当の事です」
「なので、今連絡されたくなければ望月の腕を掴んでいるその手を離して頂けます?」
「無理な話だな」
そう言ったとーるさんに
「止めとけよ、ゼロ」
そう久々に聞いたその声の主は
「松田さん?それに萩原さんまで」
「なんで止める、松田」
「コイツの言っている父親ってのは刑事部にいる俺の直属の上司でもあるからな」
「刑事部の?」
「小田切警視の娘だ」
そう言われた直後に、とーるさんの掴んでいた手の力が緩んだのが分かってすぐに手を離したけど、すぐに今度は緋色さんに捕まってしまったあたし
「え?あの?」
「俺の時よりおどおどしてるのが気に食わないが」
「うぅ…」
「ふーん」って言った咲姫ちゃんは
「ま、望月がその人を嫌がらない所を見ると何かあったんだろうけど、大分年の差があると思いますけど」
「あるからな」
確かに、大分な歳の差だけど…
「彼女が嫌がっていない時点で公認だからな。ヴィンヤードからは」
「へぇ。あの人が公認するくらいの人物だって言う事ですよね?」
「そうだ」
「さ、咲姫ちゃん…っ助けて!」
「はいはい」
咲姫ちゃんが緋色さんの腕を掴むと
「もうそろそろ望月の事離して頂けます?私たちも学校があるので」
「確かにそりゃそうだ」
「離してやれよ?緋色」
「放課後迎えに来る」
「来なくていいです」
腕を離されたと思って咲姫ちゃんの隣に行くとそう言われたあたしはすぐに拒否をしたけど、緋色さんの事だ。有言実行してくるだろう
学校の中に入ると
「おはよ」
「アンタ朝からモテモテじゃん」
「おはよ。あのモテ方は全く嬉しくないからやめて」
「えー良いじゃん。年上からモテる年下のしかも女子高生なんてそうそういないよ?」
「だろうね。でも嬉しくない」
「ありゃりゃ」
「最終限受けたら速攻で帰るから、放課後のHR適当に理由着けて貰っていい?」
「例のママ使ってもいいんでしょ?」
「勿論」
あたしは一応、ママのマネージャー兼務していることになっているから、ママの事を使っても言いようにはなっている
「分かった」
「ありがとう」
授業を終わらせて、最終限を終わらせた後速攻で学校を出たあたしは正門に見慣れた車が1台あって裏口から帰ることに
「裏口からだと遠いんだよなぁ」
なんて小さく呟いた後、学校が見えなくなったところで普段使っている道に出るといつも通り歩いて家に帰るとすぐに着替えたあたし
「つっかれたぁ」
誰もいない家で1人でそう言っても返事をしてくれる人なんて早々いる筈がない
リビングに置いてある、あたしの小さい頃の写真と家族で撮ってある唯一の写真だけが家族である証拠になる
「ねぇパパ、ママ4年ぶりに初恋の人に出会えたの。だけどどうしても素直になれないあたしはどうしたらいいんだろう…?あたしにとっては初恋で片思いのはずなのに、きっと彼にそれを告げても彼には迷惑でしかないって分かって居るの。4年も会って無かったんだからこの想いは違うって思いたかったのに、4年ぶりに会った彼を見たら余計に好きになっちゃいそうで怖いの…」
こんな事を写真に話してもしょうがないのにね…
冷蔵庫の中を見ると、まだ少しだけ残っている食材とパスタをゆでて簡単に作り上げるあたし
「ママはバイトしなくてもいいって言うけど、やっぱりそろそろバイトも考えないといけないよなぁ」
ワンパンで作ったパスタに味付けをしてそのままテレビを見ながらパスタを食べているあたし
そんな中、スマホには「咲姫」の文字
「もしもし?」
「あ、望月?」
「うん、そうだね?どうかしたの?」
「それが聞いてよ!」
「うん?」
「あたしたちも帰るタイミングであの金髪に捕まったんだけどさぁ」
あの金髪?
「朝望月の腕を掴んでいたあの金髪の人ね」
「あぁ、うん」
とーるさんか
「あの人に『五十嵐は一緒じゃないのか』って聞かれたんだよね」
「うっわぁ」
「答える必要性がないって言ったらすっごい舌打ちされたんだけど」
「それはゴメン」
「いやいや、いいんだよ?だけどさ答えたのに舌打ちする大人ってどうなのよ?って話じゃない?」
「まぁそうだね?」
パスタを食べながらそれを答えていると
「望月もしかして今日パスタ?」
「そうだけど」
「いいなぁ。私も食べたい」
「咲姫ちゃんママに言いなよ」
「ウチのママがそう簡単に作ってくれるはずがないの知ってるでしょ」
「まーねー」
「くっそう」
「そうだ、もう1人の人は?」
「顎鬚の人?」
「そうそう」
「居なかったけど」
いなかった?とーるさんと緋色さんは組織の中でもにこいちでよく動いていた人だ。そんな彼らがそう簡単に単独で動くはずがないとあたしは思っているけど
「しくったかも」
「え?」
「お巡りさんが基本2人1組だっておじ様に聞いた事があるじゃない」
「そうだね?」
なんて言った後に咲姫ちゃんが息をのむのが分かって
「あの2人がニコイチなのママから聞いてたのに」
「じゃあまさか」
「そのまさかかも知れない」
考えられるのはあたしが買える時間に合わせて最初から二手に分かれていた。そう考えたら一緒にいなくても普通かも知れない
なんて思っていた直後になったチャイムのインターホン画面には、緋色さんの姿があって
「緋色さん?」
「ようやく見つけた」
「いやいや、『見つけた』じゃないですよ。あたし言いましたよね?家を特定しないで欲しいと。それに関わらないで欲しいと」
「言ったな」
「だったら!」
「だが俺がそれを許諾した覚えはない」
う゛…
「それに」
それに?
「別に特定したわけじゃない。現に表札は『五十嵐』になっていないからな」
まぁそれはそうだよね。だって五十嵐は偽名。佐久間が本名だもん
「でもまぁ」そう言った緋色さんは「俺も似たようなものか」そう言っているという事は彼もまた『緋色光』と言うのが偽名だという事だ
「言っただろ?」
「何を」
「自分が惚れた女をそう易々と俺が逃がすと思っていたのか」
思ってた
「逃げられると思うなよ?」
「何で」
「何でも」
うぅ…
「今日の所は帰る」
「もう来なくて結構です」
「明日から覚えておけよ水柚」
緋色さんは家の前に止めていた車に乗り込んで帰って行く様子が写っていて
電話をつなげっぱなしだったあたしは
「どうしよう咲姫ちゃん」
「クリスママに話をしてみたら?」
「ママ?」
「そう。だってクリスママの知り合いなんでしょ?」
「そうだけど」
「なら話した方が早くない?」
あ、そっか
「そうしてみる」
電話を切った後、ママに電話を掛けると
「ハァイ」
「マ、ママ!」
「どうかしたの?望月」
「どうもこうもないの!緋色さんに家が特定されちゃった!」
「あらら」
「どうしよう!これじゃとーるさんにも絶対にあの人の事だから言うに決まってる!」
「どうかしらねぇ。それでも不安なら私が日本にいる間はホテル住まいになるわよ?」
「ママ、日本にいるの?」
「居るわよ。日本で仕事している最中だもの」
「そうなんだ。でもホテルからだと学校が遠くなっちゃわない?」
「遠くなるわよ?だから学校を休ませてマネージャー業務でもさせようかしら」
それはそれでなんか複雑だけど
「それとも私と一緒にアメリカに帰る?」
「せっかく咲姫ちゃんと一緒に学校に行けてるのに」
「まぁ望月ならそう言うと思っていたけれど、ヒロミツがいるこの日本で、こうやって生活をするのか、いないアメリカで私と自由に生活をするのかの2つに1つでしょう?」
「そうなんだけど…」
「私としてはどちらでも構わないのよ?日本にいても、アメリカに戻っても」
確かにアメリカの学校なら高校卒業までは義務教育だから全然いいんだけど
「んー…」
「でもきっとアメリカに戻るってなったらあの2人が煩いんじゃなくって?」
あ…確かに…それはそれで面倒臭いかも
「もしくはあなたが諦める事ね望月」
「え?」
「諦めてあの男に囲われてしまいなさい」
それはそれで複雑なんだけど
「どちらかしかないでしょう?」
まぁ、それもそうか。なんて思っていると電話の向こうでは「クリスさーん」と呼ばれていて
「まだお仕事中だったんだ。ごめんなさい」
「いいのよ。娘からの連絡を取れない母親がどこにいるの」
「ママはお仕事が忙しいから出られないこともあるから」
「そんなこと気にしないの。じゃあ切るわね」
「うん。ねぇママはあたしがもし好きな人がいても」
「応援するわ。反対する理由もないでしょうに」
そっか
「じゃあ切るわよ」
そう言って切った電話。ママは反対しないってそう言ってくれた。でもそれでもやっぱり怖いものは怖いもの
「明日の事は明日考えよ」
お風呂に入っても寝られる自信がないのはきっとこの家でジンの手によって両親が殺されてしまったのを見てしまったからだろう。あの時から寝付きも悪くなってしまった。寝ては掟を繰り返している生活だ
「こんな生活をしていても何も言わないでいてくれる人が良いな」
なんて思いながらも寝られない寝室でベッドに入ったあたしは結局寝られないまま翌朝を迎えてしまった
お弁当を作って、残り物で朝ごはんを済ませる。制服に着替えて学校に行く支度を済ませると丁度よく(?)なったチャイムの向こう側には緋色さんの姿
「本当に来たんですか」
「嘘は言ってないだろう?」
「言ってないですけど…」
「取り合えず開けてくれないか」
仕方なく玄関を開けて中に入れると
あたしの朝ごはんを見て早々にため息をつかれたあたし
「なんですか、そのため息」
「もっとしっかりと食事を取ろうとは思わないのか?」
「朝食なんてこんな物ですよ」
ましてや朝はこれから学校があるのだ。そうそう手の込んだものを作ってなんかいられないし、作ろうとも思ってない。1人の生活なんてそんなものだ
「まさかヒロも夜もこんな生活じゃないだろうな?」
そのまさかですが?何か?
「今日から時間の許す限り放課後迎えに行く」
「なんで」
「何でも」
「意味が分からない」
「分からなくて結構」
そう言った緋色さんは冷蔵庫を勝手に覗いていて
「普通覗きます?人の家の冷蔵庫」
「お前がもう少し真面な食生活をしていたらこんな事しなくてすんでる」
「じゃあしないでください。そしてお帰り下さい。放課後も来ないでください」
「無理な相談だな」
「無理じゃない」
なんて言われているけど、無理なものは無理だ
「なら選べ」
選べ?
「俺がここに来るか。お前が俺の所に来るか」
「どっちも嫌です」
「イヤは聞かないぞ。それは組織にいた頃から知ってるだろ」
「うぅ…」
「因みに俺の所に来てもあの学校には通える距離だからな」
「え?」
「お前が知ってるあの家は組織に潜入するように借りていた部屋だからな。今はもう手放している」
あ、そうなんだ
「で、今はお前と住む場所を考えている最中だけど、ここ等辺に借りてるアパートがあるからそこに」
「無理です。男の人と急に一緒に生活なんて無理無理!」
「へぇ急じゃなければいいんだ?」
ん?なんか変な雰囲気を感じ取ったよ?あたしは
「じゃあ1カ月で一緒に住めるように頑張るかな。それまでは俺がここに通う事にするよ」
「それはご遠慮したいです」
ここにこの人が来るならやっぱりママの所に行こうかな
「遠慮しなくていいのに」
「してないです。1人でいる時間が欲しいので」
「おいおい」
家を出る時間に玄関に行くと
「送って行ってあげるよ」
「え?咲姫ちゃんと一緒に行くので」
「へー、サキちゃんと」
「そうですよ?だって幼なじみで学校も同じなので、一緒に行っているんです。ついでに言えば帰りも一緒なので迎えは大丈夫です」
「そんなに俺とはいたくない?」
「え?」
「あの頃の水柚は可愛かったんだけどなぁ」
あの頃のあたしって何?って思ってると
「組織にいた頃の水柚は素直で可愛げがあったんだけどなぁ?」
「だって最初に会ったの4年前ですよ?そりゃ変わりもしますよ」
「うん。だからあの頃の水柚も俺はまた見たいんだよなぁ」
「諦めてください」
「それこそ無理」
無理と言われても…
「じゃあ」
「ん?」
平日は咲姫ちゃんと一緒に登下校をするからと土日に緋色さんの家に泊まるという事で話が付いて
「なら金曜日の夜に迎えに来る。どうしてもだめな時には夕方までには連絡をするようにする」
「はい」
取り合えずと、スマホに連絡先を入れて貰った後に、この時間に来たからと今日は咲姫ちゃんも一緒に乗せて言ってくれるという事になった(咲姫ちゃんが一緒なら大丈夫か、わーい)
学校に着くと
「あんた達が車での登校だなんて珍しいじゃない」
「緋色さんが朝から家に来ちゃったから、少し話をしてたんだよね。で、学校も仕事に行くルートだからって乗せて来てくれたの」
「あー、納得」
「望月のママの知り合いだったんでしょ?」
「そうなんだよね」
「でもあんたの事も知ってるみたいだし」
「4年前にママのお仕事について行ったときに初めて会った」
これは嘘じゃない
「へぇ」
「とーるさんはそれよりも前に会ってるけど」
「とーるさん?」
「緋色さんと一緒にいた色黒の金髪の男の人」
「あぁ、あの人か。舌打ち男」
あ、その呼び名で定着してるのね
「あの人頭が良くてね、小学生の頃アメリカの学校になじめなくて学校に行けなくて日本に戻って来た時も学校になじめないあたしの為に勉強を見てくれたんだよ」
「へー」
「今時そんな人いないよね」
「いないね」
「教科書通りの問題で結構見てくれてたよ」
「あんたのママって一体どんな仕事してんのよ」
「アメリカの女優だけど、日本でも活躍してるし、とーるさんも緋色さんも偶々ママの護衛景吾に当たった時に連絡先を交換してたみたいなんだよね」
「それで娘の事も紹介したと?」
「多分ね」
まぁ4年前はじめて緋色さんを見た時に物凄くタイプだったのを覚えてるんだよなぁ
緋色さんにはママから暴露されちゃったけど
