降谷妹松田嫁(別小説夢主)は未来への扉の夢主設定となりますので予めご了承ください
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組織壊滅から1年。あたしは無事に高校生になり組織とは全く関係のない生活をしていた時だ
「そう言えば知ってる?」
「うん?何が?」
それは刑事さんがあ達しの幼少期の写真を持ってあたしを探しているという情報だ
「それは一体どういった情報であたしの写真なんか」
「そんなのあたしが知る訳が無いでしょうが」
だよねぇ
中学からは実家で1人暮らしをしながら生活をしていて、クリスから
「どこに居ても貴方はわたしの娘なの。娘の生活を応援しない母親なんていないのよ」
そう言ってくれたからこそ戻ってくることが出来たという事もあるのだ
クリスからは、あたしのアメリカでの名前を『ルナ・ヴィンヤード』にしてくれていると言う話もある
「でもまぁあたしたちには関係ないか」
「だね」
警察にお世話になるようなことは散々してきているけれど、それでも今までつかまらなかったのも奇跡に近いのだ
学校から帰ってから着替えていつものスーパーに行くと
「こんな所で会うとは奇遇だな?」
聞きなれた声がするかと思えば、目の前には見慣れた長身の褐色の金髪の男性が其処にはいて。ただしゃべり方がとーるさんとはちがうからなのか分からなくて
「え…っとどちら様ですか?」
「こうしゃべれば想い出しますか?チェリー」
そのしゃべり方は間違いなくバーボンこと安室透さんで
「な…なんで…こんな所に!」
「仕事がひと段落ついたからに決まって居るだろ」
仕事?
「探偵さんをしていたんでしたっけ?あれ?でも去年までポアロにもいましたよね?」
「その情報止まりか。あの組織を壊滅させたときにも俺は居たんだがな。組織壊滅した直後にポアロを辞めることが出来なくてな。お前の受験が終わるまではポアロにいたんだ。今はもうポアロに行っても俺には会えないぞ」
「あー、すいません。その時にはあたしが組織の中にいなかったのでもしかしたら誰かと勘違いしているのかもしれないですね。まぁよっぽどじゃなかったらそっちの方には行かないのでご安心を」
「誰が勘違いをするか。それにそもそもがそんなにポアロにも来てなかっただろう」
がっしりと腕を掴まれたあたしは、買いだしを終わらせるとそのままこれもまた見慣れた白いRX-7に乗せられたあたし
「此れは一体どこへ…」
「きっと今お前が1番行きたくない場所だろうな」
行きたくない場所…それはきっと警察だ。なんて思っていると案の定当たっていて
中に入れられるとすぐにどこかに連絡をしていて
「諸伏来ているな?あぁ。今すぐに警察庁の方に来てくれ。頼んだ」
そう入れられた場所は会議室の様な場所で
「もうしばらく待ってくれ」
「帰りたい」
「それは聞き入れられないなチェリー…いやチェリーブロッサム」
!?
「どうしてコードネームの正式名称を知って居るのか不思議そうだな」
「そりゃ、もう」
「俺の対抗心に火をつけたのはお前だろ?」
緋色さんの対抗心に火をつけた?
「意味が分かんない。なんの対抗心?」
「これで会えたんならいいだろ?」
「あぁ」
安室さんの後ろに隠れようとしたあたしの腕を掴んできたのは緋色さんの方で
「え?」
「俺はお前を逃がすつもりは無いし、捕まえることもない」
「だから何を」
「捕まえた組織の連中からのお前への話の供述が一致しているからな」
話しの供述が一致?そんなことあるはずがない
「まずは君がベルモットの義理の娘であることに変わりはない」
「え?」
あたしがクリスの娘?本当のことだったの?あたしがクリスの娘だって
「なんだ知らなかったのか」
「え、え?いえ…ベルモットからは『今日から私の娘よ』ってそう言われたっきりずっとママだったから」
「そう言えば確かにベルモットをママ呼びしていましたね」
「アメリカだとママ呼びが普通だったから」
「成程」
あたしが2人に連れて行かされたのは警察庁の内部にあるとある場所で
「君と話がしたい」
「いいですけど、なんであたしを捕まえないんですか?」
「何?」
「だってあたしもあの組織の中にいた人間です。コードネームを持っていない人間まで捕まったと言うのなら、コードネームを持たされていたあたしも捕まる側の人間でしょう?」
「本来ならな」
本来なら?
「そこの事も踏まえて君と話をしようと思っていてな」
あ、そういう事なんだ?
「先ずは君の名前を教えてくれ」
「五十嵐です。五十嵐水柚。アメリカではルナ・ヴィンヤードという名前で生活をしています」
「名前が違うのは」
「アメリカの国籍をベルモットが取得してくれた時、あたしは声を出すことが出来なくて、日本でも使えそうな名前を探したとベルモットからは聞いています」
「声を出すことが出来なかった?」
「はい」
2人はどういう事だ、みたいな顔をしていたけど声を出せなかったのはきっとあたしの両親がジンに殺されたショックからだろうという事もベルモットからは聞いている
「そこは多分ジンに聞けばわかる事だと」
「なんでアイツに聞くと分かるんだ」
「だってジンが仕出かしたことですので」
「そうか」
あたしが言った事を紙に書いているのはきっと他の組織の人間の聴取も公安がしているのだろう
「あいつ等はまずFBIやらCIAと言った海外組織の聴取を先に行っている。それもこの公安の取調室の中でだ」
「え?は?海外にいるんじゃないんですか?」
「そうしようと思っていたんだがな。思いの外チェリーブロッサムの話は日本でしかしないとどいつもこいつも言っているから、それだったらどうせ捕まっている日本で取り調べをやっても同じだろうとこっちでやっているに過ぎない」
あ、そういう事…
「だけど残念な事に君の存在を知って居るものと知らない者がいる。俺達NOCの中の人間でもだ」
「確かにそうですね。あたしも知らない組織の人間がいるのは事実です」
「ほう」
「コードネーム“チェリー”という名前だけを知って居るNOCは多くいるがまさか君だという事を知って居るのは俺達だけだ」
「そうですか」
「だから君を捕まえることが出来ないんだ」
あ、なるほど
コンコンとノックされたドアに
「なんだ」
「申し訳ありません降谷さん、諸伏さん」
そう入って来たのは眼鏡の男の人で
「どうかしたのか」
「それが、ルナ・ヴィンヤードの母親だと言う人間が来ていまして、どうするべきかと」
「ヴィンヤード?」
「何だってまた」
「きっとあたしがいるからでしょう」
「そうかもしれないな」
「構わない。ここに彼女を連れて来い」
「分かりました」
そう言った安室さんは
「諸伏、彼女の聴取は任せてもいいか」
「あぁ」
あたしの事を掴んでいる状態の緋色さんはあたしの事を引っ張った状態で、別の部屋に案内をしていて
「なんで?」
「ん?」
「なんで取調室じゃないの?」
「確かにそこでもいい。でも言っただろう?俺達が君を捕まえることはないと。取調室には今は別の人間がいるって言うのもあるけどな」
「そうですか」
別の場所に来ると
「さて色々と聞きたいこともあるが、名前はさっき聞いているな。じゃあ簡単な事から聞いて行こうか」
「簡単な事?」
「君の誕生日と年齢を教えてくれないか」
「年齢はいいですけど、誕生日まで知る必要ってあります?」
「俺個人の問題だから気にしないでくれ」
緋色さん自身の問題?
「まぁ、別にいいですけど。10月10日生まれの今年高校に上がったばかりですよ」
「そうか。ちょっとだけ俺個人の問題に付き合ってくれるか」
「いいですけど」
「助かる。好きな食べ物は」
「果物は全般的に好きですよ」
「果物か」
「はい」
「なら嫌いな食べ物は」
「キノコ類とか魚の内臓系、あとはタラコは食べたりしますけど、魚卵も嫌いです」
「随分と嫌いなものが多いな」
「言えって言ったのは緋色さんです」
「そうだったな。好きなタイプは」
「優しいそうな人が好きです」
「なら安室とかか?」
「お兄ちゃん的な立ち位置でなら安室さんも好きです」
「そうか」
「なら嫌いなタイプは」
「自己中な人、後は怖そうな人も嫌いです」
「実際にいたからそう言えるんだろう?」
「諸星さんとジンは嫌いです」
噴出した緋色さんは納得したかのような顔をしていて
「そう言えば確かに組織にいた時にもその2人には引っ付いていなかったな」
「怖いものは怖いんです」
「分かった分かった。じゃあここからは組織の話も踏まえて話そうか」
「え?あ、はい」
「まず君が組織には行ったのは何歳くらい?」
「え?」
「まさかシェリーのように生まれた時から組織にいたわけじゃないんだろう?」
「あ、そうですね。組織に連れて行かれたのは4歳くらいだったと思いますけど」
「思う?」
「そこら辺の記憶があいまいなんです」
「そうか」
「俺やゼロと最初に出会ったのは」
「ゼロ?」
「君にはこう言った方が早いか?安室透だ」
「とーるさんと最初に出会ったのはママとの任務の時なので9歳10歳くらいだったと思っています」
「そうか。でアイツとの接点は」
「そうですね。学校に行けなかったって言うのもあって見かねたママがとーるさんにあたしの勉強を見るように頼んだって言うのは聞いています。なので小学校の卒業までの課題をとーるさんに見て貰っていました」
「そうか。まぁアイツなら問題ないか」
問題ない?
「その時にとーるさんから「もし中学校に行っても分からなければポアロにおいで」って言われて、受験前はよくポアロに行っていましたけど」
「アイツそんな事一言も言ってなかったぞ」
あ、そうなんだ
「で緋色さんに出会ったのはその後だったので多分11歳くらいだったと思います」
「それ位だったのか」
「はい。あの時、ようやくしっかりと声が出せるようになったばかりだったって言うのもありましたけど」
「それまで声は」
「思うように声が出せませんでした」
「そうか。君は今はどこで暮らしている」
「それは、あまり言いたくないんです」
「なんで」
「警視庁に知り合いのおじ様がいるんです。あたしの居住を他人に教えない方がいいとそう言ってくれたのはおじ様なので」
「おじ様、という事は男の人にそう言われたんだな?」
「はい」
「ならそれ以上は聞かないようにする」
その直後に入って来た安室さんはベルモットを連れて来てくれて
「ママ!」
「oh!大丈夫?アイツに何もされてない?望月」
「大丈夫何もされてないよ?第一スコッチもバーボンもあたしに危害なんて加えてくるようなタイプじゃないでしょう?」
「それもそうね。じゃ娘は連れて帰るわよ?」
「「待て」」
そう止めたのは安室さんと緋色さんで
「まだ何かあるって言うの?」
「今ソイツは俺に五十嵐水柚だと名乗った。そしてアメリカ国籍での名前もルナ・ヴィンヤードだと名乗っている」
「えぇ、けどそれがどうしたって言うの」
「じゃあ望月だと言ったそいつの名前は偽名か?」
「そこまで知りたいのなら、もっとしっかりとこの子からの信用も信頼も受けないと教えてくれないわよ?」
「なんだと」
「ママ、ママ」
「どうかして?」
「ここまで来たからおじ様にご挨拶してくる」
「あらそう。じゃあ私は入り口で待ってるわね」
「はーいママ」
あたしが部屋を出て警察庁を出ると隣の警視庁まで行くと
「あら何かあったの?」
「え?」
「警視庁に来るなんて相当な事でしょう?」
「いえ、問題はないんです。ちょっとした用で隣に呼ばれていたので、帰るならおじ様に挨拶だけしてからと思ったんです」
「「おじ様?」」
「警視庁刑事部に居るって聞いているんですけど」
目の前の刑事さんは2人で首をかしげていて
「佐藤君高木君。どうかしたのかね?」
「いえ、それが」
「あ、おじ様!」
目の前の刑事さんの横をすり抜けて走ってくっついた先は
「小田切警視?」
「望月はなんでこっちに」
「パパたちが潜ってた場所の関係で隣に呼ばれてたの」
「そうか。ここにいるという事はもう終わったんだな?」
「終わった!」
「そうか」
あたしの頭を撫でてくれるおじ様はいつも通り優しくて
「小田切警視、その子との関係は」
「私の娘の幼なじみでね。娘同然なんだよ。ただ1つ特殊なのはこの子の両親が既に他界しているという事だけで」
「随分と早くに」
「あぁ。そこからは私がこの子の父親代わりでもある訳だ」
「そうでしたか」
「君たちにも紹介しておこう」
そう言ってくれたおじさまの事だ。信じても大丈夫なんだろう
「佐久間望月です」
「佐久間?」
「昔この警視庁の情報部にいただろう?佐久間と言う夫婦が」
「はい存じております。急に退職されたときには驚きましたが」
「その佐久間夫婦の1人娘だ。まぁその夫婦は何者かに殺害され、殉職してしまったが、母親の知り合いに今は身を寄せているんだ。中学生で戻って来た時には驚いたが」
「本当は高校卒業までアメリカにいる予定でしたけどね。小学校から高校まで一貫の学校だったので」
「そうか」
「咲姫と一緒に帰ったんじゃなかったのか?」
「帰って出かけた先で呼ばれて連れて来られたの。隣の警察庁に」
「そうか」
そういえば、買出しした材料安室さんの車の中に入れっぱなしだ。どうしよう…
「じゃあおじ様あたしはこれで帰りますね」
「気を付けて帰るんだぞ」
「はーい」
警察庁に戻る前に入り口にいるクリスに「とーるさんの所に忘れ物したから取って来るね」と伝えると
「忘れ物はこれか」
「!?」
声の方には緋色さんがいて
「暇なんですか?貴方方は」
「暇ではないんだがな?降谷が車に忘れもをしやがった」って言うから何かと思っただけだ」
あ、納得。車に置いて行かれるとは思わなかっただろう
「ありがとうございます」
荷物を受け取ろうとすると
「俺的には君ともっと話がしたいんだけどな水柚」
「な!?なま…名前…っ」
「教えてくれたのは水柚の方だろ?」
「それは、教えろって言われたからで!」
「知ったもの勝ちだ」
なんて言われるとは思わなかったし
「組織にいた頃と違って意地悪だ」
「子供相手に意地悪するはずがないだろ」
「緋色さんからしたらあたしの年齢なんて子どもじゃん」
「俺か?俺はそれだけじゃないけどな」
それだけじゃない?
クスクスと笑って来たママに
「まだいたのか」
「あらいちゃいけない理由でもあるの?私はただ自分の娘を待って居ただけだって言うのに」
「そうかよ。だが」
だが?
あたしの腕を引いてきた緋色さんは
「コイツは俺が貰う」
「え?」
「あらやだ」
「待って!?」
「なんだ」
「『なんだ』じゃなくて、あたしの腕を引っ張ってもらうってどういう意味ですか」
「お前は俺が貰う。ただそれだけの事だろ」
「貰われたくなんてないです!」
「無理だな。諦めろ」
諦めろと言われても…
「望月」
「ママ?」
「コイツの諦めの悪さは貴方も知って居るでしょう?」
「知ってるけど」
「だから今は諦めておきなさい」
「やだ!ならママと一緒にアメリカにかえ…!」
「そんなことはさせるつもりは無いぞ」
「させるつもりは無くても、アメリカにも国籍はあるので」
「あったとしても行かせるつもりは無い」
なんで…
「フッ」って笑ったママがバイクから足を降ろしてあたし達の方を向いてくると
「じゃあこの子の事で少し話をしましょうか」
「話だと」
「えぇ。まぁバーボンは知って居ても知らなくてもどちらでも構わないのだけれど、貴方は知って居て損はないんじゃなくって?」
「どういう意味だ」
「そのままの意味じゃなくって?あの組織にいた頃に望月の事を誰よりも見ていたのは貴方じゃなくって?スコッチ」
「ばれていたのか」
「あれでバレていないと思っているあなたが凄いわよ。組織の中にいた人間数人は気づいていたようだけれど」
「そうか」
警察庁の中のある場所に通されたあたしたち
「なんだまだ帰していなかったのか」
「ベルモットが水柚の事で俺に話があると言うから通しただけだ」
とある場所に通されたあたし達
「ここでなら盗聴される心配もない」
「そう。なら話をしましょうか」
「その前に俺からも聞きたいことがまだあるんだ」
「聞きたいこと?」
「『ネグローニ』というコードネームを持った人間は組織にいたか?」
「さぁ?私は聞いたことがないわ」
「あたしも無いですね。ジンやウォッカ、ラムなら知って居るかもしれませんが」
「その3人ですら口をそろえて同じことを言ったんだ『そんなコードネームを持った組織の人間はいない』と。ただ」
「ただ?」
「ジンだけはこう言っていた。『そのコードネームの人間がいたとして、お前はどうするつもりだ。そしてその酒の種類の意味が分かってんだろうな』ってな」
「お酒の意味…ですか」
「あぁ」
まぁ確かに緋色さんにはその意味も踏まえて死んでほしくなくてその名前を使ったのは事実だけれど
「そうね望月は知らないのねそのお酒の意味」
「知らないよ?だってチェリーブロッサムだってコードネームが長すぎて覚えられないって話をしてママに頼んでチェリーにしてもらったんだもん」
「それもそうね。チェリーの様にカクテルのお酒のコードネームの人間もいれば、ワインや蒸留酒、バーボンやスコッチの様にウイスキーのお酒を付けられているコードネームの人間もいるわ」
そうだったんだ
「そして望月のコードネーム、チェリーブロッサムはカクテルのお酒の名前。幼かったあなたを見てこのカクテルの名前を付けたと言われたけど」
「幼かった水柚?」
「えぇ、そうよ。ジンがこの子を連れて来たのがちょうど4歳の時。その足でボスとラムに会わせているわ。その時にコードネームを与えるとしたら『チェリーブロッサム』だと」
「そんな早い段階で決まって居たのか」
「でもその時はあくまで過程の話。この子がチェリーブロッサムと貰ったのは小学生の頃。そうね、バーボンに初めて会わせる1週間前くらいだったかしら。そんなに長くいるとは思わなかったボスからの可愛いプレゼントでしょう?『チェリーブロッサム』だなんて」
「あぁ。だがその意味は」
「印象的な出会い。きっとボスはこの事であったのが印象的だったのよ」
「そうか。ならベルモットならネグローニの意味も知って居るんだろう?」
「知って居るわよ?でもそれは貴方が本当は気づくべき事なのだけれど」
「俺が気付くべき?」
「ネグローニのカクテル言葉は初恋」
「初恋か」
あ、そうそう。と言ったベルモットは
「望月としてはどうか知らないけれど、チェリーの初恋は誰か知りたいでしょう?」
「マ、ママ!?」
「へぇ、バーボンじゃないのか」
「えぇ。バーボンではないようなのよ」
「それはぜひとも知りたいな俺も」
「ママ!?お願い言わないで!」
「あらいいじゃない。あなたの初恋の人目の前にいるんだから」
「え?は?」
「あらやだ気づいていなかったの?チェリーの初恋はスコッチ、貴方なのよ」
「それは初耳だな」
「だって教えるつもりなかったですもん」
教える心算も言うつもりもなかった。だって組織で聞いた時に、24歳だと聞いた時にこれは絶対に適わない恋だと思って諦めているのに
「そうかそうか俺が初恋だったのか」
「ママの意地悪…」
「あら、でも言わなかったら諦めるの?」
「もうあきらめてるもん」
「あら」
今年16になるあたしと30歳の年の差なんて埋めようがないんだから仕方がない
でもきっと緋色さんは違う答えが欲しかったのかもしれない。一瞬で雰囲気が変わったのがよく分かる
「そうそう。チャンスはそうそう何度もあげないわよ?」
「チャンス?」
「もし望月が貴方の元を去った時、私から与えるチャンスは1度切り。良いわね?それを逃したら最後チャンスはないと思いなさい」
「待て待て!なんで彼女が俺の所から逃げる前提なんだ」
「あら、絶対に油断した時に逃げられそうじゃないあなたの事だし」
「う゛」
「でもそうね。どこの組織にでもこれだけは言っておくわね」
「何だ」
「私を捕まえて出も見なさい?望月は貴方達の手中から黙って消えるわよ」
「そうですね。見つけたと思ってその場所に行ってもあたしは既にその場所にはいないでしょうし」
「なんだと」
「本当の事です。もし仮にそんな事が有ったとしても持って行くものは限られています。それが何か分からなければ探し出すなんてきっと不可能」
「へぇ」
さっきよりも目の鋭さが変わった気がするのは気のせいだろうか?
「なら」
「「なら?」」
「逃げ出さないように囲ってしまえばいいだけの話だろ」
囲ってしまえばいい?
「自分が惚れた女をそう易々と逃がすと思うな」
「?」
訳が分からずクリスの方を見ていると
「やぁね、暫く会わせていなかったのに相当な執着なのね?ヒロミツ?」
「お前に言われたくない」
執着?
「どういう事?」
「あなたはそのままでいなさい望月」
「ぁぃ」
「ヴィンヤードのいう事は随分と素直に聞くんだな?」
「ママですからね?そりゃ組織の中で誰よりもママの言う事は聞いていましたよ」
「そうだったな」
「望月」
「うん?なぁに?ママ」
「ヒロミツは貴方の1番になりたいそうよ?」
あたしの1番?
「意味が分からない」
「そうねでも今言ったのはチェリーの方。でも望月としての初恋はどうなのかしらね?」
「何?」
「チェリーは確かにスコッチが初恋だけれど、望月の初恋は未だなんじゃなかったかしら」
うぅ…
「それは俺でも振り向かせられるチャンスがあるっていう事だよな?」
「そのチャンスさえしっかりと掴んでいれば、の話でしょ」
「何が言いたい」
「間違っても望月がヒロミツの事で泣くようなことをさせないで頂戴」
「だから」
「望月を泣かせたら最後。チャンスすらないと思いなさい」
さすがはママ。いつも以上に演技に磨きがかかってるような気がする
「悪いけど、これは冗談ではなく本気よ」
「お前が本気で水柚を隠したら本当に見つからなさそうだな」
「当然でしょう?それにあなた囲うって言ったけれどどこに囲うつもり?」
「お前には言わない」
「あらそう。でもこの子はまだ高校生よ?囲うにしてもちゃんとに通える範囲にしときなさい」
「そうだな。ということでお前だけ帰れベルモット」
そんな事を言うと思わなかったあたしにとって
「ママが帰るならあたしも帰る」
「荷物は」
「ママのバイクで持って帰る」
「駄目だ」
駄目?
「お前は今日から俺と一緒だ」
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