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陣平君と来たのは東京駅。丁度よく氷帝の休みと陣平君の非番が重なったのだ
「歩いて駅まで行くのも新鮮だね」
「そうだな」
なんて話をしていると
「まぁSLなのはみかけだけ。中身は最新鋭のディーゼル機関車らしいけどね」
ゴホゴホと咳き込んでいる子までいるのは驚きだ
「あーー!松田刑事!女の人と一緒ですよ!」
「ほんとだ!夢姫おねーさんじゃない人と一緒にいる!」
「は?」「え?」
同時にそんな事を言われると思わなくて面食らったけど、クスクスと笑っていると
「もしかして」
「お前らは普段氷帝の制服を着てる夢姫しか見てねーからな。コイツは正真正銘の夢姫だ」
「嘘だろ!?」
「こんな綺麗な人だったんですか!?」
「ありがとう?」
マスクをしている子が恐らく風邪を引いているのだろう
「大丈夫?風邪薬ならあるけど」
「お前いつも持ち歩いてるのかよ」
「何かあった時用ね」
「「何かあった時用?」」
「コイツ、今はそんなんじゃねーけど季節の変わり目になるとよく風邪ひいてたからな。だからだろ」
ポシェットから風邪薬を取り出すと
「辛かったら飲むといいよ」
「あ、ありがとう。誰かさんの病原菌がしつこくって…」
「だったら家で寝てろよ」
「ガキンチョ共」そう聞こえて来たのはたまに行くポアロで見かける女の子たちで、何でも怪盗キッドが現れるかもっていう話らしい
一緒にいる陣平君の方を見た毛利さんたちは
「そう言えば警察も手を焼いているって」
「俺は管轄外だからな」
「そうなんですか?」
「あぁ」
「っていうか、京極さん怒るよ?ホントに」
「キッド様への愛は別腹なのよん」
別腹…?
「お前は気にしなくていい」
「あ、うん」
「ボクはそんな泥棒よりも」
!?
何時の間にか背後に来ていた男の子?に驚いていると
「毎回車内でやってるって言う推理クイズの方が気になるけどな」
「せ、世良さん…どうしてここに」
「ボクは探偵!乗るのは当然。…って君のパパは一緒じゃないのか?」
「あれ?さっきまで一緒にいたのに」
ふーん…って思っていると遠くで見慣れた人影があって
「陣平君」
「どうした?」
陣平君に耳元で「お兄ちゃんとヒロ君、いるかもしれない」と話すと「まさか」なんて返されて
気のせいならいいんだけど…
列車に乗って数分、乗客の中からランダムで犯人役と被害者役が選ばれる、事件が起きて他の乗客全員が探偵となるシステムの推理クイズらしい
「えー」
「お前に『犯人』なんて出来る筈がねぇだろ」
「そうかも知れないけど」
「諦めろ夢姫」
「はーい」
陣平君は外の方を歩いてくると部屋を出て行って個室の部屋の中で景色を見ていると丁度毛利さんたちも来ていて
「あら?」
「どうかしたの?」
「さっきまで一緒にいた男は」
男?
「あぁ、陣平君の事?」
「「陣平?」」
「松田刑事って下の名前、陣平って言うんですか?」
「そうだけど」
「え?あのガラが悪そうなのに、刑事なのか?あの人」
「悪かったな。ガラが悪くて」
「「!?」」
「お帰りなさい」
「あぁ」
ふんわりと匂っている子の匂いは
「タバコ、吸って来たでしょ」
「あぁ」
「「!?」」
「でもさ、君とは一度お話ししたかったんだよね」
ダヨネ?
「あぁ、ボクこれでも女だから」
「!?」
「やっぱそういう反応になるのか」
「いや、男の子にしては声が高いなと思っていたけど」
「そっか」
だけど、暫くして何かを察知したのか「誰だ!?」と慌てて部屋のドアを開けていたけど、誰もいなくて
列車の中にいる駅員さんの所に行くと
「遺体消失のトリックが解けた?」
ハハハと我っている駅員さんは
「今回の推理クイズはまだ出題されてないよ?」
「でもボク、こんなカード貰ったよ?」
「私たちもね」
そう見せていたカードを見た駅員さんは
「どれどれ?」と見ていたけど
「う~~ん…確かにいつもの指示カードと同じ様だけど、今回聞かされてたのはこんなトリックじゃなかったがねぇ」
「じゃあどんな」
「一体、どうなっちゃってんの?」
「こうなったら8号車に行って被害者役の客に聞いてみるしかなさそうだ」
「その前にオレ、トイレ!」
「ボクも行ってきます!」と元気よく言っていた子供たちとは裏腹に
「この列車…妙な気配しない?」
妙な気配?
「殺気だってるっていうか」
「そりゃオメー、クリスティの小説の読み過ぎだよ」
彼女たちの部屋に戻っても何もなっていなくて、あたしと陣平君の部屋に戻ると、チェーンロックが掛けられていて
「おじさーーん!寝てないでチェーンロック外してよ!」
中に人がいることは確かだけど、返事が聞こえない
「どうかしたの?」
「ソファーでうたたねしてるのよ。こめかみから血を流してまるで死んでるみたいにね」
「「!?」」
「どうせまた推理クイズのネタだろうけど…」
「ちょっとどいてろ!」
「「え?」」
隙間から匂って来る匂いが分からないはずがないだろうからなぁ
「硝煙の匂いだな」
「え!?」
ドアをバキっと強引に開けた陣平君
「すっげー!」
「また推理クイズですか?」
陣平君はおじさんの所に行っていて
「いや、マジで亡くなってやがる」
「!?」
「これってガチの殺人事件なの!?」
「ああ。誰かがこの親父のこめかみを拳銃で撃ち抜いてやがるな」
「で、でも、この部屋チェーンロックが掛かってたから」
「無理矢理鎖を引きちぎって入ってましたよね?自殺なんじゃ」
「いや。自殺にするならこめかみの銃創の周りに焦げ跡がねぇ。離れた位置から撃たれてる証拠だ。拳銃で自分の頭を撃つ場合、銃口は頭に密着させるはずだからな」
陣平君はおじさんの持っている銃を見ながら
「この手のタイプの銃はアイツの方が得意なんだけどな」
「「アイツ?」」
「拳銃の先にサイレンサーが付いてる。こんな長いものを頭から離して撃つなんて、無理がある。ようはライフルと同じだ」
「「!!」」
ライフル…
「確かにそしたらヒロ君の方が得意かぁ」
「だろ」
そう言えば、お兄ちゃんと一緒にいたような気がするけど、気のせいかな
なんて話をしていると
「あれ?あなたも乗ってたんですね!」
その言葉の先にいたのは
「マジかよ」
「安室さん!」
「ええ!運よくチケットを手に入れたんで」
そういたのは
「お兄ちゃん」
「ふふ。楓も乗っているとは思わなかったけどな」
「嘘つけ」
「さっき食堂車で毛利先生ともお会いしましたよ!」
「あなたこんなイケメンなお兄さんがいたの?」
「え?あぁ、まぁ…うん」
安室と名乗っているという事は、潜入捜査中だとう事になる
「それより、車内で事故があったそうですけど、何か聞いて」
「殺人事件だ」
まぁ名古屋までは止まらないという方向らしく
「近くには止まらないんだ?」
「みてぇだな」
「陣平君は捜査でしょ?」
「あぁ」
「出来るのか?」
「陣平君は刑事さんだし」
「確かにそう言っていたけど。しかも硝煙の匂いもすぐに分かるくらいだから」
「そら分かるだろーよ」
「「え?」」
「俺はもともと捜査一課の人間じゃねぇからな」
「だね」
そんな中で
「夢姫」
「お兄ちゃん?」
耳元で
「松田もいるし心配は無いにこしたことは無いだろうが、何かあればこの列車にはヒロも乗っているからな」
「やっぱり目が合ったのは間違いじゃなかったんだね」
「ヒロもそう言っていたがな」
立ち上がったお兄ちゃんを見ていると、「大丈夫だ」と言ってくれているようで安心していると
「夢姫」
「陣平君?」
「空いてる部屋狩りて休んでろ」
「そうですね。それがいい」
「「え?」」
「(なんで名前が違うのに、反応しているんだ)」
あたしの腕を引いたお兄ちゃんが、歩きだしたのと同時にあたしも歩きだして
「お兄ちゃん?」
「僕たちの部屋にヒロもいるから休んでろ」
「大丈夫なの?」
「問題ない」
少し離れた場所にあるお兄ちゃんの部屋には
「随分と早かった…な」
「悪いな、コイツ見ておいてくれ」
「そうだな。そうしよう」
なんて話をしているお兄ちゃんズは
「夢姫」
「ヒロ君?」
「無茶したな?」
「え?」
「少し横になってるといい」
開いているソファー側に横にしてくれたヒロ君
「なんでもお見通しだね」
「松田も分かってるから休んでろって言ったんだろ」
「そうか、やっぱり松田も乗ってるのか」
「あぁ。僕よりも先に夢姫の異変に気付いたのは松田だろうな」
「そうじゃなきゃ俺達も困るが」
「だな。じゃあ僕はまたこれから様子をうかがって来るよ」
「俺は待機している。決行の合図は寄こしてくれよ」
「あぁ」
お兄ちゃんが出て行ってヒロ君と2人でいると
「無茶するね夢姫」
「好きでした訳じゃない」
「知ってる」
しばらく横になっていると
「緊急連絡です!ただいま、当列車の8号車で火災が発生いたしました!7号車と6号車のお客様は、念のため前の車両に非難して頂きますようお願いします!」
「ここ、何号車?」
「6号車だ」
「じゃあ前に…」
「いや、行かなくて平気だ」
どういう事?
「俺達が夢姫に危害を加える筈がないだろう?」
そうかも知れないけど
「夢姫はここにいるんだよ?ちゃんと松田にはこの部屋にいることを伝えてあげるから」
そう言ったヒロ君は部屋を出て行って
「なんか別の人みたい…」
「いつだって俺は夢姫の味方であり続けるさ」
「?」
ヒロ君も出て行ってしばらくした後
「夢姫」
「じんぺー君だぁ」
「呑気だな」
「だって今ちょっと前までヒロ君もいてくれたもの」
「そうかよ」
