8
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
事の顛末を話したあたしに
「そう。でも」
「でも?」
「夢姫が着替えている間にその部分の前触れがあったかもしれないじゃない?」
「前触れ?」
「そう」
前触れ…か
「だって萩原さんにも『誤解がある』って言われたんでしょ?」
「うん」
「萩原さんの言うように、本当に誤解かも知れないじゃない。夢姫が聞いていたのがほんの一部かも知れないし」
ほんの一部…か…
「そうだったらいいな…」
「きっとそうだと私は思うけど」
「え?」
「じゃ無かったらあんなに迎えに来たり、心配したりそんな事出来る筈がないじゃない」
なんて話した数週間後、学校が午前中で終わりだと言う日に、ヒロ君も仕事を片付けるという事で警視庁の方に一緒に来たあたしは運が悪かったんだろう。佐藤さんじゃない別の刑事さんと一緒に歩いているのを見てしまったのだ
「夢姫?」
「え?」
なんて言った直後に「松田さぁん」っていう声が聞こえてきて
「どうかした?具合でも」
「大丈夫だよ。何でもない」
「そう?じゃあ行こうか」
「うん」
そう言ったあたしの声が陣平君には聞こえていたらしくあたしとヒロ君の方を見ていたなんて知らなかった。
公安部に入ると安定に女性職員の人たちから「あれかわいい」だとか「私の妹に欲しい」っていう声が広がっていて
「夢姫。騒がしいけど仕事をさっさと終わらせてくるから待っててくれ」
「うん。課題をしながら待ってるよ」
「助かる」
「こっちにおいでー」って言う女の人の隣の席が空いているらしく、そこに座って課題を広げると
「本当に高校生なのね」
「え?」
「諸伏君が『アイツは高校生だ』って言ってたのを思い出してね」
そうなんだ?
「ほら、最初に来た時中学生だと思われてたでしょう?」
「はい」
「だから諸伏君がそれを撤回させてくれてたのよ」
そうなんだ
「公安の刑事を変わり替わりで氷帝の護衛に配置する。そう言って来た時は意味が分からなかったのも事実だけど、そうよね。こんな可愛い妹じゃ護衛しとかなくちゃね」
きっと、そうじゃない。この刑事さんの言うこともあるのかもしれないけど、公安の刑事さんを護衛に付けたのは氷帝に通う前にされた誘拐事件がきっと関係してるんだろう
暫くして、まだ仕事が終わらないのだろうヒロ君を待つべく
「トイレに行ってきますね」
「え?あぁ気を付けてね」
隣にいる女の刑事さんに声をかけて席を立つと、トイレに向かうのに階段を上がっていると、急に腕を引っ張られて
「ひゃあっ」
「うっせ」
その声にも匂いにも安心感を覚えているのも事実だ
「じ…」
「なんで
「午前中で学校が終わりだったんだよ。そのままヒロ君と一緒に来ただけ」
「ふーん」
しばらくの沈黙の後
「お前、指輪は」
「学校に付けてちゃ駄目みたいだから外してる」
半分嘘で半分本当の事だ
「そうかよ。落ち着いたら会いに行く」
それだけ言って戻って行ってしまった陣平君
「なんだったの…」
取り合えずトイレを済ませて自販機で飲み物を買って公安部に戻ると
「遅かったわね?」
「知り合いに捕まってて」
「その人、煙草吸ってるでしょ」
!?
「なんで」
「匂いが付いてる」
陣平君の煙草の匂いが移っちゃったんだ
「自分じゃ気付かなかったです。凄いですね」
「結構なにおいよ?」
そんなに匂いが移ってるんだ…全然気づかなかった…というか多分あたし自身にこの匂いの耐性がついちゃってるんだ
ヒロ君が仕事が終わるまで進めていようとシャーペンを盛って数時間。
==
「悪い待たせた」
「しー」
そう言った女の刑事の隣では、氷帝の課題をやっていたのだろう。広げてシャーペンを持ったまま眠っている。
学校自体は相変わらずPCで行っているが、夢姫は自分でする課題の復習はノートに書き写していることが多い。まぁ、それを見ることが多いのは専ら俺なんだが
「寝ちゃったのか」
「そうみたいです」
「珍しい事があるもんだな」
「そうなんですか?」
「あぁ。夢姫は元々知らない場所で甲やって寝るような子じゃないからな」
「そうなんですね」
「キミには恐らく気を許せると思ったんだろう。
「あ、はい」
夢姫を起こすのは至難の業だが、この中は警視庁。知って居る人間は少なからずいる訳だが
俺が抱えると、荷物を鞄の中に入れてくれた職員に礼を伝えると、「また会わせてくれたらそれでいいですよ」なんて言ってくれたことには感謝でしかない
警視庁の駐車場に着くと、煙草を吸っている松田の姿があって
「お前も今終わったのか」
「いや、少し前だ。徹夜続きでな。今日は帰れって言われて夢姫がいたのを思い出したから待ってたんだけどよ」
「悪いな。夢姫は既に夢の中だ」
はぁとため息をついた松田に
「久々に会えたと思ったらもう寝てんのかよ」
「あぁ」
「そう言えば、神奈川から帰って来てから夢姫の様子が変なんだけど」
「変っちゃ変だよな」
「ん?」
「お前と一緒に居ても普段俺の所に来るはずの夢姫が来ねぇでそっちに行ったりだとか、ついこの間買ったばかりの指輪もしてねぇ」
「そう言えばそうだね」
「お前たちなら何か」
「今日の朝は付けて無かったな」
「それまではあったって事だろ」
「あぁ」
「家かもな」
確実に家にはある。夢姫が自分のドレッサーの中に入れていたのも確認を取っている
「そうかよ」
「一課の状態は」
「駄目だな。仕事が追い付かねぇくらいに今は忙しい」
「へぇ」
まぁ、半分くらいは公安の案件なんだが
「松田」
「んだよ?」
「良いことを教えてやるよ」
「あ?」
犯人が捜査一課の中にいることは大分前から掴んでいた事実だ
「お前、それ本気で言ってんのか」
「あぁ」
「犯人が捜査一課の人間だって」
「本当の事だ。公安の刑事がソイツが入っていく所を黙視している」
「だがなんで公安であるお前がその情報を俺に言う必要がある」
「自分で考えたらいいんじゃないか?」
歩きだした俺の腕を掴んだ松田は
「そもそもこの案件は捜査一課の案件じゃねぇだろ」
「だとしたらどうなる」
「なんでそんな案件を捜査一課に回して来た」
「夢姫のためだよ」
「なんでそこに夢姫が出てくる」
「夢姫と、お前のためだよ松田」
それだけ言うと今度こそ車に乗り込んだ俺は
「まったく。素直じゃないんだからな2人揃って」
きっとあれだけのヒントをたたき出したんだ。松田の行動は早いだろうな
==
「ちょっと松田君!どこに行くって言うのよ!?」
「昨日の夜にタレコミがあったんだよ」
「「タレコミ…ですか」」
「あぁ。捜査一課の中に犯人がいるってな」
「え?」
「えぇ!?」
驚き方は三者三様。諸伏の言ってきたことが事実なら、今日非番でいないアイツかもしれないが
「捜査一課の人間が変な場所に入っていくのを見てる奴等がいんだよ」
「奴等?」
「あぁ。公安部の人間がな」
「じゃあこれって」
「そもそも俺達の扱いじゃねぇ。公安の扱いの事件だろうよ」
「でもなんで公安の扱いの事件が捜査一課に回されたんでしょう」
「さぁな」
考えられるのはゼロだ。アイツは公安の警部だ。それなりの事案も関与しているだろうからな
「一体…」
「なんとなく分かんだけどよ。さっさとこんな下らねぇ事件終わらせねぇと」
高木と白鳥はまだ分かっていない様だが、なんとなく佐藤は分かったようで
「昨日の事が関係しているんでしょ」
「それだけじゃねぇんだよ」
それだけじゃねぇんだ
「それだけじゃないって」
「交際届出して、アイツと同じ指輪ハメてんのになんで女が寄ってくんだよ」
ハッとしたのは高木と白鳥だ。高木は既に佐藤との交際届も出してるくらいだ。誰も寄ってくるはずがねぇ
「確かに指輪をしてれば、松田君に彼女が出来た、もしくは結婚をしたと思うわよね」
「でも彼女はそれに気づいていたかどうか」
「さぁな」
なんて思っていた矢先
「あ?」
「誰の」
「俺のだ」
送り主はゼロ。そんでもって「成程な、そういう事かよ」とつぶやいた俺に
「何が『成程』なんです?」
「アイツとの交際届、受理したフリして捨ててやがったらしい」
「じゃあ総務課の子とあの子の接点って何よ?」
「同期ではないですしね」
「ただの同僚なら、なにかなければ手を貸す理由もない」
「そうよね」
だが、そうやって調べる?伊達にしたって今日は非番にしているから声はかけられない
「松田?」
「「!?」」
「え…と貴方は」
「昨日ぶりだな諸伏」
「あぁ」
「夢姫は」
「学校に行ってるよ。昨日の俺からの発言からの進展は」
「まだなんも。ただな」
「ただ?」
「松田さん!?関係者じゃない人に…」
そう言った高木に
「悪いな。俺も刑事なんだ」
そう見せたのは確かに警察手帳で
「え?でも見た事」
「コイツ、公安だからな」
「は!?」
「出したっつったろ?夢姫との交際届」
「言ってたな」
「あれを受理しねぇで捨ててやがったんだよ。総務課の奴が」
「へぇ。だから言ったじゃん。早めに出しとけよって」
「そうだな」
「あ、あの…」
「ん?」
「よく内容が」
「俺とコイツは同期で同僚。なんなら夢姫の兄貴替わりもしてる男だ」
「は?」
「昨日言った捜査一課の子は」
「まだ出て来やしねぇ。寧ろ本当にいんのか」
「いるな」
「マジかよ。すぐに調べ上げてやるよ」
「でもなんで公安案件のこの事件を捜査一課に」
「ちょっとな」
スマホで何かを調べているんだろう諸伏はあっと言う間に調べ上げていて
「コイツ知って居るか」
